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令和 2年12月第6回定例会(第2号12月 8日)

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  1. 水俣市議会 2020-12-08
    令和 2年12月第6回定例会(第2号12月 8日)


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    最終取得日: 2023-01-01
    令和 2年12月第6回定例会(第2号12月 8日)            令和2年12月第6回水俣市議会定例会会議録(第2号) 令和2年12月8日(火曜日)                  午前9時30分 開議                  午後3時41分 散会  (出席議員) 16人 岩 阪 雅 文 君       田 中   睦 君       平 岡   朱 君 髙 岡 朱 美 君       渕 上 茂 樹 君       木 戸 理 江 君 小 路 貴 紀 君       桑 原 一 知 君       杉 迫 一 樹 君 藤 本 壽 子 君       岩 村 龍 男 君       田 口 憲 雄 君 谷 口 明 弘 君       真 野 頼 隆 君       牧 下 恭 之 君 松 本 和 幸 君  (欠席議員) なし  (職務のため出席した事務局職員) 5人 事 務 局 長 (坂 本 禎 一 君)  主     幹 (関   洋 一 君) 議 事 係 長 (中 村 亮 彦 君)  参     事 (前 垣 由 紀 君) 主     事 (岩 本 伊 代 君)  (説明のため出席した者) 16人
    市     長 (髙 岡 利 治 君)  副  市  長 (小 林 信 也 君) 総務企画部長  (堀 内 敏 彦 君)  福祉環境部長  (一期﨑   充 君) 産業建設部長  (城 山 浩 和 君)  教  育  長 (小 島 泰 治 君) 総合医療センター事務部長         (松 木 幸 蔵 君)  産業建設部次長 (本 田 聖 治 君) 教 育 次 長 (前 田 裕 美 君)  上下水道局長  (岩 井 昭 洋 君) 総務企画部市長公室長           総務企画部総務課長         (永 田 久美子 君)          (梅 下 俊 克 君) 総務企画部企画課長            総務企画部財政課長         (設 楽   聡 君)          (岡 本 夫美代 君) 教育委員会教育総務課長          教育委員会スポーツ振興課長         (赤 司 和 弘 君)          (緒 方 卓 也 君)         ────────────────────────── 〇議事日程 第2号       令和2年12月8日 午前9時30分開議 第1 一般質問 1 谷 口 明 弘 君  1 水俣市の財政状況について              2 令和3年度当初予算編成方針について              3 光インターネット回線の整備について              4 企業誘致活動について              5 地上デジタル放送共同アンテナ受信設備改修について 2 松 本 和 幸 君  1 風力発電事業計画について              2 介護職員の処遇改善について              3 水俣川河川改修について              4 丸島江添川の計画について 3 田 中   睦 君  1 コロナ禍における学校現場の状況について              2 学校給食の安全性と地産地消の推進について              3 森林伐採の現状について              4 水俣病問題について              5 映画「MINAMATA」について 4 平 岡   朱 君  1 多様な「性」を生きる人たちが暮らしやすい社会の実現について              2 小学校運動部活動社会体育移行後の課題について              3 再生可能エネルギー100%のまちづくりについて              4 水俣病問題について         ────────────────────────── 〇本日の会議に付した事件   議事日程のとおり         ──────────────────────────                                   午前9時30分 開議 ○議長(岩阪雅文君) ただいまから本日の会議を開きます。         ────────────────────────── ○議長(岩阪雅文君) 日程に先立ち、諸般の報告をします。  監査委員から、令和2年10月分の一般会計、特別会計等の例月現金出納検査の結果報告があり、事務局に備え付けてありますので、御閲覧願います。  次に、本日の会議に地方自治法第121条の規定により、赤司教育総務課長緒方スポーツ振興課長の出席を要求しました。  本日の議事は、議席に配付の議事日程第2号をもって進めます。  以上で報告を終わります。         ────────────────────────── ◎日程第1 一般質問 ○議長(岩阪雅文君) 日程第1、一般質問を行います。  順次質問を許します。  なお、質問時間は、答弁を含め1人70分となっておりますので、そのように御承知願います。  初めに、谷口明弘議員に許します。    (谷口明弘君登壇) ○(谷口明弘君) 皆さん、おはようございます。真志会の谷口明弘です。  今回からこのように目の前にコロナ対策がされて、初めて見ますけど、なかなか視界がよろしくないようで、テレビ映りはどうなのかなというふうなことも気になるところでございます。マスクを外していきます。  コロナ禍の中ですが、多くの市民の皆さんや企業、事業者の皆さんが大変な思いをされていらっしゃることに深く心を痛めております。  最近では、お亡くなりになっても、近親者のみで葬儀を行われる場合が多く、お世話になった方との最期の別れができなかったり、後で知ったりと、個人としても、また議員としても礼を欠いたことをしていないかと反省するばかりです。  先日、お世話になった方がお亡くなりになっていたことに広報みなまたを見て知りました。遅ればせながら、お線香をあげに伺ったときに、奥様から、明弘さん、お父さんも最期のときは自宅でみてあげなっせ。今は入院させると看病もできんし、最期に立ち会えんこともある。本人にとっては辛かし、家族にとっても後悔残るけんと涙ながらにおっしゃいました。91歳になり、パーキンソン病を患う私の父、つい昨日も家の中で転倒して、病院に担ぎ込むという場面もありました。幸い、大したけがではなかったんですけれども、一日でも長く生きてもらいたいと思うのですが、最期をどのように迎えさせてあげられるかと、家族としっかり考えなければならないと思う出来事でした。  新型ワクチンの話題が徐々に出始めてまいりましたが、コロナウイルスが完全になくなるわけではなく、特効薬が開発されるまでの間はいつまでこうした状況が続くのか、不安が残りますが、人類は必ず、この困難を乗り越えられるものと信じております。  それでは、質問に入ります。  大項目1、水俣市の財政状況について。  本年度、水俣市は新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大、7月豪雨災害などの天災に見舞われる中、市民の命と生活を守るべく、これまで数回の補正予算を組んで対応してきました。今後も次から次にやってくる災害に必要な施策を打つために財政出動は行っていかなければなりません。  しかしながら、水俣市の財政調整基金残高は、近年、大きくその額を減らしており、現状下で適時適切に必要な施策が打てるのか疑問を感じているところです。経常収支比率が100%を超過している旨の新聞報道も目にし、大変心配しております。  先日、広報みなまた12月号が各家庭に配布されました。まず、目についたのが髙岡市長からのメッセージでした。  そこには、水俣市の現在の財政状況について大変厳しい状況であり、将来の水俣市存続のために、令和3年度から財政健全化へと方向転換する1年目とありました。我々議員も、水俣市の財政事情は大変厳しいものと認識していますが、本日の一般質問で、広報みなまたでは書き切れなかった髙岡市長の現状認識と今後の方針について明らかにしていただけたらと思い、以下2点質問します。  ①、現在の財政状況をどのように認識しているのか。  ②、現在に至った経緯とその原因についてどう考えているのか。  大項目2、令和3年度当初予算編成方針について。  大項目1で把握した財政状況を踏まえて、①、令和3年度当初予算はどのような方針に基づいて編成するのか。市長の決意や市民、各団体、企業に対してお願いすべきこと、市役所職員に求めることなどあれば率直にお答えください。  大項目3、光インターネット回線の整備について。  私も光インターネット回線の市内全域への整備については、これまでも一般質問の場で取り上げてきた経緯もありまして、ついに実現するのかと感慨深いものがあります。水俣市における光ブロードバンド光インターネット回線は、平成14年からサービスが開始されたと聞いています。しかし、その整備範囲は、現在も市内全域には及んでおらず、葛渡地区や久木野地区、湯出地区などでは、ADSL回線しか利用できない状況にあります。これまで、光インターネット回線市内全域整備については、住民から議会への陳情もありましたが、厳しい財政状況もあって見送られてきたものと考えます。  そこで、以下2点質問します。  ①、整備着手に至った経緯は何か。  ②、整備範囲(未整備地区)と今後のスケジュール(事業完了時期など)はどのようになっているのか。  大項目4、企業誘致活動について。  昨年9月議会直前にサン・エレクトロニクス株式会社の事業撤退が発表され、私も昨年の9月議会で従業員の再就職についてのサポートや水俣市の支援体制などをお聞きしたわけですが、その後の従業員の再就職状況など気になっております。  また先日、サン・エレクトロニクス建屋跡に、新たな企業の進出が決まったという話題もありまして、改めて、水俣市の企業誘致活動について、以下3点お尋ねします。  ①、サン・エレクトロニクス従業員の再就職状況はどのように把握しているのか。  ②、サン・エレクトロニクス建屋及び跡地の利用と今後の見込みはどのようになっているのか。  ③、水俣市の企業誘致活動状況について、その他の事例はあるのか。  大項目5、地上デジタル放送共同アンテナ受信設備改修について。  平成23年ごろ、国の方針で、テレビ放送はアナログ放送からデジタル放送に変わりました。ほとんどの家庭では、地デジ対応のテレビに買い替えましたが、テレビを買い替えるだけでは地デジを見ることができない難視聴地域という存在を御存じでしょうか。テレビを見るには電波を受信しなければなりません。しかし、山間部の地域では、家庭用のアンテナでは、電波を受信できず、中尾山中継局から発せられる電波を受信できるように家から遠く離れた丘の上にアンテナ設備を立て、そこから家庭のテレビまで何本も電柱を経由して、ケーブルを引かなければならない地域が存在します。地デジに移行した平成23年頃には共同アンテナ受信設備を設置するときに国や市から補助金をもらいましたが、それから10年が経過し、電柱や電線の補修、交換など、数十万円単位でお金がかかります。1世帯ではとてもそういうお金が工面できないので、難視聴地域では数件で組合をつくり、毎月お金を積み立てて、台風などで破損したり、経年劣化で老朽化した共同アンテナ設備、電柱などを維持管理しています。近年は特に大雨や台風が頻発し、そのたびに電柱が折れたり、電線が切れたり、維持補修費の増大は共聴組合の悩みの種となっております。  共聴組合の方々から、地デジ開始時に補助金をいただいて共同アンテナを建てたが、維持補修に関しても財政面で、何とか助けてもらえないかとの相談があり、今回の質問となりました。  そこで、以下2点質問します。  ①、現在、地上デジタル放送用共同アンテナ受信設備を設置・運営している共聴組合と共聴組合ごとの構成戸数は把握しているか。  ②、国の方針で地上デジタル放送に完全移行となった平成23年前後に、難視聴地域の解消を図るために各共聴組合に公布された補助金は幾らか。  以上で、質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 答弁を求めます。  髙岡市長。    (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 谷口議員の御質問に順次お答えします。  まず、水俣市の財政状況について、令和3年度当初予算編成方針については私から、光インターネット回線の整備については総務企画部長から、企業誘致活動については副市長から、地上デジタル放送共同アンテナ受信設備改修については総務企画部長から、それぞれお答えします。  初めに、水俣市の財政状況について、順次お答えします。  まず、現在の財政状況をどのように認識しているかとの御質問にお答えします。  本市の財政は、今、非常に厳しい状況にあると認識しております。本市の経常収支比率は100%を超過しております。これは、本市の財政構造が経常的収入で経常的費用を賄えていないということを意味しており、通常の業務を行うレベルで既に財政調整基金を取り崩さないとやっていけない状況にあります。  また、財政調整基金残高は、令和元年度末時点で約5億5,000万円まで減少しております。このままでは、遠くない将来、財政調整基金はおろか、減債基金、公共施設整備基金も枯渇し、通常業務を普通に行っていけない状況に追い込まれることになる可能性もあります。本年度は、新型コロナウイルス感染症対策、7月豪雨災害対策のため、数次にわたる補正予算を調整し、本年度の予算は、過去最大の約220億円規模となっておりますが、新型コロナウイルス感染症対策については、国が地方創生臨時交付金を交付し、7月豪雨災害は激甚災害に指定されたこと等により、本年度末の財政調整基金残高は約5億円となる見込みで、何とか踏みとどまっているところです。  次に、現状に至った経緯とその原因についてどう考えているのかとの御質問にお答えします。  本市は、最盛期は5万人超の人口を擁しておりましたが、過疎化、少子高齢化の進展により、現在は、当時の半分以下にまで減じており、今では、県下でも最も小さな市となっております。
     本市の財政がここまで深刻な状況に陥った原因は、人口減に伴う地方税、地方交付税等の収入減、少子高齢化の進行に伴う義務的経費の増大等に対応した行政のダウンサイジングを適切に行ってこなかったためであると考えております。  本市の財政悪化は、10年も前から始まっていました。本市は、平成22年度までは、財政健全化の取り組みを厳しく進め、健全財政を保っておりましたが、リーマンショックの影響で社会経済が混乱する中、見通しの甘い財政運営が行われ続けた結果、平成22年度は127億円であった本市の予算規模は、2年後の平成24年度には141億円に、そして平成28年度には154億円へと大きく膨らんでいきました。本来であれば、新たな事業を実施する場合には、目的が達成された他の事業を廃止・縮減するなどして財源を捻出する必要がありますが、必要かつ有効な改革が行われることなく、前例踏襲により漫然とした財政運営が行われ、事業を拡大し続けていった結果が、今であると認識しております。  しかしながら、私が市政を預かって以降、本市の財政が非常に深刻な状況にあることを知り、全事業を対象とした事業見直しを行うよう指示して、財政健全化を目指して、懸命な努力を続けているところであります。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) 水俣市の現在の深刻な財政状況、そしてここに至った過去からの経緯は理解することができました。話を伺うにつけ、水俣市の財政健全化は急務であると強く感じます。  しかしながら、それほど財政状況が厳しいと認識されているのにこれまでの市長が見送ってきました小中学校エアコン設置事業環境クリーンセンター煙突解体工事など、髙岡市長御自身が大型事業を実施するようになったのはなぜなのでしょうか。事業実施の判断に至った理由をお尋ねします。  また、市長は、10年来の悪化した水俣市の財政をこれからどのように立て直していくつもりか、その見通しをお尋ねします。  以上、2点。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 谷口議員の2回目の御質問にお答えいたします。  このような厳しい財政状況の中に小中学校のエアコンの設置であるとか、クリーンセンター煙突解体工事、こういった大型事業をどうして行うのかという御質問と、もう一点は、この10年来の悪化した市の財政をこれからどのように立て直していくのかという御質問であったかと思います。  私が市政を引き継ぎましたときに、既に本市の財政状況は先ほど申し上げましたように大変深刻な状況になっておりました。そして何年も先延ばしにされてきた多くの事業が山積して残されており、その中には市民の、とりわけ子どもたちの命や健康に関わるものもございました。  令和元年度に実施しました小中学校のエアコン設置事業や本年度に実施予定の環境クリーンセンター煙突解体工事がまさにそれであります。  地球温暖化が叫ばれ、年々夏場の教育環境が悪化し続ける中、私は子どもたちの命と健康を守るための小中学校へのエアコン設置事業を財政悪化を理由にこれ以上先延ばしにすることはできないと判断をいたしました。  また、17年も前に廃止をされて、そのまま放置され続けてきた環境クリーンセンターの煙突には、ダイオキシンやアスベストが大量に含まれております。地震や台風により、もし煙突が倒壊したら、環境中にそれらがまき散らされることになります。行政が先延ばしにしてきたことによりまして、市民の健康が脅かされることになるのは絶対にあってはなりません。  残念ながらこれまで先延ばしにされ、無責任に放置され続けてきた数々の事業の中には、市民の命と健康を守るために何年も前に率先して実施されなければならなかったはずの事業がいまだ残されております。  私はたとえさらなる財政の悪化を招いたとのそしりを受けることがあっても、これまで、そしてこれからも市民の命と健康を守る事業の実施をちゅうちょすることなく実施していきます。これを実施しながら、財政健全化を実施しなければならない、そしてそれは決して容易なことではないと考えております。  公債費、扶助費等の義務的経費の増大を行政のダウンサイジングで吸収する必要がありますが、それは困難を極める作業となります。ハード面でダウンサイジングを図るには、施設の整理・統合が不可欠であります。また、ソフト面においてもダウンサイジングを図るためには、補助金等の削減を図らなければならないこととなります。  しかし、私は、将来の子どもたちに健全な水俣の未来を引き継ぐために、令和3年度当初予算を財政健全化に向けて方向転換する予算と位置づけ、全力を尽くす所存でございます。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、令和3年度当初予算編成方針について、答弁を求めます。  髙岡市長。    (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 次に、令和3年度当初予算編成方針についてお答えします。  令和3年度当初予算をどのような方針に基づいて編成するのかとの御質問にお答えします。  令和3年度当初予算は、以下の3つの柱を基本方針として編成します。  第1の柱は、「人命を守ることを第一とする予算編成」を行うというものです。  近年頻発している大雨や台風などの大規模災害から人命を守ることを第一とする予算を編成します。厳しい財政状況から、普通建設事業の実施は、大幅に制限せざるを得ません。実質的に事業が始まっていない新規の大規模事業の実施は、原則として、先送りを検討します。しかしながら、その中にあっても、遅延することにより人命が損なわれることにつながることが懸念されるものについては、優先的に予算を配分し、速やかに実施できるように努めます。  第2の柱は、「重要プロジェクトの推進」です。  本市は、平成28年熊本地震により被害を受けた庁舎の建替え事業、南九州西回り自動車道建設に伴う袋インターチェンジ建設事業水俣川河口臨海部振興構想、物産館構想など、複数年にわたって遂行する必要がある大規模な重要プロジェクトを抱えています。  厳しい財政状況の中ではありますが、これら大規模な重要プロジェクトは、中止、または延期することにより、これまで投下された資金が無駄になり、また、後年においてさらに大きな支出を要することにつながります。市民の代表機関である議会の議決を経て、既に着手しているこれら重要プロジェクトについては滞りなく推進してまいります。  そして第3の柱は「財政健全化への方向転換」です。  令和3年度当初予算においては、本市の財政が持続可能な水準まで回復することを目指して、予算要求基準を設定の上、歳入歳出を徹底して見直した予算を編成します。  令和3年度は、財政健全化へと本市の財政を方向転換する予算と位置づけ、一般財源充当額ベースで、令和2年度当初予算に対して5%の削減を目指します。  そのために、義務的経費や法定経費等の削減できない経費を除いた対象経費に、対令和2年度当初予算一般財源充当額基準で、80%のシーリングを設定し、事務事業の選択と集中に取り組んでまいります。  なお、本市がシーリングを設定して予算編成を行うのは、平成17年度以来となりますが、その折の設定は95%でした。このたび設定した80%というシーリングは、本市始まって以来の厳しい水準であり、並大抵のことで達成できる水準ではありません。  私は、本年度の予算編成に際しては、全ての事業において、聖域を設けず、その費用対効果を図り、ゼロベースで見直すよう職員に指示しております。今なすべきことをやらずに、財政破綻という暗い未来を、将来の子どもたちに引き継ぐようなことがあってはならないと考えます。この一心で、財政健全化に不退転の決意で全力で取り組んでまいります。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) 市長の決意と今後の財政健全化への困難な道のりについて、十分に理解することができました。  私としては、なぜこれまでの歴代の市長が、事ここに至るまで、財政状況を放置し、事業の先延ばしを行ってきたのか、やるせない思いが残ります。適時適切に施策を講じていれば、本市の財政はここまで深刻な状況に陥ることはなかったはずです。  新型コロナウイルス感染症の流行が第3波となり拡大し続けて、収束する気配が見えない中、本来であれば、平時に蓄えた財政調整基金を用いて、市民の命と健康、そして暮らしを守る施策を果断に打たなければならないときであるのに、じくじたる思いであります。  しかし、髙岡市長が、困難を極める財政健全化を成し遂げ、歴代の市長から引き継いだ負の遺産を強い意志で明るい未来を受け継ぐべき子どもたちへと健全な状態にして引き継ぐという強い決意を伺い、エールを送りたいと思います。  市の職員の皆さんも、髙岡市長の掲げる財政健全化の旗の下、一致協力して取り組んでいただきますようお願いします。  市民の皆さん、各種団体の皆さんには、来年度以降、何らかの御不便が生じるかもしれませんがどうか現状を御理解いただき、御協力をお願いします。  ここにお集まりの議員の皆さん、財政を健全化するには、歳出を減らすか、歳入を増やすしかありません。歳出を減らすのには痛みを伴いますし、歳入を増やすために容易に増税するなど論外です。しかしながら、企業誘致などによって固定資産税を増やすことは可能です。  例えば、現在風車建設反対といった看板を目にするようになりました。藤本議員ら熱心に建設反対の運動をされているようですが、現実に目を向けると、風力発電の風車1基当たり20年間で約5,000万円から1億円の固定資産税が見込めるとの試算もあります。10基あれば10億円です。これほどの税収をほかにどうやって賄う方法があるでしょうか。不安をあおるばかりでなく、建設に賛成する住民や企業側の言い分もしっかり聞いて、不安を感じる住民との合意点を見出す努力も必要ではありませんか。  人間のすることですから、リスクがゼロであるとは思いません。不安を感じている人は確かにいるでしょう。それらの意見に寄り添う議員もいて当然だと思います。しかしながら、ほとんど風力発電に知識もない市民に対して、企業側の説明会もこれからという段階で一方的に不安をあおる行動をとることには疑問を感じます。  風力発電所が危険だというなら、なぜ長島町や西原村を初め、日本各地で風力発電所が建設されているのか。日本風力発電協会発表の資料によれば、2019年末時点で大小合わせて474発電所、2,518基の風車が稼働しているそうですが、これらで健康被害が出ているというのなら、なぜ大きなニュースにならないのか。いずれにしても、市民には、メリット・デメリットを含め、正確な情報を提供して判断してもらうことが大事であると思います。  議員おのおのが何を一番重視して判断するかは、自由ですが、私はこの件に関して財政状況が厳しい折、財政を健全化して、将来この水俣市を背負う若者や子どもたちに残すには、どうやって市民に負担をかけずに歳入を増やすかという観点も重視していこうと思っております。  少し脱線しましたが質問に入ります。2点あります。  1点目、我々議員も市民から負託を受け、この場に立っております。財政状況が厳しいことは理解しておりましても、市民から受けた相談はそのままにはできません。場合によっては、厳しい注文も言わなければならないのです。それは、市長も議員時代に経験されてよくお分かりのことと思います。それを踏まえまして、議会に対して、または議員に対して言っておきたいことがあればお願いします。  2点目、ちょうど今は来年度予算の査定を行う時期だと思います。市長の思いを正確に反映させるためにも職員に対して伝えたいことがあればお願いいたします。  以上2点。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 谷口議員の2回目の御質問にお答えいたします。  先ほど来、申し上げておりますように大変本市の財政状況は厳しいということでございますけれども、これは私どもだけが努力をしてもなかなか解決できる問題ではございません。今おっしゃいました議会に対してということでございますけれども、議会の皆様におかれましても、この難局を乗り越えて、財政健全化を成し遂げ、本市の明るい未来を子どもたちに引き継ぐことができるようにどうかこれからも御協力をいただきますようお願い申し上げたいというふうに思っております。  また、職員に対しましても、この大変厳しい財政状況の中、市民の皆様のために少ない予算で最大の効果を発揮できるような創意工夫をして、令和3年度当初予算編成に取り組んでいってもらいたいというふうに考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、光インターネット回線の整備について、答弁を求めます。  堀内総務企画部長。    (総務企画部長 堀内敏彦君登壇) ○総務企画部長(堀内敏彦君) 次に、光インターネット回線の整備について、順次お答えします。  まず、整備着手に至った経緯は何かとの御質問にお答えします。  光インターネット回線については、これまでも事業化を検討してきましたが、総務省の「高度無線環境整備推進事業」による補助金を活用してもなお約3億円の一般財源による事業費を要することから、厳しい財政状況の中で見送られてきたという経緯があります。  今年度は、国の第2次補正予算において、光インターネット回線の整備についても新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象とすることとされたことから、財源が確保できることとなり、事業着手に至りました。  次に、整備範囲と今後のスケジュールはどのようになっているのかとの御質問にお答えします。  整備範囲については、光インターネット回線が未整備であった湯出、久木野、葛渡の3地域を対象に整備を行います。これにより、事業者が提供する光高速インターネットサービスを市内全域で利用することができるようになります。今後のスケジュールにつきましては、令和3年度中に回線整備が完了いたします。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) それでは、2つ質問します。  ①、今回、事業化をするに当たって、総事業費はどのくらいかかる予定なのか。  ②、その財源の内訳をどのように見込んでいるのかお尋ねします。 ○議長(岩阪雅文君) 堀内総務企画部長。 ○総務企画部長(堀内敏彦君) 谷口議員の2回目の御質問にお答えいたします。  1点目の今回、事業化するに当たっての総事業費はどれぐらいかにつきましては、この事業は総務省の高度無線環境整備推進事業補助金を活用して実施いたします。回線整備にかかる費用総額はおよそ5億5,500万円であり、このうち約1億1,500万円は総務省事業による補助金として受託事業者に直接交付されます。事業者がサービス提供による見込む収入を基に負担する約1億4,400万円を除き、残る約2億9,600万円を市から事業者への補助金として負担いたします。  次の2点目のその財源の内訳の見込みにつきましては、財源としましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金により、約1億5,800万円、過疎対策事業債により約1億3,800万円を充てることとしております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) 今回、市内全域で光インターネットサービスが利用できるようになることで、インターネットを通じた様々なサービスを受け、情報を発信できる環境が整うことになります。  今議会初日に、一般会計決算委員長の小路議員が述べられた意見要望の中に、観光入込客を増やす手段としてSNSの情報発信が有効である。そのためには、市内の観光スポットや主要箇所にFreeWi-Fiスポットのインフラ整備が必要とありました。いわゆるインスタ映えやYouTuberが水俣を訪れたくなるような仕掛けが大事だということです。  また、コロナ禍で注目されたリモートによる遠隔授業などで、学校が閉鎖されたときの対応などでは自治体間で大きな格差が見られました。もちろん水俣市ではまだ、スタートラインにも立てておりませんが、ようやく市内全域に光インターネット回線が整備されることで、まさに光が見えてきました。  水俣市としてもこれを機にICTをフル活用していただきたいものですが、現時点でこれらをどのように活用していくお考えか、お尋ねします。 ○議長(岩阪雅文君) 堀内総務企画部長。 ○総務企画部長(堀内敏彦君) 谷口議員の3回目の御質問にお答えいたします。  今回、市内全域で光インターネットサービスが利用できることになること、これらを踏まえて今後、水俣市としてどのようにこれらを活用していくかとの御質問だったかと思います。  光インターネット回線が市内全域に整備されることは、高速なインターネットサービスが生活インフラとも言えるほどに普及した現代において地域が今後も持続的に発展していく上での大きな懸念の一つが払拭されることであると考えております。  生活家電を用いた家族の見守りサービス等の活用や観光客のみならず、地域住民によるSNS等を通した情報発信によって地域の魅力・活力を高める可能性を秘めております。  教育分野においては、国が推進するいわゆるGIGAスクール構想に基づく学校ICT教育のための環境整備を本市の全小中学校で進めています。市内の全小中学校のうち4校は、光インターネット回線未整備地域に立地していますが、今回の事業により市内全ての小中学校で同等のICT教育環境が整うこととなります。また、産業分野においては、高速通信が可能な光インターネット回線は、様々なICT技術活用の基盤となるものであり、サテライトオフィスやワーケーションといった新しい働き方にも対応できる基盤が整うことを踏まえ、従来の企業誘致に加え、IT企業や情報サービス業等の誘致にも力を注ぎます。  このほか、農業ICT、防災情報の高度化・円滑化、医療分野における遠隔診療等、あらゆる分野で活用の可能性があります。市としましても、今後積極的な活用に努めてまいります。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、企業誘致活動について、答弁を求めます。  小林副市長。    (副市長 小林信也君登壇) ○副市長(小林信也君) 次に、企業誘致活動について順次お答えします。  まず、サン・エレクトロニクス従業員の再就職状況等はどのように把握しているのかとの御質問にお答えします。  担当課である経済観光課では、サン・エレクトロニクス株式会社と随時、情報共有を行っておりますが、11月30日現在の再就職状況をお聞きしましたところ、パート従業員も含めた114名の従業員のうち、再就職が決まっている方の数は80名と伺っております。その他の方々については、年内までの残務整理に従事されている方も含め、引き続き再就職活動を行われているとのことです。  なお、現在再就職が決まっている80名のうち、水俣市や八代市以南、出水市など通勤圏内に再就職されている方の数は62名であると伺っております。  次に、サン・エレクトロニクスの建屋及び跡地の利用と今後の見込みはどのようになっているのかとの御質問にお答えします。  同社の跡地の利用については、10月27日に本市と立地協定の調印を行いました株式会社アスカインデックスが施設の一部を賃貸借し、来年4月から半導体製品向けのバンプ及びメッキの試作開発や成膜の受託事業を実施される予定となっており、現在、来年4月の操業開始に向けて、施設の改修等を行っておられます。  また、今後の見込みについてですが、施設内には、まだ余剰スペースが残っており、現在、そこへの入居について前向きに検討されている企業がありますので、本市では、施設を管理しているJNC株式会社にも御協力をいただきながら、本市に立地していただけるよう協議を重ねているところです。  次に、水俣市の企業誘致活動状況について、その他の事例はあるのかとの御質問にお答えします。
     本市における企業誘致については、サン・エレクトロニクス株式会社の跡地への立地以外においても、現在、担当課である経済観光課では複数の企業とコンタクトを取りながら市内の適地を紹介し、立地に向けた協議を行っております。加えて、市長も自ら企業を訪問し、代表の方と直接お話をさせていただくトップセールスも行っており、本市への立地を実現していただくよう、積極的に誘致活動を行っているところです。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) 商工観光課に調べていただいたところ、就職が決まった80名の中の10名程度は単身赴任で熊本県の合志市や大牟田市、遠いところでは茨城県などに行かれると聞きました。コロナ禍でただでさえ人との接触が制限される中、家族と離れて暮らすことで、とても寂しい思いをされていることと思います。  また、家族で他県に転居を決められた方もいらっしゃるそうですが、企業の撤退は、市にとっても家族単位で人口流出を招き、大きな痛手となります。働く場所の確保、ひいては企業誘致の重要性を再認識させられます。  いずれにしても残り34名全員の就職が決まるまで、水俣市としても全力でサポートをお願いいたします。  企業誘致に関しては市長がトップセールスをすることで先頭に立って取り組んでおられるのは、頼もしい限りであります。しかし水俣市の保有する企業誘致に適した工業団地などがほとんどないのではないかというふうな認識しております。そのような中でどのような企業誘致を進められるのか、お尋ねいたします。 ○議長(岩阪雅文君) 小林副市長。 ○副市長(小林信也君) 谷口議員の2回目の御質問にお答えします。  市が保有する企業誘致に適した用地はほとんどないと思うが、どのように企業誘致を進めるのかというお尋ねだったと思います。  議員御指摘のとおり、市内には新規工場等を建設できるような十分な広さを持つ用地が不足しているため、先ほど答弁いたしました株式会社アスカインデックスがサン・エレクトロニクス株式会社の跡地に立地されたように、進出コストを極力抑えられ、立地後に早い段階で操業可能な民間の空き施設や市の保有する施設を活用できるような企業を視野に入れ、誘致活動を進めているところでございます。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) 工業団地も埋まってしまっておりますし、いずれにしても水俣市で大規模な工場を誘致するのはなかなか難しいわけですが、先ほどの話、インターネット光を使った企業などの誘致が今後有望視されると思っております。  今、2次答弁の中で、市の保有する施設を活用できるような企業を視野にという答弁がございましたが、どのような企業、市の保有する施設にどのような企業誘致を考えているのか。また、実績等がありましたら、お尋ねします。 ○議長(岩阪雅文君) 小林副市長。 ○副市長(小林信也君) 谷口議員の3回目の御質問にお答えします。  まず、市の保有する施設について、どのような企業誘致を考えているのか。また、既に実績はあるのかという御質問でございますが、市の保有する施設については、大規模な工場の立地には向いておりませんので、スペースが比較的少なくても事業実施が可能な企業、例えば、先ほど議員の御質問にもありましたとおり、インターネット回線の市内整備に伴い、IT系の企業や情報サービス業、コールセンター等のいわゆる産業支援サービス業等の立地について、平成31年度に創設した水俣市産業支援サービス業等立地促進補助金を強くアピールしながら進めていきたいというふうに考えております。  なお、実績につきましては、先日、市医療センターと包括連携協定を締結したAMI株式会社のように、市が実施しているベンチャー企業支援の下で進出をいただいた複数の企業が水俣環境テクノセンターに入居し、水俣市を本拠地として事業を展開されているほか、他の市有施設でも一部を利用し、事業拡大の準備を進めておられる企業もございます。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、地上デジタル放送共同アンテナ受信設備改修について、答弁を求めます。  堀内総務企画部長。    (総務企画部長 堀内敏彦君登壇) ○総務企画部長(堀内敏彦君) 次に、地上デジタル放送共同アンテナ受信設備改修について、順次お答えします。  まず、現在、地上デジタル放送用共同アンテナ受信設備を設置運営している共聴組合と共聴組合ごとの構成戸数は把握しているかとの御質問にお答えします。  平成23年度の地上デジタル放送完全移行に伴い、辺地共聴施設整備事業を活用して、新たに施設を整備された共聴組合は、越小場、古里、宝川内、石坂川、葛渡、深川、長崎など、中継局から遠い山間部地域のほか、袋、湯の児、南福寺、牧ノ内などの山陰となる地形的な要因により難視聴となっている地域で、19組合、341世帯が加入しておられます。  それぞれの構成戸数について申し上げますと、比較的規模の大きい共聴組合としては、湯の児地区テレビ共同受信施設が72世帯、深川地区テレビ共同受信施設組合が48世帯、木臼野テレビ共同受信施設組合と日当野共聴組合が29世帯、また、規模の小さい共聴組合としては、岩井共聴組合、地獄谷共聴組合、神の川上組共同受信施設組合が、それぞれ3世帯、鬼嶽地区テレビ共同受信施設組合が4世帯、南福寺地区テレビ共同受信施設組合が5世帯となっております。  次に、国の方針で地上デジタル放送に完全移行となった平成23年前後に、難視聴地域の解消を図るために各共聴組合に交付された補助金は幾らかとの御質問にお答えします。  市から各共聴組合へ交付された補助金は、総額1億713万3,000円です。その内訳は、国の辺地共聴施設整備事業による総事業費の3分の2の補助金が1億531万4,000円、さらに1戸当たりの負担額が3万5,000円を超える組合に対する市の単独の補助金が181万9,000円となっております。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) この話は、市内のアパートなどに住んでいる方には絶対に分からない話であります。  テレビを見るのに、毎月この共聴組合にお金を積み立てて、いざ台風で電線が切れたり電柱が折れたら、組合で修理をしているという状況です。1本電柱を交換するだけでも資材からバケット車、高所作業車などの特殊車両のレンタル料、技術料などで1本折れた電柱を交換するのに20万円近くの経費がかかるというのが現実です。それをわずか3軒とか5軒の世帯で負担しなければならないとなるとその大変さが分かっていただけるでしょうか。  テレビは現在、最も普及している身近な情報源であり、ふだんの生活の中で必要不可欠なものとなっております。特に災害時にはパソコンやスマホを扱えない方々や高齢者、耳の不自由な方にとってとても重要な情報伝達手段であります。  今年6月には、久木野の共聴組合の代表をされている方から相談を受け、私は、まず国会議員の金子代議士に、もともと国が主導して地デジに変えたのだから、平成23年当時に国が補助金を出して共同アンテナを整備したように維持・補修に関しても使えるメニューがないかとお尋ねしました。すると、早速総務省に尋ねてくださり、新たな補助金の創設はないし、今現在メニューもないと。だが地方交付税を使って自治体のほうで判断してほしいとの回答でした。  そこで、今度は県庁に出向きまして、何か策はないのかと。市町村課のほうに尋ねたところ、過疎債や辺地債が使える可能性があるが、水俣市が提出する過疎対策事業の計画などに記載して、県に提出してもらう必要があるといった回答を得ました。  ちなみにNHKにも尋ねました。何か支援策はないんですかと。ところが、そのようなメニューはありませんと一蹴されてしまいました。  そこで、各組合の代表の方々と相談しまして、6月に市長宛てに要望書を出したんですけれども、質問としましては、その複数の共聴組合から6月に市長に対して提出されました要望書、その内容がどのようなものであったかお尋ねします。 ○議長(岩阪雅文君) 堀内総務企画部長。 ○総務企画部長(堀内敏彦君) 谷口議員の2回目の御質問にお答えいたします。  複数の共聴組合から6月に市長に対して要望書が提出されたが、どのような内容であったかにつきましては、この要望書は、越小場共聴組合、岩井共聴組合、岩井口共聴組合、市来共聴組合、日当野共聴組合、無田共聴組合、これら6つの共聴組合の連名によるものでございました。  その内容は、平成23年の地デジ完全移行に際して、補助金を使って共聴施設を整備したが、約10年が経過し、電柱などの施設の老朽化が始まり、改修しなければテレビの視聴ができなくなるおそれがある。加入世帯からの積立金で改修費をプールしてきたが、改修が必要な電柱の数は多く、一方で加入世帯は減少するばかりで予算のめどが立たない。ついては、共聴施設の改修にかかる経費に対する補助金の創設を要望するとの内容でございました。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 谷口明弘議員。 ○(谷口明弘君) 要望書を提出されました共聴組合は、いずれも市内東部の山間部に位置する小規模な集落であり、テレビ放送の受信については、いずれも劣悪な環境にあります。  過疎化、高齢化も進行する中、テレビ放送は、地域の日常生活に欠かせない重要な生活インフラであり、台風や豪雨に際しては、防災情報を収集する重要な手段となるものです。  財政状況が厳しい中、新たな補助金の創設は難しい問題ではありますが、情報難民を生まないように大相撲や水戸黄門を見ることが田舎の年寄りの唯一の娯楽といっても過言ではありません。  お年寄りの楽しみというだけでなく、情報インフラ整備をすることは、災害時に命を守る大切なこととお考えいただきまして、共聴設備の維持補修について、例えば、電柱代の半分を負担するなど、市として何らかの支援ができないものか、改めてお伺いします。 ○議長(岩阪雅文君) 堀内総務企画部長。 ○総務企画部長(堀内敏彦君) 谷口議員の3回目の御質問にお答えします。  共聴設備の維持補修について、市として何らかの支援ができないものかにつきましては、地域の大切な生活インフラとして地デジ共聴設備の重要性は十分理解しているところでございます。  維持補修費に関しては、国の支援もなく、厳しい財政状況の中ではありますが、今後どのような支援ができるのか、その手法等も含め、検討してまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 以上で谷口明弘議員の質問は終わりました。  この際、15分間休憩します。                                   午前10時26分 休憩                                   ─────────                                   午前10時38分 開議 ○議長(岩阪雅文君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、松本和幸議員に許します。    (松本和幸君登壇) ○(松本和幸君) おはようございます。自由民主党の松本です。  自民党を代表いたしまして、執行部の明快なる答弁をよろしくお願いします。  1、風力発電事業計画について。  国は、2050年度までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会」の実現を目指すことを宣言されています。積極的に温暖化対策を行うことが産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。脱炭素社会の実現に向けて、国と地方で検討を行う新たな場を創設するなど総力を挙げて取り組み、再生可能エネルギーを最大限導入すると発表されています。  風力発電計画が水俣市、出水市、伊佐市、津奈木町、芦北町エリアで計64基が計画されています。そこで、風力発電について市長の基本的な考え方をお伺いします。  2、介護職員の処遇改善について。  介護職員の処遇が十分と言える状況ではありません。ハローワークに求人を出しても応募がない現状です。きつい、賃金が安いのが主な原因ではないかと考えます。  第1号被保険者が65歳以上、第2号被保険者が40歳から64歳の人が介護保険料を納めています。そこで、介護保険料を納めている皆様に幾らか御負担をしていただき、介護従事者に支給することができないかお伺いします。  3、水俣川河川改修について。  令和2年7月豪雨の爪跡が残る中、復旧・復興が急がれています。12月県議会の中で、球磨川流域の治水の方向性について表明されています。その中で、「年度内の早い時期に「緊急治水対策プロジェクト」を策定し、国や市町村との連帯の下、支川を含む河床の掘削、堤防や遊水池の整備、宅地のかさ上げ、高台への移転、砂防、治山事業など、今すぐに行うべき対策を徹底して実行します」と表明されています。  そこで、お尋ねします。  県知事の対策に7月豪雨で埋まった水俣川河川改修も含まれているのか、お伺いします。  4、丸島江添川の計画について。  平成29年9月議会で丸島雨水ポンプ場の件について質問をしています。そのときの答弁が、「下水道施設全体の基本設計でありますストックマネジメント計画を来年度までに策定をいたしまして、その結果を踏まえまして、丸島雨水ポンプ場のポンプ増設ができるよう、できる限り早く実現できるよう努めてまいりたいと思います」という答弁をされています。  そこで、丸島雨水ポンプの設置はいつできるのかお伺いします。  江添川沿いの道路拡張について、いつできるのかお伺いします。  以上で、壇上からの質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 答弁を求めます。  髙岡市長。    (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 松本議員の御質問に順次お答えします。  まず、風力発電事業計画については私から、介護職員の処遇改善については福祉環境部長から、水俣川河川改修について、丸島江添川の計画については産業建設部長から、それぞれお答えします。  初めに、風力発電事業計画についてお答えします。  風力発電についての市長の基本的な考えを伺いますとの御質問にお答えします。  現在、本市において民間事業者による風力発電事業が計画されております。それぞれの事業者において、環境影響評価法に基づき調査や手続を進められている段階であり、私としては、当該事業については、市民の皆さまの十分な理解が必要だと思いますので、事業者に対して丁寧な説明を求めていきたいと考えています。 ○議長(岩阪雅文君) 松本和幸議員。 ○(松本和幸君) ただいま市長のほうから答弁をいただきましたが、今の時点で環境アセスが実施されている状況でございますので、そこで今の市長の答弁のように賛成だ、反対だと言える状況ではないということは十分私も理解をしております。市長答弁については、了としたいと思います。  11月に我々自民党議員と同志の議員で、この風力発電について勉強会をいたしまして、先ほども言いましたように、3市2町のエリアに64基の計画がなされているという状況を見ますときに、我々議員がこれに対して何もしない、あるいは何も興味を持たないという状況ではいけないというふうに私は思っておりますし、先ほど谷口議員からの質問の中でもありましたように、これができるのとできないのでは大きく地元財政にも響いてくるわけですので、どういった状況で今計画が進んでいるのかということも興味を持つことは当然だというふうに思っております。  11月に先進地を視察をしまして、阿蘇の西原村というところに視察に行きまして、ここは2004年に10基着工されておりまして、2005年に事業開始をされています。総工費が27億円、地元の従業員が5名常駐しているということでございまして、そして、地元の皆さんにも議長、副議長、そして職員の皆さんと一緒に現地で話をさせていただきました。そのときにお伺いした中で、水俣が今置かれている状況で、先ほどの谷口議員の中でも話がありましたように、反対されている方々がおられる、心配されている方がおられるという状況の中で、いろんな反対されている方々の状況を議長なり、職員の方にお話ししましたところ、うちはそういうことは一切ありませんと。今まで反対という言葉も西原村ではあったことがありません。非常に職員の方、この風力発電ができたことによって村の大きなPR材料になっていますというような報告をされておられました。  実際、名刺を交わしてみたところ、阿蘇ですから、当然、阿蘇山が名刺の裏に写真としてバックに名前が書いてあるのかなというふうに思っておりましたけれども、風力発電をバックに名刺を作っておられます。それだけ地元では、この風力に対する愛着があると。そして、ちょっと設備の具合が悪かったときに、この風力が止まるみたいですけれども、その止まるのを見て、住民の方から何で止まっとるのかと、役場のほうに連絡があると。それくらい地域住民の方も含めて風力に対して関心が高いということで、改めて感じたところであります。水俣がそうやって反対があるのは、よく理解ができないですねということを言われまして、それに対して私も何も返答のしようがないというような状況でございました。  そして明くる日に、鹿児島の南大隅町に行きまして、南大隅町で2000年4月事業会社が設立されまして、2003年、20基の風力発電がそこに建設をされていまして、総事業費として43億円、うち従業員5名が南大隅町に住んでおられるということです。  鹿児島県の大隅町というのは、いわゆる養豚が盛んなところで、養豚では鹿児島県でもトップクラスだというふうに言っておられました。そのエリアの中で養豚、養鶏もやっておられる方がいらっしゃいまして、建設のときには非常に心配をされたそうです。養豚、養鶏に影響はないかということで、しかしもう15年以上たって、何ら問題はないということで、クレームも一切ありませんということでございました。ただ1つ、そのエリア近くに民家もありまして、テレビ映りが悪くなったということを言っておられました、1軒だけ。それで、NHKとメーカーと話をして、NHKのほうもすぐ対処をして、すぐテレビの映りもよくなったと。その風力ができる前の段階でもその地域の外にある住宅でもいわゆるテレビ映りが悪かったという地域があったそうですけれども、それを直したことによって、その地域も映りがよくなったということで、逆に喜んでおられるということの報告もありました。  その状況の中で、我々が今一番心配をしてる、いわゆる建設時に要するに反対運動とか、反対とかという、そういうものはなかったですかというお話をしたところ、一切ありませんでしたと。ただ、先ほども言いましたように、養豚、養鶏農家が心配されているということだけでございました。  要するに、そういうことで実際、もう15年以上たっているんですけれども、一切クレームもついていないということですので、いわゆるクレームがあれば、恐らく風力もできなかったんだろうと思いますけれども、この西原村もそして大隅町も建替えを準備されているということです。最新式の風力発電を建て替えるということで、まさしく今、西原村は環境アセスをやっている最中だと。11月3日にもその光景がテレビでも映っておりましたけれども、環境アセス評価委員の皆さんが現地に行って風力を見ておられる状況がテレビでも映っていましたけれども、いまそれを建て替える状況ということで、両方とも実施をされていると。だから、西原村も大隅町も何もなかったんで逆に建替えにも地元を挙げて協力をしているという状況でございますので、そういったことを我々も視察をいたしまして、改めて感じたところでございます。  今、九州にこの風力発電を計画されているのが福岡、長崎、佐賀に、これは洋上ですけれども1万キロワットを計画をされておられます。そして、天草の苓北も13基だったかな、13基か14基一応計画をされています。そして、宮崎県の串間にも九州一という大きな風力が、この8月に稼働をしております。恐らく、先ほど谷口議員も言いましたけれども、反対があれば、こんな状況がどんどんどんどん進むわけがないというふうに私も思っておりますので、そういう面で国も打ち出しておりますので、もっと今後増えてくるだろうというふうに思っております。  水俣市に今計画が予定されている中で、64基のうち、水俣エリアに何基できるのか、まだ分かりませんけれども、私がいろいろ聞いた中では最低10基は水俣市エリアにできるのじゃないかなというふうに思っております。  経産省が、今大体決めていることが1基建てることによって、地元に約500万ぐらいの金が落ちると、毎年ですね。先ほどの谷口議員も言われたように、それが10基できた場合には5,000万、それが20年間ずっと続くわけですから、それと今、水俣にゴルフ場跡の長崎に50メガのソーラーが今急ピッチで進んでおります。そのほかにもまだほかにソーラーが出てきている。そういった固定資産税が水俣に全部でそろって入ってくるときには、恐らく年間8,000万から9,000万近くの固定資産税が入ってくることになるわけですので、これは企業誘致と一緒だと私は思っております。そういう面でこの事業については、強い関心を持って、見守っていきたいということをお約束して、私の質問を終わりたいと思います。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、介護職員の処遇改善について、答弁を求めます。  一期﨑福祉環境部長。    (福祉環境部長 一期﨑充君登壇) ○福祉環境部長(一期﨑充君) 次に、介護職員の処遇改善についての御質問にお答えします。  介護保険料の負担についての御質問にお答えします。  介護保険料につきましては、40歳から64歳の第2号被保険者、及び65歳以上の第1号被保険者が負担することとされております。介護職員の処遇改善のため、第2号被保険者及び第1号被保険者の介護保険料に、独自に費用負担を上乗せすることにつきましては、まず、第2号被保険者の介護保険料は、健康保険法等の規定により、それぞれが加入している健康保険や国民健康保険などの医療保険の保険料と一体で徴収される仕組みとなっておりますので独自の上乗せはできないものと考えられます。
     第1号被保険者の介護保険料につきましては、保険者である市町村において金額を設定することとされており、上乗せを行うことは可能ですが、独自に介護報酬基準として設定できるのが、制度上、地域密着型サービスのうちの一部のサービスに限られております。介護職員の処遇につきましては全国的な問題であり、国における介護保険制度の見直しが図られなければ、状況の好転は難しいものと考えます。 ○議長(岩阪雅文君) 松本和幸議員。 ○(松本和幸君) 今、部長の答弁では非常に難しいということでございますが、御存じのように、65歳以上の第1号被保険者が水俣に9,400名いらっしゃるということでございます。第2号被保険者が700名いらっしゃるということでございますので、両方合わせると1万6,400名の方が水俣にいらっしゃるということでございますので、こういった方々が何らかの形で、もし負担ができるのであれば、それを介護従事者の方々に支給できないかということを私は一応考えたんですけれども、それが非常に難しいということでございまして、今、介護従事者が水俣には800人ぐらいいらっしゃいますので、非常にその方々というのは子育て世代の方々が非常に多いわけですので、非常に厳しい状況の中で生活も厳しいということでございますので、何らかの形で我々いずれそういった方々にお世話にならなきゃいけないわけですから、もう皆さん御存じのように団塊の世代があと2年したら後期高齢者になります。  そういった状況の中で、恐らく国は15年先ぐらいにはある程度鎮静化していくだろうというふうに言っておったんですけれども、最近人生100年、要するに100歳まで生きるんだという状況の中で、国はまた別に打ち出してきております。恐らく健康で100歳まで生きられるということは、そうたくさんいらっしゃるのじゃないかなというふうに思っております。そうすると、当然施設の中で100歳を迎えられるということになろうかというふうに思います。個人的なことで申し訳ないんですけれども、私のおふくろも94歳で今施設にいますけれども、頭もぴんぴん、目もちゃんと見えますし、口もちゃんとしゃべれます。ただ、足がちょっと骨折しまして車椅子の状況ではございますけれども、私の見るところでは、恐らく長生きはするだろうなというふうに思っているんですけど、そういった方々が今後増えてくる、我々の団塊世代でもそういうことが増えてくると。私もあと2年すると後期高齢者ですので、そういう人間としてやっぱり介護従事者に対しては何らかの形で報いてやらなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。  その中で、国が3年ごと見直しをするんですけれども、その見直しがいつなのか、1つお伺いしたいと思います。  それから、私が質問したことに対しては、なかなか難しいと、厳しいということでございますが、何らか市のほうでも知恵を出していただいて、それに代わるものがないのかお伺いをしたいと思います。この2点お願いします。 ○議長(岩阪雅文君) 一期﨑福祉環境部長。 ○福祉環境部長(一期﨑充君) 松本議員の2回目の御質問にお答えします。  まず、国の改定の時期、それと併せまして介護職員のための水俣独自の仕組みがあるんじゃないかということで、その質問にお答えします。  介護職員の処遇につきましては、全国的な問題であり、本市も例外でなく、処遇は厳しい状況にあることは理解しております。介護職員の処遇改善に向けては、サービス提供により得られる介護報酬が増額改定され、介護事業者は収益が改善されることが最も有効であると考えます。  介護報酬の改定は、3年ごとに国において実施されており、来年度がその改定の年に当たり、本市としましては、この報酬改定に期待しているところです。  本市におきましても独自で何かできないか、今後他市町村の施策も含め、調査・研究してまいりたいと思います。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 松本和幸議員。 ○(松本和幸君) 国のほうが来年度が改定の時期だというふうに今答弁がありましたので、私としても自民党を通じて県、国に働きかけをしてまいりたいというふうに思っております。市のほうとしては、調査・研究をするということでございますので、十分検討していただいて、いい方向になるように、ぜひ検討していただくことを願って、これで質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、水俣川河川改修について、答弁を求めます。  城山産業建設部長。    (産業建設部長 城山浩和君登壇) ○産業建設部長(城山浩和君) 次に、水俣川河川改修についてお答えします。  7月豪雨で埋まった土砂の撤去について伺いますとの御質問にお答えいたします。  県の調査によりますと、芦北地域振興局管内の堆積土砂量は、10万立方メートルを超えると想定されており、県に確認しましたところ、水俣川も土砂撤去対象河川になっているとのことでした。  水俣川につきましては、県の維持管理の中で、今年度、田子ノ須付近の河川の堆積土砂撤去を行うこととしておりましたが、7月の豪雨を受けて、中鶴地区の堆積土砂撤去も緊急的に追加し、その土量は、合わせて約7,000立方メートルとのことでした。今後も堆積土砂の撤去を進め、来年の梅雨時期までに、水俣川におきましては、幸橋付近から長野町までの区間、湯出川におきましては、水俣川との合流地点から上流の平上堰付近までの区間の土砂撤去を行う予定であり、その土量は、約1万2,000立方メートルを想定しているとのことです。 ○議長(岩阪雅文君) 松本和幸議員。 ○(松本和幸君) 今回の河川の改修について、水俣川も含まれるということでございまして、非常に感謝申し上げたいと思います。  この土砂が1万2,000あるということですので、かなりの量だというふうに思いますので、本来、公共事業ですから、公共の場に土砂を埋めるということが最優先だろうというふうに思いますけれども、水俣市にそういう場所があれば、それはそれでいいと思います。なければ、民間も通じてやはり先手をしておかなきゃいけない。知事の意向では、来年の梅雨までには完了したいということでございますので、できるだけ早く、としての場所も設定して、市として対応していかなければいけないというふうに思いますけれども、2番目の質問として、市が土砂を撤去したときに埋める場所があるのかどうかについてお伺いをいたします。 ○議長(岩阪雅文君) 城山産業建設部長。 ○産業建設部長(城山浩和君) 松本議員の2回目の御質問にお答えいたします。  この水俣川の土砂を搬出するその先を市は確保しているのかという御質問でございました。  議員が仰いましたとおり、公共事業により発生しました建設発生土は公共工事期間で流用することが望ましいのですけれども、実際は搬出する側と盛り土等を必要とする側の時期がなかなか一致せず、発注者か受注者が搬出先を探して工事を行っている状況でございます。  今回の土砂撤去につきましては、県の工事ではございますが、市民の安全を守る工事でありますことから、本市で搬出先を選定することも必要かと考えております。  今後、県とも協議しながら搬出先を選定していきたいと考えております。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、丸島江添川の計画について、答弁を求めます。  城山産業建設部長。    (産業建設部長 城山浩和君登壇) ○産業建設部長(城山浩和君) 次に、丸島江添川の計画について、順次お答えします。  まず、丸島雨水ポンプ場の件についてお答えします。  当ポンプ場は、3基のポンプを設置するように計画されており、現在2基のポンプが設置されております。豪雨時などで不足する排水能力につきましては、当ポンプ場へ流入する江添川の断面が広く、一時的な貯水機能を担っております。  そして、既設ポンプ設備につきましては、令和元年6月に策定いたしました水俣市下水道ストックマネジメント計画において、令和6年度から令和8年度に、ポンプ用駆動エンジン及び電気設備等の更新を計画しております。  新規で設置を行う残り1基のポンプ設備につきましては、その後の計画として具体的な時期はまだ決まっていないのが現状でございます。しかしながら、令和2年7月豪雨により、当ポンプ場周辺も浸水被害が発生したことにより、ポンプ増設の必要性を感じております。  ただし、本市では平成25年度に下水道事業計画の見直しにより、当時の降雨実績を基に、本市の降雨強度を時間当たり64ミリから72ミリに引き上げております。当ポンプ場は、旧降雨強度の排水能力に対して建設されており、当初計画どおりのポンプ設備では現降雨強度に対応できていないため、段階的な施設整備となり、時間を要します。  また、耐用年数が超えている既設施設の更新も必要でございますので、そのような状況を踏まえ、既存の整備計画を財政状況と併せて見直しを行い、整備を進めていきたいと考えております。  今後も7月豪雨と同等、またはそれ以上の豪雨が発生する可能性があることを考えますと、当ポンプ場整備完了後も機械排水能力を補う江添川の現断面は有効と考えておりますので、将来的な断面縮小は、より慎重に行う必要があると考えております。  次に、江添川沿いの道路拡張について伺いますとの御質問にお答えいたします。  平成29年9月議会において、この件に関する御質問を議員からいただいております。議員からは、近隣の住宅化が進む中で、付近の道路が狭く、時間帯によっては混雑し、実際、事故も起こっており、近隣住民の生活に支障を来していることなどから、丸島雨水ポンプ場の改修に合わせて道路を拡幅してほしいとの御質問でございました。  道路の拡幅につきましては、ポンプの増設に伴う流下能力の確保によるところが大きいため、先ほど答弁しましたことから、江添川側へ拡幅するのは難しいと考えております。しかし、道路を拡幅することは必要であると認識しておりますので、今後、財政状況等を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(岩阪雅文君) 松本和幸議員。 ○(松本和幸君) 今、部長の答弁を聞きまして非常に厳しい状況の答弁だなというふうに思っております。  29年9月議会で当時の関部長、あそこに座っておられますが、非常に前向きな答弁をいただいております。私はそういった面で非常に期待をしておりました。その答弁から4年たっておりますが、状況はどうなってんのかなということもありまして、今回また改めて質問をしましたけれども、このストックマネジメント計画をした上で検討するということでございますが、部長は変わられても部下、課長は同じ下水道課でございますので、4年たってこんなに答弁が変わるのかなというふうに非常に私はどう言ったらいいんでしょうかね、与党ですから余り無理は言いませんけれども、非常に答弁が議会のたびにこういった状況になるということは好ましくないんじゃないかというふうに思っております。しかし、今部長が言われていることも十分理解もできます。だから、そういったことで、今度の7月豪雨の中でこのポンプ場近くの丸島地域も床下床上もあっておりますので、そういった状況も含めて、今後対策を講じていただきたい。  それと、先ほどの知事の対策の中で遊水池の対策も含まれているということでございますが、この丸島ポンプ場横に遊水池があります。これは非常に大きな遊水池でございまして、これをもっと活用する必要があるんじゃないかなというふうに思っています。  私も議員生活が34年になりますけれども、その状況の中でこの遊水池を掘削したり整備したりという状況というのは記憶にありません。それまでずっといじっていないという状況でございましたので、今後、遊水池も含めて十分活用していただいて、江添川の水がいっぱいになったときにその遊水池に行くという状況じゃありません。だから、そういった面でその遊水池を片一方は丸島の防波堤の堤防ですから、幾らでも高いわけですけれども、片一方のほうは、いわゆる農作業用のほうですので、非常に低いです。だから、それをかさ上げしていただいて、その遊水池に江添川の水もある程度そこでストックできるような形をとって、丸島地域に逆流しないような形の中で考える必要があるのではないかなというふうに思っておりますので、その付近も含めて検討をしていただきたいというふうに、これは1つ、もし考えがあれば、答弁をしていただきたいというふうに思いますが、今現在2基のポンプが稼働しているわけですけれども、基礎はあと1基つけるようになっていますけれども、先ほど財政の話も出ましたけれども、非常に財政の厳しい状況の中で、いわゆる高額なポンプを設置する、大体5億近くかかると思います、1基のポンプを設置するのに。だから非常に財政が厳しい状況の中で多額の予算を費やして設置しなきゃいけない状況というのはありますけれども、しかし地域住民の財産を守るためにも設置しなきゃいけないことはやっぱりしていかなきゃいけないわけですので、今、国が国土強靱化計画というものを出しておりまして、水俣市議会でも来年3月、この国土強靱化計画が一応任期が切れますので延長してほしいということで、9月議会で全会一致で意見書を採択して、国に出しております。  その結果、12月1日に5年間延長するということで国が打ち出しておりますし、その予算額も15兆円という多額な予算をこの5年間の国土強靱化計画に費やせるということでございますので、そういった予算を利用して、ポンプの設置をつくる、あるいは遊水池の整備を図るということをぜひ検討していただいて、できるだけ早くこのことが実現をしてほしい。これはもう今までの歴代の、長年、恐らく二十数年間、この問題はほったらかしなわけですよ。前回もお話しましたように、仮設の状況のまま、これがまだ先に続くということであれば、その状態がまだずっと続いていくということですので、できるだけ早く実現をしてほしいというふうに思いますので、これは財政との兼ね合いもありますから、私も無理は言いませんけれども、関部長がせっかく前向きな答弁をされておりますので、ぜひそういうことで実現できるようにお願いをしたいと思います。これについて、もう一回、お尋ねをしたいと思います。 ○議長(岩阪雅文君) 城山産業建設部長。 ○産業建設部長(城山浩和君) 松本議員の2回目の御質問にお答えしたいと思います。  部長が変わってしまえば、答弁なんてごろっと変わってしまうという御指摘でしたけれども、当時、松本議員の御質問を受けまして、担当課では前向きな検討を行ってきたところでございました。  今回の7月豪雨は、ポンプ場の建設計画で想定いたしました降雨強度をはるかに超える雨量で、いわゆる想定外の雨でございました。水俣市では、平成15年の集地区土石流災害を経験し、平成18年にも大きな雨を経験しておりますが、その際も市街地では、ポンプ場の設計に用いた降雨強度を超えてはおりませんでした。その後、昨年まで大きな雨はありませんでしたので、江添川の断面縮小を計画どおりに進める考えを持っておりました。しかし、今回の雨を実際に経験したことで、想定外が想定外ではなくなってしまいました。7月の豪雨時は、ポンプ2台がフル稼働しても流水は増え続け、あわや越水かと思われる水位まで上昇しております。幸いにも線状降水帯が北上しましたので、江添川の水位上昇は止まりましたが、仮にポンプ場の計画どおりにポンプを3台配備していても、今回の水位は現断面の半分以下に落ちることはなかったと思われます。  以前からの計画は、江添川の断面を縮小する計画で、既に護岸の根石を設置しておりますけれども、今回の護岸を受け、もう一度再検討する必要が生じてまいった次第です。  このように地球環境の変化による異常気象に備えるためにも、まずは現ポンプ場のポンプを増設し、排水機能を高める対策を優先したいと考えております。  また、遊水池の利用はできないかという御質問ですけれども、現在遊水池には主に浜松町及び塩浜町の雨水が流れ込み、遊水池から江添川へ排出されております。  この排水溝にはフラップゲートが設置されており、江添川の水位がある程度下がらない限り閉まったままで排水されず、遊水池にて貯水されますので、江添川が増水しても遊水池では貯水できない構造となっております。そのため、江添川の増水及び遊水池の貯水量を抑えるにはポンプの設備が最適と考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 松本和幸議員。 ○(松本和幸君) 今の質問である程度理解はしたいというふうに思いますが、いずれにしてもこの計画というのは、最終的にはやはり計画どおりに実行していただきたいというふうに思いますので、財政状況を見ながら、いつごろからどういうふうに始めるのかということは分かりませんけれども、市としてぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っておりますし、そしてストックマネジメント計画をぜひ提出をしていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。  以上で終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 以上で松本和幸議員の質問は終わりました。  この際、午後1時30分まで休憩します。                                   午前11時20分 休憩                                   ─────────                                   午後1時30分 開議 ○議長(岩阪雅文君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、田中睦議員に許します。    (田中睦君登壇) ○(田中 睦君) こんにちは。無限21の田中睦です。  79年前の今日、12月8日、日本軍による真珠湾攻撃が行われ、太平洋戦争に突入しました。今朝の朝日新聞に戦争体験者の証言という記事が載っていました。真珠湾攻撃に出撃された方の話です。102歳の方でした。熊日新聞にも当時役場の職員で召集令状を配った方の話が載っておりました。この方は103歳ということです。  このように戦争体験者の話を聞くことがだんだん難しくなってきております。今年は戦後75年という言葉をよく聞きます。どうか今のこの時代が後の時代に戦前と言われないようにしなければならないということを改めて思ったことです。  では、通告に従って、質問いたします。  1番、コロナ禍における学校現場の状況について。  ①、小中学校の最終学年、小学校6年生と中学校3年生は現在40人の学級編制となっていますが、それを少人数編成するために必要な教員の加配が全国で3,100人分予算措置がなされました。本市には何人配置されているのでしょうか。  ②、少人数指導や補習学習、提出物の採点などを行う学習指導員の配置は、全国で6万1,200人分の予算措置がなされました。本市には何人配置されているのか。  ③、教室の換気、消毒、家庭への配布物の印刷、健康観察のまとめなど、感染症対策で増加した学級担任の業務をサポートするスクールサポートスタッフの追加配置については、熊本県での採用予定が277人となっていますが、本市での採用状況はどうなっているのでしょうか。  ④、今年の7月20日付で、教員の時間外勤務の上限を1カ月45時間、1年間で360時間とする方針が市の教育委員会から出されましたが、学校における働き方改革の推進にどう取り組んでおられるのかお尋ねします。  大きな2番、学校給食の安全性と地産地消の推進について、お尋ねします。  ①、安全性を懸念する声のある遺伝子組み換え食品や特定の遺伝子を壊す技術を使ったゲノム編集食品への対応をどうしているか。  ②、学校給食における地産地消の推進にどう取り組んでいるか。  3番、森林伐採の現状について、お尋ねします。  ①、伐採面積の推移はどうなっているか。  ②、伐採後の災害防止の対策はどうなっているか。  4番、水俣病問題について。  ①、9月12日の熊日新聞に、小泉環境大臣が「健康調査に用いる客観的診断手法について、1、2年後をめどに研究成果の有効性を判断する考えを明らかにした」という記事が出ました。それによると「脳磁計とMRIを組み合わせた方法が客観的診断法の開発につながる可能性がある」との発言があったようです。これらの小泉大臣の発言を市としてどう捉えているかお尋ねします。  5番、映画「MINAMATA」について、質問します。  ①、水俣病を世界に伝えた写真家ユージン・スミスをジョニー・デップが演じる「MINAMATA」が来年、国内上映されると報じられました。市としてどのような情報を持っているかお尋ねします。  ②、昨年の3月議会で藤本議員への答弁で、市長はこの映画のエグゼクティブプロデューサーからのメールを紹介されましたが、その後、映画関係者との接触や連絡はあったのでしょうか。  ③、最後にこの映画上映に期待することをお尋ねします。  以上、本壇からの質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 答弁を求めます。  髙岡市長。    (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 田中議員の御質問に順次お答えします。  まず、コロナ禍における学校現場の状況について、学校給食の安全性と地産地消の推進については教育長から、森林伐採の現状については産業建設部長から、水俣病問題については私から、映画「MINAMATA」については副市長から、それぞれお答えします。 ○議長(岩阪雅文君) コロナ禍における学校現場の状況について、答弁を求めます。  小島教育長。
       (教育長 小島泰治君登壇) ○教育長(小島泰治君) 初めに、コロナ禍における学校現場の状況について、順次お答えします。  まず、小中学校の最終学年を少人数編成するために必要な教員の加配が全国で3,100人の予算措置がなされたが、本市には何人配置されているかとの御質問にお答えします。  本市には、最終学年を少人数編成にするための県教育委員会からの配置はなされておりません。  次に、少人数指導や補習学習、提出物の採点などを行う学習指導員の配置は、全国で6万1,200人の予算措置がなされたが、本市には何人配置されているのかとの御質問にお答えします。  本事業は、熊本県においては、補習等のための支援員配置事業として、学習支援員という名称になっております。  本市におきましては、授業日が延長された7月、8月に、特別支援教育支援員31人、外国語活動支援員3人、子ども自立支援室指導員2人の計36人を配置いたしました。  次に、教室の換気、消毒、配付物の印刷、健康観察のまとめなど、感染症対策で増加した学級担任の業務をサポートするスクール・サポート・スタッフの追加配置については、熊本県での採用予定が277人となっているが、本市での採用状況はどうなっているのかとの御質問にお答えします。  本市では、現在、県教育委員会から3人が配置されております。  次に、今年の7月20日付で教員の時間外勤務の上限を1か月45時間、1年で360時間とする方針が出されたが、学校における働き方改革の推進にどう取り組んでいるかとの御質問にお答えします。  本市では、熊本県義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置条例の一部を改正する条例等が令和2年6月29日に施行されたことを踏まえ、令和2年7月20日に水俣市立学校の教育職員の業務量の適切な管理に関する規則及び水俣市立学校の教育職員の在校等時間の上限等に関する方針を定めました。  教育委員会としましては、これまでも校務支援ソフトの導入、留守番電話の設置等を行い、保護者や地域の御理解をいただきながら教育職員の負担軽減を図ってきました。これまでの取り組みを継続しつつ、改めて、各校から報告される毎月の勤務時間を校長会議や教頭等研修会で伝え、方針に沿うよう指導してまいりました。  また、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で、様々な研修会や発表会が中止になったり、学校行事の規模が縮小されたりしております。一方で、児童・生徒の丁寧な健康管理や施設・設備の消毒、さらに3密を避けるための教室移動や小グループに分けての各種教育活動など、多くの対応や工夫が求められています。  今後、今回の感染症対策で見えてきた各種教育活動の取り組みについて、スクラップ・アンド・ビルドの視点も踏まえつつ、保護者や地域の方の御理解と御協力をさらにいただきながら、働き方改革を推進してまいります。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 学習指導員については、市が配置していた特別支援教育支援員などを、県の事業で学習支援員の名称で配置するということですね。新しく人員が加わったわけではないというふうに考えていいですか。これが1つ目の質問です。  次は、教職員組合のアンケート調査を基にお尋ねをします。先生方に負担軽減や勤務時間の縮減が進んでいますかと尋ねたところ、進んでいると感じている人が昨年の26%から48%に増えています。特に、中学校では7割の先生方がそう感じているということが分かりました。教育委員会の指導や各学校の工夫があってのことだろうというふうに思います。  また、今答弁でもあったように新型コロナの影響で会議や研修、出張が減ったり、学校行事の内容を縮小し、また練習を少なくしたりといったことも要因になっていると思います。しかし、負担感は減っているものの、実際の勤務時間は昨年とほぼ同じような数字が出ています。一月の超過勤務の時間が45時間以内という人の割合が増えているわけではありません。また、過労死ラインといわれる月に80時間を超える超過勤務の割合は18%ということで昨年から減っていません。感覚的には負担感が減っているけれども、実際の超過勤務時間は減っていない実態があるようです。このことをどう捉えられますか。これが2つ目です。  3つ目の質問は、市の教育委員会が出された方針の留意事項に示されていることが守られているかということです。  方針の留意事項には3項目示されています。  1つが、上限時間について。在校等時間の長時間化を防ぐための取り組みを講ずることなく、上限時間を遵守することを求めるのみであってはならないとあります。つまり、勤務時間が長くなるのを防ぐ取り組みをすることなく、上限時間を守れというだけではだめだと言っています。  2つ目に、虚偽の記録について書かれています。実際より短い虚偽の時間を記録したり、させたりしてはならないとあります。  3番目に、持ち帰り業務について書かれています。本来、持ち帰りは行わないということが原則で、上限時間を守ることを目的として自宅等に持ち帰って仕事をする時間が増えることは避けなければならないとされています。この3項目の留意事項はきちんと守られていると思われますか。  以上、3点お尋ねします。 ○議長(岩阪雅文君) 小島教育長。 ○教育長(小島泰治君) 田中議員の2回目の御質問にお答えします。3点ございました。  まず1点目ですけれども、学校指導員については新たに人員が増員されたということではないのかという御質問でした。  先ほども述べましたとおり、本市では授業日が延長された7月、8月の配置予定がなかった期間に既存の特別支援教育支援員等を配置したもので、人員の数自体を増員したものではありません。  2点目ですけれども、アンケートの結果では教員の負担感が減っているが、実際の超過勤務時間は減っていないと。このことをどう捉えるかという御質問でした。  教育委員会の調査では、昨年度と比較をいたしますと月45時間以上の超過勤務者数は減少傾向にあります。今後も校長会議、教頭等研修会や議員も御存じのとおり、学校訪問の機会もありますので、在校等時間の長時間化を防ぐための取り組みについて、引き続き指導を徹底してまいりたいと考えております。  3点目ですけれども、方針の留意事項3項目が守られているのかという御質問でした。  7月に定めた方針の中に議員が御説明されたとおり留意事項3点定めたわけですけれども、今後は守られるように引き続き指導をしてまいります。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 教育委員会は勤務時間の管理や正確な記録については、校長会議や教頭等研修会で指導しているとこれまでも言ってこられました。  私は、勤務時間の正確な記録があげられていない例をこれまでも幾つか申し上げてきました。残念なことに今回も同じようなことを言わなくてはなりません。在校等時間、つまり学校での勤務時間の記録が実際よりも少なくなされている事例があるようです。  アンケートに答えて次のような記述がありました。  コロナ対策で消毒作業をするために、毎日勤務時間が長くなっているが、30分から1時間程度短く報告している。土曜、日曜の仕事や部活動の時間は入れていない。休日の在校時間は記録しないよう指導があった。ほかにも似たような記述が幾つも見られました。  今年の夏以降、群馬県の県立学校での時間外労働記録を改変という記事が群馬県の地元紙に載りました。それによると、校内で上司が書換えを促していた疑いが浮上し、県教委が調査をしているという記事です。こういうことにならないよう指導の強化が必要と思いますが、どうでしょうか。  次に、休憩が取れていないことと持ち帰りの仕事について尋ねます。  学校現場では、時間外の上限が月に45時間以内というのが言われ、「早く帰りましょう」と、そういう声掛けをされるのはいいのですが、コロナ対策も加わって、業務量が減らないので、昼休みに仕事をしたり、家に持ち帰って仕事をするということが増えているようです。法に定めている休憩が取れないという人は85%に上っています。  持ち帰りの仕事は熊本県全体では減っていますが、水俣市においては増えています。2011年12月に天草の小学校の先生が脳の病気を発症され、倒れられました。地方公務員災害補償基金に公務災害認定請求をされましたが、認められませんでした。そこで、裁判に訴え、熊本地裁では請求が棄却されましたが、福岡高裁では長期間にわたり、恒常的に家庭での作業時間も含めた長時間の時間外勤務をしていたと認定しました。基金側が上告しなかったので、この先生の公務災害認定が確定しました。  この事案で問題となるのは、自宅での持ち帰り業務時間の把握です。本来、所属長である校長が把握すべき勤務時間を、仕事をしていた本人が証明しなければ勤務時間と認められないことにあるということです。7月に出された規則と指針は在校等時間、つまり校内における勤務時間を中心に書かれていて、持ち帰り業務は指針の留意事項に出ているだけです。そこには「仮に業務の持ち帰りが行われている実態がある場合には、その実態把握に努めるとともに、業務の持ち帰りの縮減に向けた取り組みを進めるものとする」とあります。仮にではなく持ち帰りの仕事をしていることは現場の管理職も教育委員会も知らないはずはないというふうに思います。  持ち帰り業務の縮減についての論議をし、対策を立てる必要があると思いますが、どうでしょうか。  質問は、以上の2つです。  身を削って仕事をして、そのために病気で倒れ、志半ばで教職を去らなければならない。後で公務災害が認められても失った健康は帰ってきません。御本人が不自由な体でつづっておられます。「自分のような事故に遭うのは自分で最後にしてほしい。今度の件で学校の労働環境がよくなることを祈っています。」御本人の気持ちを紹介して、この件を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 小島教育長。 ○教育長(小島泰治君) 田中議員の3回目の御質問にお答えします。2点ございました。  1点目は、勤務時間の正確な記録がなされていないのではないかと、指導の強化が必要ではないかという御質問でした。  勤務時間の申告については、誤った申告がなされたという報告はあっておらず、私たちとしては、正確になされているものと認識をしております。  先ほども申しましたとおり、今後も校長会議、教頭等研修会や学校訪問等の機会を通じて、勤務時間の正しい申告について引き続き指導を徹底してまいりたいと考えております。  2点目なんですけれども、持ち帰り業務の縮減について論議をして対策を立ててはどうかということですけれども、業務の持ち帰りは行わないことが原則であり、行事の中止や規模の縮小、研修の見直し、授業のスリム化を図るなど、様々な業務内容を見直し、業務の縮減及び負担軽減につなげ、業務の持ち帰りの縮減を推進したいと考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、学校給食の安全性と地産地消の推進について、答弁を求めます。  小島教育長。    (教育長 小島泰治君登壇) ○教育長(小島泰治君) 次に、学校給食の安全性と地産地消の推進について、順次お答えします。  まず、安全性を懸念する声のある遺伝子組み換え食品や特定の遺伝子を壊す技術を使ったゲノム編集食品への対応をどうしているかとの御質問にお答えします。  遺伝子組み換え食品は、外から新たな遺伝子を食品に組み込むことであり、例えば、トウモロコシから取り出した遺伝子を稲に組み込むことで栄養価の高い米を作ることができます。また、ゲノム編集食品は、食品がもともと持っている遺伝子を働かないようにさせて食品の性質を変えることであり、例えばジャガイモの毒素を作る遺伝子を働かないようにさせることで、芽に毒素を作らないジャガイモを作ることができるようになります。  遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品は市場に出る前に、厚生労働省の専門家で構成される食品安全委員会で科学的な評価や安全性審査を経て、安全性に問題がない食品のみが流通できるような仕組みとなっております。そのため、給食で使用する食材を選定するに当たっては、遺伝子組み換えやゲノム編集食品に基づく判断基準は設けておりませんが、このような手続を経て、安全性が確認された食品を給食で使用するため、食材の安全性は確保できていると認識しております。  さらに、遺伝子組み換えでない食品やゲノム編集を行っていない食品のみを使用するという基準を設けた場合、使用できる食材が制限され必要な量が確保できなくなることや、食材を購入するに当たり、給食費が高額になるおそれがあるなどの課題が生じると考えられます。  次に、学校給食における地産地消の推進にどう取り組んでいるかとの御質問にお答えします。  これまで、県内産の地場産物の活用割合については、本市は37.04%で、国が定める第3次食育基本計画の目標値である30%を達成しております。なお、市内生産者からの昨年度実績としましては、延べ15名の地元生産者から31品目の食材を購入し、使用しました。給食で地産地消に取り組むメリットとしては、地場産食材を使用した芦北・水俣メニューを提供するなどして、学校給食を生きた教材として活用する食育を推進することができています。  デメリットとしては、無農薬の場合は、害虫被害があることや天候不良などの影響により安定的な納入ができない場合があります。この点については、不足分を地元の業者へ発注するなどして、給食が滞りなく提供できるよう努めております。  今後も地元生産者と連携し、給食での地場産食材の活用割合がさらに増えるよう継続して取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 遺伝子組み換えとは、今説明いただいたように、他の生物の遺伝子を取り入れて新たな性質を持たせる技術で、自然界では起こり得ないとされています。  説明であげられた以外に、除草剤をかけても枯れない大豆や菜種というのがあるようです。ゲノム編集の例としては、ほかに、筋肉増強を抑える遺伝子を取り除いて筋肉量を増やした動物、豚や牛などに当てはめているようです。  遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品については、センター独自の基準は設けていないけれども、国の委員会のチェックを経て給食に使っているので安全性は確保できているとの答えでした。  学校給食は安全でおいしいということが大前提です。今後も安全性の確保については、最大の注意を払っていただきたいと思います。  地産地消の取り組みにより、生産者の顔が見える関係が生まれ、食の安全性にもつながることが期待されます。子どもたちや家庭への生産者の紹介はどうしているのか。また、生産者と子どもたちの交流の機会が設けられているとすればどのように行われているのかをお尋ねいたします。  地産地消に子どもたちが関わる取り組みとして、地元の食材を使ったメニューの開発に子どもたちのアイデアを取り入れるなど、地産地消の推進に子どもたちの発想を生かす、そういう取り組みができないものかと思います。  この2点についてお尋ねいたします。 ○議長(岩阪雅文君) 小島教育長。 ○教育長(小島泰治君) 田中議員の2回目の御質問にお答えします。2点ございました。  1点目ですけれども、子どもたちや家庭への生産者の紹介はどのようにしているのか。また、生産者と子どもたちの交流の場はどのように行われているのかという御質問でした。  具体的な取り組みといたしましては、給食だよりで生産者を紹介しているとともにセンター内に生産者の紹介パネルを掲示しております。子どもたちと生産者の交流の場につきましては、これまでも個別の生産者と子どもたちとの交流はあっておりますけれども、給食センターとしての取組は行っておりませんので、今後各学校と交流の場づくりについて協議してまいりたいと考えております。  2点目ですけれども、地元の食材を使ったメニューの開発に子どものアイデアを取り入れるなど、地産地消の推進に子どもたちの発想を生かす取り組みをしてはどうかという御質問でした。  子どもたちのアイデアを生かした給食メニューにつきましては、各小中学校の児童・生徒側の希望等を考慮し、メニューの提案を受け、提供しているリクエストメニューを実施しております。  既に水俣の食材を生かした提案もなされており、地産地消の推進の視点も踏まえ、今後も取り組んでまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 現在のコロナ禍にあって、私は食物自給率向上の必要性を感じています。  できるだけ地元産の食材を使うことが、地元の農業、また水産業の活性化にもつながるものと思います。また、地元産の食材を口にすることを通して、地元の食文化や歴史を学ぶこともできるでしょう。今後も食材の安定的な納入方法については生産者と関係機関と連携して、地産地消の推進に取り組んでほしいと要望して終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、森林伐採の現状について、答弁を求めます。  城山産業建設部長。    (産業建設部長 城山浩和君登壇) ○産業建設部長(城山浩和君) 次に、森林伐採の現状について、順次お答えします。  まず、伐採面積の推移はどうなっているのかとの御質問にお答えします。  森林法第10条の8第1項の規定による届け出のあった過去5年間の森林伐採面積の推移は、主伐につきましては、平成27年度は124.7ヘクタール、平成28年度は151.4ヘクタール、平成29年度は211.5ヘクタール、平成30年度は246.3ヘクタール、令和元年度は195.1ヘクタールで、5年前と比較して増加傾向にあります。間伐につきましては、平成27年度は88.9ヘクタール、平成28年度は50.2ヘクタール、平成29年度は75.7ヘクタール、平成30年度は43.3ヘクタール、令和元年度は14.7ヘクタールと減少しております。  次に、伐採後の災害防止の対策はどうなっているかとの御質問にお答えします。  伐採後の災害防止対策につきましては、森林法の規定により森林の伐採時には伐採計画や伐採後の造林の方法等が記載された伐採及び伐採後の造林届出書を市に提出することとなっておりますので、その内容を確認し、不備がない場合は届出書を受理し、留意事項等を記載し、伐採及び伐採後の造林計画に対する適合通知書を送付しております。  この留意事項の中で、主伐の場合は、森林資源の積極的な造成と林地荒廃の防止を図るため、人工造林をする場合は、原則として2年以内に植栽を完了することと記載されております。伐採後の土砂流出対策など留意事項に適していない場合や申請者からの問合せ、相談などがあった場合は、個別に対応し、速やかに災害防止対策など必要な措置を講じるよう森林所有者及び林業事業体に指導を行っております。  なお、造林完了後は、森林法第10条の8第2項の規定により伐採及び伐採後の造林に係る森林の状況報告書を市に提出することとなっており、市として、写真及び現地確認を行っております。  また、人工造林をしない場合につきましては、伐採後の5年後に県と一緒に現地調査を行っており、森林の再生がない場合には、森林所有者及び林業事業体に改善するよう指導を行っております。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 災害対策については、事業者等に対して必要な措置を講じるよう指導を行っているということでした。特に、伐採後の造林に係る部分については、現地での確認作業等も行っているということだったと思います。  長野町に住んでいるわけですが、家からちょっと出ると、高速道路の建設や太陽光発電設備の建設が近くで進んでおります。そして、山が切り開かれています。また、市内各所を回っていると、切り開かれた山の近くに住んでおられる方が口々に森林伐採が災害につながらないかと心配しておられます。木材を切り出した後、大雨が降ったときに土砂とともに小枝や葉っぱが流れ、小さな川をふさいでしまって水が道路や田畑にあふれてきたという声も7月の豪雨災害の後、そういう声も聞きました。そういうことがあって、今回このような質問をしております。  この間、農林水産課で何度か話を聞きました。豪雨災害との関連では、決して、森林伐採だけでなく、ほかの要因もある。特に森林に関しては、人の手が余り入っていない人工林、それは根の張りが弱く崩れやすいという話もお聞きしました。先ほどの伐採面積の推移を聞いて、間伐が減っているということが分かりました。これは、山の世話をする人、後継者が少ないということなのでしょう。近年の想定外と言われる豪雨に備えて、森林伐採だけでなく、道路建設等で水の流れが変わり、思わぬところで水の被害が出たというそういう場所もあったようです。  そこで、これから先はまた別の機会にお尋ねをしようと思います。
     豪雨災害防止のために、森林伐採後の対策だけでなく、いろいろな工事による水の流れの変化が考えられますが、その水の流れを洪水が起こらないようコントロールできないものか。  また、午前中に松本議員から質問があっておりました川底のしゅんせつ、これも早く行う必要があるというふうに思います。これらのことについては、また別の機会に申し上げますが、国・県への要望も含めて、関係各課が連携して取り組んでいただきたいというふうに思っているところです。これについてはこれで終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、水俣病問題について、答弁を求めます。  髙岡市長。    (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 次に、水俣病問題について、お答えします。  9月12日の熊日新聞に、小泉環境大臣が「健康調査に用いる客観的診断手法について、1、2年後をめどに研究成果の有効性を判断する考えを明らかにした」という記事が出た。それによると、脳磁計とMRIを組み合わせた方法が客観的診断法の開発につながる可能性があるとの発言があったようだ。これらの小泉大臣の発言を市としてどう捉えているかとの御質問にお答えします。  今回の小泉大臣の発言は、令和2年9月11日に行われた記者会見において述べられたものと理解しております。水俣病特別措置法第37条の規定によりまして、政府は調査・研究の実施のためにメチル水銀が人の健康に与える影響を把握するための調査、効果的な疫学調査、水俣病問題に関する社会学的調査等の手法の開発を図るとされております。  今回の記者会見では、健康調査、これに関することについては、現時点で予断を持ってお答えすることはできないという状況でありますとの発言もありますので、直ちに水俣病特別措置法に規定される健康調査の実施につながるものではないと理解しておりますが、健康調査の実施に向けての発言ではないかと考えており、水俣市としては、今後も国の動きを注視してまいりたいと考えております。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 今の答弁で1カ所理解できなかったことがありますので、再度確認の意味で御説明をお願いしたいと思います。  直ちに特措法に規定される健康調査の実施につながるものではないが、健康調査の実施に向けての発言ではないかと考えていると、その点がちょっと分かりにくかったので確認させていただきたい。小泉大臣が記者から、健康調査の実施時期を尋ねられた際に現時点では答えられないと述べておられたので、健康調査をすぐに実施するということではないと考えているという趣旨の発言と理解していいのでしょうか。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 2回目の御質問にお答えいたします。  先ほどの私の答弁の趣旨といたしましては、私の理解としては、現時点においてはまだ客観的な診断の手法の研究途中でありまして、1、2年後に健康調査の実施が可能となるわけではないのではないかということを理解しているというふうに申し上げたところです。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 私は、患者や被害者団体が求めているのは特措法37条の1項の前半部分に当たるのではないかというふうに考えています。  その部分は、「指定地域及びその周辺の地域に居住していた者の健康に係る調査研究」、そのことを求めておられるのではないかというふうに思っています。つまり、不知火海沿岸住民の健康調査であります。  ところが、今回、小泉大臣は、客観的診断法という言葉を使われたので、脳磁計とMRIを組み合わせた手法が水俣病の診断基準に使われるのではないかと心配しています。脳磁計では認定患者は32名しか検査を受けていない。その中で、水俣病特有の所見が取れたのは19名、約6割だと聞いています。このような検査が水俣病の認定審査に使われるようなことになれば、ほとんどが認定されなくなり、患者切捨てにつながるという心配があるわけです。このことについてはどう考えられますか。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 田中議員の3回目の御質問にお答えいたします。  小泉大臣が記者会見で話された脳磁計とMRIを組み合わせた客観的な診断手法ということについて、これを使うべきではないという議員のお考えなのかなというふうに思っております。それをどう考えるかということでございますけれども、これは田中議員がなぜ使うべきではない、今御説明あったとは思うんですけれども、私としましては、専門家ではございませんので、この手法についての見解を申し上げることは適当ではないというに考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、映画「MINAMATA」について、答弁を求めます。  小林副市長。    (副市長 小林信也君登壇) ○副市長(小林信也君) 次に、映画「MINAMATA」について、順次お答えします。  まず、水俣病を世界に伝えた写真家ユージン・スミスをジョニー・デップが演じる映画「MINAMATA」が、来年国内上映されると報じられた。市としてどのような情報を持っているか、との御質問にお答えします。  市としては、先月25日の新聞報道で国内上映が来年に決まったということは知りましたが、それ以外については何も情報はありません。  次に、昨年の3月議会で藤本議員への答弁で、市長はエグゼクティブプロデューサーからのメールを紹介されたが、その後、映画関係者との接触や連絡はあったのかとの御質問にお答えします。  昨年の3月議会以降、映画関係者との接触や連絡はあっておりません。  次に、この映画上映に期待することは何かとの御質問にお答えします。  昨年の3月議会で申し上げましたように、ユージン・スミス氏が滞在されていた当時の様子や歴史等に加え、これまで長年にわたり本市が取り組んできた環境再生と環境モデル都市づくり、地域の再生や振興、互いを思いやる共生社会の構築、併せて環境復元がなされた豊かな海や自然に囲まれた現代の水俣の姿がこの映画を通じて何らかの形で広く発信されることを期待しております。また、市民、とりわけ次代の水俣を担う若い世代が、自らのふるさとに自信を持てる内容となっていることを願っているところです。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) 昨年の3月議会では、エグゼクティブプロデューサーからのメールには、水俣を訪問したいし、時間があれば挨拶にも伺いたいと記されていたというふうに紹介をされました。残念ながら、現在まで水俣訪問は実現していないということですね。  また、向こうからのメールに返信する形で市長の気持ちを届けたいと言っておられましたが、これについてはどうなったのでしょうか。 ○議長(岩阪雅文君) 小林副市長。 ○副市長(小林信也君) 田中議員の2回目の御質問にお答えします。  昨年3月議会でエグゼクティブプロデューサーからのメールに返信をするということであったが、どうだったのかというお尋ねでした。  以前、送信されていたメールには近い将来水俣を訪れたいと思っているので時間があるならば挨拶に伺いたいというようなことが書いてありましたので、直接お会いしてお話をしたほうがよいと考え、訪問の連絡をお待ちすることになりました。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 田中睦議員。 ○(田中 睦君) ということは、結局、メールは送っていないということですね。  蒲島知事はメッセージを送られたということでしたが、映画の舞台となる水俣市からは向こうからのメールに返信もしていないと。これは礼を失しているのではないでしょうか。制作の総指揮に当たる方からメールが来たぐらいですから、市長の思いを今からでも伝えることをためらう必要はないと思うのですが、どうでしょうか。  映画に関する情報については、新聞以外にはないということでしたが、上映が近づいていますので、市のほうから積極的に情報収集をする姿勢が必要だと思いますが、どうでしょうか。  ユージン・スミスとともに写真集を制作されたアイリーンさんは時々水俣においでになっているようです。このアイリーンさんと連絡をとれば、何らかの情報が得られるのではないかと思っています。  この映画はジョニー・デップが自らプロデュースし、主役を演じ、国際映画祭で俳優賞を受賞していることもあって、世界からも注目されているようです。映画を見た後の反応は様々出てくるとは思いますが、水俣をテーマにしたこの映画を通して水俣のことを知りたいという人が増え、水俣を訪れる人が増えることを願っています。  市長が前回言っておられた水俣の歴史、豊かな自然あふれる現在の水俣の姿を知ってほしいという思いに私は共感します。今後、効果的なタイミングを考えて、今のような市長の思いを発信し、水俣のPR・活性化につなげてほしいと考えますが、どうでしょうか。  明日水曜日の深夜、木曜目に日付が変わる時間帯に「MINAMATAユージン・スミスの遺志」という番組がテレビであるようです。映画と関連したものなので私は見るつもりでおります。  今回の答弁は、前回の市長答弁よりもトーンダウンしたような印象を受けました。どうぞ積極的な情報収集と水俣からの思いの発信について、前向きの答弁を期待して、質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 小林副市長。 ○副市長(小林信也君) 田中議員の3回目の御質問に順次お答えします。  まず相手からの連絡を待つのではなく、今からでも映画制作会社等に思いを伝えてはどうかという御質問でした。  映画の内容を把握しておりませんので、現段階で制作会社等にお伝えすることは特にございません。  次に、世界的に有名な方が主演をされているので、市がもっと積極的に情報収集を行い、地域活性化等につなげてほしいと考えるが、どうかというお尋ねでした。  映画の内容が地域の活性化に結びつくものであれば、考えていきたいと思っております。  以上でございます。 ○議長(岩阪雅文君) 以上で田中睦議員の質問は終わりました。  この際、15分間休憩します。                                   午後2時28分 休憩                                   ─────────                                   午後2時40分 開議 ○議長(岩阪雅文君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、平岡朱議員に許します。    (平岡朱君登壇) ○(平岡 朱君) 皆さん、こんにちは、日本共産党の平岡朱です。  ある市民の方が、以前こんなことをおっしゃいました。国会の答弁がごまかしと逃げばかりで、教育上よくない。子どもたちは声には出さないがじっと見ているんだと。衆議院調査局の調べで、桜を見る会前夜祭をめぐる国会答弁で、前首相が合計33回もの虚偽答弁を行っていたことが明らかになりました。最新の世論調査でも77.4%もの人が桜を見る会前夜祭での参加費補填の疑惑をめぐる前首相の説明に納得できないとしています。また、森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんの問題でも大臣や官僚による虚偽答弁が139回にも上ります。  我が家でも、ニュースを見ていると、政治のことに限らず、これどういうこと、何の話、何で謝ってんのなどと、子どもたちから何で何での嵐です。子どもたちに説明できる、そんな当たり前の政治を取り戻していきたいと強く感じております。  それでは、以下質問に入ります。  大項目1、多様な「性」を生きる人たちが暮らしやすい社会の実現について。  私は女性として生を受けました。そして自分自身のことを女性だと認識しています。つまり、私は生まれながらにして持つ生物学的な性と自分で感じている性別が一致しています。しかしそれはたまたまなんだということに気づいたのは高校生のときです。あるドラマがきっかけでした。ドラマの中で、ある女子生徒は、体の性と心の性が一致せず、日々葛藤しながら、体にさらしを巻いて登校します。大変苦しそうでした。そしてそのときに、ああ、私はたまたま体と心が一致しているのだと気づかされました。  人間の性は男と女の2種類ではありません。人は多様な性に生まれます。私たちの性は大きく分けて4つの要素が絡み合い、成り立っています。  1つ目は、生物学的な性、つまり生まれたときにオスなのかメスなのかということです。中には判別がすぐには難しい赤ちゃんもいます。2つ目は、性自認、つまり自分の性別をどう感じているかということです。3つ目は、性的指向、つまり、どのような性別の相手を好きになるかということです。そして4つ目は、性表現です。立ち振る舞いや服装・話し言葉などが男性的か女性的かということです。  そして、LGBTという言葉ですが、この言葉は以前に比べると世間的に大きく認知されてきました。少しずつですが、理解も進みつつあります。LGBTとは、性的指向における少数者と性自認にまつわる少数者の4つの言葉の英語の頭文字を並べた略称です。Lはレズビアン、女性の同性愛者、Gはゲイ、男性の同性愛者、Bはバイセクシャル、男性も女性も好きになる人、Tはトランスジェンダー、生まれたときの性別と自認する性別が異なる人です。  性的マイノリティーは、LGBTという枠だけではくくることはできず、この定義の中に当てはまらない方々も存在します。  日本におけるLGBTの割合は、昨年の調査で10.0%という結果でした。つまり、10人に1人当事者がいるということです。これは、左利きの人やAB型の人と大体同じ割合です。水俣市の人口は、12月1日現在で2万3,812名ですので、10%で計算した場合、約2,380人の当事者がいるということになります。周りにいないということではなく、気づいていない、見えないということです。私の友人にも当事者がいます。  どんな性を生きている人でも、安心して、自分らしく生きられるよう、以下質問いたします。  ①、水俣市においてLGBTなど性の多様性について、市民が理解することができる具体的な施策や取り組みはあるか。  ②、市の職員、教育現場において、多様な性についての研修等の実施は行われているか。  ③、現在、市立図書館、学校の図書室に、LGBTなど性的マイノリティ(性的少数者)についての書籍は設置されているか。  ④、市内公共施設や学校における多目的トイレの設置状況はどのようになっているか。設置されているところについてはどのような表示になっているか。  ⑤、新庁舎の多目的トイレについては、LGBTに配慮するなど、どのような設置を予定しているか。  ⑥、現在、市民課で取り扱う各申請書などの書類について性別欄が不要なものは何種類ほどあるか。  大項目2、小学校運動部活動社会体育移行後の課題について。  ①、小学校の運動部活動はどのような経緯で社会体育へ移行となったのか。  ②、社会体育移行後のクラブチームへのサポート体制はどのようになっているか。  大項目3、再生可能エネルギー100%のまちづくりについて。  ①、再生可能エネルギー100%のまちづくりの実現について、現在の市の考え方はいかがか。  ②、本市で再生可能エネルギーの導入をさらに進めていくため、市民参加型の新電力会社を立ち上げてはどうかと思うが、市長の見解はいかがか。  大項目4、水俣病問題について。  ①、現在、熊本地裁、東京地裁、大阪地裁で係争中の水俣病不知火患者会を原告とする裁判は、提訴後、それぞれ何人になるか。  ②、現在、熊本地裁、東京地裁、大阪地裁で係争中の水俣病不知火患者会を原告とする裁判の原告数は、それぞれ何名か。  以上、本壇からの質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 答弁を求めます。  髙岡市長。     (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 平岡議員の御質問に順次お答えします。  まず、多様な「性」を生きる人たちが暮らしやすい社会の実現については総務企画部長から、小学校運動部活動社会体育移行後の課題については教育長から、再生可能エネルギー100%のまちづくりについては私から、水俣病問題については福祉環境部長から、それぞれお答えします。 ○議長(岩阪雅文君) 多様な「性」を生きる人たちが暮らしやすい社会の実現について、答弁を求めます。
     堀内総務企画部長。     (総務企画部長 堀内敏彦君登壇) ○総務企画部長(堀内敏彦君) 初めに、多様な「性」を生きる人たちが暮らしやすい社会の実現について、順次お答えします。  まず、水俣市においてLGBTなど性の多様性について市民が理解することができる具体的な施策や取り組みはあるかとの御質問にお答えします。  性の多様性をテーマとした市民の理解を深めること、これを趣旨とした施策や取り組みについては、これまで実施しておりません。なお、令和2年3月に策定した第4次水俣市男女共同参画計画においては、基本方針Ⅲ「男女(みんな)で共に生きる社会づくり」の中で、「性と性の多様性を尊重する意識づくり」という項目を新たに設け、職員や市民への意識啓発を図っていくこととしております。  次に、市の職員、教育現場において、多様な性についての研修等の実施は行われているかとの御質問にお答えします。  市の職員において、御指摘の性の多様性に関する研修等は実施しておりません。なお、総務課、生涯学習課など、人権啓発関係の事務を担当する職員につきましては、熊本県・人権同和教育課などが主催される担当課長研修会、担当者研修会が定期的に開催されており、この中で研修の機会がございます。  教育現場におきましては、文部科学省から、「性同一性障害に係る児童・生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」として、平成27年4月30日付で通知がなされ、学校現場での支援内容などについても示されており、これを受けて、研修の機会を設けるよう努めております。ちなみに、令和2年度においては、これまでにテキストやリーフレット等の資料を用いて校内研修を実施した学校が7校、外部講師等による研修を行った学校が3校となっております。  次に、市立図書館、学校の図書室にLGBTなど性的マイノリティーについての書籍は設置されているかとの御質問にお答えします。  市立図書館においては、現在、「よくわかるLGBT」、「被差別マイノリティーのいま」など23冊の書籍があり、貸出しを行っております。  また、学校図書室においても、市内小中学校全体で26冊の書籍があります。  次に、市内公共施設や学校における多目的トイレの設置状況はどのようになっているか。設置されているところについてはどのような表示になっているかとの御質問にお答えします。  本市の公共施設や学校における多目的トイレの設置状況について申し上げますと、市内43の公共施設に95カ所、10の学校に22カ所設置されております。各施設の表示につきましては、主に車椅子マークの掲示、「多目的トイレ」という文字による表示となっており、もやい館においては車椅子、男性、女性及び子どもをイメージしたマークの掲示に、「どなた様も御利用できます」という文字を加えた表示になっております。  次に、新庁舎の多目的トイレについては、どのような設置を予定しているかとの御質問にお答えします。  新庁舎では、1階フロアに2カ所、2階フロアから4階フロアまでの各フロアに1カ所の合計5カ所に多目的トイレの設置を予定しております。いずれの多目的トイレも、LGBTなど多様な性を生きる人たちにも利用しやすいトイレとなるように検討したいと考えています。  次に、現在、市民課で取り扱う各申請書などの書類について性別欄が不要なものは何種類ほどあるかとの御質問にお答えします。  現在、市民課で取り扱っている各申請書などの種類は243種類で、そのうち性別の記載欄がないものは159種類です。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) 答弁をいただきましたので、早速2回目の質問をさせていただきます。  1点目に、性の多様性について理解することができる取り組みはこれまで実施されていないとのことでしたが、今後、理解促進につながる具体的な計画の策定は予定されているのか。これが1点目です。  また、市の職員においての研修等は実施されていないとのことでした。  2点目に、市の職員向けに、窓口での対応などのための対応指針の作成や研修会の実施などを行うおつもりはないか、お尋ねいたします。  続いて、子どもたちとの関わりについてです。多くの当事者が物心ついたころには既に違和感を感じています。トランスジェンダーは病気ではありません。よって、性同一性障害という言葉も名称変更の動きがあります。関連の書籍についてですが、学校には、LGBTに関する本が1冊もないというところが少なくありません。しかし水俣市の学校には、26冊もの本が並んでいるとのことで大変うれしく思いました。市立図書館にも、手に取りやすい場所に、関連の本が並んでいます。悩んでいる児童・生徒たちにとって、情報があること、相談しやすい環境があるということは、大きな救いになります。実際に当事者も、もし授業で教えてくれていたら、あんなに考え込まなくて済んだかもしれないと言っています。いないのではなく、言えない環境があるということです。  そこで、3点目の質問です。  今後、授業とまではいかずとも、性の多様性を理解するための時間を設ける、独自の教材を活用するなど、情報発信を広げる取り組み、また、書籍の近くに例えば、ありのままでいいんだよとか、悩んだらここに相談に来てねなどのメッセージ発信を行ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。これが3点目です。  そして、次にトイレの問題です。多くの当事者は、トイレが男女の2種類だったら我慢するといいます。  そこで4点目に、市内の公共施設の多目的トイレの表示について、幾つかの表示の種類があるようですが、今後幅広い方が利用しやすいよう、例えば「だれでもトイレ」など表示の工夫について検討していただけないでしょうか。  そして最後に、性別欄のある書類についてです。市民課で取り扱う書類を詳しく調べていただきました。ほかの自治体では、印鑑登録証明書、住民票記載事項証明書などについても性別欄の削除、または記載の選択をすることができる等の対応をされているところもあります。  そこで5点目に、性別欄が必要ない書類については今後さらに見直しをしていただけないでしょうか。  そして6点目に、そのために市民課以外の課におきましても、まずは申請用紙などの性別欄についての調査を行ってもらえないでしょうか。  質問は、以上6点です。 ○議長(岩阪雅文君) 堀内総務企画部長。 ○総務企画部長(堀内敏彦君) 平岡議員の2回目の質問にお答えします。  全部で6点あったかと思いますが、3点目の学校現場の関係以外につきまして、私のほうからお答えさせていただきます。  まず1点目の今後、理解促進につながる具体的な計画の査定を予定しているかということですが、現在のところ性の多様性に係る理解促進につながる個別の計画を策定する予定はございません。なお、第6次水俣市総合計画第1期基本計画では、第2章、豊かな心で未来に挑戦する人づくり、施策区分1、互いを認め合う社会づくりにおいて市民の人権意識の醸成に努めることをうたっているところでございます。  次に、2点目の市職員向けに窓口対応などのための対応指針の作成、研修会の実施などを行うつもりはないか。  これにつきましては、まず対応指針につきましては熊本県において昨年3月に職員向けの指針として、性的マイノリティーへの理解を深めるために「熊本県職員ハンドブック」、これを作成され、職員の啓発に利用されていると伺っております。これを参考に他の市町村の状況等も踏まえながら、今後検討させていただきたいと考えております。  職員研修につきましては、メンタルヘルス研修、コンプライアンス研修などのテーマ別研修の設定において考慮させていただきたいと考えております。  次に、3点目を飛ばしまして、4点目、市内の公共施設の多目的トイレの表示についてですが、今後幅広い方が利用しやすいよう、例えば「だれでもトイレ」など、表示の工夫について検討をということでございました。  今後、多目的トイレを整備する場合は、利用しやすいトイレの表示について検討していきたいと考えています。  5点目、性別欄が必要ない書類については、今後見直しをしていただきたい。また、併せて6点目として、そのために市民課以外の課においても調査をということでしたが、見直しについては、これ5点目、6点目ちょっと併せてお答えさせていただきたいと思いますが、まずは市役所の各部署が所管する申請書類等について、まずは現状を把握するために全庁的な調査に着手したいと考えております。  以上でございます。 ○議長(岩阪雅文君) 小島教育長。 ○教育長(小島泰治君) 私からは、平岡議員の2回目の3点目の御質問にお答えします。  小中学校において、性の多様性を理解するための時間を設けたり、独自の教材活用するなど情報発信を広げる取り組みを行ってはどうか。また、書籍の近くにメッセージ発信を行ってはどうかという御質問でありました。  学校現場でも児童・生徒には性の多様性を理解するため、朝の会や学級活動でテーマとして取り扱った学校もあるほか、保健体育の授業の中でも学習を行っております。独自の教材の活用については考えておりませんけれども、現在行っている取り組みは継続してまいります。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) 多様な性の当事者とは、私たちを含めてこの社会で暮らす全ての人です。社会の仕組みや理解が進めば、どんな性を生きる人も、今よりもっと暮らしやすい社会になるはずです。今後もこのテーマについて引き続き取り組んでいきたいと思います。  最後に1点お尋ねいたします。  現在、日本の法律では性別が同性同士のカップルは結婚することができません。しかし、自治体が、同性パートナーシップ制度を導入することで、2人の関係を「婚姻に相当する関係」だと認めることができます。自治体が同性カップルの存在を正面から認めるということは、大きな意義を持ちます。現在全国66もの自治体で導入されており、導入予定の自治体も60以上に上ります。  そこで、水俣市におきましても、パートナーシップ宣誓制度を導入されてはどうかと思いますがいかがでしょうか。  以上1点お聞きいたしまして、質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 堀内総務企画部長。 ○総務企画部長(堀内敏彦君) 平岡議員の3回目の御質問にお答えします。  本市においても、パートナーシップ制度の導入はいかがかとの御質問でしたが、まずはこの制度についての調査・研究を行い、他の自治体の導入事例を参考にしながら、制度の必要性について考えていきたいと思います。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、小学校運動部活動社会体育移行後の課題について、答弁を求めます。  小島教育長。    (教育長 小島泰治君登壇) ○教育長(小島泰治君) 次に、小学校運動部活動社会体育移行後の課題について、順次お答えします。  まず、小学校の運動部活動はどのような経緯で社会体育へ移行となったのかとの御質問にお答えします。  本市の小学校運動部活動が社会体育へと移行することになった経緯は、熊本県教育委員会が平成27年3月に策定した「児童生徒のための運動部活動及びスポーツ活動の基本方針」において、小学校の運動部活動を社会体育へ移行することを明確に定めましたので、この基本方針に従い、平成30年度末までに社会体育移行を完了いたしました。  次に、社会体育移行後のクラブチームへのサポート体制はどのようになっているのかとの御質問にお答えします。  小学校運動部活動社会体育移行に併せて、水俣市キッズスポーツクラブの登録制度を開始し、移行した全クラブチームへ活動奨励金を一律に交付し、九州大会以上に出場するクラブチームや個人へは大会出場奨励金を交付しています。また、各小学校に備品管理に必要な倉庫等を設置し、体育施設の使用料減免も行っています。そのほかにも、子どもたちや保護者に市内のクラブチームを紹介するため、広報みなまた及び市ホームページに活動内容を掲載しています。指導者に対しても、児童への適切な指導を行っていただくよう資質向上のための研修会を毎年開催しています。社会体育に移行して間もなく2年を迎えますが、現在もクラブチームの様々な相談に対応し、各競技団体と連携を図りながら、新しい競技のクラブチーム発足にも力を入れていますので、社会体育移行後の課題は特にございません。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) 2回目の質問をいたします。  先ほどの答弁の際、社会体育移行後の課題は特にございませんとの発言がありましたが、社会体育移行後2年目というときに、課題がないということはなかなかあり得ないことではないかと感じております。  平成29年の6月議会で次のような声が紹介されています。  2016年に社会体育移行前に実施されたアンケート調査で、今後の課題として考えられることとして、活動場所への送迎や経済的な負担が出てくることに対して反対である。保護者への負担がかかることから運動の機会を奪われてしまう児童が出てくるのではないかなどの声です。このような心配されていた事態について、現状はどうなのか、子どもたちが困っていることはないだろうかなど、そういう考えや視点が必要なのではないかと思います。  そこで確認を含め、2点質問いたします。  1点目に、社会体育移行前から、様々な懸念事項が出されておりました。例えば送迎について、経済的な負担について、活動までの子どもたちの過ごし方について、指導者の確保についてなどです。これらの事項について、それぞれどのような対応をされ、現在どのように運用されているのかお尋ねいたします。  そして2点目に、現在、活動後のスクールバスの利用については、各学校どのような運行状況でしょうか。  2回目の質問は、以上2点です。 ○議長(岩阪雅文君) 小島教育長。 ○教育長(小島泰治君) 平岡議員の2回目の御質問にお答えします。  2点ございました。  1点目は、社会体育移行前から送迎についてなど、様々な懸念事項が出されていたけれども、これらの事項について、どのように対応しているのか、また現在、どのように運用されているかという御質問でした。  まず、御質問をいただいた4項目の対応について、お答えをいたします。  まず、送迎についてですけれども、送迎が必要な児童については、主に保護者で行われています。  次に、経済的な負担についてですけども、1回目の答弁で申し上げましたとおり、活動奨励金等を交付し、体育施設の使用料減免も行っております。  次に、活動までの子どもたちの過ごし方についてですけども、各小学校に御協力をいただいて、帰りの会から社会体育活動開始までの間、児童の居場所を提供していただいております。  次に、指導者の確保についてですが、競技団体等に御協力をいただき、新しい指導者による8つのクラブチームが立ち上がっております。なお、現在の運用については、活動主体であるクラブチームが各々の状況によって行われております。  以上です。  失礼しました。もう1点ありました。  2点目なんですけれども、活動後のスクールバスの利用についてですけれども、各学校はどのような運行状況かということですけれども、スクールバスにつきましては、児童の通学及び学校教育活動のために運行をしておりますので、社会体育活動には使用しておりません。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) ありがとうございました。  部活動のときは、基本的に下校後そのまま活動に入ることができました。社会体育移行後、クラブチームにより開始時間が異なり、放課後、子どもたちが過ごす時間もそれぞれ違います。指導者は働いている方も多くそれぞれお仕事の都合がありますので、指導者が変われば開始時間が変わるということも出てきます。  仕事の都合でいえば保護者もそうです。放課後、活動までの間、学校で空き教室などを提供していただき、保護者が見守りを行うとなると、学年にもよりますが、午後3時過ぎからの見守りが必要となり、仕事の調整をせざるを得ません。職種によってはできる方とできない方も出てこられるかと思います。  また、児童が放課後一旦帰宅する際、例えば、学校での活動の場合、うちの息子もそうですが、比較的学校から近い児童であれば、自宅から徒歩や自転車で向かうことができます。しかし、学校から離れた地域では、保護者の送迎が必要となります。送迎については、答弁にもありましたように部活動のときには、部活動終了後、スクールバスで帰宅することができていましたが、現在は学校が終わった時点でしか運行がないため、帰宅の際は保護者の送迎が必要不可欠となります。保護者の送迎が困難で、中にはやめざるを得なかったという児童もいるとお聞きしています。  実際に、今大なり小なり、現状課題があることは確かです。しかも、社会体育への移行以前から懸念されていた事項も含まれています。  答弁にもありましたように、現在、それぞれのクラブチームが活動主体となっておりますので、全ての課題を一緒くたに解決していくことは難しいとは思いますが、互いのクラブの課題を共有したり、整理したりすることで、見えてくる解決策も出てくるかもしれません。仮に抱えている課題が解決できないとなった場合、最終的に影響を受けるのは子どもたちです。子どもたちに平等にスポーツの機会が与えられるよう、議論とその都度の検証が必要かと感じています。  また、今年はコロナによる臨時休校や自粛生活で、子どもたちの体力低下が心配されています。様々なイベントの中止も余儀なくされている中で、子どもたちだけに限らず、市民が体を動かす機会が少しでも増えるよう、スポーツ振興のためのバックアップをお願いしたいと思います。  最後に2点、質問いたします。  1点目に、社会体育移行後2年目を迎えた今、まずは、現状を把握するための手だてを講じることができないだろうかと考えますが、いかがでしょうか。  そして2点目に、水俣の子どもたちが住んでいる地域や経済的な理由などで、格差なくスポーツができる機会が得られるようにと思っておりますが、そのことについてのお考えをお聞かせください。  以上で質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 暫時休憩します。
                                      午後3時15分 休憩                                   ─────────                                   午後3時18分 開議 ○議長(岩阪雅文君) 再開します。  小島教育長。 ○教育長(小島泰治君) 平岡議員の3回目の御質問にお答えします。  2点ございましたけれども、先ほどの御質問の中で、学校が終わってから社会体育に移行するまでの間に、保護者がつかなければいけないという御質問がありましたけれども、そのようなことはありませんので、強制をしているわけじゃありませんので、お答えをしておきます。  まず1点目なんですけれども、社会体育移行後の2年目となって、現状を把握するための手だてを講ずることができないかというような御質問でしたけれども、現状を把握するための手だてにつきましては、既に全てのクラブチームの活動内容を定期的に把握しております。また、個別の細かい相談や要望にも適宜対応をしております。  2点目ですけれども、水俣の子どもたちが住んでる地域や経済的な理由などで格差なくスポーツができる機会が得られるようにという議員の思いに対する考えについてですけれども、基本的に社会体育活動というのは地域社会や家庭において自主的に行われるもので、学校教育活動ではございませんが、移行時には子どもたちのスポーツ活動の場が広がるよう全力で取り組みました。  具体的に申し上げれば、バドミントン、卓球、バレーボール、フラダンス、ソフトボール、陸上競技、ソフトテニス、伝統芸能、レクリエーションの8つの新しいクラブチームが地域のあちこちに立ち上がり、クラブチームの総数は41チームとなりました。  また、経済的な負担軽減についても再度答弁しておりますけれども、活動奨励金等を交付し、体育施設の使用料を2分の1に減免しています。加えて申し上げるならば、運動部活動から移行したクラブチームの学校体育館の平日夕方の使用料は現在も無料にしております。  このように、現在できる支援につきましては、最大限取り組んでいるところでございます。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、再生可能エネルギー100%のまちづくりについて、答弁を求めます。  髙岡市長。    (市長 髙岡利治君登壇) ○市長(髙岡利治君) 次に、再生可能エネルギー100%のまちづくりについて、順次お答えします。  まず、再生可能エネルギー100%のまちづくりの実現についての現在の市の考えはいかがかとの御質問にお答えします。  再生可能エネルギーの導入に関しまして、第6次水俣市総合計画では、低炭素社会の実現を目標に掲げ、持続可能な低炭素社会の構築と再生可能エネルギー導入促進による温室効果ガスの排出量削減を目指すこととしています。  また、本市は、地球規模の問題である温暖化対策に取り組む自治体として、市全体の温室効果ガス排出量を基準年度の2005年度から2050年度までの間に50%削減するという目標を掲げ、水俣市環境モデル都市アクションプランを策定し、持続可能な低炭素社会の実現に向け、取り組んでいるところです。  さらに、去る7月に国から選定を受けましたSDGs未来都市の環境側面の取り組みとしても、市全体の温室効果ガスの排出量削減に向け、再生可能エネルギーを用いた電力の使用を図ることとしており、前回9月議会でも御紹介させていただきましたが、令和2年8月から順次、学校施設など市が保有する施設へ新電力を導入しているところです。  経済産業省が今年4月に公表した2018年の国内の再エネ比率が16.9%であることからも、再エネ導入100%という目標を達成するのはかなり厳しいとは考えますが、今後も引き続き、再生可能エネルギーの導入、引いては持続可能な低炭素社会の実現に向け、本市計画において掲げる施策を、着実に講じてまいります。  次に、本市で再生可能エネルギーの導入をさらに進めていくため、市民参加型の新電力会社を立ち上げてはどうかと思うが、市長の見解はいかがかとの御質問にお答えします。  新電力会社の新規設立につきましては、9月議会で答弁いたしましたとおり、電力会社の切替えによる市が保有する施設への再生可能エネルギー由来の電力導入を優先して進めていくこととしているため、現時点においては、考えておりません。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) では、2回目の質問をします。  9月議会で再生可能エネルギーの導入について質問させていただいた際、まずは市の施設への再生可能エネルギーの導入を目指し、その後の取り組みについては検討していないとのことでしたが、目標達成のために、ぜひその後の取り組みについても検討していただければと思っております。  再生可能エネルギーの多くは、地域固有のエネルギー資源です。2016年2月に完成した久木野寒川地区の小水力発電は、その事業効果として、地域資源を活用したエネルギーの地産地消、小水力発電の管理・運営による地域活性化や集落維持が挙げられています。この事業は大変注目され、視察に訪れる方も多かったとお聞きしております。  再生可能エネルギーは、化石燃料の使用量や二酸化炭素排出量を減らすだけではなく、地域に新たな経済循環を生み出し、地域の活性化にもつながるものです。この寒川地区の取り組みは、先駆的な例です。  そこで1つ目の質問です。  このように、地域の資源を生かした自然エネルギーの普及促進のため、水俣市の小水力発電について、導入の可能性を検討していただけないでしょうか。これが1点目です。  また、水俣市第6次総合計画では、地域における温室効果ガス排出量の削減について、産業・運輸・業務・家庭の各部門において、再生可能エネルギーの導入促進を進め、温室効果ガス排出量の削減を目指しますとあります。また先ほどの答弁にも、計画において掲げる施策を着実に講じるとのことでした。  本市での再生可能エネルギーの導入をさらに進めていくためには、市の施設だけにとどまらず、企業や一般家庭においても再生可能エネルギーの導入を進めるべき、せめて導入について検討すべきかと思います。  そこで2つ目の質問です。  現在、再生可能エネルギーとして導入しておられるチッソの水力発電について、市の施設以外においても幅広く導入を進めていただくことを検討していただけないでしょうか。  質問は、以上2点です。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 2回目の御質問にお答えいたします。  まず1点目が、市の小水力発電についての導入の可能性を検討してもらえないかという御質問でございました。  小水力発電設備の導入につきましては、規模な設備の割に導入費用が比較的高い点や季節ごとの水量の増減によりまして発電量が安定せずに採算性が予想しにくい点、そして小まめな設備の維持管理が必要であるなどの課題が多いことから、市としては現状小水力発電の設備を設置する計画はございません。  2点目の再エネとして導入しているチッソの水力発電を市の施設以外にも幅広く導入を検討したらどうかという御質問でございます。  本市としましては、電力料金の低減、CO2排出量の低減、供給安定性と地産地消の条件を勘案し、新電力の導入を現在進めているところであります。  今後も条件に合う市が保有する施設への導入については検討を続けてまいりますが、議員御質問の一般家庭や市内企業など、市の施設以外の導入につきましては、その全ての電力需要を賄うには現在のスキームでのJNC株式会社が有する水力発電からの供給電力量では不足することが予測されるため、現時点では考えておりません。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) 先月、小水力発電が中山間地域の存続方法として注目されているという新聞記事がありました。  小水力発電の活用は、地域の活性化だけでなく、地場企業の技術力を生かすことにもつながります。課題が多く見られるとのことでしたが、市民からも小水力発電の活用に期待する声も聞かれますし、活用できる地域資源がある以上、しかも水俣市はその資源が1カ所にとどまりませんので、その資源を生かせないかどうか、今後、市としてぜひ再度御検討いただけないかと思います。  なお、本日午前中の質問でも触れられていた風力発電についてですが、風力発電自体は、自然エネルギーの一つではありますが、今回の3つの事業者による大規模な風力発電計画は、自然破壊・健康被害の観点からも様々な多くの問題があり、大変危惧しております。市長におかれましては、その是非については、後世に悔いを残さないよう、市民の声をしっかり聞いて御判断いただきますよう切にお願いいたしておきます。  先ほど2回目の答弁で、市の施設以外の再生可能エネルギーの導入については、供給量が不足することが想定されるため考えていないとのことでした。現在、JNCからの電力供給については、水俣製造所で消費した後、その余剰電力の一部を水俣市内の公共施設に供給しているとのことです。電力量そのものとしては、現在の供給量以上にあるということかと思います。  またJNCのホームページには、水力発電によるエネルギーの地産地消の実現でSDGsを推進というタイトルの下、今年8月から始まった水力発電を中心とした電源による水俣市施設への電力供給について掲載されています。  また、こうも記してあります。社会課題の解決に貢献することでサステナブルな未来の実現を目指しており、そうした取り組みの一環として本事業に参画すると。SDGsの推進を図る積極的なすばらしい取り組みです。  また、JNCの地域貢献は水俣市民にとっても大変歓迎されるものです。JNCにとっても、水俣市民にとっても、また、気候変動対策としても、今以上の取り組みについて前向きに検討することがぜひ必要かと思います。  また、再生可能エネルギーの活用については、以前、円卓会議も開かれており、その際、市民参加型の新電力会社の立ち上げについて、市民側からもJNC側からも提案があったと聞いております。この提案についてもぜひ議論のテーブルに乗せていただければと思います。  今回、電力供給に関する協定を締結した、水俣市、JNC株式会社、JFEエンジニアリング株式会社の名が連なる文書では「水力発電などのエネルギーの地産地消を推進し、持続可能な社会の実現に向けて、取り組んでまいります」と、このように締めくくられています。まさしくSDGsの実践そのものです。SDGs未来都市としての水俣市の今後の取り組みに大きく期待いたしまして、質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 次に、水俣病問題について、答弁を求めます。  一期﨑福祉環境部長。    (福祉環境部長 一期﨑充君登壇) ○福祉環境部長(一期﨑充君) 次に、水俣病問題について、順次お答えします。  まず、現在、熊本地裁、東京地裁、大阪地裁で係争中の水俣病不知火患者会を原告とする裁判は、提訴後それぞれ何年になるかとの御質問にお答えします。  現在、熊本地裁、東京地裁、大阪地裁で係争中の水俣病不知火患者会を原告とする裁判、いわゆるノーモア・ミナマタ第二次国家賠償等請求訴訟につきまして、国及び熊本県に確認したところ、熊本地裁における提訴日は平成25年6月20日、東京地裁は平成26年8月12日、大阪地裁は平成26年9月29日であり、熊本地裁では提訴後7年、東京地裁及び大阪地裁では提訴後6年が経過しております。  次に、現在、熊本地裁、東京地裁、大阪地裁で係争中の水俣病不知火患者会を原告とする裁判の原告数はそれぞれ何名かとの御質問にお答えします。  当該裁判につきまして、国及び熊本県に確認したところ、熊本地裁における原告数は1,472名、東京地裁は83名、大阪地裁は132名となっております。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) お答えいただきましたように、熊本地裁においては、裁判は既に提訴から7年が過ぎています。この間、126人の原告の方々が判決を待たずして亡くなられています。生きているうちに救済をというこの言葉は、時がたつにつれて、より重く、より現実味を帯びた言葉となっています。  裁判は、1陣、2陣の原告を先行して審理するということを、原告・被告・裁判所の三者間で合意の上、進められています。しかし、被告側の国、熊本県、チッソは、もともと裁判終結の時期は遅らせないと約束していたにもかかわらず、書面作製の準備を理由に引き延ばしを行っています。  そして、答弁いただきましたように、熊本地裁における原告数は1,472人です。資料によると、そのうち23人が水俣市の原告数となっています。  水俣のある原告の方は、しびれやこむらがえり、ふらつきがひどく、診察した医師から水俣病の症状を認められたとき、これまでの不調の原因がやっと分かったと言われます。早く救済してほしいと訴えられます。また、同じく水俣の別の原告の方は、当時の私たちは貧しかったし、魚を食べるしかなかった。汚染されていると知っていれば食べなかったかもしれないが、そんなことは知らなかったし、ほかに食べるものもなく、たくさん食べた。中学生のころからこむらがえりなどの症状に悩まされている。なぜ被害を受けた私たちがこんなにも長い時間頑張らなければならないのか。裁判を始めてから7年もたち、もう心身ともに疲れてきた。周りの原告も亡くなったり、裁判に行くことができなくなってきた人もいる。生きているうちに救済をと声を大にして言いたい。もうこれ以上裁判を長引かせないでほしいと語られました。  いまだ救済されず裁判を続ける、このような市民の声を御紹介した上で、2点質問いたします。  まず1点目は、市長にお尋ねいたします。  今なお裁判を続ける水俣の原告のこの声を市長、どう思われるでしょうか。  そして2点目に、水俣病特別措置法第4条には、救済を受けるべき人々があたう限り全て救済され、水俣病問題の解決が図られるように努めなければならないとあります。そうなるように、水俣市としても最大限の力を尽くすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。  質問は、以上2点です。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 御質問にお答えいたします。  今なお救済を求めている方がいらっしゃるのでどう考えるかということですけれども、やはりい一日も早くあたう限りの方が救済されることが必要かと考えております。 ○議長(岩阪雅文君) 一期﨑福祉環境部長。 ○福祉環境部長(一期﨑充君) 水俣市としても水俣病問題の解決が図られるよう最大限の力を尽くすべきではないかという御質問だったと思います。  水俣病特別措置法第4条には、国、関係地方公共団体、関係事業者及び地域住民は、それぞれの立場で救済を受けるべき人々があたう限り全て救済され、水俣病問題の解決を図られるよう努めなければならないと規定されております。  水俣病問題への対応については、本市の重要な課題であり、解決が図られるよう取り組んでいかなければならないと認識しております。  本市におきましては、被害を受けられた方はもちろん、多くの市民の声を国や県、関係企業にしっかりと伝えていかなければならないと考えております。 ○議長(岩阪雅文君) 平岡朱議員。 ○(平岡 朱君) 市長も一日も早く救済されることが必要ということでしたし、市としても多くの市民の声を伝えていかなければならないとのことでした。先ほどの市民の声もぜひとも国、県、チッソにお伝えいただければと思います。  昨年の新聞報道では、水俣病特別措置法で、地域外とされていた山間部にも一時金給付の救済対象者の存在が明らかになりました。記事によると、行商人により、水俣湾周辺で捕れた魚介類が流通したとされる水俣・芦北地域などの山間部の救済状況について明らかになり、水俣市では、越小場地区84人、久木野地区67人、古里地区48人となっています。このデータのように汚染は山間部まで広範囲に広がっており、まだ名乗り出ることのできない市民がおられる可能性もあります。いまだに申請もできずにいる潜在患者が、ここ水俣市にも大いに存在し得るということです。市民の健康被害がどこまで広がっているのか、その把握を県任せにするだけではいけない状況かと思います。  そこで、最後に1点、市長にお尋ねいたします。  本日午前中の質問の際、市長から住民の命と健康を守るための事業をちゅうちょなく実施していくとの答弁がありました。水俣病の被害を受けた全ての民が救済されるよう広範囲の汚染の実態を調査するために、住民の命と健康を守るために、やはりちゅうちょなく健康調査を実施すべきと思いますがいかがでしょうか。  以上で質問を終わります。 ○議長(岩阪雅文君) 髙岡市長。 ○市長(髙岡利治君) 議員の3回目の御質問にお答えします。  私が午前中申し上げました財政難だけれども、市民の命と健康守る事業はちゅうちょなく実行していくという言葉は、これは市の事業のことでございまして、今回のその不知火海沿岸の健康調査という部分に関しては先ほどの答弁で申し上げましたけれども、環境省、国のほうでその手法を今開発中ということですので、その動向をしっかり見守っていきたいというふうに考えております。  以上です。 ○議長(岩阪雅文君) 以上で、平岡朱議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問の日程を終了します。  次の本会議は明9日に開き、一般質問を行います。  なお、議事の都合により、あすの本会議は午前9時30分に繰り上げて開きます。  本日はこれで散会します。                                   午後3時41分 散会...