和歌山市議会 > 2012-06-20 >
06月20日-06号

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  1. 和歌山市議会 2012-06-20
    06月20日-06号


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    平成24年  6月 定例会                平成24年          和歌山市議会6月定例会会議録 第6号            平成24年6月20日(水曜日)     -----------------------------議事日程第6号平成24年6月20日(水)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問第3 承第1号、議案第1号から同第16号まで     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問南畑幸代君、松井紀博君、遠藤富士雄君)日程第3 承第1号、議案第1号から同第16号まで     -----------------------------出席議員(37名)  1番  姫田高宏君  2番  松坂美知子君  3番  永野裕久君  4番  西風章世君  5番  園内浩樹君  6番  中塚 隆君  7番  浦平美博君  8番  小川孝夫君  9番  上田康二君 10番  島 幸一君 11番  丹羽直子君 12番  吉本昌純君 13番  井上直樹君 14番  芝本和己君 15番  渡辺忠広君 16番  山本忠相君 17番  薮 浩昭君 18番  奥山昭博君 19番  中尾友紀君 20番  戸田正人君 21番  松井紀博君 22番  野嶋広子君 23番  中村協二君 24番  古川祐典君 25番  尾崎方哉君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  岩井弘次君 30番  松本哲郎君 31番  寒川 篤君 32番  北野 均君 33番  遠藤富士雄君 34番  山田好雄君 35番  宇治田清治君 36番  貴志啓一君 37番  佐伯誠章君 38番  和田秀教君欠席議員(1名) 26番  山本宏一君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         大橋建一君 副市長        松見 弘君 副市長        河瀬芳邦君 総務公室長      坂本安廣君 危機管理局長     池永俊二君 財政局長       山口研悟君 市民環境局長     上島 勲君 健康局長       永井尚子君 福祉局長       小松孝雄君 まちづくり局長    東 重宏君 建設局長       川端正展君 会計管理者      山田 丘君 教育委員会委員長   中村 裕君 教育長        大江嘉幸君 教育局長       原 一起君 消防局長       林 正義君 公営企業管理者 藤原庸記君 水道局長       内原久夫君 選挙管理委員会委員長 射場道雄君 代表監査委員     伊藤隆通君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       岡崎広治 事務局副局長     尾崎順一 議事調査課長     幸前隆宏 議事調査課副課長   佐伯正季 議事班長       中西 太 調査班長       石本典生 事務主査       尾崎公彦 事務主査       村井敏晃 事務主査       小野田 靖 事務副主査      佐川恭士 事務主任       北野統紀 事務副主任      松林 出   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(和田秀教君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(和田秀教君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において  北野 均君  宇治田清治君  松本哲郎君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(和田秀教君) 次に、日程第2、一般質問を行います。順次質問を許します。 南畑幸代君。--27番。 〔27番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆27番(南畑幸代君) 皆さん、おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。 まず、産廃問題にかかわっての質問です。 この計画が明らかになってから1年が経過いたしました。住民の皆さんは、飲み水や洪水、環境破壊など、学習すればするほど、より一層不安が募り、計画撤回こそ唯一の不安解消であるとの思いがさらに強まっています。そんなもとで、市長に提出された設置反対を求める署名は、現在、9万筆からさらに広がっていると聞いています。 また、地元の山口連合会の皆さんだけでなく、岩出市や阪南市の住民の方など、多くの皆さんが不安を持ち、計画撤回を求めています。許認可権を持つ和歌山市が住民の不安の声にどうこたえるのか、また、行政としての責任をどう果たすのか、このことが、今、求められていると思います。 私は、住民の皆さんのこの声を踏まえて、今議会でも質問をしたいと思います。 1、市長は、計画が明らかになった1年を通して、9万筆を超える撤回を求める住民の声の理由と問題点を現時点でどう受けとめておられますか。また、12月議会以降、市長に対してどんな声が寄せられていますか。 2、昨年の9月議会で、市長はトラブル調査に行くと答弁され、12月議会で紀の川市に行かれたと答弁されましたが、その後、調査に行かれたところがありますか。 3、事業者が昨年4月12日に示し、また、ことし1月に一部計画変更した計画の現状と見通しはどうなっているのでしょうか。 洪水や水質汚染など、住民不安の声にこたえる点から、事業者に対し、どのように指導に当たっているのでしょうか。 また、協議されている担当部局の進捗状況はどうなっていますか。 4として、昭和27年以降、和歌山市では洪水被害があったことについてお聞きをいたします。 ①昭和27年以降、甚大な被害があった状況と雨量について、どう把握し、その後の対策をどう講じているのでしょうか。 ②滝畑で平成7年7月4日に洪水被害を受けていますが、この日の滝畑地域雨量測定値はどうなっていますか。 5、滝畑地域森林伐採による洪水被害をどのように予測し、受けとめているのでしょうか。 最後に、計画予定地山口地区には、熊野古道が通い、王子社を訪ね、たくさんの人々が来られています。教育委員会は、こうした文化遺産をどのように扱い、評価していますか 次に、通学路の安全の問題にかかわっての質問です。この質問に関しましては、先輩同僚議員と重なるところもあるかと思いますが、御容赦お願いしたいと思います。 京都府亀岡市や千葉県館山市で、登校中の児童の列に車が突っ込む事故が相次いだことを受け、4月27日、学校保健安全法に基づく学校安全推進に関する計画が閣議決定されました。 同じ4月27日、文部科学省から、学校の通学路の安全に関する文部科学大臣緊急メッセージが出されました。 和歌山市においても、積極的な取り組みが求められています。そこで、幾つかお聞きいたします。 1、京都府亀岡市で起きた通学路での事故後、和歌山市ではどのような対策を講じたのか。また、国の方針はどうなっているのですか。今後の対策について、お聞かせください。 2、通学路の危険箇所の現状と各学校等から出されている要望は、どのように把握されたのでしょうか、その内容をお答えください。 3、和歌山市の児童生徒の過去3年間における交通事故数について、その内容をお答えください。また、登下校時に限って事故件数はどうなっていますか。 以上をお聞きいたしまして、第1問とさせていただきます。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) おはようございます。27番南畑議員一般質問にお答えいたします。 産業廃棄物最終処分場計画に関して2点ございます。 計画が明らかになってから1年たつが、撤回を求める住民の声、それとその理由と問題点をどう受けとめているのか。12月議会以後、市長に対してどんな声が寄せられているのかというのが第1点であります。 12月議会以降、地元山口小学校の保護者や福祉施設の関係者などの要望や、阪南市住民の方々から1,161筆の反対署名と要望書が提出され、また、上黒谷東池水利組合等、各種団体から設置反対の要望が多数寄せられています。 その内容を拝見いたしますと、理由と問題点は、生活環境自然環境への影響に伴う不安と、設置予定事業者に対して不信感を抱いているというものと受けとめております。 それから、2番目の御質問は、トラブル調査に行くと去年9月の議会で答弁しているが、12月議会で紀の川市に行ったということを聞いたが、その後、調査に行ったことはあるかということであります。 トラブルの調査につきましては、昨年11月に紀の川市の最終処分場視察以後、他の処分場視察は行っていません。今後も、他都市における現状と課題を調査し、参考となる事案があれば検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 上島市民環境局長。 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕 ◎市民環境局長(上島勲君) 27番南畑議員一般質問にお答えします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、事業者が昨年4月12日に示し、また、ことし1月に一部計画変更した計画の現状と見通しはどうなっているのでしょうか。洪水や水質汚染など住民不安の声にこたえる点から、事業者に対しどのように指導に当たっているのでしょうか。また、協議されている担当部局の進捗はどうなっていますかとの御質問です。 平成23年4月に事業者が行った行政向け説明会で、本市14課と農業委員会から意見が提出され、そのとき示した工程計画は、現在では不確定なものと認識しています。 また、平成24年1月の計画案の修正は、南谷池の埋め立て中止や、全体容量の縮小等となっており、現在、計画書作成のための現地測量等を終え、今後、各構造物や施設に対し個別の設計が進められていく予定であると思われます。 住民の方々は、森林伐採による洪水のおそれ、水質汚染のおそれなど、自然環境生活環境への影響に対する不安感を持っておられますので、技術的裏づけに基づいて、適切かつ丁寧に説明するよう指導してまいります。 また、事前協議内容に関して、建設関係については、これまで市道の一部区間で低くなっている箇所のかさ上げについて、地域で唯一の生活道路であるため、施工方法、期間及び迂回路の設置なども含め、地元の皆様の御理解を得るよう指導してまいります。 調整池の規模を決定する条件の一つである狭窄部が滝畑川にあることから、最終処分場から出る排水の流量調整により、現状の滝畑川の流下能力を超えることのないよう、また、水道については、滝畑地区住民に供給する水の安全性と安定性の確保が必要であることから、現況と同等の水量と水質が確保できるよう事業者と協議中であります 農林関係は、本年7月以降に、現地で事業計画に関する説明を受ける予定となっています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 池永危機管理局長。 〔危機管理局長池永俊二君登壇〕 ◎危機管理局長(池永俊二君) 27番南畑議員一般質問にお答えいたします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、2点ございます。 昭和27年以降、甚大な洪水被害があった状況と雨量について、どう把握し、その後の対策をどう講じているのでしょうかとの御質問です。 本市では、昭和27年7月10日、時間雨量99ミリメートルという大雨による洪水被害が発生しております。 平成以降の豪雨による浸水被害の主なものは、平成元年9月に、この月だけで集中豪雨が4回、台風が1回、和歌山市を襲い、9月中の累積降水量が824.5ミリメートル、床上・床下浸水を合わせますと、延べ9,988件に上りました。 また、平成7年7月4日の集中豪雨では、累積降水量が164.5ミリメートル、床上・床下浸水が1,703件、さらに近年では、平成21年11月11日の集中豪雨で、累積降水量が244.5ミリメートル、床上・床下浸水が2,381件と大きな被害が出ました。 本市では、気象警報が発令されると同時に、地域防災計画に基づく災害警戒本部を設置し、被害情報や降水量など、さまざまな情報の収集に努めております。 災害後の対策につきましては、雨水ポンプ場の整備や水路の改修など、対策を講じているところでございます。 次に、滝畑で平成7年7月4日に洪水被害を受けているが、この日の滝畑地区雨量測定値はどうなっているのかとの御質問です。 滝畑地区には雨量の観測地点がないため、地区内の正確な雨量は不明ですが、平成7年7月4日の和歌山地方気象台累積降水量は164.5ミリメートルを観測しております。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 27番南畑議員一般質問にお答えします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、滝畑地域森林伐採による洪水被害をどのように予測し、受けとめているのでしょうかとの御質問です。 滝畑地域森林伐採につきましては、地域森林計画の対象となっている民有林において1ヘクタールを超えて開発行為をしようとする者は、森林法第10条の2において県知事の許可を受けなければならないこととなっています。 当該林地開発許可申請があった場合、県にて、森林法の許可基準等に基づいて災害の防止、水害の防止等の観点から厳正な審査が行われますが、森林法第10条の2第6項の規定に基づき県から本市に意見を求められた際につきましては、水害の防止、災害の防止、水源の確保、環境の保全の観点から種々意見を述べたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 原教育局長。 〔教育局長原 一起君登壇〕 ◎教育局長(原一起君) 27番南畑議員一般質問にお答えします。 まず、安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわってです。 計画予定地山口地区には、熊野古道が通い、王子社を訪ね、たくさんの人々が来られます。教育委員会は、こうした文化遺産をどのように扱い、評価していますかとの御質問です。 熊野古道が大阪から入る和歌山県の最初の地域である山口地区には、滝畑の中山王子、湯屋谷の山口王子といった2カ所の王子社跡があります。それぞれの王子社跡には、王子社の由緒や周辺の文化財の案内を記した2基の案内板を設置しています。 和歌山市内には9カ所の王子社跡があり、教育委員会は、熊野古道を語る貴重な資料として案内板を設置しています。 次に、通学路の安全にかかわって、3点ございます。 まず、京都府亀岡市で起きた通学路での事故後、和歌山市ではどのような対策を講じたのか。国の方針はどうなのか。また、今後の対策についてもお聞かせくださいとの御質問です。 教育委員会では、京都府亀岡市での事故当日、市立の全小中学校、幼稚園に対し、通学路における注意喚起をメールで配信し、翌日には、市立の全小中学校長及び幼稚園長あて危険箇所の総点検と要望を報告するよう通知しております。 その報告と各学校からの要望に対し、教育委員会が現場を調査し、市で対応できる要望事項については関係部局に依頼し、対処しているところです。 また、警察署及び県道管理者に関する要望事項については、5月28日に警察、県、市の通学路に関する関係者で和歌山市通学路緊急交通安全対策会議を開催し、通学路の安全確保に向け協議しているところです。 国の方針につきましては、本年4月27日に、学校保健法に基づく学校安全の推進に関する計画が閣議決定され、同日付で、関係機関等が一層連携、協働して、通学路の安全確保に努めるよう、文部科学大臣緊急メッセージが出されております。 また、5月30日付で国から出された通学路における緊急合同点検等実施要領により、危険箇所合同点検実施状況等の報告を求められております。 今後の対策としましては、国の要領に従い、対策が必要な箇所において、学校、保護者、道路管理者、警察署による合同点検を実施するなど、早急な改善に取り組み、通学路の安全確保を図ってまいります。 次に、通学路の危険箇所の現状と各学校から出されている要望は、どのように把握されたのでしょうか。また、その内容をお答えくださいとの御質問です。 危険箇所の現状と要望については、毎年4月に通学路の設定と要望の報告を各学校園に求めております。各学校園は、設定と要望に当たり、PTA、自治会等、校区内の関係諸団体と協議した上で、教育委員会に報告があります。 今回、この事故を受け、いま一度、通学路における危険箇所の総点検と要望を早急に報告するよう依頼した結果、19学校園から危険箇所に対する要望がありましたので、教育委員会が現地の状況を調査し、危険箇所の把握をしたところです。 また、要望の内容については、信号機や横断歩道の設置あるいは一方通行などの交通規制にかかわる警察への要望や、歩道、ガードレールの設置など、道路管理者への要望などがあります。 最後に、和歌山市の児童生徒の過去3年間における交通事故の内容について、また、登下校時に限っての事故件数はどうなっているかとの御質問です。 本市の児童生徒の過去3年間における交通事故についての主な内容は、道路を横断中の接触、車の左折時での接触や出会い頭での接触などで、平成21年度で47件、平成22年度で56件、平成23年度では47件となっています。 また、その中で登下校時に限っての事故件数としましては、平成21年度で13件、平成22年度で24件、平成23年度では15件となっています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 27番。 〔27番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆27番(南畑幸代君) お答えをいただきましたので、2問をいたします。 滝畑川は、山中川、男里川と続きます。この谷筋は、古来、熊野もうでの主街道でした。小栗判官と照手姫の故事から小栗街道とも称されるとホームページにも記載があります。 教育委員会の答弁は、「それぞれの王子社跡には、王子社の由緒や周辺の文化財の案内を記した2基の案内板を設置」している、「熊野古道を語る貴重な資料として案内板を設置」しているということでした。 和歌山絵本の会の松下知恵さん--もう昨年、亡くなられたとお聞きしたんですけれども--この方とちょっとおつき合いさせていただくことがありまして、彼女たちが和歌山県に伝わる民話や熊野古道のことをかるたにされています。故人だけでなく、今も歴史ある地域を大切にしたいとの思いが脈々と受け継がれている、そういうことは私は感動的だと受けとめました。 ぜひ、今後も、故人やこれまで尽力された方々の思いを受けとめ、その価値に光を当てるような取り組みをしてもらいたいと要望いたします。 産廃の問題ですけど、全国で最大級の安定型最終処分場の建設に、生活や自然環境への不安から、和歌山市のみならず、阪南市民の方からも建設反対の1,161筆の署名とともに要望書が提出されているとのことでした。 そこで、市長にお聞きをいたします。 住民の皆さんの不安に対して、幾つかのことをお聞きします。 1、署名と要望書を提出された阪南市の皆さんは、計画地である滝畑川下流に続く山中川、男里川の流域に在住する住民の方々です。市長は、森林伐採による大洪水などに強い不安を持つ阪南市民の方々の撤回を求める要望に、また不安の声に対し、どのような認識を持ち、どうこたえるのでしょうか。 2、トラブルの視察についてですが、市長は昨年9月議会の私の質問で、他市を調査すると答弁されました。しかし、先ほどの1問の答弁では、紀の川市以外は行っておられないということでございました。紀の川市への視察から既に半年が経過しています。これでは、議会答弁で繰り返されてこられた住民不安に丁寧に対応するとのことが言葉だけだったのではないかということになるというふうに思います。 そこでお聞きをいたします。 全国で起きているトラブルについて調査を要請いたしましたが、十分な調査が行われていない、その理由は何かありますか。 不安の日々のただ中に置かれている住民の思いとかけ離れていると思いますが、どうでしょうか。 改めて、市長含め担当部局として、住民の不安解消に責任を持ち、全国のトラブル事例を視察、調査すべきだと思いますが、どうでしょうか。 次に、計画地の森林伐採による洪水問題についてお聞きをいたします。 質問に入る前に、ちょっと皆さんに見ていただきたいと思います。 これなんですけれども、これは滝畑川の平成7年7月4日に起こった洪水です。これ、たまたま住民の方から10年ほど前に私がいただいた写真なんですけれども(示す)、今回、非常に大きな力を持っているなというふうに思いますが、これ、同じ角度から撮った滝畑川の様子です(示す)。この下のほうに--滝畑川が、唯一車が通行する市道が下のほうにあるわけです。こういう状況になっているんですね。 森林伐採による洪水不安は、滝畑の住民はもとより、阪南市の皆さんも不安を抱いています。平成7年の滝畑地区では大洪水となり、木製の橋が流され、床上浸水などの被害があったと聞いています。 ところが、和歌山市の累積降水量は164.5ミリメートルと、観測値は平成21年と比べますと低く、市街地では大きな被害とはなっていません。そういう比較があると思うんですね。 そこでお聞きをいたします。 1、平成7年と平成21年の降水量についてですが、滝畑では平成7年に大洪水となり、平成21年には洪水とまではいかなかった。観測地点と滝畑地区までの直線距離にしてどの程度の距離がありますか。それぞれ異なった降水量であったことは、市は承知されていますでしょうか。 2、和歌山市として、洪水への住民不安を取り除くため、その対策等を専門家の意見を聞き、調査研究をすることが求められているものと思いますが、いかがでしょうか。 次に、協議内容についてです。 水道局の協議は、「滝畑地区住民に供給する水の安全性と安定性の確保が必要であることから、現況と同等の水量と水質が確保できるよう事業者と協議中」との答弁がありましたが、このことについてお聞きをいたします。 浄水場の上流側で計画されている産業廃棄物最終処分場の建設計画に対し、水道局では、昨年の4月、今回計画の産業廃棄物最終処分場滝畑浄水場の集水域外での設置もしくは浄水場の取水施設を現況の水量及び水質が確保できる場所へ移転していただくよう意見を述べていますが、その根拠についてお答えください。 次に、道路管理課との協議についてですが、9月議会の渡辺議員の質問で、「公有財産である里道、水路の売り払いに係る利害関係者の同意につきましては、隣接する土地所有者自治会等、近隣住民からも得るよう指導してまいります。」との答弁がされています。事業者の説明の図面では、水路の上に調整池をつくる計画となっていますが、水路のすぐそばには里道または林道があり、市の管理となっています。 事業者が調整池をつくる計画で、林道または里道の用途廃止や払い下げを必要とする場合は、事業者から地元自治会に同意を得る必要があるということでしょうか、お答えください。 次に、調整池についてお尋ねいたします。 1、事業者の提出している調整池の構造と規模が、住民の方の洪水不安に対する構造と規模になっているのでしょうか。市として、どういう基準に基づいて判断されていますか。 また、流下能力を超えることがないようとの答弁ですが、調整池を設置したとしても、流量調整により現状の滝畑川の流下能力を超えることがあるということでしょうか。 次に、通学路の安全についてです。 1、対策が必要な箇所を、学校、保護者、道路管理者、警察署による合同点検を実施し、安全対策を講じるとのことです。とはいっても、財源を伴うことです。確実に確保するよう、途中で予算がないのでということにならないよう取り組んでもらいたいと思います。 また、国からの要請があったので取り組むということではなく、引き続き定期的な開催をしていくという構えが必要だと思います。安全対策会議を定期的に開催していくことはどうでしょうか、お答えください。 2として、紀伊中学校の通学路中、粉河加太線紀伊駅付近から川永団地に向う通学路に歩道をと、2005年、新日本婦人の会の要望書が上げられ、2007年に設計図ができ、地域からも要望が出されていると思いますが、いまだに完成されていません。通学路の安全性が問われる中、早急な対応が必要だと思いますが、どうなっていますか。 次に、紀の国大橋への抜け道となっている通学路は、スピード規制がある道路ですが、さらに要望が出されています。いろいろな角度から、より適切な安全対策となるよう、要望の出されている区域などの実態を総合的に把握し、早急な対策を講じてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。 4、中学校では、クラブ活動などで下校時間が遅くなる場合、道路照明が少ない、あるいは設置されていない通学路もあるというふうにお聞きをしています。交通安全対策上、道路照明を積極的に設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 以上で、第2問とさせていただきます。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕
    ◎市長(大橋建一君) 27番南畑議員の再質問にお答えします。 産廃処分場について、阪南市の方々から署名と要望が提出されているが、計画地の滝畑川下流に続く山中川、男里川の流域に在住する住民が、森林伐採による大洪水などに強い不安を持っていて、撤回を求める要望を出していると、また、不安の声に対してどういう認識を持っているのかと、どうこたえるのかという御質問であります。 現時点で、設置予定業者は、阪南市民の方々に対して説明会を行っていないと聞いています。そのため、阪南市民の皆さんが不安を持っておられると考えられます。そのことに関しては、事業に対して指導するとともに、阪南市役所の担当課との間でお互いの正確な情報を共有し、阪南市民の方々の不安に対応したいと考えます。 次に、視察についてであります。 全国で起きてるトラブルについて調査を要請したが、十分な調査が行われていない理由は何でしょうか。それから、そういうことは住民の思いとかけ離れているとは思わないか。それから、住民の不安解消に責任を持つために、全国のトラブル事例を視察、調査すべきだと思うがどうかということであります。 紀の川市の最終処分場の視察と、担当課においての他府県における諸事案の調査の報告を受け、私自身、最終処分場が周辺住民に及ぼす生活環境並びに自然環境への影響について危惧するとともに、それに対しての条例、規則、要綱を含め骨子を作成中であります。しかし、事業者における現時点の計画案は、基本的に流動的で不確定なものであると判断しています。 今は、ポイントを整理し、調査を続け、住民の方々に対して正しい情報を提供し、不安を和らげることが第一と考えるとともに、事業者に対しても適切な指導が必要だと考えています。 適正に管理運営が行われている最終処分場やトラブルとなっている事例を検証するため、担当者等の派遣を検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 池永危機管理局長。 〔危機管理局長池永俊二君登壇〕 ◎危機管理局長(池永俊二君) 27番南畑議員の再質問にお答えいたします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、森林伐採による洪水問題につきまして、雨量観測地点と滝畑地区はどのくらい離れているのか。また、降水量については、和歌山市の雨量観測地点と滝畑地区では異なった降水量であることは承知しているのかとの御質問です。 和歌山地方気象台では、男野芝丁と友ヶ島の2カ所で雨量を観測しており、男野芝丁と滝畑地区とは直線距離で約12キロメートル離れております。 滝畑地区と観測地点とでは風向きや地形等が異なりますので、ほとんどの場合、降雨量についても異なった数値になるのが当然と考えます。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 上島市民環境局長。 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕 ◎市民環境局長(上島勲君) 27番南畑議員の再質問にお答えします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、計画地の森林伐採による洪水問題について、和歌山市として、洪水への住民不安を取り除くため、その対策等を専門家の意見を聞き、調査研究をすることが求められていると思いますが、いかがでしょうかとの御質問です。 洪水問題に関しては、県が行う林地開発許可の中で、下流の地域において水害を発生させるおそれがないこととされており、そこで精査されるものと認識しています。 今後、最終処分場事業計画が確定した時点で、事業者によって行われる生活環境影響調査において、気象などの状況について調査がされ、その結果について、本市が委嘱している専門技術委員等に意見をいただくことになります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 内原水道局長。 〔水道局長内原久夫君登壇〕 ◎水道局長(内原久夫君) 27番南畑議員の再質問にお答えします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、協議内容について、浄水場の上流側に計画されている産業廃棄物最終処分場の建設計画に対し、水道局では、昨年4月に、今回計画の産業廃棄物最終処分場滝畑浄水場の集水域外での設置もしくは浄水場の取水施設を現況の水量及び水質が確保できる場所へ移転していただくよう要望しているが、その根拠について答えてくださいとの御質問です。 水道局では、今回計画されている産業廃棄物最終処分場の建設予定地が、飲料水を供給する滝畑浄水場の集水域に入っていること、また、原水水質に影響があることも考えられることから意見書を提出したものです。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 27番南畑議員の再質問にお答えします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、協議内容について、調整池をつくる場合、事業者が林道の用途廃止や払い下げを必要とする場合は、事業者から地元自治会に同意を得る必要があるということかとの御質問です。 事業者の説明では、現在のところ、林道の廃止や払い下げがあるかどうかはわかりませんが、通常、当該手続をする場合につきましては、地元受益者や土地所有者との間で紛争が生じないあかしとして同意を得るよう指導しております。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 川端建設局長。 〔建設局長川端正展君登壇〕 ◎建設局長(川端正展君) 27番南畑議員の再質問にお答えします。 安定型産業廃棄物最終処分場計画にかかわって、協議内容について、調整池をつくる場合、事業者が里道の用途廃止や払い下げを必要とする場合は、地元自治会に同意を得る必要があるということでしょうかとの御質問です。 里道の用途廃止をする場合、地元自治会等との間で紛争が生じないあかしとして、同意を得るように指導しております。 次に、調整池について、事業者の提出している調整池の構造と規模が、住民の方の洪水不安に対応する構造と規模になっているのか。市として、どういう基準に基づいて判断されているのか。また、流下能力を超えることがないようとの答弁ですが、調整池を設置したとしても、流量調整により現状の滝畑川の流下能力を超えることがあるということかとの御質問です。 調整池の構造と規模は、滝畑川の流下能力を超え、市道等が冠水し被害が起こることのないよう、県が設置予定業者に適切に指導するものと考えております。 また、調整池については、50年の長い期間に一回といったまれな大雨を想定した規模とするよう、県において指導されているとのことです。 したがって、市といたしましては、県が設置予定業者に指示、指導する事項について、徹底して遵守するよう指導してまいります。 最後に、通学路の安全にかかわって、紀伊中学校の通学路に関連しまして、通学路の安全性が問われる中、早急な対応が必要だと思うが、どうなっているのか。また、いろいろな角度から、より適切な安全対策となるよう、要望の出されている区域などの実態を総合的に把握し、早急な対策を講じてもらいたいと思うがとの御質問です。 まず、通学路の安全性に対する対応につきましては、平成20年に市道紀伊149号線及び同線から川永団地までの市道で、歩道幅員の確保について、かねてより地元から要望があり、1メートルから1.5メートルの歩道を確保できるよう、平成21年度に着手し、順次供用しながら、平成26年度完了予定で進めています。 工事完了後には、外側線の白線及びポストコーン等の設置を考えております。 次に、通学路の安全対策につきましては、登校中の児童が車にはねられ死傷した事故など、子供たちがかかわる交通事故が全国的に多発しています。子供たちがより安全に通学できるよう、道路づくりを進めるため、通学路における交通安全対策をより一層推進したいと考えています。 そのため、本年度は、とりわけ通学路の安全対策施設の設置等の要望が各小学校などから多く出ており、通学路の安全対策に取り組んでいるところです。 議員御質問の区域につきましても、警察等関係機関と協議しながら、その区域で可能で効果的な対策を講じていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 原教育局長。 〔教育局長原 一起君登壇〕 ◎教育局長(原一起君) 27番南畑議員の再質問にお答えします。 通学路の安全にかかわって、2点ございます。 まず、確実に予算を確保できるよう、途中で予算がないのでということにならないよう取り組んでもらいたい。また、先日開催された会議の定期的な開催が必要だと思うがどうかとの御質問です。 児童生徒の通学路の安全を確保するため、さまざまな対策を講じているところですが、その対策に必要な予算につきましては、担当部局とも連携し、予算確保に努めてまいります。 また、先日開催した会議の定期的な開催につきましては、必要と考えております。 次に、中学校では、クラブ活動などで下校時間が遅くなる場合、道路照明が少ない。交通安全対策上、道路照明を積極的に設置すべきだと思うがどうかとの御質問です。 夜間の通学路における安全を確保するため、道路照明につきましても、積極的に担当部局に設置を依頼してまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 27番。 〔27番南畑幸代君登壇〕(拍手) ◆27番(南畑幸代君) それでは、第3問をさせていただきます。 通学路の安全については、教育委員会の答弁どおり、早急な取り組みを要望いたします。 産廃の問題なんですけれども、まず、トラブルについてですけれども、私ども市議団は、全国で起こっているトラブルの事例の一つとして、5月に滋賀県の栗東市へ行ってまいりました。 安定型最終処分場で、平成10年に、もう既に--随分前ですけれども--埋め立てが完了いたしましたけれども、その直後、硫化水素が検出され、滋賀県は業務改善命令を出し、10年近くたってもなお掘削は完了せず、調査と対策方向も手探り状態であります。この処分場ですけれども、その産廃処分場の埋め立てを行った従業員の内部告発によりまして、掘削調査で何と105個のドラム缶が掘削されましたが、しかし証言では、ドラム缶は3,000個ほどあるということであります。 ここの処分場は、住宅地、団地と本当に道一つ隔てたところに建設されております。また、和歌山市と違いまして、この栗東市の飲み水の約7割が地下水に頼っているということなどから、住民は徹底した安全調査と全量撤去を求めながらも、生活に不安を抱いておられます。処分場近くの栗東市が買い取った運動公園は、硫化水素の影響などの危険性から、現在は立入禁止となっております。 ちょっと写真を紹介したいと思います。 これなんですけれども(示す)、これは従業員の証言により掘削されたドラム缶です。県の職員の方は、こうやって防護服を着てるんですけど、こちらは住民の方で、そういうものはなしで立っておられるんですね。風が吹いてたら、そっち行ったら危ないでとか言いながら作業されたというんですけれども、このドラム缶は、証言によりますと3,000個、中にはダイオキシンとかいっぱいいろいろなものが詰まってるという、こういうことでございます。 これは、先ほど市が買い取って運動公園にしようとしたところなんですけれども、硫化水素が発見されたということで、閉鎖されております(示す)。 これは、すぐそばの、現在は耕作放棄地となっている場所です(示す)。 最後の写真は、これは地下水からわき出た水です(示す)。こんな色をしているんです。 私は、市長には、調査しない、視察しないと言っておられるわけではありませんので、ぜひ全国の安定型のトラブル事例を積極的に視察に行っていただきたいと思います。ぜひ、早急に行っていただいて、御自身の目で見てきてほしいと思うんです。担当部局の方にも事例の調査、視察をするようにと、市長としての指導性を発揮していただくことを要望いたします。 大洪水についてですけれども、滝畑の皆さんは、さっき写真でお見せしました洪水よりももっと以前に、戦後間もない昭和27年にも、あの写真よりももっとすごい洪水に遭っておられます。さらに、その後も洪水があったというふうに聞いています。 このように、洪水は何度も経験されているんです。だからこそ、深い森林とともに山を大事にして生活をしてこられました。50年に一度、そういうことではない体験が滝畑地域にはあるんです。 調整池については、50年に一度のまれな大雨を想定した規模とするよう、県において指導されるとのことですが、しかし、写真のような洪水を防げる保障はないんです。その保障があるのか、そんなふうに思います。11ヘクタールもの森林伐採により、さらに洪水がふえるのではないか、その不安は阪南市の方々も同じ思いだと思います。 私は、最後に、今回の質問と答弁で明らかになったことをちょっと整理させていただきたいと思います。 まず、森林伐採による大洪水の問題です。 第1に、11ヘクタールもの森林伐採の計画は、大洪水の不安を引き起こすことであり、絶対撤回すべきであるということ。 第2に、業者が産廃処分場計画の提出に義務づけられている降水量のデータは、滝畑地域の降水量を正確にあらわしたものは和歌山気象台のデータとしては存在しないということ。 このことを踏まえて、和歌山市自身が、森林法との関係で県の対応任せにするのでなく、市自身が専門的判断をできるよう独自の対策をし、住民不安に積極的に臨むことを強く要望いたします。 さらに、埋め立てによる処理水の安全性についてです。 事業者は、安全な処理水であると住民に説明をしています。しかし、水道局は、取水口に流し込むことは、飲み水、その原水に影響を与えることから認められないとしていることが明らかになりました。極めて重大な市の判断です。 滝畑地域の皆さんは、山間に位置し、熊野古道の昔から豊かな自然とともに暮らしてこられました。森林伐採による大洪水の不安、また、飲み水の汚染の危険にさらされること、風評被害が予想される農業の営み、悪臭など、祖先から受け継いでこられた生活を奪われる。こんな計画は一日も早く撤回すべきだと申し上げて、そのことを強く要望して、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(和田秀教君) 次に、松井紀博君。--21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) 大勲位寛仁親王殿下が御薨去されました。生前、ひげの殿下として広く国民の皆さんに親しまれた殿下の御遺徳をしのび、哀悼の誠をささげます。 --改めまして、おはようございます。ただいま議長からお許しをいただきましてので、通告に従いまして一般質問をいたします。 その前に、過日、中村教育委員長におかれましては、瑞宝章受章というはえある受章をされました。まことにおめでとうございます。経済文教委員長という立場だけではなく、一市民として、和歌山市の教育行政のトップであらせられます教育委員長が、これまでのお仕事を評価されたということでございますので、本当にうれしく思う次第でございます。 実は、この受章をちょっと調べてみますと、昔の言い方でいきますと勲四等でございます。従四位という地位でございまして、戦前であれば男爵家とか陸海軍の中将が受章されたということでございまして、従四位といえば、江戸時代では10万石の大名以上でございますので、これから先生にどのようにお話しかけていいのかわかりませんが、いずれにしましても、今後ともお体に十分留意なされまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。おめでとうございます。(拍手) それでは、一般質問、市道の安全対策向上について、通学路、生活道路、開発団地内道路等ということで通告させていただいております。 実は、過日の山本忠相議員、また、本日の南畑議員一般質問にかなり重複するというか、重複を避けるともう残りはわずかでございますので、その残りのわずかの部分だけで、市のあり方というか、今後の取り組みを問うていきたいと思います。 通学路、生活道路、開発団地内道路等、市道の交通安全対策向上についてただします。 各地の児童の事故事例については、同僚議員の質問でも詳しく述べられておりますので、ここであえて説明は省きますが、相変わらずお年寄りや児童が多く利用するいわゆる生活道路、この幹線道路間の抜け道に生活道路が利用され、あげく、交通弱者が犠牲になる交通事故が後を絶ちません。 そして、その事故の衝撃を受けた直後は、世論も行政も何とかしなければと意見が一致するのですが、時間の経過とともに事故の記憶は風化し、結果、当該事故現場のみは対処療法的に対策が講じられるものの、同じような要素を持つ危険箇所であっても、何ら現状を改善せぬままに放置されています。 例外はもちろんあります。行政が危機感を持って安全対策を講じている自治体では、生活道路における市民の安全性は劇的に向上しているのです。 さて、ここに新聞記事があります。これは、去る5月3日の朝日新聞地方版の記事ですが、一部抜粋して御紹介したいと思います。 前を略します。 小雨が降る2日朝、和歌山市立野崎小学校(同市野崎)の南門につながる通学路。生活道路だが国道から県道への抜け道にもなっている。幅5メートルほどの狭い市道を通勤に向かう車が次々と通る。「車通るでえ」。黄色い旗を手にした中村庄作さん(71)ら野崎地区連合自治会子ども見守り隊メンバーが声をかけ、市道を横断する児童たちを見送った。 路側帯を歩く児童とすぐ横を通る車との距離は1メートルほど。中村さんは「車を運転する人は、いつでも止まれる速度で運転してほしい」と訴える。通学時は南向きの一方通行で、対向車が来ないため速度を上げやすいという。小谷雅之校長も「直線道路なので前方の青信号をめがけて飛ばす車もある」と心配する。 中略--野崎小学校区を管轄する和歌山北署は、通学路の一部が幹線道路の抜け道の一方通行で、亀岡市の事故現場と似ていることから、近く通行車両の速度などを調査し、進入規制の強化や速度規制について検討するという。 同小の近くにある和歌山市立湊小学校(同市湊2丁目)では、交通量が多い分譲地近くの三差路に信号機がないという。中村典弘校長は市教委に「信号機や横断歩道を整備してほしい」と求める。 --後を略します。 そして、御承知のとおり、その湊小学校区で先月27日、4歳の幼稚園児が交通事故に遭い死亡するという事案が発生しました。 これは、平成16年以来発生していなかった本市における15歳以下の死亡者を出してしまった交通事故であります。 さて、先ほどの記事にもある野崎小学校の件ですが、亀岡の事故事例をもって検証した結果、あたかも今になって危険箇所として浮上したかのように感じる向きもおありでしょうが、実は違います。この道路の危険性は、実はこの議場においても既に指摘しております。 平成19年の2月議会におきまして、私は次のように訴えました。 陰湿な、あるいは凄惨な事件が起こると、人の目はどうしても一方向に向いてしまいがちです。しかし、卑劣な犯罪を犯す者よりも、無謀な運転を行う者の方が私たちの周りには多く存在していることもまた事実でしょう。 皆さんのお住まいの地域でも、日常の生活において、ひやっとしたことがおありだと思います。私の住む野崎地区を例にとり、現状を御紹介したいと思います。 --ここからがこの道路の説明に入ります。 紀ノ川大橋から国道26号線を北進して、狐島にあります喫茶四季の信号を右折します。--左手にJAができております----南東に入っていきますとすぐにさかえ保育園が左にあり、しばらく直進しますと野崎保育園が右手にあります。その先に野崎小学校があります。この道は、古くは野崎村の在所の中心を通る道で、地域の生活道路であるために現在も幅員が狭く、最も狭いところでは車が行き交うことも困難であります。そして、この道は野崎小学校の通学路にも指定されております。しかしながら、朝夕の車の抜け道に利用されていることが多く、通行量の非常に多い道路です。 また、そのまま直進し北島で県道に達しますと、--ガーデンパレスというんですか--メッサオークワから県道を北島橋方面へ進む車と合流します。そのため福島の--北島の交差点ですね、北島橋の下側の交差点です--交差点が停滞し、今度はその車が北島村の裏道を抜け道にするといった状況が日常的に行われております。 そして、最も問題なのは、それらの車が結構な速度を出し、通学する子供たちのわきをすり抜けていくことです。私が時速20キロ程度で走行しておりますと、そこのけとばかりに--狭い道であるにもかかわらず--追い抜く気配を見せるつわものもおりまして、全くあいた口がふさがりません。そして、このような状況はここだけではないと容易に推測されます。 和歌山市内各地で昔からの生活道路であるがゆえ、交通規制は難しく、幅員は狭く、幹線道路と幹線道路を結ぶ抜け道に利用され、しかし子供たちの通学路である、そんな道路は各所に存在し、多くの子供たちが日々危険にさらされております。そして、先ほど紹介した野崎、北島の道路は、速度制限が設けられていないため、道路交通法では時速60キロが法定速度という信じられない状況で放置されております。 --続発する交通事故を背景に、先年----これは前回のときの話ですが----危険運転致死傷罪が成立しました。そして現在、今国会の成立を目指し自動車運転致死傷罪の導入が検討されております。--これはもう既に、御承知のとおり導入されております--しかし非常に難しいのは、殺人や暴行、窃盗あるいは誘拐などの犯罪は、ほとんどの場合、犯罪を犯す事前に行為に対する自己の判断が存在します。しかし、無謀運転による業務上過失致死傷あるいは自動車運転過失致死傷の場合、その運転者は犯罪を行う自覚を持たず、それゆえにその最高刑を5年の懲役から7年に延ばしたところで、その抑止効果には疑問が残ります。 これら罪の意識のない極めて悪質な潜在的犯罪者が、自動車という凶器を持って子供たちの周りを走り回っていると考えて見たとき、やはりあらゆる手段を講じて子供たちの安全を確保すべきではないでしょうか。 前回の質問をもって、今回の内容説明にかえさせていただくわけですが、あれからおよそ5年半が経過しました。現在においては、紀の川右岸道路の整備計画も進められており、さらに幹線道路への抜け道効果が増すと予想され、当時よりも状況は悪化しております。 私は、このようにここの現状を紹介した後、安全対策のために次のような内容で具体案を提示しました。 まず、運転者の意識を変えることはなかなか困難です。物理的にスピードを抑制するハード面の方策を講ずるべきです。 また、生活道路では、通行禁止や一方通行の新たな交通規制も難しいでしょう。 また、そこで警察と協議していただき、例えば、20キロ程度を目安とした速度制限を設定し、無謀な運転をいさめるための法的根拠を設けてはどうでしょうか。 また、路側帯のカラー舗装や、自動車の走行部分へのイメージハンプなど、色彩の変化などで運転者に視覚的に訴え、車両のスピードを抑制するのも一定効果があるでしょう。 また、実際に道路を盛り上げ、ハンプと呼ばれる一種の障害物をつくり、車の走行に直接的に影響を与えるスピード抑制の方法があります。このハンプが効果的なのは、日常的に通行している運転者は、その経験則から、より効果が顕著にあらわれるというものです。知れば知るほど学習効果でスピード抑制につながり、正しい施工さえ行われれば、車両に故障を与えることもなく、騒音も抑えられます。 これらのハード整備を市内全域に導入実施する準備段階として、数カ所危険な地域を指定し、その効果をはかる一種の社会実験を実施すべし。 要は、モデル地区をつくって、効果と課題を検証することの必要性を当時私は当局に訴えました。 これに対しまして、当時の建設部長からは次のような答弁をもらいました。当時は、まだ局長制じゃございませんでしたので、建設部長が答弁をしてくれました。 他都市を参考にいたしますと、大阪府藤井寺市及び滋賀県草津市など各自治体において、中心部の生活道路に道路をこぶのように盛り上げたり、通行部分の線型をジグザグにしたり、蛇行させて車の速度を低減させるなど、車の通過交通の抑制効果を検証する社会実験を行っております。 本市におきましても、実験結果の成果等を参考にして地域の皆様の意見をお聞きするとともに、各関係機関並びに所轄警察署と協議して、道路交通環境整備に向け試行的に取り組んでまいりたいと考えています。 何度も言いますが、あれから5年半たちます。このときはいい答弁だなと思ったんですが、私の知る限り、和歌山市内にハンプの導入事例は残念ながらありません。5年たちますんで、かなり協議も進んだことだと思います。ただ、果実も熟れ過ぎますと食べることはできません。落ちてしまいますので、市長、早目に、そろそろ収穫してはいかがでしょうか。 全国的に見れば、この導入事例だけでなく、ハンプそのものの研究もかなり進みました。よそが研究してくれてますので、全長は6メートルのハンプです。1メートルかけて10センチ上がります。それで、天端(てんば)4メートルの平たん部分をつくって、また1メートルかけて10センチ下げる。台形ハンプというらしいです。 これが、これまで問題とされてました騒音の問題を劇的にクリアできるそうです。 また、高速で進入する不心得者がいたとしても、その台形の形が事故の確率を極めて低下させるとのことであります。 また、そのハンプを導入する地域全体を30キロ規制にするゾーン30を導入し、さらに狭窄--狭めるわけですね、道路自体をわざと--狭窄やシケイン、イメージハンプなどの組み合わせにより、報告事例では交通事故が8割も減少したという事例もあるほどです。 さて、生活道路、その中でも特に通学路に言及しましたが、これらは高齢者が安心して暮らせるまちづくりを目指す上で、通学路に指定されていなくとも、普通の生活道路が頻繁に抜け道として利用されている箇所であれば、安全対策を講じる必要があるでしょう。 先ほども触れましたが、新たな幹線道路を整備しようとするとき、関連する既存の幹線道路との間の生活道路が抜け道となって利用されます。そのような現象をしっかりと認識した上で、幹線道路の整備とワンセットにした抜け道対策が必須であるとも考えるわけでございます。 以前、この議場において同僚議員が、市内の渋滞緩和や和歌山北インターの有効活用などといった観点から、北島橋北詰から紀の川大橋北詰の堤防右岸道路の整備推進を訴えられておりましたが、その際、同時に隣接地域の抜け道対策の必要も講ずるべきと御提案されておりました。また、それに対して、当局も同意されておりました。 こういった観点からも、5年前から提案している野崎、北島の通学路や生活道路は、モデル地区として申し分のない要素を備えており、裏を返せば、それほど危険な要素を多く含んでいるということあります。 改めて問います。 あれから5年半が経過し、今日の現状をかんがみて、私のこれらの提案についてどのようにお考えになりますか、当局の考えを伺います。 また、この通学路の安全対策に関して、教育委員会の見解をお聞かせください。 次に、一歩進んで、新たに造成される開発団地にも、ハンプを初めとした安全対策を義務づけ、開発業者の協力を得ながら、安全なまちづくりの実現を図るべきではないでしょうか。団地における安全対策はもちろんですが、小さな団地でもハンプを設置されるようになりますと、市内を走る車がハンプ通行の経験を多く積むことになります。 この経験をふやすことが、ハンプ設置のメリットであるところの学習効果をより高めることにもつながるでしょう。先ほど言いましたように、一度ハンプ通過を経験したドライバーは、経験則によりさらに速度を抑制するというものです。また、運転者がなれることにより、今後、ハンプの設置がふえた場合でも、そのハンプの存在をしっかり認識し、ハンプのデメリットとして一部で指摘されているハイスピードでのハンプ通過による事故が防げることにもなります。 そこで伺います。 開発業者との協働により、新たに開発される団地には、ハンプを初めとしたハード的手法を講じた交通安全対策をあらかじめ導入することはできないでしょうか。これについての当局の考えを答えてください。 次に、文化、歴史を資源とした観光行政についてお尋ねいたします。 市長は、本年の当初議会における施政方針で、その重要施策の一つとして、観光力を磨くを挙げられております。 その内容を見てみますと、「観光力を磨くことで、市民の皆様もふるさとの魅力を再発見し、郷土愛を深めることにつながる」、また「観光資源や歴史文化、恵まれた自然環境のもとではぐくまれた食材といった来訪者に自慢できる魅力ある宝を持っていますが、それを知ってもらわなければ人を呼び込むことはできません。新年度は、情報発信、売り込み体制の強化に重点を置いてまいりたい」とも主張されております。非常に結構だと思います。 そしてさらに、「誘客推進と同時に、観光資源も磨いてまいります--観光資源を掘り起こし、新たな宝を探します。」と述べられております。 何度も言いますが、まことに結構です。しかし、これが文字どおり実行できればとの条件がつきます。 当局の観光行政の現状を見たとき、残念ながら市長の思いが職員に伝わっていないのではないかなとさえ思ってしまいます。 我が町和歌山市は、全国的に見ても歴史遺産の宝庫であります。しかし、そのすべてが学術的に立証されているとは限りません。 市長は、先日、韓国大邱(テグ)市で行われました沙也可の里におけます韓日友好館の開館セレモニーに出席されました。御承知のとおり、私たちは、この沙也可は雑賀孫市の子孫であるとの神坂次郎先生の説に賛同しまして、ここにフォーカスをし、大邱市に今も住む沙也可の子孫の方々と交流を続けてまいりました。 沙也可イコール雑賀を事実とする学術的な資料は全く存在しません。しかし、観光に必要な物語とロマンがそこには存在します。9年前から始めましたが、当時は細々とした糸ではありましたが、それが年々太くなりまして、本年度、小さいながら一輪の花が咲いたと考えており、市長の言う観光資源を掘り起こし、新たな宝を探すというのは、こういうことではないかなとも思っております。 さて、和歌山市の宝はと考えてみました。 皆さんは、出水堤防というのを御存じでしょうか。出水のきのくに信用金庫がございますが、それに並んで存在します堤です。これは、秀吉が紀州征伐する際に、太田城を囲み水攻めをしたという、そのために築いた堤であります。しかし、それにより滅ぼされた惣国側、すなわち紀州の土豪連合の文献はほとんど残されておりません。そのため、学術的論証が困難であるとの理由から、残念ながら史跡指定ができない状況で放置されております。 放置はされてるんですが、歴史学者も異口同音に残すべき重要な資料であるという太鼓判は押されております。 この出水堤防などは、土地所有者から速やかに市が買い上げ、「秀吉の水攻め堤防」として観光資源に活用すべきではないでしょうか。 私は不動産業者ですからよくわかりますが、あそこは幹線道路というか2車線道路に面しておりますので、あの堤防をそのまま切ってしまいますと、道に面した間口の広い、商売をしやすい土地に変わります。今であれば、所有者のその行為をとめることはできません。これを研究されてる学者さんも、皆さん、これを今の代にもしつぶされてしまったら、将来恥だろうとさえおっしゃってます。ほかにないわけですから。そして、中世から近世に変わる、その中世が終わるそのきっかけというか最後の戦いがこの紀州水攻め、太田城の水攻めでして、それによって全国の惣国の抵抗がすべて終わって、秀吉が平定するという、まさに近世の入り口の、期首の戦でございますので、そういう意味では大変な歴史資産だと思います。 史跡指定の条件がかなわないなら、せめて市の所有にして、観光資源として磨かれたらいいのかなと、こんなふうに思います。 話は変わりますが、過日、南海加太駅100周年のお祝いセレモニーが開催されました。 実は、この加太の駅舎というか駅宿ですね、これは今から1300年以上前に加太の地に置かれたものであります。もちろん、鉄道の駅ではございませんが、大宝律令の制度が701年、それより前にあったというのが通説でございます。 行政区域としての南海道は、紀伊国と四国をもって--ごめんなさい、淡路も当時は国ですから五国になりますか--をもって構成されますが、道としての南海道は、今のかつらぎ町萩原から始まります。そこが起点となります。そこまでが畿内でありまして、かつらぎ町からが紀伊国南海道となるわけでございます。そこから紀の川の右岸を下り、国府の置かれた今の府中の名草の駅を経て、賀田の駅に至ります。賀田の津から淡路島の由良の港までは船便となります。恐らく、友ヶ島に沿って紀伊水道を渡り、その後、四国に至るわけでございます。 観光資源の掘り起こしというなら、せっかくの南海加太駅100周年に合わせて、この南海道にもスポットライトを当てて、例えば、加太から淡路島の由良港の間の渡しを再現するイベントを行う等、おもしろい企画が可能ではないでしょうか。何より、こういった歴史的な物語を掘り起こす、磨き上げる絶好の機会だと考えますが、いかがでしょうか。 ところで、話は変わりますが、今、御紹介したかつらぎ町の萩原あたりに、道の駅、紀の川万葉の里があります。先ほど述べたとおり、実は古事に倣った位置にあるわけでございます。 そこで、せっかくですので、国土交通省から来られている河瀬副市長に伺いますが、この道の駅、紀の川万葉の里を設置する際に、やはりその地に意味を持って場所の選定をしているのでしょうか、お答えください。 また、先日、第二阪和国道建設促進議員連盟の要望活動で国交省へ訪問した際、近畿道路整備局の茅野部長が、道の駅をもっとふやしたい、和歌山市にもぜひと、こう強くおっしゃっていただきました。 和歌山バイパスや新設予定の県道西脇山口線沿い、国府の置かれた府中の近辺に道の駅を誘致できないでしょうか。そこを歴史物語の発信基地に活用するというのも一つの切り口だと考えますが、その可能性も含めてお答えください。 少し脱線しましたが、通告に記しました古事記編さん1300年に話を移します。 古事記が編さんされたのが712年、ことしでちょうど1300年となります。それに合わせ、全国の古事記ゆかりの地では、これを機に地元の観光的資源にスポットを当て、観光資源に磨きをかけようと躍起になっております。出雲などでは、この機を逃せば我が町の将来はないとばかりに一生懸命であります。 さらにすごいなと思うのは--これ、すごいなというのは表現が違うのかもしれませんが--何と福井県も古事記ゆかりの地としてアピールしている点でございます。確かに、継体天皇は越国(こしのくに)から上られて皇位を継承されたという説もございますが、古事記では近江国からと記されておりまして、古事記にゆかりがあるのやら、ないのやら、ようわかりません。裏を返せば、そんな小さなつながりでも福井県はスポットライトを当て、その当て方一つで観光資源になり得る可能性があるわけでございまして、この福井県の積極性は大いに見習うべきでしょう。 さて、そんな中、和歌山市はどうかと考えてみます。 古事記は3巻に分かれており、上巻(かみつまき)は神の代の話、中巻(なかつまき)は、いよいよ人の世に下られた御子の話となります--神の御子の話となります--その中巻の巻頭に神武の東征の物語が語られております。 兄五瀬命(いつせのみこと)とともに、この国を統べるにふさわしい地を求め東へ向かう旅をする、神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)、後の神武天皇は、大和へ至る道として難波の津に至ります。そこに待ち受け、これにあらがう登美能那賀須泥毘古(とみのながすねびこ)との戦いの中にあって、兄の五瀬命は登美能那賀須泥毘古の放った矢に傷を負わされます。お二柱は、我らは日の神の御子である。にもかかわらず、日に向って--東に向って--戦うことが間違いである。南から東に回って日を背にいただいて戦えば、負けることはないとの結論に至り、大阪湾を南下し、紀伊国は男之水門(おのみなと)に上陸します。しかしながら、そこに至って、五瀬命はおかくれになってしまいます。 神倭伊波礼毘古命は、紀国竃山(かまやま)に兄の五瀬命を御陵をもって丁寧に祭られ、その後、東征を続けられ、八咫烏(やたがらす)の導きも相まって無事に大和を平定され、畝傍山の東、橿原の地にて初代天皇に即位あそばすのです。 福井県が継体天皇の出身地というつながりをもって古事記ゆかりの地というなら、和歌山市はさらにゆかりの深い地と言えるのではないでしょうか。 竃山神社に隣接する五瀬命の御陵墓は、今日まで宮内庁により管理されており、軽々に観光資源と呼ぶにははばかられます。しかし、古事記における一大スペクタクル活劇である神武東征の古事では、極めて重要な地であるこの和歌山市が、古事記1300年に合わせ何らアピールできていないのは、極めて残念であります。 古事記ゆかりの地はまだまだあります。 五瀬命を祭った竃山神社は、最高社格の官幣大社ですが、和歌山市にはさらに格式が高く、朝廷から伊勢の神宮と並び、神階を贈らない別格の扱いを受けた大社があります。御存じのとおり、日前(ひのくま)神宮・國懸(くにかかす)神宮です。 日前神宮・國懸神宮、いわゆる日前宮の社家である紀家は、天道根命(あまのみちねのみこと)の子孫であり、紀伊国造でありますが、出雲大社の宮司で出雲国造の千家(せんげ)氏と並び、我が国最古の家系で、当代で80代を超えるという家です。実は、この社家の代がわりについて、千家家と紀家のみ朝廷の許可が要ったということらしいです。ほかは--勝手に、勝手にと言ったら何ですが--朝廷許可は要らなかったんですが、唯一代がわりに許可が要った家が千家家と紀家ということであります。ただし、この紀家というおうちそのものが、紀さんにおしかりを受けますが、観光資源の何物でもないわけでございまして、そういう考え方も私はしておるわけでございます。 日前神宮・國懸神宮の両宮の御神体は、それぞれ日像鏡(ひがたのかがみ)、日矛鏡(ひぼこのかがみ)といい、古事記にある天の岩屋戸のくだりにおいて使われました後の三種の神器の一つ、八咫鏡(やたのかがみ)に先立ってつくられたと言い伝えられております。 伊勢の神宮の御神体が八咫鏡であり、紀伊半島の東の神宮と西の日前宮は、まさに一対のものであります。神宮に付き添うようにある二見浦(ふたみがうら)に日が上り、大和の地を照らした日が、夕には日前宮に寄り添う友ヶ島に沈む。こんな磨きがいのある歴史資源を放置するのは、何とももったいないと思えてなりません。 さて、るる述べてまいりました。あえて細かいことに絞り込んでの質問はいたしませんので、愚見を聞いていただいて、市長のお考えをお聞かせください。 以上で第1問といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の一般質問にお答えします。 古事記編さん1300年、和歌山市には古事記にまつわる大変すばらしい由緒のあるところがたくさんあるのに、それを観光資源としてなぜきちんと磨いて売り出していかないのかと、こういう趣旨の御質問かと思います。 最近、歴史好きの若い女性を意味する「歴女」という造語が一般化いたしまして、有名な観光地ではなくても、歴史上の人物や伝説由来の知る人ぞ知るスポットに注目して、ゆかりの地を歩くという人がふえていると言われています。 女性に限らず、個性的な観光資源を求める観光客も増加してきておりますので、このような客層に向けた新たな資源を積極的に掘り起こすことは、極めて重要だと考えます。 議員の御提言に出てまいりました1300年以上の歴史を持つ南海道・加太の駅宿、豊臣秀吉が太田城の水攻めをしたときにつくった石垣の跡、日本史の中でも重要な節目となる出来事であり、こうした事柄を本市の観光に最大限生かしていくことこそが、まさに観光力を磨くことだと考えます。 歴史にかかわるさまざまな出来事には、必ずしも明確な資料がない場合もあり、民間伝承等に頼らざるを得ない部分もあるとは考えますが、さまざまな工夫を凝らしながら、魅力ある観光資源に育てていくための努力を精いっぱい行ってまいりたいと考えます。 さて、古事記1300年に関しては、議員御指摘のように、神武東征の物語で本市にゆかりのある地名の男之水門や竃山が出てまいります。特に、竃山の地には、神武天皇の兄五瀬命(いつせのみこと)の陵墓があり、その隣接地には、五瀬命を祭る竃山神社が所在しています。 日前宮と通称される日前(ひのくま)神宮・國懸(くにかかす)神宮は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の御神体とされる伊勢神宮の神の宝、八咫鏡(やたのかがみ)を鋳造する際に、先に鋳込まれたと言われる日像鏡(ひがたのかがみ)、日矛鏡(ひぼこのかがみ)がそれぞれの御神体となっているということは、議員が御指摘されたとおりであります。 伊太祁曽神社には、全国に木を植えたとされる大屋毘古(おおやびこ)、日本書紀では五十猛命(いそたけるのみこと)となってますが、その大屋毘古など、古事記と深い結びつきを有する場所、市内に数多くございます。武内宿禰(たけのうちのすくね)の遺跡もあるわけでありまして、伊太祁曽神社は現在地に遷座してから、来年でちょうど1300年という節目を迎えます。 古事記編さん1300年という記念すべき年をチャンスと考えて、本市が有する古事記等にかかわる魅力を広く全国に発信するためのイベント等を開催するほか、三社参り以外にも、ゆかりの地をめぐる新たな観光コースの開発やPRの実施、各種メディアを活用したキャンペーンなど積極的に取り組み、全力を挙げて本市の観光力を磨いてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 河瀬副市長。 〔副市長河瀬芳邦君登壇〕 ◎副市長(河瀬芳邦君) 21番松井議員の一般質問にお答えさせていただきます。 文化、歴史を資源とした観光行政についての中の道の駅について、道の駅の設置場所の選定について、道の駅を誘致してはどうかという2つの御質問にお答えさせていただきます。 道の駅につきましては、国道や県道などの一般道路におきまして、快適な休憩施設を道路利用者に提供するとともに、情報発信機能や地域との連携機能を持たせたものでございまして、市町村またはこれにかわる団体が設置いたしまして、国に登録するものでございます。 平成24年3月末現在で、全国で987駅、和歌山県下におきましては24駅が登録されてる状況でございます。 議員御指摘のかつらぎ町に設置されております道の駅、紀の川万葉の里につきましてもこれの一種でございますけども、かつらぎ町と国土交通省との協議に基づきまして計画されたものであり、立地につきまして、特にここが歴史的な場所だからというような見地からこの場での設置について検討されたものではないと伺っております。 また、県道西脇山口線沿いに道の駅を設置することについてでございますが、周辺地域の歴史資源に関する情報発信に大きく寄与するほか、道路利用者の利便性向上に結びつくものと考えられますので、今後、その立地や運営形態、事業採算性などにつきまして研究をしてまいりたいと考えております。 ○議長(和田秀教君) 川端建設局長。 〔建設局長川端正展君登壇〕 ◎建設局長(川端正展君) 21番松井議員の一般質問にお答えします。 市道の交通安全対策向上について、平成19年2月議会での提案から5年半が経過し、今日の現状をかんがみて、私のこれらの提案についてどのように考えるかとの御質問です 本市の交通事故件数は、減少傾向にあるものの、市道は生活道路がほとんどで、狭隘な道路が多く、また、車道と歩道が分離されていない事故の危険性がある箇所も少なくありません。 先月には、自転車と自動車の接触事故で、就学前の園児が亡くなるという痛ましい事故もありました。 改めて、交通安全対策事業を早急に、また、着実に進めなければならないと痛切に感じております。 そのため、危険箇所につきましては、関係機関と協議し、交通規制や交通安全施設を設置するなど、市道や通学路における交通安全対策をより一層推し進めてまいります。 なお、交通安全対策としましては、さまざまな方策がありますが、道路上に設置するハンプなども形状等が改良されていますので、それらの安全性や効果またはデメリット等を検証するとともに、地元住民や関係機関等と協議しながら、本市においても安全対策のモデルになるよう、ハンプや歩道の着色等も含めた取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 原教育局長。 〔教育局長原 一起君登壇〕 ◎教育局長(原一起君) 21番松井議員の一般質問にお答えします。 市道の交通安全対策向上について、より安全な通学路や生活道路となるためのモデル的な取り組みなど、通学路の安全対策について教育委員会の見解はどうかとの御質問です。 通学路における交通安全対策向上については、亀岡の事故後、特に喫緊の課題であり、積極的に取り組んでいるところです。 議員が提案されております野崎、北島の通学路については、その危険性が平成19年2月議会においても指摘されており、今回は学校からの要望もあり、ハンプの設置も含め、何らかの交通安全対策を講じる必要があると考えております。 危険箇所の中から、まずモデル的な取り組みをすることにより、通学路の安全を確保していきたいと考えていますので、早急に関係機関と協議してまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 21番松井議員の一般質問にお答えします。 市道の交通安全対策向上について、開発事業者との協働により、新たに開発される団地には、ハンプを初めとしたハード的手法を講じた交通安全対策をあらかじめ導入することはできないだろうかとの御質問です。 開発道路へのハンプ設置等の義務づけについては、開発を行う事業者に新たな負担を求めることになりますので、まず、市としてハンプを初めとした交通安全対策施設の重要性と設置指針等を示した後に、開発道路への設置の基準化が行えると考えます。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問をいたします。 建設局長からは、「ハンプなども形状等が改良されていますので、それらの安全性や効果またはデメリット等を検証するとともに、地元住民や関係機関等と協議しながら、本市においても安全対策のモデルになるよう、ハンプや歩道の着色等も含めた取り組みを進めてまいります。」という答弁であります。 先ほど紹介した5年前の答弁は、「本市におきましても、実験結果の成果等を参考にして地域の皆様の意見をお聞きするとともに、各関係機関並びに所轄警察署と協議して、道路交通環境整備に向け試行的に取り組んでまいりたいと考えています。」というものです。 この答弁に違いはあるんでしょうか。 既に、全国各地の先進地が、研究も協議も十分に積み上げてくれています。その上に議論を重ねるのは、余り意味がありません。 全国の事例では、国土交通省の推進施策でありますくらしのみちゾーン・トランジットモール地区事業に、全国自治体が速やかに応じまして、補助金を獲得しての導入事例が数多くあります。要は、国が有効な安全対策として既に推進しているわけです。 和歌山市都市計画マスタープランにも、「生活道路は歩行者優先を基本とし、道路の性格、使用形態に合わせ自動車交通との共存を図りつつ、通過交通の抑制、排除に努めます。」と記され、さらにハンプ等の自動車速度抑制策の整備を行っていくとはっきりうたってるではないですか。これ、和歌山市の都市計画マスタープランにうたってます。 また、これまでハンプ設置には消極的でありました和歌山県警も、このたびの全国的な関心の高まりから、このハンプの設置を容認する方針だとも聞いております。 さらに、和歌山における交通政策、交通計画の第一人者でもあるところの和歌山大学経済学部副学部長の辻本勝久博士は、これらの導入の意思を和歌山市が持っているのであれば、その効果的な設置の計画や、その後の地域住民、通行者などの意識調査、また、客観的効果などの検証をゼミの研究テーマとして取り組み、市政に協力することもやぶさかではないとおっしゃってくださっております。まことにありがたい話であります。調査会社に依頼すると、また大きなお金がかかりますので、協働という意味では非常に結構だと思います。 ハンプ導入に際する決定的な理由をさらに言いますが、実は平成13年に道路構造令が改正されておりまして、その第31条の2項には次のように定めがございます。「主として近隣に居住する者の利用に供する第三種第五級の道路には、自動車を減速させて歩行者又は自転車の安全な通行を確保する必要がある場合においては、車道及びこれに接続する路肩の路面に凸部--ハンプですね--を設置し、又は車道に狭窄部若しくは屈曲部を設けるものとする。」。 注目してほしいのは、「設けることができる」ではありません。「設けるものとする」という部分であります。地方自治体の任意により設置を許容しているのではなく、このようなハード的手法を講じた上での安全対策を法は義務づけているのです。 まことに恥ずべきことですが、平成19年の2月当時、この平成13年に改正された後のことを市当局も私も知りませんでした。しかし、法は無知を許さずというのが法治国家の基本原理にございます。地方自治体が知らなかったと言いわけはできません。これは、何も知らない罪であります。 さらに、この5年という長い時間をかけての検証は、何もしない罪であります。 このまま放置すれば、市政の怠惰、怠慢と言われても言い返す言葉が見つからないでしょう。何も知らない罪と何もしない罪を償う方法はただ一つ、速やかに実行するのみです。 そこで、改めて問います。 速やかにモデル地区を指定して、ハード的手法による交通安全施策を導入し、その上でその効果を検証し、市内各地へフィードバックするつもりはございますか。明確な答弁を求めます。 次に、開発団地への導入についてですが、なるほど局長が答弁されたとおり、市当局が導入を今の段階ではちゅうちょしている、こういった段階で民間業者に設置せよと言えないという、そういう理屈は十分理解できます。 それならば、市当局がモデル地区を指定して、効果があらわれて、当局や市民がその効果を明確に認めて、当然ながらさらに設置箇所を広げようという流れになってきたとき、そのときになって得意の研究検討などと言わないで済むように、今から導入に向けた手続に着手すべきだと考えますが、このことについての当局の考えをただします。 それと、観光行政についてですけど、市長、実は荒唐無稽だと言われるようなおもしろい案があるんですよ。それをこの議場でお話ししますと荒唐無稽だと言うて笑われますので、今度、市長の耳元へ教えに行きますんで、また、楽しいロマンのある話をしようではありませんか。 以上申し上げて第2問といたします。よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の再質問にお答えします。 速やかにモデル地区を指定して、ハード的手法による交通安全施策の導入、効果の検証、市内各地へのフィードバックをすべきではないかと、何も知らない罪を償えと、こういう趣旨であります。 市民が安全で快適に通行できる道路づくりを進める上で、生活道路である市道や通学路における交通安全対策をより一層推進する必要性を痛切に感じております。 そのため、議員御指摘の交通安全対策モデル地区の指定につきましては、さまざまな安全対策を研究し、地元住民を初め関係団体等の御理解や御協力をいただいて、効果的と考えられる区域をモデル区域に選定し、道路の一部区間をわずかに隆起させるハンプの設置や道路幅員を狭めるなどの方法を、可能な範囲で試験的に早急に実施したいと思います。 その後、実施前と実施後の自動車の速度、騒音等のデータを比較して、以後の交通安全対策の方策を検討し、進めていきたいと考えます。 以上です。 ○議長(和田秀教君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 21番松井議員の再質問にお答えします。 市道の交通安全対策向上について、モデル地区での検証の結果、市当局や市民が効果を認めたときになって研究検討等と言わないで済むよう、今から導入に向けた手続に着手すべきと考えるが、当局の考えはどうかとの御質問です。 開発道路への設置基準については、モデル地区での試験の結果を踏まえた上で、市道への設置方針と整合がとれた位置、構造で基準化する必要があると考えますので、担当課間で連携を図りながら、市道への実施時期と同じような時期に基準化できるよう手続の着手に入ります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 21番。 〔21番松井紀博君登壇〕(拍手) ◆21番(松井紀博君) 市長からは、5年半前とは全く違う、力強い答弁をいただきましたので、感謝申し上げつつ、さらにしつこく再々質問を行いたいと思います。 市長答弁、実に頼もしく感じました。やはり、市長は為政者として、子供たちや、そして高齢者が、先ほど申しましたように、潜在的犯罪者の毒牙にかかる危険を放置することはできない、そういう私と共通認識を持たれてたようで、非常にうれしく感じる次第でございます。 さて、人間というものは欲どしいもので、背負うてもらえば抱いてほしくなるものでございまして、そこで、簡潔にただします。 先ほどの力強い答弁、残念ながら、いつ実行するかという重要な部分が入っておりません。早急にという言葉はいただきました。 喫緊の課題である市民の交通安全対策につきまして、新たなハード的手法を講ずるモデル地区の指定と導入は、年度途中であっても早急に取り組み、その検証をもって有効と認めた場合においての他地域への本格導入は、来年度の予算に間に合わせる覚悟はおありでしょうか。 それとも、じっくり考えて、来年度のモデル地区指定と導入、来年以降の検証、さらに次年度以降のフィードバックといった時間的感覚で答弁されているのでしょうか。心中を示していただきたいと思います。 平成19年に私がこの提案を行った年に小学校へ入学した児童は、既に6年生になります。研究検討云々かんぬん。大人の時間が大人の都合で流れる間に、その対象である子供たちはどんどん大きくなっておりまして、その効果の外になってしまうのです。 今の子供たちを守るために、何よりも速やかな決断と実行が求められます。市長の決意を聞かせてもらえれば幸いでございます。 以上をもちまして、私の一般質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 21番松井議員の再々質問にお答えします。 交通安全対策について、今の子供たちを守るために、何よりも速やかな決断と実行が求められる、決意を述べよということであります。 現時点で、具体的な整備時期を申し上げられないのは残念ですけど、今、こういう通学路での子供の事故ということが注目されてるわけでありまして、当然にも、速やかに事に当たっていかなければならないと思っています。 生活道路等の交通安全対策は緊急な課題であります。子供たちの安全の確保を一日も早く図るためにも、地元自治会や警察など関係機関と速やかに協議を行い、条件が整い次第、実施に向けて取り組んでまいりたいと考えます。 以上です。 ○議長(和田秀教君) しばらく休憩します。          午前11時58分休憩   ---------------          午後1時20分再開 ○議長(和田秀教君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 遠藤富士雄君。--33番。 〔33番遠藤富士雄君登壇〕(拍手) ◆33番(遠藤富士雄君) 議会開会の冒頭、大橋市長、そしてまた、一般質問の中で、同僚議員から寛仁親王殿下に対する哀悼の意を表されたわけでありますけども、午前中も松井議員さんからもありましたけれども、私も皆さん方のお許しを得て、哀悼の意を表したいと思います。 そして、今議会は新しい副議長が誕生いたしております。私どもの絆クラブから、才色兼備誉れ高い野嶋広子議員さんが副議長に就任されました。皆さん方の満場一致をもって副議長に就任されたわけであります。ごあいさつにありましたように、本来は議長を補佐しということでありましょうけれども、私が議長にお願いしたいのは、野嶋広子さんを補佐してあげてほしいなというふうに思っております。 そして、議会運営委員長も北野均、私どもの幹事長でございます。そして、何といいましても、昨年は改選期の中で、この議会をしっかりと引っ張っていただいて運営をしていただいた尾崎方哉前幹事長に対して、本当に御苦労であったと思います。心から敬意を表します。本当に1年間ありがとうございました。(拍手) 改めまして、議長のお許しをいただきましたので質問をいたします。 冒頭から、実は私の趣旨といいますか--に反するわけでありますけれども、自殺の話なんであります。私どもの北野幹事長が、18日掲載の朝日新聞で、自殺率、和歌山が近畿で最高という記事を見まして、どうしてもこのことを一度聞いてみてくれということでございまして、これはもう本当に大変ありがたいシステムだなと思うんですけども、市長の政治姿勢というだけで、いろんな質問が途中からばんばん入れていけるということで、そのかわり途中で気がついて教育長にも質問したいなと思っても、できないということでございまして、市長済みません、突然で申しわけないんですが、もう新聞は御存じだと思います。厚生労働省が5日付で発表した2011年の人口動態統計で、人口10万人当たりの自殺者の数を示す自殺率が県内では23.8%と近畿地方で最も高くなっていると、こういうことでございます。 自殺については、私は余りとやかく言えた者ではないんですけれども、その時々の世相を反映していると申しましょうか、政治がしっかりしていないという時期にやはり自殺者が多くなるのではないかなというふうに感じるところがあります。 戦後、名も知らず、相手の素性も知らずというアベックの心中事件が相次いでありました。これは、やはり当時の世相を反映してるんであろうというような報道でありました。やはり政治がしっかりしなければ、こういう人たちがふえていくんだなというふうに思うわけであります。 そして、何と言いましても、もちろん健康の状況だとか貧困であるとか、いろんなさまざまな条件があって自殺を選択されるんだと思うんであります。今の世相といいますか、まあ私はいつもここでマスコミ、メディアにちょっと嫌みを言うんでありますけれども、今のテレビ番組でありますけれども、見たくなくても見てしまうわけで、見るほうも悪いといえば悪いのかもわかりませんが、本当にいいかげんな番組づくりをしているなと思うことは、皆さん方も多分同じ思いだと思うんであります。 片方で政治討論、そしてまた、我々議会に対する批判、そして公務員に対する批判、そういうまことしやかに中身の充実したいい番組をつくっているということを示しながら、片一方ではほとんどの時間がワイドショーというんでしょうか、ああいう番組をつくり、そしてまた、コマーシャルを見ていましても、昔の女性は絶対こういうことはしなかったというようなスタイルがもう目につきます。 そして、皆さん方も、特に東京、大阪なんですが、都会へ行って、出張されて、通勤電車の中で、女性が平気で化粧し、物を食べ、そして、駅のコンコースに座り込んでという場面、昔の女性は絶対こういうことをしなかっただろうと思うんであります。こういうことは、大体男がするんです。男は、くわえたばこに、例えば、今やったら車に乗るわけですが、車を運転してても携帯片手にくわえたばこでというのは、男はやるだろうと思うんです。女性の姿も大概目立つわけでありまして、タクシーの運転手さんと時々、困ったもんですね、昔、女の人はこんなことしなかったのにな、それで曲がるときもウインカーも出さずに曲がっていきますよというふうな話も聞くんです。これは、どうしてこうなっていくのかなといったら、男女共同参画社会というのか、男女平等というのか、悪いことも同じように平等になってしまって残念だなと思うんであります。 皆さん、昔を思い出してください。今、大概若い人でも子供のころに、例えばですよ、男もそうですけれども、髪の毛を金髪、茶髪に染めたりしましたか。これは、やはりテレビの影響だと思うんですよ。それで、芸能人がしている服装は、これは芸能人の格好だと思ったんですよ。まあ我々一般の人間は、こういう格好してよう外を歩かんとか、そういうふうに思ったもんなんですよ。 ところが、今、男でも、ブルー、紫、茶髪なんていうのは当たり前で、そんな状況になってるわけですね。まあ、これはこれで置いときます。 もう一つ、一番わかりやすい話ししましょうか。 私、呉服屋ですんで言いますけれども、振りそでってありますよね。振りそでというのは、結婚するまで、要するに未婚の女性が大体着るということで、今は呉服屋さんがちょっとでも売りたいので既婚者用の振りそでというのも売り出してます。従来は、これは結婚してないという一つの証であったわけですね。で、結婚して、そのそでを切って持っていくということなんですが、名前出していいんかどうかあれですけど、有名な方ですし全然嫌みじゃないんで、--島倉千代子さんという歌手がおられますけども、あの方が振りそで着て歌を歌ってても全然違和感がないんですね。 これは、やっぱり歌手だから、ステージの上であれだけ見ばえがよければ、それはそれで認められるわけで、実際はやっぱり普通の人は、なかなか着れないもんなんですよ。ことしの当初議会で野嶋広子先生が訪問着を着てこられましたけれども、先生、振りそで着れますか。--そうでしょう。やっぱり着れないと思うんですね。 ところが、洋服になった途端に、芸能人なんか素人さんなんか、もうわからないような格好になっとるわけですよ。 そういった中で、セレブという言葉、今、はんらんしてますよね。それで、高学歴で、だれもがあこがれるような、信頼されるような仕事についてて、美人なんです。この人の口をついて出るのが、金持ちでなければ人間でないというような発言が物すごく多いですね。豪邸に住んで、高級車に乗って、高級ワインを片手に持って、そういう場面がはんらんするわけです。そのときにですよ、そのときに私のような気の弱い人間が病に伏せってて、そういう番組見たときに、ああもうこれは、僕たちはもうだめなんだなと、こういう人でなければ世間では認めてもらえないんだなと世をはかなむわけですよね。そのときに、思い余って、私はこの国では役に立たない人間だから、もういなくてもいいんではないかなと思ってしまうんではないかなと、これは個人的な感想なんですけども、その辺のところ、市長はどういうふうにお考えになるかなと思いまして、涙もろい市長さんのことですから、さぞかしいい答えが返ってくるんではないかなと思ってます。それで肝心の質問のほうに入っていきます。 尖閣諸島の問題でありますが、御存じのように、石原都知事が尖閣諸島を購入するというふうに発言されました。このことについて、市長はどのように思われますか。 そして、スカイタウンつつじが丘でありますけれども、平成16年だったと思います。私の質問で、プロジェクトチームを組んで全庁体制で頑張るという答弁をいただいたんですが、プロジェクトチームはありますか。 そして最後に、日ごろから敬意を表している自衛隊の問題であります。 特報という新聞がありまして、先日、有田の行進というんですか、そういう訓練の記事が出ておりまして、なかなかいい記事だなと思って特報に問い合わせました。これは、どういうふうにして有田市はやってるんですかというと、数年前からやってまして、それでちょっと中断時期もあったけども、また再開して、今、やってますと。 これは、自衛隊のOBの人たちであるとか、防衛協会、また隊友会、どういうところかわかりませんが、協力会、いろいろ会がありますけれども、そういうところの人たちが、自衛隊はぜひ有田へ来てくださいと、そして、そういう行進をして、訓練の一助として、市民にも広く啓発も兼ねてやっていただけませんかというお願いがあったんだということでありました。 そのことについて、市長は、和歌山市でもしそういうことがあれば、お受けになる気構えはありますかということで、第1問を終わります。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 33番遠藤議員の一般質問にお答えいたします。 まず、自殺についてということであります。 和歌山県で自殺者が多いという報道があったけども、どう考えたか。また、今、遠藤先生が自殺についての思いを述べられておられましたけども、市長はどういうふうに思っているかということでありました。 まず、ちょっと統計的なことを申し上げますけども、平成23年の人口動態統計の概数では、全国で自殺による死亡者数が2万8,874人となっておりまして、依然として3万人近くの方が毎年亡くなっている、そういう数字が続いているわけです。 人口10万人当たりの自殺死亡者を示す自殺死亡率は、平成23年のデータで和歌山県は23.8、平成22年の25.0よりは減少し、全国では20位なんですけれども、近畿では最も高いということでありました。 和歌山市だけのデータについては、まだ平成23年のデータがないんですけども、平成22年、つまり県全体の自殺死亡率が25.0というときの和歌山市のデータは20.9と、県全体のデータよりはちょっと低い数字であります。 原因、動機について、警察庁としての調べでは、健康とか経済とか生活問題とか家庭問題とか、さまざまな要因が絡んでいると言われています。 時代、世相を反映しているんではないか、特にテレビなどのマスコミの影響が大きいんではないかという議員の御指摘でありました。そういう側面は、私もあるんではないかなという気がいたします。何と言うか、今みたいな非常にギスギスした、なかなかいいことがなくて、景気は低迷してるし、給料は上がらないどころか下がる、生活はいい人はいいんだけども、苦しい人は苦しくなる一方というような、こういう時代に入りますと、テレビを見てて、だんだん腹が立ってきてというか、落ち込んでくるということが物すごくあるわけで、そういうことが原因になるということはあり得ることだと思ってます。 何とか、みずからのとうとい命を絶たれるようなことがないように力を注ぎたいというふうに思います。 本市では、自殺予防対策といたしまして、平成22年度から、和歌山市自殺防止対策庁内連絡会議を立ち上げ、専門医等による相談支援を初め、人材の育成、普及啓発、警察との連携や医療連携体制の構築等、自殺対策の緊急強化事業に取り組んでおります。 それから、いのちの電話協会初め、各関係機関と連絡を今後も深めまして、大切な命を守る取り組みを続けてまいりたいと考えます。 次に、尖閣諸島問題、石原都知事が、国が買わないんで買うんだと言ってるということについて、市長はどのような考えを持っているかということであります。 日本政府は、明治初期の1880年代から1890年代にかけて、10年以上の調査を経て、尖閣諸島がどの国にも属していないということを確認して、明治28年--1895年1月14日に日本の領土とすることを閣議決定し、沖縄県八重山郡に編入いたしました。以来約120年、第2次世界大戦後に沖縄県が米軍支配下に置かれた時期を除き、尖閣諸島は日本が有効な支配をしております。日本の領土であることは、国際法上も疑いはありません。 現在、中国政府は、尖閣諸島の領有権を主張していますが、辛亥革命で中華民国が建国された後の1919年に、福建省恵安県の漁民31人が遭難し、尖閣列島内の和洋島に漂着、沖縄県八重山郡石垣の村長らが熱心な救援活動を行って、彼らを祖国へ生還させるという事件がございました。その翌年、中華民国の駐長崎領事、長崎駐在の領事から感謝状が贈られた。その感謝状が石垣市立博物館に保管されていて、そこには日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島と明記されているということであります。 また、中華人民共和国成立後の1953年1月8日付の中国共産党機関紙、人民日報の社説、琉球群島人民による反米闘争の冒頭で、琉球群島は我国--これは中国のことですが----の台湾東北----これも中国が言うてるんでありますけども----台湾東北と日本の九州島西南の海上に位置する。そこは尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、トカラ諸島、大隅諸島など7つの島嶼から成っておりと記され、琉球群島に尖閣諸島が含まれていることを認めています。 したがって、現在の中国側の主張には根拠がないことは明白であります。 東京都の尖閣諸島購入について、石原都知事は、本当は国がやるべきだ、東京がやるのは筋違いだが、やらざるを得ない状況だと発言しておられます。 石原都知事は、この問題に対して、我が国の外務省が、かなり前からずっとそうですけども、事なかれ主義に終始していると感じられて、歯がゆい気持ちをずっと抱いておられたようであります。一昨年の中国漁船衝突事件以後、尖閣問題が予断を許さない情勢となっていることに危機感を強められ、やむにやまれぬ思いから尖閣諸島購入発言になったのだと拝察しておりまして、都知事のその思いは十分理解できるところであります。 次は、スカイタウンつつじが丘の話でありますが、プロジェクトチームを組んでいるのか、あるとすればどんなメンバーかというような御質問であります。 平成16年2月議会において、「全庁挙げて協力し、総力で英知を結集し、即行動を起こすというプロジェクトチームをつくり、そしてこれに対応していくべき」、そのような御提案をいただき、当時の諸問題に対して、担当部のみでは不十分だという認識から、平成16年7月に部局を横断したプロジェクトチームとして和歌山市スカイタウンつつじが丘対策委員会を発足させ、販売促進その他に対応してまいりました。 現在のメンバーは、建設局担当の副市長を委員長、担当外の副市長を副委員長に充て、各局長、会計管理者及び建設局担当審議監を委員として構成しています。また、そのもとに実行組織として、担当部長を会長とし、関係各課長で構成する幹事会を組織し、個別具体的な問題に対応させてまいりました。 最後に、有田市で自衛隊が行進訓練を実施していることが特報に載っていたけども、和歌山市でもこのような訓練を実施してもらってはどうかという御質問であります。 昨年の3月11日に発生した東日本大震災、また、9月に発生した台風12号による本県での豪雨災害に際し、極めて困難な状況の中、命がけで救援活動に携わっていただいた自衛隊員の皆様には、心から感謝するとともに、深く敬意を表したいと思います。 このような大災害を初め有事の際には、自衛隊が一番頼りになる存在であり、国民の安全を守るために欠くことができない組織であると言えます。 私も、毎年12月に開催されるクリスマスチャリティーコンサート等、自衛隊の関係行事には、できるだけ参加しております。 また、和歌山市では、平成4年から、毎年、和歌山城クリーン作戦ということで、和歌山城の天守閣や石垣など、普通の人ではなかなか清掃ができないような高いところを、自衛隊員の方々に協力していただいて、清掃を行っていただいています。去年は、東日本大震災の影響により清掃活動は中止になってますけれども、ことしはまた、和歌山城クリーン作戦に自衛隊の協力をお願いしているところであります。 議員御提案の徒歩行進訓練につきましては、規模、形態、時期、場所、交通規制など、さまざまな角度から慎重な検討が必要と考えます。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 33番。 〔33番遠藤富士雄君登壇〕(拍手) ◆33番(遠藤富士雄君) 市長に、今、御答弁いただきましたけども、市長、実は平成15年の9月定例会で、市長は--もうここにおられませんので言いませんけども、ある方の質問に対して、石原知事を批判してるんですよ。何て批判してるかといいましたら、前段までちゃんと言わないと公平さに欠けると思いますので、それとこれ、議員の皆さん、まず事件を知ってるということで、時間がありません、途中から読みます。 「石原都知事は、例えばアメリカに対する姿勢や官僚批判には傾聴すべき内容がありまして、本音をずばり言うことが一部の人たちから高く評価され、根強い人気があるわけですが、先日の『テロに遭っても仕方がない』という田中均外務--これ外務官、私もこの人は国賊だと今でも思ってますけれども----審議官についての発言のように、常に過激で挑発的であります。対アジア発言とか、女性についての御指摘のような発言には、差別意識とともに、一般市民の潜在意識をあえて刺激しようという意図的なものが感じられ」、ここまでは、私は別にまだ市長の、それこそ個人的な思いでもいいんですが、ここからがもう本当に残念だなと思うんですが、これね、個人的だから困るんですよ。 「全く個人的な気持ちですが、私は、この方についていくと、国民はとんでもないところに連れて行かれるのではないかという危惧を持っております。」、こう答えてるんですね。 そのときに、括弧して、発言する者ありと書いてるんです。これ、実は私なんです。そこから、市長どこでしゃべってるんですか、ここ議場ですよ、あなた市長ですよと言ってるんです。それでも、市長はやめずに、これを言ってるんですわ。 それで、市長ね、今、石原さんを批判したら中国喜びますよ、丹羽大使みたいに。でもね、あれ丹羽さんは大使ですわ。だから更迭で済むんですよ。あなたは市長ですよ。だから、この発言については、個人的見解というのは、私は非常に残念だなと思うわけであります。 それで、私は、前からいつも言うてますけど、市長のイデオロギーがやっぱり潜在的にそこにあるんじゃないかなと、いつも言ってるわけです。で、潜在的イデオロギーというのは実際困ったもんでして、表にしっかり出していただかないと、これは市民が迷惑するんですよ。あなたが極端な言い方すると、左か右かわからん。首長選挙になったら、1人の首長さんを当選させるわけですから、この首長さんのイデオロギーはいかなるものであるかというのは、市民の皆さんは、みんな関心を持って、やはり見てると思いますよ。ですから、やはりはっきりとすべきではないかと思います。 市長は、いつも、いや、そうじゃない、私は市民派だと、こうおっしゃる。これは、市長になった方は大体みんなそうおっしゃるんです。党籍を持ってても、離脱をして、それで無所属として市民党を名乗り、やるわけですよ。しかし、市長の場合、私はどう見ても表面保守で、潜在的には革新の方じゃないかなと、こういう発言から見てとれるわけなんです。 しかし、私はちゃんと謝りましたよ、市長。ここに国旗掲揚されたときに、市長は深々と国旗に対しても頭を下げた。あなたは国旗に対して頭を下げる人ではないと思ってましたと、私ここで言ってるんですけども、でも、国家観についても、先ほどの天下の長に対しましても、あ、そういう思いもやはり持っておられるんかなと思うんですが、それは表面的なものであって、潜在的には、見えてこないところでは、実は違うというふうに感じてるんです。 その辺のところを、市長は、いやそうじゃないと多分おっしゃると思うんで、はっきりとしていただきたいと思います。 それで、6月7日のこれ産経新聞なんですけど、こういうこともなぜか産経新聞しか取り上げないんですけれども、先ほどの尖閣の領土の問題は、実は私がその質問をしたときに、うれしいことに共産党の大艸先生からエール振ってこられたんです。産経新聞に取り上げておりますよと言ったら、赤旗新聞が一番先に書いたんだと。先ほどの感謝状の話です。これ、本物が出てきたわけですよね。それで、その本物の紹介を私がしましたら--これは平成22年の12月議会で私は言いました。産経新聞の記事で、11月29日付で載っておりました。これはもう紛れもない日本の領土であると。まして、今、中国は、自分の領土と言いながらお金で買おうとしてるわけです。日本がお金で買おうとするのと、性質が違うわけです。日本は日本人個人の所有になってるから、それを買おうとしてるわけです。中国は違うんですよ。個人の日本人のものを買いに来てるわけです。 先日、吉本議員だったですかね、水源の話もありましたけど、同じようなもんですよ。そういう大事なところを買いに来るというのと、例えば、和歌山のまちなかの何坪かの土地を外国の方が買われて持ってるというのとは全然違うんですよ、意味が。水源地であるとか、こういう島であるとか、その領土にかかわるところについては、やはり毅然とした態度を示さなければいけないということで、先ほど市長は、それは評価してますとおっしゃったから、それはそれで、私もそこのところは信用します。 それなら、この市役所の中で--こういうの出てんのかな、僕、ようわかりませんが、市役所に支援箱の設置はいかがですか。市役所に支援箱を設置して、そして集まったお金を東京都に送るという手続をされたらいかがかなと思うんです。 あのね、市長、政策の違いというのはよくありますよ。私、前も言いましたけども、例えば、お隣の首長さんが盛んにマスコミに向かって、こう、目立つわけですよね。個人的に市長に何度も言いましたが、一緒に組めるとこは組んだらどうですかと。 しかし、全面的に100%組めるわけないじゃないですか。市長も市長としての考えがあって、それで政策については、市長は本当に頭のいい方ですし、勉強家でありますから、いろんな思いを持っておられる。それはわかるんですよ。だから、例えばですよ、例えば、石原さんがオリンピックを誘致するというふうに宣言されましたね。今、運動して、第1次通って--私もピンバッジいただいてますけれども--これを、いや、今、こんな時期じゃないだろうと言うのは、これ政策論争で、やはり首長さんの意見としては、それはそれで意見が違ってもいいわけですよ。 しかし、この国を揺るがす、根幹にかかわる問題について、あなたは真っ向から否定されたら、やっぱりそれはおかしいんじゃないかと。だから、何回も言います。これ、田中均さん、何をやった人ですか。言うてくださいよ。これで一番よくわかるじゃないですか。だから、そういうことに対する批判をしたわけじゃないですか。それを市長はだめだとおっしゃるわけですよ。それは、テロの行為がいいとは言いませんよ。テロの行為はいいと言いませんけれども、まあそういうことですわ。それならそれで、テロの行為まで認めるわけにはいきませんがぐらいの話だったらわかるんですけど、もうこの国がどこへ行くかわからんと言うてるんですよ、この人についていったら。どこ行くかわからん人が島を買う言うて、それに賛成するのはおかしいんじゃないですか。整合性がないでしょう。だから、市長の本意を聞きたいなと思ってるわけです。 それと、皆さん方にぜひともお知らせしたいニュースがありまして、もうインターネットをさわってる方は皆さん御存じかもわかりませんが、残念ながら日本のメディアで紹介はされてませんから言いますけれども、3月30日、パラオ共和国で、たった2万人の国が、この中国、13億とも14億とも言われる国の漁船が、同じように領海侵犯をし、漁をしたわけであります。そのときに、パラオ共和国の警察はどうしたか。発砲したんです。毅然とした態度で発砲して、1人が死んでます。25名拘束されて、今、係争中で起訴してます、ちゃんと。そして、それを見て、日本の政府はどうしてんだと。外から見て大国だと言われるこの日本が、何をしてるんだと、こう言われてるわけですよ。 だから、こういうこともやはり自覚の一つとして、市長はしっかりと腹をくくって持っていただいて、そして平素の首長さんとしての活動をしていただくと、自衛隊の話なんて、もうそんな、どうぞどうぞという話になると思うんですよ。市長がみずから汗かいて、わざわざ迎えにいく必要もないし、そらおっしゃるとおりですよ。だけど、そういう要請があればどうですかですから。これちょっと順序入れかわってしまったけども、ちょっと待ってくださいね、スカイタウンですよね。済みません。 スカイタウンも、市長の話は、まことにもう場当たり的な答弁なんですよ。対策委員会を立ち上げて、しっかりやってるというお話でしたけれども、確かにそこからも売れてますよ。しかし、このメンバー見ても、例えば、僕がプロジェクトチームを設置してでも取り組んだらどうですかと言いましたよね。 プロジェクトチームって何なんだろうかと思って、一応ちょっと広辞苑引いてみたんですよ。プロジェクトは、いわゆるその対策委員会とはやっぱり違うんですね。プロジェクトは企画、設計、研究、計画、開発事業と、こうなってるんですね。チームとは何ですかというと、共同で仕事をする団の人と、こうなってるわけです。 これ、全然抜け落ちてるんですわ。もう、市長もいいかげんなもんですわ。副市長も、いいかげんなもんですわ。各部外の部長さんも、みんないいかげんなもんです。結局は当該の部長、また、その課の人しか動いてないんですよ、かわいそうに。私だけかもわかりませんが、厳しいこと言うんですよ、この職員さんに、おかしいやろうと。なぜ君ら、全庁挙げて売ろうとしてる土地を、ちょっとトラブったからといって、なぜそう後ろ向きになるんだと僕は怒るわけですよ。しかし、言わざるを得ない。 それで、もうどうしようもないので、担当の局長さん、それで副市長にも聞いていただきましたけど、こういう事態を知らないんですよ。プロジェクトチームだったら、今、言いましたように、みんなで共同してやるわけでしょう。共同して仕事するわけでしょう。みんな、知ってるわけですよ。あそこでああいうトラブルが発生してるということはわかるわけです。 私が言ってるのは、要するにトラブルが発生したことについて、どっちがいい悪いの話をしてるんじゃないんですよ。そのトラブルを知ってますかと聞いて、知らないんですわ。そんなん、どこがプロジェクトに値するんですか、これ。 売る気もないですよ、正直言って。後で売る気ありますと言うんですよ、必ず。しかし、銀行からお金を借りて、さあ決済しようかと言った日に、市はちょっと待ってくれと言ってるんですよ。それ何ですかと、近隣から反対の声が上がったんでやめてくれと。 それだったらね、そんな住宅街にそんな事業者になんてさしたらあかんじゃないですか、最初から。売ったらあかん話でしょう。あなたは、申しわけないけど、この区画じゃなくて、こっち側へ来てくださいよ、こっちの区画で商売やってくださいと最初から指導しないといけないんじゃないですか。売ってしまってるんですよ。売ってしまって、事業を拡張したいから、お隣にあいてるところがあるんで売ってくれませんか、向かいにもありますから売ってくれませんかと言ってきてるわけですよ。それを、おれのとこの前の道を通るなとかと言うような人の言うことを、まともに聞いてるんですよ。 幼稚園か何かありますよね。幼稚園、やかましいと言ってるんですよ、近所の人はみんな。そんなこと言ったらね、学校なんかどうなります。学校は、大体みんな嫌がるんですわ、実は近所の人は。昔みたいに、孟母三遷の教えみたいな時代じゃなくて、今、確かに学生も悪いですよ、マナーが。だから、自転車で通学するときに、本当危ないんだと思います、やかましいし。だから、近所の人、その学校の近くの人というのは、大体評判は悪いんです。近くの学校のこと、余りいいように言わないですね。でも、そんなこと言ってたら、学校なんてできないじゃないですか。 もしですよ、百歩譲って、これ商業地域にその大型のスーパーみたいなものを誘致したとしましょう。そしたら、そのスーパーの周辺には、間違いなく違法駐車だってあるでしょう。現実に、市長、知ってるでしょう。東口で街宣車が走って、大変困ったと、それをずっと処理してきたわけじゃないですか。 だから、そういうことというのは、商業ゾーンであるとか、そうやって区別をしたところで起きるんですよ、残念ながら。競技場だって何でもそうですよ。多少のそういう問題は起きるんですよ。 しかし、そういうことを乗り切らないと、これ、いつまでたったって完売なんてできませんよというんですよ。完売しても、まだ赤字なんでしょう。その辺はどんなふうにして本当に売ってるんかなと思うんですよ。声に負けてほしくないなと思うんですけれども、それはそれで答弁いただいて。 自衛隊の話ですけども、自衛隊、市長が言われるように、いろいろ考慮しなければいけないということですから、それはそれで結構です。しかし、先ほど述べましたように、いろんな自衛隊に対する思いを持っている方が、例えばですよ、例えば、和歌山駅から和歌山城まで行進の訓練をしてくれませんかと言ったら、これはこれで自衛隊にとっては啓発にもなるわけで、訓練を兼ねて、そして、例えば、海沿い、山沿いも含めて、こういう行進をしていただくと、広くこの和歌山の地形を知っていただくと、自衛隊の人に。そして、万が一何かあったときは、自衛隊の人は頭に入ってるわけですから、体で覚えてるところをいち早く救援活動にも行けるでしょう。 しかし、市長、これは前におっしゃった河田先生の、一首長が自分とこの安全のためだけに自衛隊をそばに置いときたいなんて、とんでもない話だということを聞いて、それで市長が、もう少し理論武装をしなければいけないというふうに思ったというふうに答弁してるんですよ、それも僕にね。 それは、私がいつも言ってるように、自衛隊イコール救援隊ではないですよということを言ってるんですよ。河田先生の言ってることをうのみにしたらだめですよ。そこで反省するんですよ、そうじゃないんだと、救援隊ではないんだと。これは、国防のために一生懸命、命をかけて訓練をされている自衛隊なんだと。その自衛隊が、そういう訓練をしてるからこそ、消防、警察ができない救助活動をしてくれるわけじゃないですか。 もう一つ言いますけど、和歌山城の清掃は、市長、あれ清掃に来てると思います。自衛隊、訓練でしょう。そうですよ。 自衛隊は、清掃活動なんてしませんよ。訓練と言わなければ、絶対自衛隊は派遣しません。だから、表向き訓練と称して、和歌山市のためにですよ、例えば、民間業者に和歌山城を清掃してもらったら、かわらの屋根から石垣まで含めて、どれだけ費用かかると思います。これを、すべてほとんど無料じゃないですか----でやってもらってるわけですよ。そういうことを河田先生はおっしゃってるわけですよ。そんなことのためだけに使ってはいけませんということなんですよ。 それを市長は、何か都合のいいように錯覚を起こさせるんですわ。だから、前にも言いましたけど、テレビ見てて、救援活動をやってる自衛隊には、すばらしい、すばらしいと拍手するんですよ。しかし、冷めてきて、これが国防のためにと言った途端に横向く人が多いと、こういうことですわ。 だから、市長ね、当然そういう要望があったときに、市長は自衛隊に対して、どんなふうにして歓迎する気があるのか。いや、もう、そんなもん歩いてもろたら困るんやと。滋賀県のあるところでは、自衛隊の制服を着て歩いてもらったら困るんやというところがありますからね、そんなふうに市長も思われてるのかどうかということをお聞きして、再質問を終わります。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 33番遠藤議員の再質問にお答えいたします。 まず、尖閣の問題に関連して、都知事の発言についての、今から8年半ぐらい前ですか、平成15年の答弁のことについての御指摘がありました。 さまざまなテーマについて、政治家が述べる一つ一つの意見について、同感だとか納得できるとか意見が異なるというような思いを持って、場合によって批判的な発言をすることは私としてもございますけども、石原都知事や橋下市長も含めて、どのような方についても、だれだれの発言だからおかしいというような、頭からの決めつけ方はすべきではないと思っています。 先ほど、議員も御指摘のとおり、石原都知事について、例えば、アメリカに対する姿勢や官僚批判には傾聴すべき内容があり、本音をずばりと言うことが一部の人たちから高く評価され、根強い人気があると申し上げた上で、都知事の発言には、ただしとして、過激で挑発的な面があって、場合によっては一般市民の差別意識をあえて刺激するようなときがあると感じていましたので、あのような答弁になったということであります。今、考えてみますと、とんでもないところに連れて行かれるのではないかというのは、ちょっと言い過ぎだったなという反省がございます。(発言する者あり)それは検討させていただきます。 それから、答弁に一貫性がないじゃないかと、イデオロギーを問いたいということでありました。 イデオロギーを問いたいと言われましても、答弁にちょっと窮するわけでありますけど、これが答弁になるかどうか。 私は、日本人のよさというのは、融通無碍なところだと思ってるんです。1500年以上、この国は外国の文化を受け入れて、それを日本古来の信仰心とか言葉とうまいことミックスさせて、日本風にアレンジして、日本のものにしてきたんだというふうに思うんですね。 仏教に関しましても、神仏習合というような形で、日本古来の信仰に溶け込ませる努力が江戸時代までずっと続いてきました。国語に関しましては、漢字を受け入れつつも、中国語を公用語化するんではなくて、日本語の語彙に漢語をうまく取り入れて、仮名文字を発明して、漢字仮名まじり文という独特の日本語表記法を完成させたということであります。 明治維新のときに、それから第2次大戦後に--第2次大戦後には志賀直哉が言い出したんだそうですけど--知識人と言われる方たちから、二度にわたって日本語を捨てて欧米の言葉を国語にしたらどうかという提言がなされました。賢明なる大多数の我々の先輩たちは、言葉こそ民族のアイデンティティーだと考えて日本語を守ってきたということであります。 ただ、日本人には、はやりに弱いところがありまして、今は何とかの時代だと言われると、我も我もと付和雷同する傾向があることは否めません。しかし、熱が冷めたときに、きっちりそのはやりもののいいとこだけを取り込んで日本のものにしてきたんではないかなというふうに思ってます。それこそが日本のよさであり、私は固定観念にとらわれない融通無碍な日本人が大好きであります。 最近、日本人のパワーが落ちてきたというふうに言われまして、実際そう思えるような事象が次々起きているように私も思います。戦後、欧米の文化や思想を無批判に取り入れ、自分たちのものにしないまま、それを振りかざして、日本人の美点である情けとか、いたわりとか、潔さとか、友情とかいったことを否定する考え方が蔓延し、ひきょうを憎んで弱い者いじめやずるいことをしないという最も人間として大切な美徳を教えてこなかった結果ではないかと憂いているところであります。 私としましては、日本人の美点が失われることのないよう、ふるさとと我が国の文化に込められた心を後世に伝えて、ふるさと和歌山市に誇りと活気を取り戻すため、着実、誠実に市政に取り組んでまいりたいと考えております。 スカイタウンつつじが丘について、大変厳しい御指摘をいただきました。全庁体制と言ってるけど、実態がないんと違うかということであろうかと思います。 対策委員会立ち上げて、かなりの年月がたってます。その間に10数回、委員会と幹事会をやって、価格の改定とか、団地内への路線バスの運行とか、公園、道路の管理の一元化、公共下水道の供用開始、それから市民菜園の開設など、施策をやってまいりました。 一方の商業施設の誘致、それから加太線の新駅設置等の団地の利便性や付加価値を高めることについて、さまざま妙案を、考えはないかということを考えて、いろいろ工夫はしてきてましたけど、これらはいずれも実現に至っておりません。 しかしながら、その中で、対策委員会立ち上げ後、現在まで、一般分譲地で140区画、大規模施設用地は福祉施設など9件、7万3,515平方メートルを売却してきたわけであります。 トラブルのことを気にし過ぎてるんではないかというような御指摘がございました。トラブルは起こらないようにすべきであり、そのトラブルを知らないというようなことであってはあかんやないかということでございました。 この問題については、前にもそういうことがあったことを議会で御指摘を受けたことがありまして、さまざま、こうなってきたいきさつを聞き、私も現場へ行って、いろいろ見せていただいて、今、議員が御指摘になられたようなところも、つまり、そんなことを言うんだったら最初から売らなければええやないか、あっちへ行ってくださいと言うべきではないかというようなことについての御指摘に本当に耳の痛い思いがするわけであります。ただ、何とか売りたいという思いと、実際問題としてそういう形でしか売れないというところのギャップで担当部局が非常に苦労してるわけでありますから、おっしゃるように、やっぱり組織全体として、私が先頭に立って、熱意を持って引っ張って、何が何でも売るんだということで進んでいかなければならないと改めて思っているところであります。 自衛隊について、要請があった場合に、規模や形態、時期、場所、交通規制など、条件が整えば、市長は行進訓練を受け入れるのかという御質問であります。 外国からの侵略に対して、自衛隊は、もちろん本務が国の防衛でありますから、大災害のときは助けていただいてるのももちろんですけども、それが本務であることは承知しております。 救援活動、復興活動だけでなく、一生懸命本務に取り組み、訓練をしていただいてるということ、和歌山城の高いところの清掃もそういう訓練の一環ではないかという御指摘は、そのとおりだと思います。 私といたしまして、本市が災害の際、それから有事に備えて、事前に和歌山市での訓練活動を通じて、地形とか現況を把握していただくことは極めて有効なことであると考えております。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 33番。 〔33番遠藤富士雄君登壇〕(拍手) ◆33番(遠藤富士雄君) 第3問を行いますが、市長ね、さっき僕、李登輝さんの話--新聞読みましたか。読んでないよね。済みません。 6月7日付、これもまた産経新聞なんですけど、見出しが「李登輝元台湾総統『尖閣は日本領』」と、こう書いて、それで「5日夜、台湾北部桃園県の中央大学で講演し、中国の学生の質問に対し、尖閣諸島を『日本領』と主張した。」と、こう書いてあるわけですね。 それで、これ中国の学生ですよ。学生さんというのは、普通は、幾ら政治家であっても温かく迎えますよね。できるだけそつのない話をして、それで楽しんで帰ってくださいということになると思うんですが、これ日本領としっかり主張してるわけです。これがイデオロギーなんです、政治家としての。 それで、「一時会場は騒然とした」と、こうなってるんですよ。それで、ひるまず李登輝さんは、みずからが推進した台湾の民主化の歩みについて約1時間半にわたって講演したと。それで、「領有権は日本にある。中国固有の領土というなら、裏付けとなる証拠の提出が必要」と返す。学生が反論するわけです、中国の人ですからね。これ、学生さんも仕方ないですよ、そういう教育されてるわけですから、これは別に学生さんが悪いわけじゃなくて、政府がそういう考え方してるわけですから、私がもし北朝鮮に生まれてたら、今の金何とかさんを尊敬してたかもわかれへんわけですよ。だけど、少なくとも私は、この皇国日本に生まれ育ってよかったと思ってる人間ですから、この国のことに関して、ちょっとでもおかしなことを言うとカチンと来ると、こういうことであります。 それで、私は、先ほどイデオロギーの、その市長なりのお話をされたわけでありますけれども、何回も言いますけれど、こういうことをはっきりと、やっぱりはっきりと示すのが政治家としての務めですよということを言ってるわけです。それをあいまいにするんですよ、今の政治家は。それはなぜかというたら、選挙なんです、やっぱりね。選挙に当選したいから、表向ききれいなことを言うわけです、そうでしょう。本当はギャンブルの好きな人、ギャンブルやってる人が、そういう施設ができるというたら反対に回ったり、とにかくきれいごとなんですよ、表向き。やってることと言ってることが全然違うわけです。 だから、市長も考え方をやっぱりはっきりしてほしいというのは、こういうことなんです、私が言ってるのは。李登輝さんを見習っていただきたいですね。台湾の方ですよ。中国の人に堂々とこれを言ったわけですよ、中国の学生に向かって。台湾は中国のものではないということも言ってるんですね。未来の民主化のモデルだと、こう言ってるわけです。それで、この学生さんに、この人のまたいいとこですよ、太っ腹なんです。「民主化と自由を学んでほしい」と言って、自分の書いた本を送ってるんですよ、この学生さんに。 だから、こういう政治家になってもらわないと、市長は政治家なんですからね、困りますよということですわ。 それで、一応最後の質問ですから、これで終わりますけれども、全体をずっと見渡してましたら、とにかく美辞麗句、とにかく言葉がきれいで、我々議員が質問したことに対して、とにかくそつのない答弁をして、この議会さえ乗り切ればそれでいいというように、毎回そう思うんですよ。おやめになった議員さんも、いつもそこから言ってましたよ、美辞麗句の羅列やなてね。だから、そういうことでは困るじゃないですか。 美辞麗句って、これも引いてみたんですよ、もう一度。市長、東大やからね、やっぱり負けたらあかんと思ってね。内容や誠意のないこと。そうでしょう。内容、誠意がないんですよ。その場その場をつくろって、それで言いわけして、仕方ない、時間が来たからもう質問終わりと、こういうことですわ。これでは困るでしょうということですよ。 実は議場での議員の質問というのは、当局とのやっぱり約束事ですよ、一種のこれは。それを、言葉だけで簡単に--先ほど市長、うれしかったけども、この国はどこへ行くかわからんという発言は、ちょっと言い過ぎて申しわけないという、おわびをしてくれた。しかし、それが市長の本心じゃなくて、まあしゃあないなと、遠藤、あんだけやかましいこと言うしな、あいつの顔も立てたらなしゃあないな、まあ謝っといたろかということでは困りますよということですよ。そうじゃないですか。 だから、とにかくその場その場の、この間から質問を聞いてても、教育もそうです、みんなそうですわ。これね、もう一度、皆さん方、提案しませんか。皆さん方が質問したことをもう一回見直してもらったらいいんですよ。どこまでやれてるか。1割ないんちゃいます。やります、やりますと言って。 僕、そこでちょっと不規則発言をしたんですわ。支援箱、じゃお願いしますって。簡単に市長、考えさせていただきますって、考えさせていただきますと言うたら、やってくれるかなと思い込むじゃないですか。 そこでですよ、そこで、ここに山本忠相議員がおられるんですよ。山本忠相議員の師匠は、実は岩國哲人さん。アメリカから帰ってきて、それでいきなり出雲市の市長になられた。そのとき、私が1年生のとき、ここで質問してますけども、あの人がどうやって日本一住みよい町にしたかというと、お役所言葉の撤回をしたんですよ。こんなわけのわからん答弁はないと。 それで、一番わからんのは「検討します」なんです。「検討します」を後で聞けば、和田議長もよう笑って、検討します言うてやってくれへんなと言って、一回こんな辞書持ってきて、検討というたらやるはずやのにという話ありましたけども、「検討します」は、議員さんに配慮して、いきなり断ったら悪いので「検討します」という言葉を使ってやらないわけです。やらないんですよ、現実に。 だから、それをやめなさい言うてるんですわ。まず、やれるか、やれないか。その事業提案があった場合、やれるか、やれないか。何でもいいんですよ。穴ぼこ1個直すんでも何でもいいんです。それを、やれるか、やれないか。もし、やれないとすれば、どういう理由でやれないか説明しなさいと。やるんであれば、1年以内なのか半年以内なのか3カ月以内なのか明確にしなさいと、こう言ってるわけです。そうやって役所の言葉を撤廃して、それでもっとわかりやすくしようということで、市民が聞いててもわかりやすいんですよ、非常に。できる、できないがわかるから。 そういうふうに、市長、やっぱりもう一度、市長のその個性をはっきりしてくださいよ。僕、この間もやっぱり市長、まじめないい人やねんなと思いましたよ、ここで。やっぱり涙もろいし、僕は市長にいつも言うけども、本当あなた、歴代市長の中で一番頭がいいし、経歴は立派やし、ね。いやいや、これは本音で思ってるんですよ。そらそうでしょう。学歴、勝てますか。経歴も立派で、育ちも立派ですよ。まじめさは、この上ないぐらいまじめな人ですよ。 しかし、残念ながら、足りないのは、今、言いましたように度胸だと思いますね、やっぱり。それがイデオロギーにつながると思うんですよ。御自分のイデオロギーを表に表現できない、これは残念なことやと思うんです。堂々と言ってほしいなと。 じゃ、そういうことで質問を終わらせていただきますが、もし答えられるんならば、ひとつよろしく。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 33番遠藤議員の再々質問にお答えいたします。 まず、李登輝さんのお話が出ましたんで、ちょっと私も思いがございますんで申し上げます。 この間、港湾の会議があって、山口県の周南市、昔の徳山へ行ってまいりました。そこは児玉源太郎さんの生まれたところでありまして、その児玉源太郎さんの神社があって、そこを見学させていただいた。そこに、李登輝さんが送った児玉源太郎の顕彰碑がどんと立っているわけであります。 なぜ、そういうのがあるかというと、児玉源太郎という人は、台湾の第3代だったかの総督をされていて、物すごいやっぱり台湾の民主化に--植民地だったわけだけども、台湾の生活をよくし、台湾の人たちにとって物すごくすばらしい為政者であったということで、そのことをみんなが知ってるから、李登輝さんはそれを代表して児玉源太郎の記念碑をつくったと。そもそも、台湾に既に記念碑があるのに、その周南市には記念碑がないというんで、それはないだろうということでつくられたというような話でありました。 私は、その話を聞いて、非常に感銘を受けて、それは児玉源太郎という人については、坂の上の雲とかいろんなところで読んでますから、もちろんそのすばらしい人柄、それから軍人としてのすばらしい識見と能力についても評価を高く思ってる人でありますけど、そのことについて、李登輝さんがそうやって誉められたという、この方はやっぱりすごい人だなということを改めて思ったということを申し添えたいという、それが一つであります。 それから、「検討」という言葉、答弁でよく出てくる「検討」という言葉についての御指摘。 これ、私も、考えてみますと、最初この席に着かせてもらうようになって、10年ぐらい前ですが、最初のうちは、やっぱりそういうお役所の答弁が、何というか、皆さんの顔を立てるための答弁とか、非常にわかりにくい言葉を使うということについて、いろいろとそれを変えなければいけないなという思いがありましたけど、これも10年近くやってますと、だんだんそういうことになれてくるとこがありまして、その辺はやっぱり初心に返っていかなければいけないと、改めて御指摘を受けて思っているところであります。 いずれにしましても、議員の御指摘を肝に銘じて、これからも市政に邁進してまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げまして答弁といたします。 ○議長(和田秀教君) 以上で、一般質問を終結します。   --------------- △日程第3 承第1号、議案第1号から同第16号まで ○議長(和田秀教君) 次に、日程第3、承第1号、議案第1号から同第16号までの17件を一括議題とします。 これより、ただいま議題となっている17件の質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(和田秀教君) 質疑なしと認めます。 ただいま議題となっている17件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、おのおの所管の常任委員会に付託します。 以上で本日の日程は終了しました。 お諮りします。 明6月21日から6月28日までの8日間は、各常任委員会審査等のため休会とし、6月29日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(和田秀教君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて散会します。          午後2時24分散会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    和田秀教 議員    北野 均君 議員    宇治田清治 議員    松本哲郎...