和歌山市議会 > 2018-12-07 >
12月07日-04号

  • 公文書管理法(/)
ツイート シェア
  1. 和歌山市議会 2018-12-07
    12月07日-04号


    取得元: 和歌山市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-07
    平成30年 12月 定例会                平成30年          和歌山市議会12月定例会会議録 第4号            平成30年12月7日(金曜日)     -----------------------------議事日程第4号平成30年12月7日(金)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問(森下佐知子君、林 隆一君、松坂美知子君)     -----------------------------出席議員(38名)  1番  林 隆一君  2番  山野麻衣子君  3番  中村朝人君  4番  堀 良子君  5番  西風章世君  6番  園内浩樹君  7番  永野裕久君  8番  中村元彦君  9番  浜田真輔君 10番  中谷謙二君 11番  丹羽直子君 12番  浦平美博君 13番  上田康二君 14番  吉本昌純君 15番  松坂美知子君 16番  姫田高宏君 17番  中塚 隆君 18番  薮 浩昭君 19番  奥山昭博君 20番  山本忠相君 21番  井上直樹君 22番  芝本和己君 23番  古川祐典君 24番  戸田正人君 25番  松井紀博君 26番  尾崎方哉君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  中尾友紀君 30番  松本哲郎君 31番  北野 均君 32番  山田好雄君 33番  野嶋広子君 34番  宇治田清治君 35番  寒川 篤君 36番  山本宏一君 37番  遠藤富士雄君 38番  佐伯誠章君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         尾花正啓君 副市長        森井 均君 副市長        小林弘史君 市長公室長      瀬崎典男君 総務局長       森 泰之君 危機管理局長     嶋本智行君 財政局長       三橋 郁君 市民環境局長     和田年晃君 健康局長       佐伯正季君 福祉局長       川崎秀行君 産業交流局長     有馬専至君 都市建設局長     鈴木 豪君 会計管理者      中西 歩君 教育長        原 一起君 教育局長       津守和宏君 消防局長       山下直樹君 公営企業管理者    富松 淳君 企業局長       白井光典君 選挙管理委員会委員長 川端正展君 代表監査委員     森田昌伸君 人事委員会委員長   水野八朗君   ---------------出席事務局職員 事務局長       中野光進 事務局副局長     幸前隆宏 議事調査課長     中西 太 議事調査課副課長   柳本真也 議事班長       藤井一成 企画員        竹下裕威 企画員        辻  博 事務主査       國定正幹 事務主任       平岡直樹 事務主任       大江健一 事務副主任      中本庸介 事務副主任      中西真央   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(松井紀博君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(松井紀博君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   吉本昌純君   中尾友紀君   姫田高宏君 以上3君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(松井紀博君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 森下佐知子君。--28番。 〔28番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆28番(森下佐知子君) おはようございます。日本共産党市会議員団の森下佐知子でございます。 議長の指名がありましたので、通告に従い、一般質問を行います。 まず初めに、教育問題のうち、学童保育についてお伺いします。 学童保育は、共働き、もしくはひとり親家庭の就労支援の事業として、また、児童の放課後の生活を保障する事業として、全国的には保護者を初めとする関係者の努力のもとで始まった事業です。年々女性の就労が進むにつれ、学童保育への要望も大きくなったことにより、国が法制化を進め、放課後児童健全育成事業として位置づけられました。 本市においても、小学校の空き教室やプレハブ教室で実施されている若竹学級や、私立保育園内で実施されているものを含め、全ての小学校区へ網羅することを初め、ふえる希望者に対し、一つの小学校に複数設置することにも市は尽力されてきました。そのことには、心から敬意を表します。 私は、この問題については、子供たちにとって、異年齢の中で育ち合う生活の場としての観点から、また、働く保護者にとっての安心・安全のとりでとしての観点から、繰り返し取り上げてきました。それは、これからも必要だと考えています。学童保育に対する要望が今もなおふえているのは、それだけ子育て支援に対する期待が大きいからであり、その期待にどう応えていくのか、そのことが市には求められており、今回もその観点から議論をしたいと思います。 国は、2014年4月に、全国的な一定水準の質の確保に向け、厚生労働省令、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を公布し、翌年3月には放課後児童クラブ運営指針を策定、各学童保育は、その年度から国の基準と指針に基づいて運営されています。長く懸案であった指導員の資格と配置基準も定められ、処遇改善と常勤配置のための補助金も設けられたところです。 しかし、処遇改善はなかなか進んでおらず、人手不足の解消を基準の緩和で対処しようとする、いわば逆行現象が、今、起きています。基準緩和を求める一部の自治体の要望を受けて、国は基準の参酌化を検討し、今年度中に結論を出すと閣議決定しました。これは、先般、新聞紙上でも明らかになったところです。 そもそも、本来必要な人員をみずから定めた基準に見合うような国による財源措置こそ求められており、このような基準緩和を安易に認めることは断じて許されないと私は思います。量と質の拡充を同時に図ることを、国を初め地方公共団体が力を合わせて行うことこそ、多くの利用者である児童や保護者の願いに応えることです。 全国学童保育連絡協議会は、学童保育に通う子供は、一人一人の年齢や発達段階、家庭環境や生活環境が異なっており、興味や関心もさまざま。指導員には、子供が学童保育での生活をスムーズに送れるよう、また、一人一人が安心して充実した生活を送れるよう、それぞれの年齢や発達段階に応じたかかわりを持ち、子供が学童保育を安心できる毎日の生活の場として認識し、必要な期間、みずから進んで通い続けられるように支え、援助することが求められるとして、保育指針を6つの点で提言しています。1点目は、子どもの安全・健康・衛生を確保すること、2つ目、子どもの安定した生活を保障すること、3点目は、遊びやその他の活動・行事などの豊かな生活を保障すること、4点目は、おやつを提供すること、5点目、施設外保育に努めること、6点目、外出・地域との交流に努めること、この6つの提言は、1967年から活動し、全国の状況を調査、把握しているこの団体ならではの到達点でもあります。 これに照らして考えるならば、学童保育の果たす役割は極めて大きいということとともに、指導員の位置づけも、また、重要なものであることがわかります。 そういう点で見て、現在、本市が行っている若竹学級の現状はどうでしょうか。本来の放課後児童健全育成事業としてふさわしいものになっているか、保護者や関係者の声を常に聞いて、よりよいものにしていく、それは市の責任でもあります。 そこで、お伺いいたします。 和歌山市における放課後健全育成事業の目的及び目指すところは何でしょうか。 過去3年間の放課後健全育成事業にかかわる利用児童数と待機児童数の推移はどうなっていますか。 今年度から、シフト表の提出やパート勤務の状況で利用を制限するなどの新たな条件を付するようになった理由は何ですか。 厚労省の示す職員基準に照らして、和歌山市の現状はどうでしょうか。 厚労省が、現在、検討するとしている基準緩和に対する考え方はどんなものでしょうか。 次に、教育問題の2点目、就学援助制度についてお伺いします。 就学援助は、義務教育の児童生徒の家庭を対象に、生活保護基準に該当する要保護者と、市町村がそれぞれの基準で認定する準要保護者に対し、学用品などの費用が支給される制度です。 就学援助を受ける小中学生は、全国で、1997年は6.6%であったものが、2012年には14.1%と倍以上になっています。援助率を全国比較で見ると、多いところではおよそ24%、低いところではおよそ6%と大きな開きがありますが、それは統一した認定基準がなく、認定のための要件は市町村でまちまちだからであり、2005年に準要保護に対する国庫補助が廃止され、一般財源化されたことがその大きな要因です。 本来、義務教育はこれを無償とするという理念に照らして始まった制度でありながら、たび重なる改正の中で、どんどん後退してきたのが現状だと言えます。 お金の心配をせず、誰もが安心して教育を受けられるという制度の根本を実現するためにも、国による財源保障が求められますが、同時に地方自治体も第一義的に制度の理念を生かすものでなければなりません。 和歌山市では、この間、支給額の国基準以上への引き上げ、クラブ活動費など新たにふえた項目への対応、新入学準備費の支給期日の前倒しなど、具体的にただしてきましたが、いまだ本市は最低ラインを脱却できていません。この12月議会は、新年度予算編成に向けて重要な節目になる時期です。この時期だからこそ、市長や教育委員会に就学援助制度拡充についてのお考えをぜひお聞きしたいと思います。 就学援助についての1点目、過去3年間の受給者数の推移はどうなっていますか。 2点目、和歌山市における制度の現状に対する認識はどうでしょうか。 支給基準が生活保護基準の1倍ということについて、そうしている理由と中核市における状況についてどのように考えますか。 改善についての考えはどうでしょうか、それぞれお答えください。 次に、子供の貧困対策についてお伺いいたします。 2015年に厚労省が発表した子供の貧困率は16.3%。これは子供の6人に1人が貧困状態に置かれているということであり、1985年の10.9%から大きく増加しているという点からも注目されました。ひとり親家庭に至っては、2人に1人というデータもあり、しかも我が国は、OECDに加盟する34カ国中、下から10番目という位置です。 このように、子供の貧困が社会問題となり、その対策を行うことが必要だという関係者の運動や世論によって、2013年に子どもの貧困対策の推進に関する法律、いわゆる子どもの貧困対策が制定され、2014年1月17日に施行されました。これに基づき、2014年8月29日には、子どもの貧困対策に関する大綱が閣議決定されています。この法律は、都道府県に対し、「子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努める」ものとするという責務を規定しました。 これを受けて、和歌山県は、昨年3月に子供の貧困対策推進計画を策定したと聞くところです。そして、策定時のデータでは子供の貧困状況を十分に把握できているとは言えない状態であることから、ことし7月から、小学5年生と中学2年生の全員とその保護者、市町村や学校などへも実態調査を行っており、この結果は近々明らかにされるということです。 市町村における計画策定の義務づけはないものの、県の計画の中には、国や地方公共団体との密接な連携のもとに総合的に取り組むとされていることから、和歌山市にとっても、実態把握や解決するべき課題を明確にし、対策を講じることが必要だと考えます。 子供の貧困対策にどのように取り組もうとしているのか、幾つかにわたってお伺いいたします。 和歌山市における子供の貧困の状況についての認識はどうでしょうか、実態について把握しておられますか。 県が、現在、調査中で、今月中もしくは来年早々にも結果が出るとされていますけれども、それに対し、市はどのようにかかわり、対処していこうとしているのでしょうか。 市が、現在、貧困対策として行っている具体策は何でしょうか。 以上をお伺いいたしまして、第1問といたします。(拍手) 〔議長退席、副議長着席〕 ○副議長(芝本和己君) 原教育長。 〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) おはようございます。28番森下議員の一般質問にお答えします。 教育行政について、学童保育についてです。放課後児童健全育成事業の目的及び目指すところは何かとの御質問です。 放課後児童健全育成事業の目的は、保護者の就労等の事情により、放課後に家庭で保育を受けることができない児童に対し、各小学校、義務教育学校の余裕教室などを利用して、家庭にかわる生活の場を提供することです。 また、その目指すところは、子供たちが家庭、学校、地域との連携のもと、遊びを中心とした活動を通して自主性、社会性、創造性を培い、心身ともに健やかに育つ場になることです。 今後とも、若竹学級の内容を充実させ、保護者が安心して仕事と子育てができる環境づくりに努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕 ◎教育局長(津守和宏君) 28番森下議員の一般質問にお答えします。 まず、学童保育について4点いただいております。 過去3年間の放課後児童健全育成事業にかかわる利用児童数と待機児童数の推移はどうなっているのかとの御質問です。 過去3年間の放課後児童健全育成事業の利用児童数と待機児童数について、平成28年4月末の利用児童数が2,979人で、待機児童数は37人、平成29年は、4月末の利用児童数は3,321人で、待機児童数は19人でしたが、8月からは待機児童は解消しました。平成30年は、4月末の利用児童数は3,540人で、待機児童は年度当初からありません。 続きまして、今年度から、シフト表の提出やパート勤務の状況で利用を制限するなどの新たな条件を付すようになった理由は何か。 和歌山市では、放課後児童健全育成事業の利用条件を、「保護者の就労等の事情により、放課後に家庭で保育を受けることができない」こととしています。そのため、就労している曜日を記載した就労証明をもって利用日を確認してきました。また、就労する曜日が固定されていない変則勤務の方については、これまでも口頭やメモなどにより個別に利用する日を確認してきましたが、シフト表の提出は、より正確に利用する日を確認できるようにするためのものです。 次に、厚労省が示す職員基準に照らして、和歌山市の現状はどうかとの御質問です。 平成26年4月に、厚生労働省令第63号、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準が定められました。同基準第10条において、県の放課後児童支援員認定研修修了者を支援の単位ごとに最低1人配置し、常時2人以上の職員で運営しなければならないとされています。 本市においては、平成26年6月に、和歌山市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例により、放課後児童支援員の配置数や資格について定めていますが、厚労省が示す職員基準に沿ったものとなっています。 次に、厚労省が、現在、検証するとしている基準緩和に対する考え方はとの御質問です。 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準第10条について、職員の配置と資格の基準を、従うべき基準から参酌すべき基準への基準緩和が、現在、検討されているところです。今回の措置は、質の担保を図った上で、自治体の責任と判断により、全国一律ではなく、地域の実績に応じて運営を行うことを可能とするというものです。 和歌山市としましては、子供の安全・安心の確保という観点から、現在のところ、基準緩和については考えてはいませんが、国の動向や他の自治体の状況については、引き続き注視していきたいと考えています。 次に、就学援助について、同じく4点いただいております。 まず、過去3年間の受給者数の推移はとの御質問です。 就学援助の受給者数は、平成27年度が4,470人、平成28年度が4,332人、平成29年度が4,275人と減少傾向でしたが、平成30年度は、2学期分の支給確定人数が4,286人で、この時点で前年度の支給人数を11人上回っています。 続きまして、和歌山市における制度の現状に対する認識はどうか。そして、支給基準が生活保護基準の1倍ということについて、そうしている理由と中核市における状況について。最後に、改善についての考えはどうかとの3点につきまして、一括して答弁させていただきます。 就学援助における支給額は、国基準に対しても、また、他の中核市と比較しても低いことは認識しています。 支給基準についての中核市における状況は、生活保護基準の1.2倍から1.3倍の係数を用いて認定している自治体の割合が高くなっていますが、いつの時点の基準を採用しているか、また、所得で審査しているのか、収入で審査しているのかなど、状況はさまざまです。 本市の支給基準は、生活保護基準の1倍として所得を審査していますが、本市が認定に用いる生活保護基準は平成25年の見直し以前の基準を維持していますので、現行の1倍の基準でも、現在、生活保護を受給している世帯より高い所得の世帯まで対象に給付できていると考えています。 これらのことから、今後の改善につきましては、支給単価の引き上げに努めてまいりたいと考えています。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 川崎福祉局長。 〔福祉局長川崎秀行君登壇〕 ◎福祉局長(川崎秀行君) 28番森下議員の一般質問にお答えします。 子供の貧困対策について3問ございます。 まず、和歌山市における子供の貧困の状況についての認識はどうか、実態について把握しているかとの御質問です。 和歌山市における子供の貧困状況については、子供の相対的貧困率が、平成24年度の厚生労働省のデータで16.3%が平成27年度には13.9%と若干の改善傾向となったことから、本市についても同様の傾向にあると認識しています。 また、実態については、国が示す子供の貧困対策に関する指標の中で、生活保護世帯、児童養護施設の子供等に関する高校、大学の進学率及び就職率については、おおむね全国数値を上回っていることを把握しております。 次に、県が現在調査中で、今月中もしくは来年早々にも結果が出るとされているが、それに対し、市はどのようにかかわり、対処していこうとしているのかとの御質問です。 和歌山県が実施している和歌山県子供の生活実態調査で得られた和歌山市のデータ及び集計結果を、中学校区別に詳細に分析を行うことにしています。その分析結果をもとに、子供の生活実態や学習環境等を把握し、子供の貧困対策を推進していくために、より効果的な施策を検討していきたいと考えています。 最後に、市が現在、貧困対策として行っている具体策は何かとの御質問です。 貧困対策として、平成29年9月から、各コミュニティセンターを利用し、子供食堂を開催する団体に対し、当該利用料の減免を行っています。 また、子供食堂は、地域の皆様によって運営されているため、それぞれに抱える課題もさまざまですので、個々の子供食堂の運営に必要な情報を、ホームページや子育て支援アプリ等の媒体を活用して、子供食堂とその運営を応援していただける方や団体、事業者をつなぐ仕組みを今年度10月から実施しています。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 28番。 〔28番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆28番(森下佐知子君) 御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。 まず、学童保育についてです。 学童保育の目的とその目指すところ、和歌山市のその中身をお聞きいたしました。家庭にかわる生活の場を提供し、遊びを中心とした活動を通して自主性、社会性、創造性を培い、心身ともに健やかに育つ場になることというお答えでした。私も同感であります。その点については異議はございませんけれども、問題は、その中身が具体的にどう保障されるのかということだというふうに思います。 利用児童数の推移をお聞きいたしました。この3年間だけを見ても、ふえているということが先ほどの答弁でわかりました。そういう中で、利用はふえているんだけれども、一部で、利用の中でいろいろ、今、新しく起きていることがあるということで、シフト表の提出という具体的なことについてお伺いをしたところでございます。 保護者の就労が学童保育については原則であるということは当然でありますけれども、それについては就労証明が提出されているはずで、私はそれで十分ではないかと思うんですが、わざわざ、今、シフト表まで提出をさせているということはいかがなものかというふうに思いました。それでお尋ねをしたのですけれども、その中身を厳正にするということなんですね。 しかし、その実態といいますか、実際にそこを利用されている保護者の皆さんのいろいろな御意見をお伺いいたしますと、シフト表というのは、ほかの人の名前も書かれていて、プライバシーという点でも非常に問題があるし、それをそのまま出すということだけではなくて、例えばそのパートに勤務されている人は何時から何時までということで、帰ってくる時間があれば、もう子供をそのまま帰すとか、それから勤務に出ない日はもう休んでくださいとか、急にパートに出なきゃならなくなって、職場の同僚の人が急病で休まなくてはならなくなって出ることになったと、ところが出されているシフト表を見ると、そこは休みになっているので、子供は出てくるなと言われたとか、そんなことが、今、現場で起こっているんですね。 そういうやり方が、本来の学童保育であるのかどうかということでいけば、私は本来の目的に立ち返ることが必要だというふうに考えております。したがって、今回の質問にこの問題を入れさせていただきました。最初に、その目標と目指すところを改めてお聞きしたのは、それが目的です。 子供の生活を丸ごと捉えるということ、私はこの場で何度もお話をしてきました。以前、子供の居場所事業と学童保育、放課後健全育成事業等を混同するといいますか、それを一体化させて、ボランティアの人にそれを担ってもらうということで、全ての児童を対象にするという、そういうことを行い始めた自治体がありました。ところが、そこでは全ての子供たちは対象だけれども、ボランティアの人が対応するために、そして全ての子供たちがたくさん来ることによって、今まで学童保育でその場を保障されていた子供たちが、生活そのものを見るということにはならなくなってしまった。けががふえたり、さまざまな問題が起こるということで、現場から大きな意見が出ておりました。 そういう点では、和歌山市は、学童保育という事業、居場所事業ということをきちっと分けて、それを行ってもらっている。だからこそ、私は子供の生活を丸ごと捉える学童保育として、そういう親の時間単位での仕事の間だけ見ればいいんだという、そういうやり方では、学童保育の本来の事業としてはふさわしくないというふうに思っています。保護者が家にいるということだけを捉えて、その時間、子供が帰ってもいいというような、そんなやり方を当てはめることは、本来の学童保育ではなくて、ただの預かり保育にしかなりません。 こういう点で、このシフト表についての提出は、私は学童保育ではするべきではないというふうに思っているところでございます。 厚労省基準緩和のことを3つ目にお聞きしました。これは、今、全国でも現場に大きな不安をもたらしております。 和歌山市は、この基準緩和をするということは考えていないということで、ひとまず安心をしたところです。 その中身です。地域の実情に応じて運営することを可能とするという、そういうことが趣旨だと言いますけれども、そもそもこの厚労省基準がどんな趣旨でつくられたのかということをちゃんと見なければならないと思います。これは、どこの自治体に行っても、同じレベルで安全・安心を担保するために設けられた、いわば最低基準です。これを決めた国が、みずからそれを緩めるというのは本末転倒ではないでしょうか。 そしてまた、基準を定めて4年しかたっておりません。今の学童保育の現状を見てみますと、この厚労省基準、40人の児童を2人以上で見るという、そういう基準になっているんですけれども、この基準の一体どこが多いんでしょうか。 子供一人一人と、また、全体にかかわることを同時に、あるいは並行して行う必要があるというのが学童保育です。1年生から6年生までの異年齢の子供たちの生活、発達、特性をそれぞれ把握して、それに応じたかかわりが求められる。個別に特別なかかわりが必要な場合もあります。また、子供たちは、同じ場所で同じ行動をとっているわけではありません。外に遊びに行く子もいれば、宿題をやっている子もいる。途中で体調が悪くなる子もいる。さまざまなそういう子供たちの行動に全て対応しなければならないのが、指導員の皆さんの一番御苦労のあるところです。今のこの厚労省基準でも大変だというのが実情ではないでしょうか。 どう考えても、この仕事は、専門的な技量と知識、経験が必要で、常時複数配置が求められる、それは明瞭ではないでしょうか。待機児童解消のための人手不足に対応するという、そういうことについては、専門職として待遇改善を図るということ以外にはありません。 私は、前回、この質問をさせていただいたときには、指導員の方々の待遇改善を求めてきました。今も、まだアルバイト待遇で、時間から時間までの子供たちへの対応ということです。 しかし、進んだ自治体においては、子供たちが来るうんと前から準備をして、どういう保育計画で子供たちを見るかという、そういう専門の方たちが時間を保障されている、そういうところもあります。 いまだ、そういうまちまちな状況であることを、国が最低基準を設けることで充実させるということであったはずなんですよ。そういう意味で、この基準緩和という動きは、私は絶対に許されないと思っている一人でございます。そういう点において、学童保育について、再度、質問させていただきます。 1点目は、厚労省が検討に入っているとする基準の緩和、私は認められないと思いますし、市として国に基準緩和を撤回するぐらい、それを要求するぐらいの思いで臨んでほしいと思っていますが、現場を見るなら、現在の基準を堅持し、さらに充実を目指すべきだと思います。今度は、これを教育長にどう思われるか、お考えをお聞きしたいと思います。 学童保育の2点目ですが、その目的は、保護者の就労の保障にはとどまらない子供たちの生活の場であると何度も申し上げてきました。それが、今年度から始まったシフト表の提出などで新たな制限を設けることは、私は適切ではないと考えます。したがって、このようなやり方は撤回するべきだと思いますが、いかがでしょうか。 次に、就学援助です。 受給者数の推移は、減少傾向から増加に転じたというお答えでした。それだけ、生活の困窮度が進んでいるということのあらわれではないでしょうか。 和歌山市の制度に対する認識をお伺いしました。局長からは、低い状況を認識しているということでした。 中核市の状況も、あわせてお伺いをしました。それで、いろいろな算定の仕方があるから、それはさまざまだということでした。 私は、本当にその実態をつかんでおられるのかなというふうに思った次第でございます。したがって、自分でもその問題をしっかり把握していかなければならないなという思いのもとで、支給基準、その生活保護基準の何倍という、それが一つの目安になってるわけですけれども、その基準に絞って、中核市全体に照会をかけてみました。今、宇都宮市が、毎年、さまざまな指標で中核市比較を行っています。この中の一つにも、この就学援助がございます。そういう非常に、宇都宮市が行っているその詳細な実態を、今の時点でどうなっているのかということも含めて調べてもらいました。 それを見てみますと、今の時点で54市、中核市はあるわけですけれども、きのうの午前中までということで、まだこれからも回答は返ってくると思うんですけれども、きのうの午前中の時点で回答がまだ返ってきていないのは7市あります。ですので、47市に限ってということになりますけれども、今の状況、今年度の状況です。和歌山市が、いまだ、この47市の状況を見ても、最低レベルであることに変わりはないということが判明をしました。 2013年の生活保護見直し以前の基準を維持しているから、現時点の保護基準よりは高い、そういう支給をしているというお答えでした。それを当てはめてみると、一体、1.0ではなくて、では今、どれぐらいの基準なのかということを当局の皆さんにお聞きしましたら、大体1.1倍になるんだということでした。1.1倍と、見直し以前の基準を維持しているから、高いから大丈夫なんだというふうに聞こえたんですけども、この1.1倍にしかならないということを、胸を張って言うようなことなんでしょうか。 生活保護基準の1.0倍、和歌山市と同じですね。もしくは、当局の皆さんが2013年の見直し以前の基準を使っているからとおっしゃるんだったら、百歩譲って1.1倍としましょう。そういう基準としている市は、じゃ、幾つあるか。47市でたった3つですよ、和歌山市を入れて。西宮市と前橋市と和歌山市、たった3つ。 この問題の背景には、多くの自治体が、一般財源化されたことによって、その制度を維持すること、あるいは充実することに苦慮しているのは事実です。本来、国の制度として確立されるべきであって、一般財源化されたということは、非常に私は残念だなというふうに思っています。 国による財源措置が不十分であることは理解をしています。加えて、現在、国が示している支給単価についても、和歌山市は十分ではありません。現実の学校生活に合わせていくならば、これから国がこの支給単価を見直していくという可能性もあります。現に、今年度、見直された項目もありました。市も見直したけれども、国も見直したので、その改善幅が小さ過ぎて追いつかなかったというのが今の和歌山市の現状じゃないでしょうか。 和歌山市のこういう支給基準、支給単価、この現状を見ると、一刻の猶予も私は許されない、おくれた状況だと言わなければなりません。 したがって、就学援助について、再度お聞きをいたします。 生活保護基準の1倍という現在の基準、それが中核市の中でも本当に最低ラインと言わざるを得ない位置にあるということを市長はどのようにお考えでしょうか。 経済的な支えは、子供の貧困対策という観点からも重要な役割を果たすということから、現在の基準は見直すことが必要だと考えますが、教育長はいかがお考えでしょうか。 支給額、支給単価の引き上げ、これを国基準以上にするということもあわせて、支給額をふやすというふうに先ほどお考えでしたが、それだけではなくて、支給基準も引き上げるという、この全てのことを合わせて、新年度には全てクリアできるようにするというお考えはございませんか、市長にお伺いをいたします。 3つ目、子供の貧困対策について再質問させていただきます。 現段階での認識、実態、和歌山市でどうなのかということをお聞きしました。局長の答弁をお聞きしましたけれども、どう認識されているのかというのがぴんときませんでした。 県の実態調査の集計と分析を政策に生かすと、これから生かしていくんだということは一定理解します。これからなんだということなのかもしれませんけれども、しかし、今、全国的な状況を見て、あるいは和歌山市で起きているさまざまな事象、学校現場であったり保育の現場であったり、さまざまなところからいろんな事象が起きている、そういうことから想像して、和歌山市に一体、今、何かできるのか、何をしようとするのかという姿勢、そういう姿勢という点では、私は本当に子供の貧困対策に取り組もうとしているのか、若干の不安を感じております。 例えば、子供の貧困率。2012年に、国として政府が公式に初めて出した16.3%という数字をどのように見ていくのか、独自に都道府県別の数字を出した研究者がおられます。山形大学の戸村健作准教授、この方が2016年に明らかにした数字がございますが、それによると、これ都道府県別に貧困率を明らかにされたんです。順位づけもされているわけですけれども、残念ながら和歌山県は9位。これ、いいほうじゃないんですよ。悪いほうで1番から並べていくと9位。要するに、悪いほうで上位にあるんです。全国平均が13.8%であるのに対し、17.5%という数字になっています。 これが、今、どういう状況になっているのか。ただの数字だけでははかれない部分もありますけれども、これは一つの大きな指標になるというふうに考えます。私は、もっとアンテナを高くして、危機感を持ってほしいというふうに思っております。 貧困対策として何を行っているのかということに対し、子供食堂を挙げられました。減免制度を行っている、あるいは民間で行っているところをつないでいるということでした。そういうことも、もちろん大事です。 でも、先ほどからお伺いしている就学援助の問題は、まさに貧困対策という点でも大きな位置を占めるのではないでしょうか。現在、市が行っているさまざまな事業の中で、貧困対策として、これは有効だと思えるものを取り出して充実させることは、今でも十分できるはずだと私は思います。 さらに、比較対象になっているOECD諸国の中での日本の位置が低いという点で、立教大学の浅井春夫教授は、日本の暮らしのあり方が賃金依存率の高い国だというふうに指摘をされております。 例えば、その例に挙げられているのはフランスなんですけれども、フランスに限らないと思うんですが、欧米諸国ということなんでしょうけれども、一つ、フランスを例に挙げておられます。子育てや失業、病気などの際に、行政からさまざまな手当が支給されており、それは約30項目にわたっている。子育て、家族手当として整備がされているわけです。つまり、日本のように、全て保護者が負担をするということはないんですね。医療や教育にお金がかからない。インタビューをされたときに、日本は教育、子育てにお金がかかるんですと言ったら、そのフランスの方が、子育てにお金がかかるというのは一体どういうことですかと聞き直されたそうです。要するに、イメージが湧かないという、そういう状況だそうなんです。 要は、社会保障制度としての現金給付が日本では少ないということが、今の貧困を助長し、格差を生み出す要因となっているということが、ここからも見えてきます。 これは、一つの教授が調べられた例ですけれども、私はこのことを目の当たりにする出来事が少し前にありました。和歌山市で勤務されているお医者さんなんですけれども、フランスから来られているということで、少し前に子供の貧困を考えるシンポジウムというのに取り組んだことがありました。そのときに、少し後で、みんなで懇談会を行ったんですけれども、その場にも来てくださって、お話をしてくださって、お互いに意見交換をした、その場で出されたことなんですけれども、和歌山市に来て、子供を保育所に預けようとしたら、布団から着がえから歯磨きのコップから、とにかく生活に必要なものは全て自分で用意して持っていかなきゃならないということに驚いたと言われるんです。フランスでは、保育所が決まれば、子供だけを連れて行けばいいんですって。要は、保育所に全て完備されているんです。そういう社会保障状況だということなんですね。その話を聞いて、今度は日本の親御さんたちが、ええ、そうなんですかと言ってびっくりするという出来事がありました。 浅井教授は、さらに貧困対策の4つの処方せんを提案されておられます。1つは、食の保障、子供食堂だけではなくて、公的な食の保障が必要だということ、2点目は学習権、進学権の保障、給付制の奨学金制度の充実、3つ目に経済的保障、児童手当などの現金給付の充実、4つ目は労働生活への連結、働き続けられる労働環境の整備、つまり非正規ではなくて正規で働けるという、その安心・安全ということが求められる、この4つが貧困対策の処方せんになるのではないかという、そういうことをおっしゃっておられます。 これは、一つの考え方ということで御紹介をさせていただきました。 私は、この貧困対策における国の果たすべき役割は非常に大きいというふうに思っております。それとともに、自治体も大きな役割を担う必要があるというふうに思っております。和歌山市で貧困に苦しむ子供を一人もつくらないという意気込みが大事だというふうに思う一人でもございます。 そこで、子供の貧困について、再度、お伺いをいたします。 和歌山市における子供の貧困ということに対する現在の時点での市長の認識はどうでしょうか。 厚労省の示す子供の貧困に関する25の指標、先ほど1問で述べられました指標があるということですが、それはどんなもので、市としてどのように生かそうとお考えでしょうか。 市は、県の実態調査をもとに、より効果的な施策を検討すると答えられましたけれども、子供の貧困対策に特化した推進計画のようなもの、これを想定しているんでしょうか。施策の具体化は、いつごろを目指すんでしょうか。また、その体制をどう考えておられますか。 以上お伺いいたしまして、再質問といたします。(拍手) ○副議長(芝本和己君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 28番森下議員の再質問にお答えします。 まず、就学援助について、私に2点いただいております。 まず、生活保護基準の1倍という現在の基準、それが中核市の中でも低い位置にあるということをどう考えるか。次に、支給額を国基準以上にすることとあわせて、新年度には全てクリアできるようにする考えはとの御質問でございます。一括して答弁させていただきます。 義務教育段階における貧困対策として、子供の教育を支える大切な役割を果たしているのが就学援助であり、本市の中核市における状況は認識しております。 今後、子供たちが健やかに育つ環境づくりをより一層進め、経済的な理由で就学が困難となることがないよう、社会情勢等を注視しながら、制度の充実に努めてまいります。 次に、子供の貧困対策について、和歌山市における子供の貧困ということに対する現時点での市長の認識はどうかとの御質問でございます。 本市における子供の貧困の現状は、詳細に把握できていませんが、先ほど局長が答弁したように、国が示す指標の一部の項目において、全国数値を上回っています。しかし、楽観できる状況ではないと認識しております。 子供は、本市にとっての宝であり、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、子供の貧困対策を総合的に推進することは極めて重要であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 原教育長。 〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 28番森下議員の再質問にお答えします。 まず、学童保育についてです。 厚生労働省が検討に入っているとする基準の緩和は認められない。現場を見るなら、現在の基準を堅持し、さらに充実を目指すべきと思うが、考えはどうかとの御質問です。 今回の措置は、質の担保を図った上で、自治体の責任と判断により、全国一律ではなく、地域の実情に応じて運営を行うことができるという趣旨のものであることから、本市としましては、子供の安全・安心の確保という観点から、現在のところ、基準緩和については考えておりません。 次に、就学援助について、経済的な支えは子供の貧困対策という観点からも重要な役割を果たすことから、現在の基準は見直すことが必要だと考えるがどうかとの御質問です。 学校現場では、ふだんの子供の様子を丁寧に観察し、気になる家庭には、スクールソーシャルワーカーの活用も含め、きめ細かく対応することを心がけているところです。 就学援助制度は、貧困対策を推進し、教育の機会均等を保障する大切な制度であることから、支援が必要な児童生徒に対し、必要な援助が及ぶよう、対応を考えてまいります。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕
    ◎教育局長(津守和宏君) 28番森下議員の再質問にお答えいたします。 学童保育について、学童保育の目的は、保護者の就労の保障にとどまらない子供たちの生活の場であることから、シフト表の提出などで新たな制限を設けることは適切でないと考える。したがって、このような条件は撤回すべきだと思うがどうかとの御質問です。 学童保育は、子供の健全育成のために重要な生活の場であると考えていますが、厚労省の見解では、学童保育は保護者が労働等により昼間家庭にいない児童を対象とすることとなっています。 本市では、シフト表の提出は、口頭やメモなどで確認していたことを書面で確認するよう運用を改めたものであり、新たな制限を設けたものではありませんが、議員御指摘の点については、他都市の運用を調査し、検討してまいります。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 川崎福祉局長。 〔福祉局長川崎秀行君登壇〕 ◎福祉局長(川崎秀行君) 28番森下議員の再質問にお答えします。 子供の貧困対策について2問いただいてございます。 まず、厚労省の示す子供の貧困に関する25の指標とはどんなもので、市としてどう生かそうと考えているのかとの御質問です。 子供の貧困に関する25の指標は、子供の貧困対策を総合的に進めるに当たり、関係施策の実施状況や対策の効果等を検証するために設定した指標です。 本市における指標を国と比較することで、関係各課が施策の効果等の検証を行うとともに、庁内で情報共有を図っています。 次に、市は、県の実態調査をもとに、より効果的な施策を検討すると答えたが、子供の貧困対策に特化した推進計画のようなものを想定しているのか。施策の具体化は、いつごろを目指すのか。また、その体制をどう考えているのかとの御質問です。 子供の貧困対策に特化した推進計画を個別に策定することは考えておりませんが、具体的な施策については、現在、策定を進めている第2期子ども・子育て支援事業計画の中に反映させてまいりたいと考えています。 体制については、子どもの貧困対策庁内連絡会議や子ども・子育て会議において、庁内外の委員等の意見を集約できる体制を整えています。 以上でございます。 ○副議長(芝本和己君) 28番。 〔28番森下佐知子君登壇〕(拍手) ◆28番(森下佐知子君) 再々質問に入ります。 まず、学童保育です。 基準緩和は考えていない、子供の安全・安心の確保を第一に考えてくれるという御答弁でした。そして、シフト表などの提出については、それが多くの保護者の制限となっている現状を私が指摘をさせていただきましたが、他都市の状況を見て検討するということでした。 私は、今の学童保育、若竹学級や私立保育園で行われているこの学童保育、希望者が希望するときに入所できて、そしてその子供たちが放課後を保障できる、そういう生活の場として充実させていってもらいたいという思いを持ちつつ、毎回、この問題については取り組むわけですけれども、実際は預けていたのに帰されたことがあるという、そういう事実を知って驚きましたけれども、今後はこれを検討してくれるという、そのお言葉を信じて、希望者がちゃんと入所できて、そこで子供たちが生き生きと過ごせる場として、本来の学童保育として、これからさらに充実をしていってもらえる、そのことを強く要望しておきたいと思います。 次に、就学援助についてです。 今回、12月議会で聞かせていただいた意味は、先ほど1問の中でも申し上げましたけれども、来年度の予算編成はもう始まっているわけです。そして、1月には市長査定も行われるということで、やっぱり、今、聞いておかなければ、来年にどう反映されるのかということがわからなくなってしまう。当初では、もう決まったものを手にするしかないということで、この12月議会であえてお聞きをさせていただきました。 そして同時に、和歌山市の現状認識、それに危機感を持っていただきたいという思いもございました。 この就学援助制度が一般財源化される前、つまり国が国庫補助ということでの対策を持っていたとき、そのときには1.8倍という基準が多かったように記憶をしています。ところが、先ほど2問でも御紹介しましたけれども、今の中核市の大体の状況が1.3倍、多いところで1.5倍と、所得制限を設けていないというところも1市ありますけれども、そういう状況になってきているのは、やはり自治体の裁量の中に置かれていて、その財源確保が非常に大変だということのあらわれだというふうに思います。それでも、多くの自治体が1.3倍、それに近いところで努力をされている。 そういうことを見れば、やはり和歌山市も、1.3倍にすればいいんだということにはなりませんけれども、せめてそこを目指していくということが必要だし、それ以上、市長は子育て環境日本一という、それを目指すと言われているわけですから、それだったら、やっぱりどこか突出していることで日本一と言えるところがなかったら、それは言えないんじゃないかなと思うんですよね。しかも、最低クラスということを脱却しない限りは、それを目指されているんでしょうけれども、なかなかそうはいかない、そういう実態になっているということです。 もう、これ以上聞きませんけれども、就学援助については、充実に努めるということでした。新年度に、同じような状況を同じようにここでたださなければならないということのないようにということを強く指摘しておきたいと思います。 最後に、子供の貧困対策。 市長は、楽観できる状況ではないという認識を示されました。さらに、貧困対策の重要性についても言及をされました。それについては、私も理解をしたところですけれども、局長からの答弁は、個別計画ではなくて、第2期子ども・子育て支援事業計画、今、策定中の中に反映をさせていくということでした。 県の実態調査の集計と分析が、まだ出ていないわけです。これ、少しおくれているというふうにお聞きをしていますけれども、これを計画に反映させるというのであれば、私はまだ間に合うと思っています。ですので、あえて、この子育て支援事業計画、子供にこれは特化した計画ですけれども、そこと相乗効果を果たしていくという点で、そこに反映させつつ、やっぱり個別計画をつくっていく必要があるのではないかというふうに思っています。 子育て世帯の中には、みずからが貧困であるという認識にさえ至らず、自己責任の広がりによって助けを求めることができないという実態もあるわけです。そのことが、より行政が把握しにくいという側面も持っております。地方自治体が、子供の貧困をどのように捉えて、どう打開していくのかということが、今、何よりも問われていると思います。総合的、そして相乗的に取り組むということとともに、私は、個別計画として、市みずからがそれを可視化する、表に見えるようにするということで、より貧困対策を重視して進めていくということにもなるのではないかというふうに思います。 ですので、第2期子ども・子育て支援事業計画だけでは、やはり不十分なのではないかなという意見を持っております。 最後に、市長に、より効果的にこの対策を進めていくというのであれば、そういう点で子供の貧困に特化した計画について、その必要性をお持ちかどうか、そのことについてお聞きをいたしまして、私の一般質問といたします。(拍手) 〔副議長退席、議長着席〕 ○議長(松井紀博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 28番森下議員の再々質問にお答えします。 子供の貧困対策について、具体的な施策について、第2期子ども・子育て支援事業計画の中へ反映させるとしているが、子供の貧困対策をより効果的に進める上で、それで十分と考えているのかとの御質問でございます。 今回の子供の生活実態調査の分析結果を受け、第2期子ども・子育て支援事業計画を策定する中で、子供の貧困対策は重要であると考えておりますので、それに特化した項目として位置づけるかどうか、検討していきます。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 次に、林隆一君。--1番。 〔1番林 隆一君登壇〕(拍手) ◆1番(林隆一君) 皆さん、おはようございます。日本維新の会の林隆一でございます。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。 まずは初めに、新図書館について質問いたします。 本市の新図書館は、ツタヤを全国展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者になったことにより、全国的にも注目を集めていることと思います。 そこで、ビジネスジャーナルというインターネットのニュースサイトに日向さんというジャーナリストが投稿した記事の一部を御紹介させていただきます。 2018年11月1日、ジャーナリズム、「和歌山市、公募前に他県のツタヤ図書館視察で疑惑浮上…市の担当者は『記憶にない』連発」という見出しになっております。 10月2日付当サイト記事「和歌山市、他県のツタヤ図書館を運営事業者コンペ前に視察…出来レース疑惑、文書を廃棄」にて、筆者が和歌山市に新図書館建設に関する関係者連絡会議資料を開示請求したところ、1400枚超のほぼすべてを黒塗りで開示されたが、読み取れる部分に関する分析結果をお伝えした。 とりわけ筆者の目に奇異に映ったのが、ツタヤ図書館発祥の地・佐賀県武雄市を合同視察していたことである。南海和歌山市駅前再開発のプロジェクトを検討し始めたばかりの段階で、調整会議のメンバーである南海電鉄と和歌山県庁の職員らが大挙して「武雄詣で」をしていたのだ。 実は、2016年3月に和歌山市と同じく駅前にツタヤ図書館を新築した--ここでは具体的な市が書かれていますが、ここは議場ですので、某市という表現に変えさせていただきます--某市では、まだ何も決まっていない13年7月の段階で市教委の職員が武雄市を視察していた。このとき、両者は開館へ向けた議会対策など、あたかも図書館の運営委託先がカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に決定したかのごとく、実務的な打ち合わせまで密かに行っていた。某市はその実態をひた隠しにしていたが、内部告発によって暴露された。某市が一民間事業者とあからさまに癒着し、公募もせずに委託先を決定していた構図が浮き彫りにされた格好で、その不透明なプロセスが週刊誌等で厳しく批判された。 和歌山市の武雄詣では、まるでそうした某市でのツタヤ図書館建設手順をなぞっているかのようにみえる。 そこで筆者は、武雄市視察に関する記録を追加で和歌山市に開示請求をしたところ、意外な事実が次々と浮かび上がってきた。 結果は「一部不開示」で、肝心の視察内容が報告されているはずの「復命書」(報告書)については、「保管期間(1年)終了により廃棄」とされた。職員が同行した和歌山県庁にも同様の開示請求を行ったが、こちらも復命書は「廃棄のため不存在」だった。 開示されたのは、「旅行命令簿」と題された書類だけ。出張日程は、「平成26年11月12~13日」、出張者は市の職員だけで4名。「旅行命令簿」も4人分あったが、いずれも旅行日程と交通費や宿泊費等の費用が書かれた明細書のようなものである。同じ内容で請求した和歌山県庁も、「旅行命令簿」3人分が開示された。 武雄市が発表している平成26年度の「視察受入状況」を調べてみると、11月13日に「和歌山駅周辺活性化調整会議・事例研究会」の名目で15名参加していることが判明。よって、残り8名は南海電鉄からの参加と考えられるが、旅行命令簿を詳しく分析した図書館関係者が、新たに疑問を呈する。 「添付されている旅程表を見てください。ここに、正規行程のほかに『オプション』の旅程が掲載されていることからすると、旅行業者が『お客様用』に作成したものだと思われますが、その中にRIAの名前も出てきますので、RIAの社員も参加している可能性が高いです」--これは日向ジャーナリストの記事をそのままちょっと読ませていただいております。 確かに、旅程表をつぶさに見ていくと、こんな記載が見つかった。 「15:00熊本駅周辺視察 くまもと森都心(RIA様実績視察)他 熊本市あるいはRIA様より事業のご説明をしていただきます」--との記述があると。 RIAとは、CCCの旗艦店・代官山蔦屋書店を手掛けたアール・アイ・エー(RIA)のことだ。後に和歌山市民図書館の基本設計から、実施設計、施工監理までを担当することになる設計事務所であり、かつ今回の和歌山市の再開発プロジェクト全体を資金計画からトータルに主導してきたとされる建設コンサルタントでもある。 旅程表に「RIA様」となっているのは、旅行業者がこれを作成したからだろう。 RIAは、新図書館が入る駅ビルの施主・南海電鉄が和歌山市、和歌山県と話し合う調整会議にも、発足した2014年の早い段階から出席していたことがわかっている。さらに、視察の最後の目的地が、そのRIA自らが手掛けた熊本市駅前の再開発だったことからすれば、出張メンバーにも同社スタッフが加わっていたと考えるのが自然だ。 つまり、和歌山市4名、和歌山県庁3名の行政側から計7名のほか、南海電鉄とRIA側から計8名が参加していることになる。 1400枚の黒塗り資料を見ると、この頃、定例の調整会議に出席していたのは、毎回、南海電鉄から2~3名、RIAから1~2名にすぎない。8名のなかには、視察旅行をアテンドしたCCCスタッフが数名入っていた可能性もある。 武雄市の「視察受入状況」を詳しく見てみると、図書館の視察団は、ほとんどが市議会や商工会議所等の非実務者で、和歌山市のように官民合体した再開発プロジェクトの実施メンバーが大挙して視察するのは異例であることがわかる。 ちなみに、図書館が入居する駅ビルの施主である南海電鉄は、再開発に関して自治体と国の補助金を総額64億円も受け取る予定だ。それにもかかわらず、同社は公募もせずにRIAを設計者に選定している。 RIAとの随意契約の詳細について南海電鉄は、筆者の度重なる公表要請を頑なに拒否している。南海電鉄から詳細な報告を受けている和歌山市も、1400枚の会議資料を97%以上黒塗りで開示したうえ、「詳細は南海電鉄に聞いてほしい」と逃げていて、図書館建設のプロセスは真っ黒なままだ。 真偽のほどは定かではないが、64億円もの巨額の補助金を投入されているにもかかわらず、資料の開示を拒み続ければ、疑惑の目を向けられても仕方ないだろう。 ということを述べられております。 日向ジャーナリストの記事を見ると、開示請求した資料がいろいろ載っており、私は信憑性が高いものであると考えます。 そこで、質問いたします。 ○議長(松井紀博君) ちょっと待って、林議員。前向いて。 発言中ですが、議長として一言申し上げます。 ただいま発言にありましたインターネット配信された記事に基づいて、それを引用して質問を続行されるおつもりでしたら、議員としての立場を十分御理解の上、一般質問の趣旨を理解し、かつ議会の品位を欠くことないよう、発言には十分御注意ください。 以上申し添えて、発言の継続を許します。 ◆1番(林隆一君) (続)はい。 そこで、質問をさせていただきます。 運営事業者選定コンペ前である平成26年11月13日の武雄図書館の視察について、事実関係と視察目的をお答えください。 2、新市民図書館建設に関する公文書公開請求について、不開示とされた項目が非常に多いが、その理由をお答えください。 続きまして、Tカードを新市民図書館の利用券に加えようとしている件についてです。 Tカードは、御存じの方も多いと思いますが、ツタヤを全国展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ--以下、CCCと呼ばせていただきます--が展開しているポイントサービスカードで、子会社の株式会社Tポイント・ジャパンが運営主体となっております。会員数が約6,800万人いると言われ、また、提携企業もふえ続けております。 そこで、質問いたします。 新市民図書館の利用券にTカードを導入しようとしているが、Tカードを図書館利用券の共通カードとして導入することをどのようにお考えですか、お答えください。 続きまして、本市と同じようにカルチュア・コンビニエンス・クラブ--CCCが指定管理者となった図書館の事例を御紹介します。 神奈川県海老名市は、人口13万人程度の市で、平成27年10月にカルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者となり、海老名市中央図書館をリニューアルオープンさせました。 東京新聞の記事からですが、レンタル大手ツタヤを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ--CCCが指定管理者となった全国2例目の公立図書館として、昨年10月にリニューアルオープンした海老名市立中央図書館の初年度の来館者数が69万7,359人だったことが市の集計でわかりました。利用者は、目標の100万人には届かなかったが、1.7倍に増加、一方で運営経費も約1億5,000万円にふえており、ツタヤ図書館の費用対効果が検証されることが求められているというような記事があります。 また、平成28年度の登録者数は9万人余りでしたが、平成29年度の有効登録者数は3万7,000人余りと激減しております。 本市も、他市の事例を参考に、留意しなければならないと考えております。 そこで、質問いたします。 新市民図書館の指定管理者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が提案しているライフスタイル分類とはどのような分類か、お答えください。 社会教育施設としての図書館本来の機能向上については、具体的にどこがどうなるのか、お答えください。 市民図書館における立地環境についてです。間もなく、ホテル棟や商業棟の建築工事が始まると聞いております。本市において、大規模な工事になりますが、このような機会でこそ、市内業者や県内業者にとって育成の場になると考えております。つきましては、市内業者や県内事業者がどれぐらい入っているか、南海電鉄に確認をしていますか。また、さらに拡充の余地があるのか、お答えください。 次に、IR(カジノを含む統合型リゾート施設)についてです。 6月議会において、IRに関する質問の答弁に、IRができれば、本市に大きな経済波及効果や雇用効果を生み出すなど、はかり知れない可能性があります。また、私には、市長としての市民の安全・安心を守る責任があります。今後、全体の計画案が市に示された段階で、同意、不同意の判断をすることになりますが、私は、これだけの大きなことを首長だけの判断--だけの独断で決めるのではなく、議会の御判断もいただくべきだと考えておりますとの御答弁をされております。 6月議会といえば、市長選挙の前であり、今は知事選挙も終わり、大阪の夢洲に大阪万博の開催が決定し、その隣地にIRの誘致が最有力視されています。 そのような状況において、市長の今のお考えをお聞かせいただければと思います。 それでは、質問いたします。 IRについて、市長は、カジノ施設を外国人専用にすることが最善であると以前から御答弁されていますが、カジノ施設を外国人専用としたIRでなければ同意しないと宣言すべきではないのですか、お答えください。 以上で第1問といたします。 ○議長(松井紀博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 1番林議員の一般質問にお答えします。 IRについて、市長は、カジノ施設を外国人専用にすることが最善であると以前から答弁している。そうであれば、カジノ施設を外国人専用としたIRでなければ同意しないと宣言するべきではないかとの御質問でございます。 今後、県と事業者との協議の中で区域整備計画が具体化され、その計画案が市に示された段階で、本市にもたらされる経済波及効果、雇用効果、納付金の使途やギャンブル依存症対策など、全体の計画案を広く示した上で、同意または不同意を判断すべきと考えていますので、現時点で宣言することは考えておりません。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 鈴木都市建設局長。 〔都市建設局長鈴木 豪君登壇〕 ◎都市建設局長(鈴木豪君) 1番林議員の一般質問にお答えします。 市民図書館に関して2点ございます。 まず1点目、平成26年11月13日の武雄市図書館への視察について、事実関係と視察目的は何かとの御質問でございます。 平成26年11月12日から11月13日までの1泊2日で、飯塚市、武雄市、熊本市へ視察を目的として出張しています。 視察目的は、市街地再開発事業及び指定管理者制度を用いた図書館の事例研究であり、飯塚市では吉原町1番地区第一種市街地再開発事業、武雄市では武雄市図書館、熊本市では、くまもと森都心プラザ図書館を含む熊本駅東A地区第二種市街地再開発事業を視察してございます。 参加者につきましては、和歌山市駅周辺活性化調整会議の関係者で、当時の都市再生専門監、都市計画課、都市整備課、市民図書館のほか、県から3名及び南海電気鉄道株式会社となっておりまして、熊本市や武雄市の事業関係者でございます株式会社アール・アイ・エーも参加し、現地で御説明をしていただいております。 全体の人数に関しましては、全ての行程に参加していらっしゃらない方もおりますけれども、最大で15名程度だったものと思われます。 なお、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の方は、武雄市図書館の受け入れ側には当然いらっしゃいましたけれども、視察団として同行したといった事実はございません。 次に、市民図書館における立地環境について、間もなく大規模な建築工事が始まるが、工事発注について、市内業者や県内業者がどのぐらい入っているのか南海電鉄に確認しているか。また、さらなる拡充の余地があるのかとの御質問です。 事業初期段階から、地域の雇用、経済への波及について、南海電気鉄道株式会社とは協議をしております。建築工事等の発注において、市内か県内に本社がある企業をJVに含めることを要件とする等、地域経済に配慮した取り組みを進めています。 竣工しております駐車場棟においては、一次下請までの工事業者42社のうち、市内業者は20社、県内業者は2社、県外業者は18社となっております。また、公益施設棟など施工中の工事業者についても、現時点で、一次下請までの工事業者54社のうち、市内業者21社、県内業者2社が参加しており、引き続き地域経済への貢献を積極的に行っていきたいとの回答をいただいております。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕 ◎教育局長(津守和宏君) 1番林議員の一般質問にお答えいたします。 市民図書館に関して、まず、新市民図書館建設に関する公文書公開請求について、不開示とされた項目が非常に多いが、その理由はとの御質問です。 公文書公開請求に対する開示、不開示の決定は、和歌山市情報公開条例の規定に基づき行っています。 不開示とした情報は、和歌山市情報公開条例第7条第1号から第6号に該当し、民間の個人の氏名等の個人情報保護に当たるもの、法人等の情報で、公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの、実施機関内部の意思形成過程に関する情報で、公にすることにより、率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるもの、事務や事業性質上、公にすることで、公正または適正な事務または業務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの、公にすることにより、人の生命、身体、健康または財産の保護等に支障が生じるおそれがあるもの、法令の規定により、公にすることができない情報であるものについては不開示としています。 次に、新市民図書館の利用券にTカードを導入しようとしているが、Tカードを図書館利用券の共通カードとして導入することをどのように考えているのかとの御質問です。 図書館の利用券としては、従来の利用券に加えて、本年7月からマイナンバーカードが利用券として使用できるようになりました。Tカードを共通利用券として導入することで、新しい市民図書館では3種類のカードが利用者の選択により利用できるようになり、利便性を向上させることができると考えています。 また、市民図書館の利用率が低いが、Tカードの所持率の高い20代までの利用者の増加が期待できるものと考えています。 次に、新市民図書館の指定管理者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が提案しているライフスタイル分類とはどのような分類か。 ライフスタイル分類とは、従来からの分類である日本十進分類をもとに、日常生活にかかわりの深い料理、旅行、趣味実用等の分野で分類し、図書の配架を行うものです。蔵書のうち約5万冊について、この分類を取り入れる予定です。 最後に、社会教育施設としての図書館本来の機能向上については、具体的にどこがどうなるのかとの御質問です。 新図書館の社会教育施設としての機能向上については、まず、現在、約45万冊ある蔵書を、10年後までに60万冊とすることを目標にふやしていく計画です。 次に、市民の読書活動を拡充するために、閲覧席、学習室及び集会室等を充実させます。具体的には、1階にゆったりとした読書ができる閲覧席を設置します。2階に、中高生を中心としたヤングアダルト世代がグループで利用できるスペースを設置するとともに、図書館行事や市民活動に使うための集会室を設置します。3階には、静かな環境で学習や研究ができる学習室、持ち込みパソコンが使用できる学習室をそれぞれ設置します。4階には、子供図書館として、今まで以上に親子で安心して本に親しむことのできる場をつくります。 さらに、郷土の歴史と文化を継承、発展させていくために、有吉佐和子文庫を2階に、移民資料室及び郷土資料区画を3階に設置します。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 1番。 〔1番林 隆一君登壇〕 ◆1番(林隆一君) それぞれ御答弁いただきましたので、再質問をさせていただきます。 武雄市の図書館の視察についてです。 武雄市にも行ったということがわかりましたが、それ以外の事実についてはわかりません。事実関係について、もっと詳細にお答えしていただければと思います。 そこで、武雄市の記録によれば、和歌山からの視察団は、和歌山市駅周辺活性化調整会議・事例研究会の名目で平成26年11月13日に武雄市の図書館を視察した記録とされていますが、これは事実ですか、お答えください。 その視察記録によれば、2014年11月13日に、和歌山市駅周辺活性化調整会議・事例研究会の参加人数は15名となっていますが、これは事実ですか、お答えください。和歌山市からの参加人数は……。 ○議長(松井紀博君) 林議員、ゆっくり、皆さんにわかりやすく発言してください。 ◆1番(林隆一君) (続)何名ですか、お答えください。 和歌山県庁からの参加人数は、都市政策課の3名と聞いているので、市と県庁で計7名です。だとすれば、総勢15名なので、残り8名はどこから、誰が参加したのか、お答えください。南海電鉄からは何名参加したのか、アール・アイ・エーからは何名参加したのか、お答えください。その他の会社からは何名参加したのか、お答えください。 一般的な事例研究であるならば……。 ○議長(松井紀博君) 林議員、よく聞いてくださいね。 あなたは原稿をお持ちですからわかっておられますが、ほかの方は全くわかりませんので、わかるように発言してください。ゆっくりで結構です。 ◆1番(林隆一君) (続)はい。 なぜ、復命書が公開されていないのか、保存期限1年過ぎたとしても、実務的な打ち合わせまでを行っていない表敬訪問のようなものであれば、事務的な記録にすぎないはずです。出かけた職員のパソコンに残っていないかどうかも調べて、もし残っているのであれば、一部でも開示するべきではないでしょうか。また、それも残っていないのであれば、出かけた職員の記憶をたどって、新たに報告するべきではないのでしょうか、お答えください。 次に、新市民図書館に関する公文書公開請求についてです。 新市民図書館建設に関する公文書公開請求について、不開示とされた項目が非常に多いが、その理由をお答えくださいとの質問に対して、不開示とした情報は、和歌山市情報公開条例第7条第1号から第6号に該当し、民間の個人の氏名等の個人情報に当たるもの、法人等の情報を公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるもの等との御答弁をいただきました。 そこで、質問いたします。 まず、個人情報の定義についてお答えください。 また、非開示が97%に上ると言われているのは、そのほとんどが私企業の事業部分にかかわることだけではなく、担当部署の発言ですら黒塗りになっております。なぜなのか、お答えください。 南海電鉄に再開発事業で約66億円の補助金が出る予定になっており、また、図書館については約33億円で取得することとなっております。 そこで、質問いたします。 本市として、南海電鉄に、市民が納得できるよう情報公開するように強く求めるべきではないのでしょうか、お答えください。 新市民図書館建設に関する情報が少ないと考えます。もっと積極的に市民に対して情報提供するべきだと考えますが、今後、どのように行っていくのか、お答えください。 続いて、Tカードの導入についてです。 個人情報につきましては、カルチュア・コンビニエンス・クラブ--以下、CCCと呼ばせていただきます--と図書館の運営以外に利用しないことを協定等で規定することと、Tカード所持率が高い20代までの利用者増が期待できるとのことですが、公的で強固なシステムに守られたマイナンバーカードと、私的な営利企業が発行しているTカードを同列にするのはいかがなものかと考えます。 そこで、質問いたします。 これまでの市民図書館の利用カードは、特別な手続を経ずに継続的に使えるのか、お答えください。 Tカードを導入することが、どうして利便性を向上させることになるのか、もっと具体的にお答えください。 私的なポイントカードも使えるようにするならば、なぜTカードだけなのか。Pontaカードや楽天ポイントカードなどと比較して、Tカードが市民にとって有利と判断されたのか、お答えください。 CCCを指定管理者とした他市の事例から見て、利用者の登録した個人データをCCCの子会社に利用データを送信するということを知っているのか、また、他市の事例を知っているのか、お答えください。 次に、ライフスタイル分類についてです。 日本十進分類に加えて、ライフスタイル分類により配架することで、どのような効果が見込まれるのかを、また、二重分類となることのデメリットについてお答えください。 続きまして、社会教育施設としての図書館本来の機能向上についてです。 具体的にどこがどうなるのかを質問いたしました。初期の段階はわかりましたが、それ以降のことについて質問をさせていただきます。 ○議長(松井紀博君) 林さん、あのね、僕も趣旨がわからなかったらさばけませんので、もうちょっとわかるように。ゆっくりでいいので。 ◆1番(林隆一君) (続)継続して設置するという移民資料室を、今後、廃止することはないのか、有吉佐和子文庫を廃止することはないのか、また、どのように運営をしていくのか、お答えください。 また、IRについてです。 全体の計画案を示された段階で同意、不同意を判断すべきと考えているので、現時点で宣言することは考えていないとのこと。 そこで、質問いたします。 市長は、県から同意を求められた場合、同意、不同意のいずれの場合にも議会の判断をいただくべきと御答弁されています。同意、不同意について、議決事項とするための条例改正が成立した前提でお聞きしますが、例えば、県からカジノ施設が外国人専用でないIRについて、市長が同意する議案を提出し、議会が否決した場合はどうなるのでしょうか、お答えください。 以上で第2問といたします。 ○議長(松井紀博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 1番林議員の再質問にお答えします。 IRについて、市長は、県から同意を求められた場合、同意、不同意のいずれの場合にも議会の判断をいただくべきと答弁しているが、例えば、県からカジノ施設が外国人専用でないIRについて、市長が同意する議案を提出し、議会が否決した場合はどうなるのかとの御質問でございます。 議員が例示された内容は、外国人専用でないIRに同意したことが前提となっていますが、全体計画が示された上での同意、不同意の判断をすべきと考えていることから、現時点でこの例示にお答えすることはできません。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 鈴木都市建設局長。 〔都市建設局長鈴木 豪君登壇〕 ◎都市建設局長(鈴木豪君) 1番林議員の再質問にお答えします。 市民図書館に関して、数点御質問いただいております。 まず、武雄市の記録について、事実かどうか。続いて、参加人数はどうであったか。復命書が公開されないのか。復命書が残っていないのであれば、視察に行った職員の記憶をたどって新たに報告すべきではないのかとの御質問について、一括してお答えいたします。 武雄市の記録にある視察団の名称や受け入れ人数については、当方ではお答えする立場にはございません。 さきの答弁で、武雄市の図書館を視察したこと、参加者及び人数につきましては、把握する限りでお答えをしておりますが、市、県以外の人数等詳細については、今となっては確認ができません。 続いて、復命書につきましては、保存年限が過ぎておりますので破棄しており、不存在となってございます。 開示請求のあった文書については、和歌山市文書取扱規程及び和歌山市情報公開条例の規定に従い、公開をしております。 職員の記憶をたどって報告すべきと言われる内容が定かではありませんので、お答えしかねますが、さきの答弁において、視察先、目的、参加者について、可能な限りお答えをさせていただいております。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕 ◎教育局長(津守和宏君) 1番林議員の再質問にお答えいたします。 市民図書館について、まず、新市民図書館建設に関する公文書公開請求について、まず、個人情報の定義について述べよと。次に、不開示が97%に上ると言われているのは、そのほとんどが私企業の事業部分に係ることだけではなく、担当部署の発言ですら黒塗りになっているのはなぜなのかとの御質問です。 和歌山市個人情報保護条例の規定で、個人情報とは、事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く個人に関する情報であって、他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含むとされています。 担当部署の発言が不開示となっているのは、先ほどもお答えいたしましたとおり、和歌山市情報公開条例第7条の各号に該当する発言内容であるからです。 次に、新市民図書館建設に関する公文書公開請求について、本市として、南海電鉄に市民が納得できるよう情報公開するよう強く求めるべきではないのか。新市民図書館建設に関する情報が少ないと考えるが、もっと積極的に市民に対して情報提供するべきだと考えるが、今後、どのように行っていくのかとの御質問です。 南海電鉄の情報公開に対する市の指導権限はありませんが、南海電鉄は、再開発事業者として適切に情報公開していくものと考えています。 新しい市民図書館に係る公文書公開請求に対しましては、今後とも和歌山市情報公開条例に基づき、適切な公開に努めます。 次に、Tカード導入について幾つかございます。 これまでの市民図書館の利用カードは、特別な手続を経ずに継続して使えるのか。Tカードを導入するが、どうして利便性を向上させることになるのか、具体的な内容はどうか。私的なポイントカードも使えるようにするならば、なぜTカードだけなのか。Pontaカードや楽天カードなどと比較して、Tカードが市民にとって有利と判断されたのか。CCCを指定管理者とした他の事例から見て、利用者の登録された個人データをCCCの子会社に利用データを送信するということを知っているのか。また、他市の事例を知っているのかとの御質問です。 新市民図書館でも、これまでの図書館利用券は、特別な手続なしに使うことができます。 Tカード導入については、Tカードを所持する人は、図書館利用券とTカードの2枚を一つにまとめることで利便性の向上が図れるからです。 また、Tカードは、指定管理者として選定されたカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が運営するものであり、有利と判断した理由は、先ほど答弁したとおりでございます。 Tカードの導入に伴う個人情報等の取り扱いについて、他市に照会しましたが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の子会社に利用者データが送信された事例については耳にしておりません。 本市については、Tポイントを付与しませんので、Tカードの有効性に関する情報のみをシステム間で連携するのみで、図書館利用者の氏名等や図書館利用状況等の個人情報は、図書館のシステム内で保持されるシステムを構築することになっています。 また、個人情報は、図書館運営でのみ利用することを指定管理者との協定で定めています。 次に、ライフスタイル分類について、日本十進分類に加えて、ライフスタイル分類により配架することで、どのような効果が見込まれるか。また、二重分類となることのデメリットは何かとの御質問です。 これまで図書館になれ親しんでいない人に対して、気軽に本をとって読むことができる環境を提供できるとともに、市民図書館で行っている季節や生活場面等のテーマに応じた企画展示を常設として行うことで、これまでの利用者に対しても、新たな視点から本の紹介が可能となるものと考えています。 デメリットとしましては、日本十進分類になれた人にとっては、当初、戸惑うことがあるかと思いますが、蔵書検索システムを充実させることで解消されるものと考えています。 最後に、社会教育施設としての図書館本来の機能向上について、継続して設置するという移民資料室を、今後、廃止することはないのか。有吉佐和子文庫を廃止することはないのか。また、どのように運営していくのかとの御質問です。 移民資料室は、市民図書館がこれまで収集、保存してきた貴重な資料を保管しているもので、公共図書館では唯一の施設であり、また、有吉佐和子氏も本市が誇る作家であり、有吉文庫についても廃止は考えておりません。 移民資料室の今後の運営については、職員を配置するとともに、移民に関する新たな資料を収集し、移民資料室をさらに充実させていきます。有吉文庫については、市民の目に触れ、気軽に手にとれるよう配置するとともに、氏の業績を紹介する展示を行っていきます。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 1番。 〔1番林 隆一君登壇〕 ◆1番(林隆一君) それぞれ御答弁いただきましたので、再々質問をさせていただきます。 担当部署の発言が不開示になっているのは、情報公開条例第7条各号の発言に該当する発言内容であるからとの御答弁ですが、企業秘密にかかわること、率直な意見交換を損なうおそれのあるもの、事務の適正な遂行に支障があるもの、公共の安全と秩序維持に支障があるもの、法令の規定によって公にできないものといった規定は、どれも曖昧で、行政側が恣意的に解釈が可能なものばかりでございます。 もし、これらの規定を常に持ち出して厳密に適用すれば、巨額の税金を投入して民間とプロジェクトを遂行するような会議では、その中身のことが市民にほとんど知ることができないブラックボックスになってしまい、市民が市政情報を詳しく見る権利を著しく損なうことになってしまうと考えていますが、それについて納得がいくようにお答えください。 図書館のホームページ等で情報提供を行っていますとの御答弁をいただきました。 そこで、質問させていただきます。 市民図書館のホームページの新図書館建設情報では、指定管理者決定の2017年11月24日で更新がとまっております。なぜなのか、お答えください。過去1年分の情報更新を再開するべきではないのか、お答えください。もし公開できないのなら、理由もお答えください。 次に、Tカードについてです。 ポイントもつかないのに、たかだかカード2枚を1枚にできるというだけでTカードを採用して、個人情報をCCCに差し出すのでしょうか。CCCの主力業務であるTカードを図書館の公式カードに採用することは、CCCに対するあからさまな便宜供与ではないのか、市民はその見返りに得られるメリットはないのではないでしょうか。 2013年に武雄市の図書館でCCCが指定管理者になって以来、図書館でTカードを利用するときの個人情報の問題についてさんざん議論されてきており、その危険性を指摘する専門家も今は珍しくありません。 また、利用者サイドでは、神奈川県海老名市で、知らない会社からDMが送られてきた事例等、より具体的なデメリットもメディアを通じて報じられるようになりました。 それにもかかわらず、そういった過去の事例について検証を一切行わず、担当部署も、Tカードについて、その基本的な仕組みも、理解しているか理解していないか、わからないように見受けられます。そのような状態で市民に勧めるのは、余りにも無責任過ぎるのではないでしょうか。市民の大事な個人情報を扱う責任のある行政が、外部にデータを送信される基本的な仕組みすら承知していないように感じられます。無責任きわまりない、怠慢ではないでしょうか。 このような本市の対応を、今、全国の図書館関係者、自治体関係者が見ていると思います。 Tカードの採用を決めているにもかかわらず、CCCが個人情報を外部送信しているかどうか、承知していないように思われます。もし、Tカードを採用するのであれば、その基本的な仕組みを、まず担当部署がよく勉強したり研究した上で、どのような危険があるのか把握することが先決です。その上で、市民によりわかりやすい形でTカードの危険性を明示すべきであります。 とりわけ、子供は、わけもわからず新しいものに飛びつく。一度記録されたデータは何十年も残り、本人が大人になって危険性に気づいても遅いと言えます。CCCで保管している個人情報が、いつの間にか図書館から漏れ、詐欺商法の被害に遭ったり、しつこい勧誘に悩まされたりする危険性もあるということを、当局はきちんと認識すべきであると考えます。 市民の個人情報に対する意識は、5年前と格段に変わってきています。自分が、いつどこで何を買って、どんな店を利用したかまで全て記録されるTカードを図書館の利用時まで使うとなるのは、不安に思う市民も少なくないのではないでしょうか。もっと詳しい説明が必要になるのではないでしょうか。 本人が同意してTカード機能を選択しているので問題はない、一般的な民間のカードでも、難解な内容が書かれている約款の文章を全て読んで、理解した上でそのカードをつくっているのでしょうか。今や、民間ビジネスでも、携帯電話の契約、保険の加入、不動産の仲介等、取り引き内容が難解で、利用者が理解しづらい場合には、事業者が対面において、時間をかけて口頭で利用者に説明することが義務化されております。 そうした中で、本市がTカードを公共図書館の利用カードに採用する際は、きちんとデメリット等を対面で詳しく説明した上で、本人の同意をとる仕組みがあるのでしょうか。それが十分でないまま、子供からお年寄りまで、新しいものに対する関心や理解度が人によって大きく異なる公共の仕組みの中で利用されるとしたら、同意があるから問題がないとは到底言えないのではないでしょうか。 市民は、市が公式カードに採用しているのなら安心と思ってつくるのではないでしょうか。自分の子供や祖父母が、Tカードの難解な仕組みを理解できると思いますか。そもそも、市の担当者がTカードについて聞かれて、満足に答えることができるのでしょうか。どうして市民が、これだけ難解な約款を理解することができるのでしょうか。 もし、採用するというのであれば、本市がデメリットを把握した上で、入会時に一人一人対面で、それらのデメリットについて、説明義務を課すべきではないでしょうか。 ほかのツタヤ図書館導入自治体では、オープン時に、Tカードつき図書館カード作成者には、コーヒーショップやレンタルの割引券をプレゼントする勧誘が行われていると聞いております。多くの人は、その割引券や物珍しさにつられて作成し、カードの利用規約など一行も読まないまま、Tカードつきを申し込んでいるのが現状であります。公共がそのような行為にお墨つきを与えるのは、不適切ではないでしょうか。 図書館の外部にTカードの情報を送信することは、CCCみずから提案書で認めております。カードの有効性を確認するためとしているが、目的はどうであれ、図書館の中にある個人情報を外部の子会社に送信していることは間違いないと思われます。 こんな危険なことをせず、図書館内部だけで有効性を完結するシステムにするよう、本市はCCCに要求すべきであります。それをするだけでも、個人情報が漏れたり、ほかの目的で使用されたりする危険性はかなり軽減できるのではないでしょうか。 そこで、市長に質問いたします。 他市の状況を余り調査もしていないように思われます。Tカードのシステムをそれほど理解していない状況をどう思われますか、お答えください。 次に、移民資料についてです。 貴重な資料を、指定管理者が勝手に破棄したり、高層書架に棚上げしないよう、本市が責任を持って監視するよう強く要望いたします。 次に、IRについてです。 市長は、現時点でこの例示にお答えすることはできませんとの御答弁をされました。私は、同意、不同意を議会の判断をいただくということが、市民の皆様にわかりにくいと思い、聞いているのです。 そこで、例示の内容を変えて、改めてお聞きしたいと思います。 仮に、県がカジノ施設を外国人専用でIRを誘致し、市長がこれに同意する議案を提出し、議会がカジノ施設自体を反対との理由で否決した場合はどうなりますか、お答えください。 以上で第3問といたします。御清聴いただき、どうもありがとうございました。 ○議長(松井紀博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 1番林議員の再々質問にお答えします。 市民図書館に関して、Tカードについて、他市の現在の状況を調査研究もしない、Tカードのシステムを理解していない状況をどう思うかとの御質問でございます。 先ほどの局長答弁のとおり、図書館でTカードを利用するときの個人情報の取り扱いについては、他市にも問い合わせしておりますし、システム構築を含め、適正に運営してまいります。 次に、IRについて、仮に県がカジノ施設が外国人専用であるIRを誘致し、市長がこれに同意する議案を提出し、議会がカジノ施設自体が反対との理由で否決した場合はどうなるのかとの御質問でございます。 議員が例示した内容で否決された場合は、県に対して同意する回答はできなくなりますので、結果として、カジノ施設を外国人専用としたIRを誘致することはできなくなります。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 津守教育局長。 〔教育局長津守和宏君登壇〕 ◎教育局長(津守和宏君) 1番林議員の再々質問にお答えいたします。 市民図書館に関して、市民が市政情報を詳しく見る権利を著しく損なうことになってしまうと考えるが、それについて納得がいくように答えよとの御質問です。 先ほどからの答弁のとおり、市政情報の公開につきましては、和歌山市情報公開条例に沿って行ってまいります。 次に、市民図書館のホームページの新図書館建設情報では、指定管理者決定の2017年11月24日で更新がとまっているがなぜなのか。過去1年分の情報更新を再開すべきではないのか。もし公開できないのなら、できない理由は何かとの御質問です。 指定管理者選定以降は、指定管理者や再開発事業者との打ち合わせや意見交換を行っていて、ホームページ等で公開できる情報がなかったためです。 今後、公開できる情報については、ホームページ等でお知らせしていきたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) しばらく休憩します。          午前11時57分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○議長(松井紀博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 松坂美知子君。--15番。 〔15番松坂美知子君登壇〕(拍手) ◆15番(松坂美知子君) 皆さん、こんにちは。 それでは、通告に従い、一般質問を行わせていただきます。 まず最初に、IRについてです。 IRにつきましては、午前にも同じテーマでの質問がありました。なるべく違う視点で行いたいと思っておりますが、重なる点があれば御容赦を願いたいと思います。 政府は、今月4日、7月に公布されたIR整備を受け、有識者による統合型リゾート推進会議を開き、各種基準の基本的な考え方をまとめました。その中では、カジノ事業免許については、刑法で禁止されている賭博行為(カジノ行為)を民間事業者に対して特権的例外として認めるものであることから--途中、略しますが--カジノ収益を活用して整備を行うべき施設の外形的な要件として、これまでにないスケールを有する我が国を代表することとなる規模であることを求めています。 また、施設全体に占めるカジノ部分の面積は3%としましたが、その分母は、敷地面積ではなく、建築物の床面積の合計としており、施設が大きくなればカジノ部分も大きくつくれることになります。さらに、分子となるカジノ部分は、ゲーミング区域とされていますが、その具体的な範囲については、今後、カジノ管理委員会規則で定めることとされています。カジノのエリア全体ではなく、ゲーム台やゲーム機器などを設置している部分に限定するという考え方も出されており、どの部分を3%の範囲にするかによって、海外のカジノ企業が求める世界最大規模のカジノとなる危険性もあります。 私は、カジノ誘致につきましては、たとえ市長がおっしゃる外国人専用であっても反対の立場ではありますが、この間、市長が答弁されてきたことなどを中心に、再度、お尋ねしたいと思います。 市長は、ことし6月議会で質問に答え、「多くの市民がギャンブル依存症に不安を抱いている状況を踏まえれば、カジノ施設は外国人専用とすることが最善であると考えて」いると答えておられます。一方で、知事が、「対策をしてくれる事業者があれば、カジノ施設への日本人の入場を認める方針となったことで、外国人専用とすべきという私の考えと差が生じることに」なったと述べられました。そして、「全体の計画案が市に示された段階で、同意、不同意の判断をすることになりますが」、市長の「独断で決めるべきではなく、議会の御判断もいただくべきと考えております」ともお答えになりました。 私は、議会の判断を求めることに異論はございません。ただ、市長の外国人専用が最善とされているその思いは強いものがあるように思っていたのですが、どこへ行ってしまったのかなという思いに駆られました。 そこで、改めてお伺いします。 市長は、市民がギャンブル依存症のどういうところに不安を抱いていると考えておられますか。また、外国人専用が最善とされた理由は何でしょうか、改めてお答えください。 また、県は、IR基本構想で県独自の依存症対策を発表していますが、これらが実現されれば、依存症に対する市民の不安は取り除けると考えているのでしょうか、お答えください。 さらに、昨年6月議会では、「賭博という概念を経済の活性化やビジネスとして捉えることをどのように考えるか」との質問に、「カジノが、競馬、競輪同様に、公益性の目的などから刑法との整合性が図られるのであれば、カジノを含むIRを地域振興策として活用することは、一つの手段となり得る」と答えていますが、ことし成立したIR整備において、公益性の目的などから刑法との整合性が図られたと考えますか。その理由は何ですか、答弁を求めます。 続きまして、交通政策についてです。 私は、この間、いろいろな方から次のようなお話を伺いました。年をとったから免許証を返納した。けれど、バスに乗ろうと思ったら、路線はあっても便数が減って乗れるバスがない、病院ヘ通うのにタクシーで行くしかなくて、病院代よりもタクシー代がかかって大変だ、デマンドタクシーが走ったとしても停留所まで歩けないかもしれないというような内容です。 現在、市内では、バス路線の廃止や便数減で移動の手段がなくなって、高齢者でなくても自由に行きたいところへ行けなくなってきているのが現状です。通院はもちろん、日々の買い物や、人と会ったり趣味の集まりへ出かけるなど、日常生活にも不自由が生じます。 社会インフラとして交通がベースにあり、その上に医療、福祉、教育を初めとする住民の生活が営まれているのですから、市民の皆さんにとって、いつまでも住み続けたい、住み続けられる地域としてあり続けるために、公共交通が果たす役割は極めて大きいものです。 自由に移動する権利は、日本国憲法の第22条、居住・移転及び職業選択の自由、第25条、生存権、第13条、幸福追求権などを実現するための具体的な権利であり、このことが保障されないと、基本的人権の保障は絵に描いた餅となってしまいます。国や地方自治体は、住民が自由に安心・安全に移動できる権利を基本的人権として保障していく責務を負っていると言えます。 2013年に成立した交通政策基本にも、第9条で地方公共団体の責務が記されており、「地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とあります。こののもとで、市は、現在、地域バスやデマンド型乗合タクシーの運行に取り組んでいるところでしょうが、バス路線がなくなってしまったところに対して、なくなってから、さてどうするというように対応が後手に回り、対症療法的なものとなっているように見えます。これからさらにふえることが予想される交通不便地域、生活そのものが成り立たなくなるであろう生活難民への市としての取り組みが求められています。 そこで、お尋ねをいたします。 1、公共交通のあり方として、市が目指すものはどういうものでしょうか。 2、移動手段の確保、移動を保障していくために、市の果たす役割はどのようなものと考えますか。 3、現在、取り組まれている紀三井寺の地域バス、ことし9月から開始した加太のデマンド型乗合タクシーの状況はどのようなものでしょうか。 以上お尋ねして、第1問といたします。(拍手) ○議長(松井紀博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 15番松坂議員の一般質問にお答えします。 IRについて3点いただいております。 まず、市民がギャンブル依存症のどういうところに不安を抱いていると考えているのか。市長は、外国人専用が最善とした理由は何かとの御質問でございます。 ギャンブル依存症になると、自分をコントロールできなくなり、返済できないほど借金を重ねてしまうなど、本人だけの問題にとどまらず、家族や周りにいる人たちにまで悪影響を及ぼすと言われていることから、市民の中には不安を抱いている方もいらっしゃるのではないかと考えています。私は、市民のその不安を払拭するためには、カジノ施設を外国人専用にすることが最善であると考えたものでございます。 次に、和歌山県がIR基本構想で示したギャンブル依存症等の対策が実現されれば、依存症に対する不安は取り除けると考えているのかとの御質問でございます。 IR整備では、カジノ施設への入場について、厳格な本人確認制度や本人や家族からの申し出による利用制限などの入場規制がなされています。さらに、この規制に加え、県は、ギャンブル依存症への不安を解消できるよう、予防教育の実施や依存症対策専門員の配置、使える額の上限が設定できるIRカードの導入などの対策を講じており、そのことは不安解消に寄与できるものと考えています。 最後に、ことし成立したIR整備において、公益性の目的などから刑法との整合性が図られたと考えるのか。考えるとすれば、その理由は何かとの御質問でございます。 IR整備は、IR推進の附帯決議を踏まえ、刑法の賭博に関する法制との整合性が図られるよう十分な検討が行われた上で成立したことから、刑法との整合性は図られているものと考えております。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 森総務局長。 〔総務局長森 泰之君登壇〕 ◎総務局長(森泰之君) 15番松坂議員の一般質問にお答えします。 交通政策について3点ございます。 1点目、公共交通のあり方として、市が目指すものはどういうものか。2点目、移動手段の確保、移動の保障について、市の果たす役割はどのようなものと考えるかとの御質問です。一括してお答えいたします。 本市の公共交通のあり方としまして、多極連携型のコンパクトシティの形成に向け、高齢者などの移動制約者が各拠点を安心して移動できるネットワークの構築や交通不便地域の解消に加え、中心市街地活性化施策と連動したまちなかの回遊性の向上、観光客への対応など、全ての人にとって安心・安全に利用できる持続可能な公共交通ネットワークの構築を目指します。 また、市の果たす役割といたしましては、目指すべき公共交通のあり方の実現に向け、市民、交通事業者等と連携しながら施策を立案、推進していくことだと考えております。 最後に、現在、取り組んでいる紀三井寺の地域バス、ことし9月から開始した加太のデマンド型乗合タクシーの状況はどのようなものかとの御質問です。 紀三井寺団地地域バスの平成29年度の利用実績は、1日12便で平日のみ運行し、運行便数は2,923便で、乗車人数が7,796人、1便当たりの平均乗車人数は2.66人、収支率は23.1%となり、本格運行で必要な地域負担20%を2年連続で超えています。 また、加太地区デマンド型乗合タクシーの状況につきましては、今年度、地域住民等で構成する運営協議会を立ち上げ、9月から実施しています。昨年の実証運行及びアンケート結果をもとに、スーパー等へのルート延伸やダイヤ、停留所の見直しを行い、運行ルートを3ルート、1日24便設定しており、11月末までの実績では、利用便数14便、利用者数17人、稼働率0.7%で、1便当たりの平均乗車人数は1.21人、収支率は28.0%となっています。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 15番。 〔15番松坂美知子君登壇〕(拍手) ◆15番(松坂美知子君) それぞれ御答弁いただきましたので、再質問を行わせていただきます。 まず、IRについてです。 ギャンブル依存症については、借金を重ね、家族や周りにいる人たちにも悪影響を及ぼすということで不安だと思っていると考えるとのことでした。もちろん、そういうこともありますが、もう一つ言わせていただきますと、一旦依存症になったら、抜け出すのに非常に苦労をすること、一生、チャンスがあればギャンブルをしたいと頭のどこかで思い続ける部分が抜け切らないということがあると言われています。 市長は、もちろん御存じだと思いますが、昨年の2月、市長への手紙として、ギャンブル依存症の大変さを切々と訴える手紙がありました。ホームページで公開されておりますので、内容を一部紹介させていただきます。 「依存症の何人かによって理不尽にも多数の人が人生の大半、苦労を課せられているのが現状です。痛みは身内から発生することが多く、身内の辛抱から始まり、破滅してはじめて世間の知るところとなります。よって、地下で--見えないところでという意味だと思いますが--苦しんでいる人が多数あります」として、市長に、ギャンブル施設をつくるような和歌山にしないでほしいと求めています。 この手紙に対して、「ギャンブル依存症を確実に防ぐためには、カジノ施設を外国人専用にすることが最善の対策であると考え、本市ではカジノ施設を外国人専用とした統合型リゾートの誘致に取り組むこととした」と答えています。 また、県が示した対策について、お答えは、不安解消に寄与できると考えているとのことでした。具体的な内容がまだ決まっていないこともありますが、ギャンブル依存症について、100人生まれるであろう新たな依存症の人が50人に減ったからよいという問題ではありません。市が推進して設置した施設で、一人でも新たにギャンブル依存症になる人を生み出してはいけません。そこまでの覚悟があってのお答えでしょうか。 ギャンブル依存症は、先ほども申し上げましたが、一旦陥ったら抜け出すのが難しいものです。陥らないようにするためには、ギャンブル場を近くに置かないことが最大の方策です。 市長もわかっておられる、こういった市民の不安を正面から受けとめて、外国人専用としたのであれば、市長は市長として、この外国人専用ということを貫かれるべきだと思います。 公益性についてお伺いしました。お答えは、十分な検討が行われた上で成立したので、整合性が図られたと考えるというお答えでした。国が決めたことに何の疑いも持たず、ただ従うだけで、独自に考えようとしないのはどうでしょうか。 カジノは、競輪や競馬等とは違い、売り上げの多くは事業者のもとに入ります。私は、競輪や競馬など公営ギャンブルに対しても反対の立場ではありますが、公営ギャンブルが違法ではないという根拠の一つに、収益の使い道を公益性のあるものに限るからということがあります。公営ギャンブルは、賭博という違法行為を行うけれども、その収益を住民サービスなど公益性のあるものに限定して使うから、違法性が減って合法であると認められてきているんです。 売り上げの多くが事業者に入るカジノは、根本的に違います。公益性があるとは言えません。カジノの売り上げは、間違いなくカジノでのかけに負けた人が散財したお金であり、そこに市民が行くということになれば、市民の不幸を生み出す可能性の上に立つものです。事業者がもうけるために、利用者が散財したお金、それを使ってまちづくりを進めるという考えはいかがなものかと私は思います。 そこで、お伺いします。 1、市民の不安を受けとめて、カジノ施設は外国人専用としたのであれば、市長として、そのことを貫かれるべきだと思いますが、どうでしょうか。 2、カジノ利用者が散財したお金であるカジノの売上金をまちづくりなどに利用することについて、どういう認識を持っておられますか。 続いて、交通政策についてです。 既にバス路線が廃止になってしまった地域、廃止になると言われている地域、路線はあるが便数が極端に少ない地域など、交通不便地域はこの先ふえると考えられます。そこで、後手に回ることのないように、市が主導権を持って、市全体の公共交通のあり方を考えていく必要があると思い、お聞きをしました。 市としては、各拠点を安心して移動できるネットワークの構築や交通不便地域の解消、全ての人にとって安心・安全に利用できる持続可能な公共交通ネットワークの構築を目指す。そのために、市民、交通事業者等と連携しながら、施策を立案、推進していくというお答えでした。確かに、そういうことだと思いますが、今のところ、そこには何も具体的なものが見えてきていません。 市は、現在、紀三井寺団地で地域バスを運行しています。バス路線が廃止になったのは2009年--平成21年10月です。地域の皆さんの運動や努力のもと、2013年--平成25年4月から地域バスが運行されたのですが、市にとっても初めてのことであり、3年半の歳月がかかっています。運行開始後、一定の区域では自由におりることができるなど、利用しやすいように運行計画の変更も行ってきて、そしてもちろん地域の方の努力もあって、その結果、御答弁いただいたように、本格運行で必要とされている地域負担20%を2年連続で超えているということでした。 一方、ことし9月から実施された加太地区デマンド型乗合タクシーは、まだ3カ月というところではありますが、稼働率は0.7%ということです。昨年、実証運行を行い、ルートの延伸やダイヤ、停留所の見直しも行っての実施ですから、少し寂しい気がいたします。始まったばかりで、今後の動向を見ていく必要もあるのでしょうが、地域の方がもっと利用しやすい形を追求していくことも必要だと思います。 デマンド型乗合タクシーの実証運行は、ことし、小倉地区、湊地区、和佐地区でも行われており、詳しい分析が求められます。 地域バスもデマンド型乗合タクシーも、実施するためには地域組織をつくらねばならないことになっています。地域組織とは、自治会とは別の、しかし自治会と連携のとれる、地域住民が半数以上いる10人以上の組織ということになっていますが、高齢化などにより、この組織をつくるのが難しいという声も聞こえてまいります。地域組織ができなければ先に進めないという手法では、地域の力が弱ってきているところを交通不便地域、生活弱者として、そのままにしてしまうということにもなりかねません。 特に、高齢者の場合、介護タクシーが使えるのは、要介護認定を受けた方だけです。高齢者にとって、外出して人とかかわり、自分で買い物をし、生きがいを持って暮らすことは、要介護状態にならないためにも、とても大事なことです。ある人は、手押し車を押して歩く知り合いの高齢の女性、その方は要支援なので介護タクシーが使えない、その姿を見ていると、とても停留所まで歩けるとは思えないと話してくれました。こういう方々も安心して外出ができる、そういう手だてこそがこれから必要になってくるのだと思います。 デマンド型の乗合タクシーを実施している自治体でも、停留所は決まっているけれど、登録した人に対しては家までお迎えにいくという方法で実施しているところ、また、市内の公共施設や病院など、個人の家以外を指定し、自宅からそれらのどこへでも連れて行ってくれるという方法をとっているところなどさまざまです。 それぞれの自治体の状況が違うので、そのまま当てはめていくことはできないとしても、参考にして、使いやすいものとしていく努力は必要です。 そこで、お伺いします。 1、地域バスやデマンド型乗合タクシーをふやすことで全市を網羅しようと考えているのでしょうか。地域組織を立ち上げることの難しい地域へは何らかの支援が必要と思いますが、どうでしょうか。 2、戸口から目的地へと、より利便性の高いものにすることが利用の促進につながり、市民の移動手段の確保、移動の保障となると考えますが、どうでしょうか。 以上お尋ねして、再質問といたします。(拍手) ○議長(松井紀博君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 15番松坂議員の再質問にお答えします。 IRについて2点いただいております。 まず、市民の不安を受けとめて、カジノ施設は外国人専用としたのであれば、市長として貫かれるべきだと思うがどうかとの御質問でございます。 市民の中には、ギャンブル依存症に不安を抱いている方がいる現状を踏まえれば、カジノ施設は外国人専用とすることが最善であるとの考えに変わりはありません。 IRができれば、本市に大きな経済波及効果や雇用効果を生み出すなど、はかり知れない可能性があります。また、私には、市長として市民の安全・安心を守る責任があります。 今後、全体の計画案が市に示された段階で、同意、不同意の判断をした上で、議会の御判断もいただくべきと考えております。 次に、カジノ利用者が散財したお金であるカジノの売上金をまちづくりなどに利用することについて、どういう認識を持っているのかとの御質問でございます。 IRができれば、世界的なクオリティーのホテル、国際的な学会や会議ができる会議場、世界規模のスポーツ大会やミュージックイベントができるアリーナ施設などができ、国内外からの観光客が飛躍的に増加し、本市に大きな経済波及効果や雇用効果を生み出すなど、はかり知れない可能性があります。 カジノ事業の収益は、これらIR施設全体の運営や再投資に充当することとされており、毎年、国の評価を受ける制度となっています。 また、カジノ事業の収益の一部は納付金として賦課され、これを幅広く公益に活用されることになっています。私は、子育てや高齢者等の福祉、教育振興に係る施設等の拡充に納付金を活用していきたいと考えており、このことについては、の趣旨からして、問題はないものと認識しております。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 森総務局長。 〔総務局長森 泰之君登壇〕 ◎総務局長(森泰之君) 15番松坂議員の再質問にお答えします。 交通政策について2点ございます。 まず、地域バスやデマンド型乗合タクシーをふやすことで全市を網羅しようと考えているのか。地域組織を立ち上げることの難しい地域へは何らかの支援が必要と思うがどうか。次に、戸口から目的地へと、より利便性の高いものにすることが利用の促進につながり、市民の移動手段の確保、移動の保障となると考えるがどうかとの御質問です。一括してお答えいたします。 現在、本市におきましては、交通不便地域への対応として、地域が主体となった地域バス及びデマンド型乗合タクシーを導入しておりますが、それだけで全市を網羅することは困難であると考えます。また、地域組織を立ち上げることが難しい地域については、市として、できる限りきめ細かなサポートをする必要があると思います。 利用促進に向けた戸口から目的地への移動については、本来はタクシー事業の分野であると認識しており、低料金でタクシーと同様の運行を市が実施することは、民間事業者と競合することから難しいと考えています。 今後は、地域バスのフリー乗降制の導入やデマンド型乗合タクシーの予約時間の短縮を検討するなど、利便性の向上を図っていくことが市民の移動手段の確保、維持につながると考えております。 以上でございます。 ○議長(松井紀博君) 15番。 〔15番松坂美知子君登壇〕(拍手) ◆15番(松坂美知子君) それぞれ御答弁いただきましたので、再々質問を申し上げます。 まず、IRについてです。 市長は、IRにはかり知れない可能性があると繰り返しおっしゃいますが、余りにもバラ色の世界を描き過ぎているのではありませんか。自国民が入れるカジノが韓国にあり、その町はすさんで人口が減ってきたという報道もあります。そのようになるとは思いたくありませんが、不安は払拭されません。 外国のカジノ事業者は、日本につくればもうかるから日本にカジノをつくるんです。日本につくる理由は、日本の国民が持っているお金をもうけの対象にしているからです。このことを忘れてはならないと思います。 外国人専用の考えを貫くべきと思うがどうかとの質問には、考えは変わらないが、全体の計画案が市に示された段階で、同意、不同意の判断をした上で、議会の判断もいただくべきと考えていると、同じお答えでした。 市長自身が判断をするときには、少なくとも御自身がおっしゃった外国人専用が最善ということを貫き、市民の安全・安心を守る責任を全うしていただきたいと繰り返し申し上げておきたいと思います。 続いて、交通政策についてです。 地域バスとデマンド型乗合タクシーだけで全市を網羅することは困難だということでした。また、地域組織を立ち上げることが難しい地域については、できる限りきめ細かなサポートをする必要があると思うということです。思うだけでなく、ぜひとも実行していただきたいと思います。置き去りになる地域ができないように、交通不便地域をなくすために、ぜひともお願いいたします。 戸口から目的地への運行は難しいとのことですが、実際に行っている自治体があるのですから、諦めるのではなく、どうすればできるのかという方向で考えてください。特に、高齢者については、今回は触れませんでしたが、バス路線の廃止が相次ぐ中で、元気70パスのバス乗車割引券をもらっても使いようがないという声もあります。タクシー乗車への補助など、利用する方が選べるよう、別のメニューも必要となっているのではないでしょうか。 最後に、岡山大学大学院法務研究科が発行している「臨床法務研究」という雑誌の第16号に「総社市における地域公共交通の取組み」というレポートがありますので、御紹介いたします。 総社市では、2011年から新生活交通「雪舟くん」を走らせています。市内を4つの区域に分け、市の中心部は共通区域とし、それぞれの区域内と共通区域内なら原則300円でどこでも乗りおりできるドア・ツー・ドアの方式で、午前8時台から午後4時台まで、1時間ごとに運行しています。予約型で乗り合い方式の乗り物です。利用するには登録が必要です。総社市のホームページで利用人数を公開しているのですが、安定して利用されているようです。 この雪舟くんを導入する際に、総社市が行ったのが、民間の路線バスの廃止も含めて、市内の交通体系を見直し、整理したことです。このレポートの中では、かなりすっきりしたものとなったと書かれています。 雪舟くんの運行は、市内の全交通事業者に対して委託をし、市内全域をカバーしました。そして、実施後も毎年アンケートを行い、見直しをして、それに付随したさまざまな施策も行っているということです。 私は、このことを読んだときに、とても思い切った改革をしたものだと思いました。その方針の基本となったところは、まずは空白地域をなくし、高齢者の移動手段を優先的に考え、通勤通学の方や観光客の方は後回しになったが、とりあえず高齢で日常生活に不便を感じている方の買い物や病院にターゲットを絞ったというふうに書かれてあります。 たくさんの課題があり、その都度解決しながら進めてきたことは容易に推察できます。このレポートの最後は、「収支比率を計算した結果、経費の20%しか賄われていないが、福祉施策だと考え、公共でないと出来ないと思われる」と締めくくられています。 和歌山市は、今、地域公共交通網形成計画を策定中です。交通不便地域、交通不便地域に近い将来なるであろう地域は既に明らかです。地域バスとデマンド型乗合タクシーだけで網羅するのは困難だということですので、対症療法でなく、市全体を見渡し、市が主体性を持って、市民はもちろん事業者も巻き込んだ上で、市民のニーズに合った移動手段の確保、移動の保障を確実に進めていける和歌山市版の公共交通網を形成いただくよう強く要望して、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(松井紀博君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明12月8日、明後12月9日の2日間は休会とし、12月10日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松井紀博君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後1時46分延会   --------------- 地方自治第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    松井紀博 副議長   芝本和己 議員    吉本昌純 議員    中尾友紀 議員    姫田高宏...