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  1. 宮城県議会 2022-02-01
    03月02日-06号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年  2月 定例会(第382回)          第三百八十二回宮城県議会(定例会)会議録                              (第六号)令和四年三月二日(水曜日)  午前十時開議  午後二時三分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    外崎浩子君出席議員(五十八名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第三番                  小畑きみ子君        第四番                  石田一也君        第五番                  伏谷修一君        第六番                  松本由男君        第七番                  柏 佑賢君        第八番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  わたなべ 拓君       第十六番                  伊藤吉浩君       第十七番                  八島利美君       第十八番                  瀬戸健治郎君       第十九番                  櫻井正人君       第二十番                  村上久仁君      第二十一番                  高橋宗也君      第二十二番                  庄田圭佑君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  高橋 啓君      第二十九番                  遠藤伸幸君       第三十番                  横山のぼる君      第三十一番                  遠藤隼人君      第三十二番                  渡辺勝幸君      第三十三番                  横山隆光君      第三十四番                  佐々木賢司君      第三十五番                  守屋守武君      第三十六番                  外崎浩子君      第三十七番                  池田憲彦君      第三十八番                  佐々木幸士君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十五番                  吉川寛康君      第四十六番                  伊藤和博君      第四十七番                  村上智行君      第四十八番                  高橋伸二君      第四十九番                  菊地恵一君       第五十番                  佐々木喜藏君      第五十一番                  石川光次郎君      第五十二番                  中島源陽君      第五十三番                  本木忠一君      第五十四番                  中山耕一君      第五十五番                  安藤俊威君      第五十六番                  畠山和純君      第五十七番                  仁田和廣君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠席議員(一名)        第九番                  渡邉重益君-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    佐野好昭君      副知事                    遠藤信哉君      公営企業管理者                櫻井雅之君      総務部長                   大森克之君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   志賀真幸君      環境生活部長                 鈴木秀人君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 佐藤 靖君      土木部長                   佐藤達也君      会計管理者兼出納局長             佐藤靖彦君      総務部参事兼秘書課長             石川佳洋君      総務部財政課長                鈴木雄貴君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   布田秀一君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   諸星久美子君    人事委員会      委員長                    千葉裕一君      事務局長                   吉田信幸君    公安委員会      警察本部長                  猪原誠司君      総務部長                   佐藤宏樹君    労働委員会      事務局長                   高橋裕喜君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   林  毅君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      副参事兼総務課総括課長補佐          砂金義徳君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課総括課長補佐            長谷川共子君      議事課長補佐(班長)             田村和江君      議事課主任主査(副班長)           狩野嘉孝君-----------------------------------    議事日程 第六号                  令和四年三月二日(水)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十号議案、議第六十一号議案ないし議第九十九号議案及び報告第一号ないし報告第二十一号第三 一般質問   〔福井崇正君、石田一也君、櫻井正人君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十号議案、議第六十一号議案ないし議第九十九号議案及び報告第一号ないし報告第二十一号三 日程第三 一般質問       〔福井崇正君、石田一也君、櫻井正人君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、十五番わたなべ拓君、十六番伊藤吉浩君を指名いたします。----------------------------------- △議第一号議案ないし議第十五号議案 △議第十七号議案ないし議第四十号議案 △議第六十一号議案ないし議第九十九号議案 △報告第一号ないし報告第二十一号 △一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第一号議案ないし議第十五号議案、議第十七号議案ないし議第四十号議案、議第六十一号議案ないし議第九十九号議案及び報告第一号ないし報告第二十一号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。八番福井崇正君。    〔八番 福井崇正君登壇〕 ◆八番(福井崇正君) 自由民主党・県民会議、福井崇正でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を行います。 宮城県は東日本大震災から十一年を迎え様々な思いでこの日を迎えられていることと思います。多くの応援や支援を頂戴し復旧・復興に現在も御尽力いただいておりますことに深く感謝申し上げます。 また、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々及び御家族、関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。一日も早い御回復をお祈りするものであります。そして、医療従事者の皆様をはじめ行政の皆様、感染防止に御尽力されている県民の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。 新型コロナウイルス感染症対策についてはオミクロン株に置き換わった現在でも県民一丸となって取り組んでいる状況であります。村井知事も二月十四日の宮城県議会開会日の説明の中で、「昨年十一月以降、国においてオミクロン株への水際対策を進めてきたところですが、県内においても一月に入り感染例が確認されてから、これまでに例のないスピードで感染の拡大が進んでおり、一方で感染者数に占める重症者の割合や世代ごとの感染状況などに、これまでと異なる傾向が見られることから、感染の拡大防止と社会経済活動の維持との両立を図るため緊急特別要請の期間を設け、ワクチン接種の加速化や教育現場などでの感染防止対策の徹底、社会福祉施設における事業継続への支援、テレワークの推進などに重点を置くことといたしました。経済への影響を最小限に食い止めながら、この状況を早期に転換できるよう県として全力を傾けてまいります。」と述べられました。県庁と県議会が両輪となって感染症対策や支援体制の構築に向け整備が急務であることを改めて実感しております。そのような中、感染力の強いオミクロン株は子供の間でも感染急増が顕著であります。 そこで、大綱一点目、コロナ禍の小児医療政策について伺います。 県では一日当たりの新規感染者に占める十代以下の割合は約三割で保育施設や学校ではクラスターが起きました。仙台市でも感染急増によりPCR検査の結果判定が遅れ始め、濃厚接触者の診断や治療も遅れ感染拡大の悪循環に陥っている状況であります。 小児の感染症に詳しいかわむらこどもクリニック川村和久医師から今回の感染状況について意見聴取したところ、診療現場の状況についてお話しいただきました。発熱のある患者さん、周囲にコロナが存在するも発熱がない患者さんは隔離室で診察を行い、症状、周囲の状況からコロナが強く疑われる患者さんは車中で診察・検査を行っているそうです。感染対策のため患者さんごとにPPE、パーソナル・プロテクティブ・エキップメント装着、交換するため通常診察の二倍から三倍の時間がかかるそうです。感染性廃棄物が大量に発生し場所を占有し処理のために費用がかかるということも課題になっております。一月下旬から患者さんが急増し二月中旬まで隔離室での診察は二百人を超えPCR検査だけでも百件に達しているそうです。令和四年一月一日から二月二十八日の第六波と言われる中で十代未満の陽性者数は三千七百九十三名、十代で三千六百二十三名と全世代の割合で三〇・七八%と他世代より高い状況になっており、十代未満で見たときに第五波と比較すると三倍の増加になっております。しかし、子供でも全員をコロナと疑って、くまなく検査することは現実的ではなく、コロナ疑いの患者とそれ以外をどう見分けるか難しい判断になるということで、診察に関して家庭の中や施設等の集団の中で同じような症状があるかどうかでふるいにかける必要があり、細心の診断が求められる極めて緊張感のある診療現場の状況をうかがいました。また、治療法に関して、子供の場合、対症療法に限られ症状に合わせた薬剤、解熱剤等の治療になります。もう一つ危惧されるのは小児の医療体制についてです。もともと小児は特別な病気以外重症化することはまれなので成人や高齢者のように重症病床も少なく、一般小児病床も少子化の影響を受け以前と比べて少なくなっているそうです。オミクロン株では小児に感染しやすく小児患者数が急増しております。重症化しにくいとはいえ感染者数が増えれば小児病床が塞がってしまい小児医療崩壊につながりかねません。重症者を見る病床は宮城県立こども病院の四床となっております。一般病院のICUに小児を収容することは無理があると専門家よりお話を頂戴しているところですが、県の見解をお示しください。 また、ある御家族のケースで保護者一人がコロナ感染、もう一人の保護者とお子さんが発熱、仙台市内で区保健所から検査はできるが症状があれば医療機関を自分で探せと言われたケースがあったそうです。かかりつけ医に電話したが診てもらえず最終的に川村医師に引き受けていただいたということです。このようなケースから小児医療体制の充実を図るべきと考えますが、県の所見をお示しください。 クラスターが起きてしまった保育施設へ意見聴取したところ、幼児の場合はせきも熱もなく無症状で元気だが陽性であるケースが多く散見されたそうです。また、熱が上がったとしても翌日には下がるため登園するケースも多かったそうです。しかし、小さい子供が感染した場合、家族全員が濃厚接触者になるケースがほとんどで子供の自宅待機期間十日が明けてから親である濃厚接触者は七日で解除されるわけです。そうすると合計十七日休むことになり、子供が保育施設に行ける状況になったとしても送迎することができないことになります。そのため、保護者が休みやすい環境整備が必要であると意見を頂戴しました。国の制度ではコロナの影響で子供の通う小学校や幼稚園、保育園が臨時で休みになったり、子供が濃厚接触者になる場合に休業せざるを得ない保護者に対し、通常の有給休暇とは別に特別休暇を与える勤務先の事業所を対象に、休んだ賃金分を一人一日当たり一万五千円を上限に助成する小学校休業等対応助成金の活用が進んでいない状況にあります。「ぜひ、対象期間が六月末まで延長される見込みの小学校休業等対応助成金の案内を事業者や従業員に周知してほしい。」と保護者やクラスターを経験した事業者から要望を頂戴しております。この制度を特に事業者が知らず特別休暇が利用できなかった結果、収入までも下げられるケースが県内でも起こっております。国の支援制度とはいえ県として周知するために広報する必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、保育施設などの事業所内でクラスターが起きた場合、全員検査対象者に指定されます。事後処理や保護者、関係者は急ぎ事後処理に追われますが、対応しなければならない経営者や事務が優先的に検査を受けられる体制づくりも必要と伺いました。なぜならば、事後処理が遅れれば遅れるほど事業所を利用する利用者にとって不利益が生じたり感染拡大を招くリスクがあるからです。また、罹患した後、生活していくためにどのような補償制度があるのか、申請の仕方等が分からないという声も保護者から聞こえたそうです。保険会社からは労災申請ができることの周知も必要であると伺いました。そのような制度に関して県としてどのように県民に寄り添った対応をしていくのか、お伺いいたします。 また、自宅療養者の管理が課題であると思います。厚生労働省保健所業務パンク状態から、かかりつけ医が役割を担うことを期待しております。ところが家族に子供がいると窓口を内科にすることは難しく、高齢者がいれば窓口を小児科にすることが難しくなります。大人だけの世帯では濃厚接触者対策が可能ですが子供がいた場合は不可能です。そのため自宅待機解除となる期間も長くなってしまいます。更に感染者・濃厚接触者には保健所から仙台市ホームページを参考にと指示がありますが、どうやって探し何を読めばいいのか分かりません。そんな患者さんのためにかわむらこどもクリニックでは感染者・濃厚接触者自宅療養マニュアルを作成したそうです。感染者や濃厚接触者それぞれが何をすべきか、困ったときにはどこに連絡すればいいのかなどが掲載されています。このように様々な問題が潜むことと医療機関との協力体制の必要性を踏まえて県の講ずるべき対応について、所感をお伺いいたします。 宮城県でも感染予防と共にワクチン接種を推進しておりますが三回目接種が二月二十四日時点で一九・五六%となっております。十二歳以上で二回目接種八一・〇七%と本県でも三月から接種開始予定の五歳以上十一歳未満の接種に関し川村医師に伺ったところ、VPD、ワクチン・プリベンダブル・ディジーズという考え方で、意味はワクチン接種で防ぐことができる病気は予防接種をすることで大切な子供の命を守るという考え方です。五歳から十一歳の観点では日本小児科学会の声明でも基本的にはVPDと同じであるものの、この年代においては感染すると重篤化するリスクのある子供には積極的に進めております。健康な子供たちへの接種に関しては保護者が正確な情報収集をし、病気になったときのリスクを考えて接種を選択することだと見解を示されております。しかし、選択できる情報提供があまりに少なく、選択し得るところに至っていないというのが現実ではないかということがデータから分かります。かわむらこどもクリニックが二〇二一年八月と十一月に行ったワクチン意識調査アンケートでは、接種希望する保護者の割合は二〇二一年八月調査の十二歳から十六歳未満で受けさせるが六二・三%、十一月調査の五歳から十二歳未満では受けさせるが三一・三%と半減していました。二〇二一年八月調査の五歳から十二歳未満で受けさせるが三九・八%でしたが十一月では三一・三%と希望の割合は減少していました。逆に、受けさせないは八・七%から三倍弱の二二・九%へと顕著に増加していました。不安に関しては副反応に対する割合が高く未知のワクチンであることも不安の理由となっていました。設問の最後のCOVID-19とワクチンのどちらが怖いかでは、コロナワクチンが怖いの割合が八月三・四%から十一月九・二%と三倍以上に増加し、接種時期が明らかになり現実味を帯びてきたことが不安増強の要因となっていたことが示されています。結果から分かるように保護者は接種に関して十分な情報を得られていないこと、更に、理解が進んでいないことから接種への不安が大きく判断し切れていない状況が浮き彫りになりました。村井知事も二月二十八日の定例記者会見の中で、「リスクはゼロではないが高齢者ら周囲に広げる可能性が低くなるのは間違いない。健康な子供はできるだけ打ったほうがいいと思う。」と話されていましたが、県として十一歳未満の接種に関し適切に広報すべきと考えますが、どのように広報を考えているのか、お伺いいたします。 大綱二点目、学校における実践的な英語教育について伺います。 観光分野においては令和四年度より実施の新学習指導要領商業において新科目観光ビジネスが新たに設けられます。国内に在住する観光客及び海外からの観光客を対象とした観光ビジネスを展開するため、必要な資質・能力を育成する視点から観光ビジネス、観光資源と観光政策、観光ビジネスとマーケティング、観光ビジネスの展開と効果などの指導項目で構成されるとされております。県では令和五年度から三校、令和六年度から二校が対象予定とされております。高校生が裾野の広い観光業種を学ぶことについては大変意義深いと感じております。そこで、現在、観光業界において課題となっているのが観光従事者の給与です。コロナ前、ホテルや旅館は大変な人材不足となっていましたが、理由の一つが給与水準の低さだと言われており観光先進県の沖縄県でも同様の課題があると伺いました。宿泊施設としても稼ぐことのできるスキルを持った人材が欲しいもののほかの業界に就職してしまう。よい人材が入らなければ業績は落ちる。この負のスパイラルに終止符を打つためには、数年以内に復活するであろうインバウンド需要に適応した語学を含めた実践的なカリキュラムの構築が急務です。国では新学習指導要領における小・中・高校を通した外国語教育の改善が令和四年度から改編されます。県でも外国語によるコミュニケーション能力を育成する方針ですが、話すこと、やりとり・発表の分野を伸ばすことが海外からの誘客の鍵であります。インバウンド対応を行うに当たって、必要不可欠である最低限の語学力を観光学とセットで学ぶことが必要と考えますが、県の所感をお伺いいたします。 また、子供たちが英語を話せることによって広がる将来像や職業についても考えながら新しい外国語教育に取り組むべきと考えますが、県教育委員会ではどのような人材育成を目指しているのか、所感をお伺いいたします。 大綱三点目、在留外国人の人材育成と就業地として魅力ある地域づくりについて伺います。 今回、新しく日本語学校開設検討費が計上されました。県内における公的関与の日本語学校開設の検討を進めていくため、国内では北海道東川町や長崎県五島市など先進的に取り組んでいる自治体の事例調査や開設に向けて必要となる国、市町村、送り出し想定国であるベトナムやインドネシアなどの政府機関や現地機関等との調査を行うための予算二百五十万円です。生産人口減少と高齢化が進む宮城県において意欲あふれる外国人が日本人と同様に活躍でき、多種多様な価値観に寛容な地域をつくっていくインフラ整備は、今後、必ず必要な取組であると思っております。日本語学校開設を検討する上で外国人学生を集める方法は大変重要になります。現在、仙台市内には十校ほどの日本語学校がありますし、国内における日本語教育実施機関・施設が二千百九を数える中でどのような形で集客を想定されておられますでしょうか。また、仙台市以外への設置が理想と考えますが、どのように考えていますでしょうか。所感をお聞かせください。 もう一つは、カリキュラムについてです。日本語の文法や理論的なものだけではなく就職時に即活用できる実践的な日本語教育が必要なのは無論ですが、ぜひ宮城県の文化や歴史、観光地などについても学べ、シビックプライドの醸成につながる教育環境を整えるようなこともしっかり調査項目に入れる必要があります。また、外国人専門に人材派遣・紹介を行っている株式会社グローバルパワーの竹内代表取締役にヒアリングを行ったところ、日本語学校の機能として最も必要不可欠なのは就職先の紹介とのことでした。例えば、特定技能であれば現在就労が許可されている十四の業種の求人をどれだけ用意できるのか。県が関与する以上、宮城県外の企業に就職してしまうことのないように出口戦略をしっかり整備する必要があると思いますが、県の所感をお聞かせください。 例えば、継続事業として今議会でも外国人材マッチング支援費二千百万円を計上しています。県内中小企業における外国人材の受入れ環境整備について、相談から定着まで企業と外国人材の双方にワンストップで総合的に支援し、県内中小企業における外国人材の採用・活用を図る目的で企業の相談窓口や各種セミナー実施、合同企業説明会、企業訪問ツアー、企業と留学生の交流会を実施予定と聞いております。また、新規としてはモデル企業を選定し集中的な広報活動も展開予定であると聞いております。特にモデル企業の選定は既に外国人材を採用されていて今後も採用する計画がある会社がいいと思われます。今までのパターンですと新規モデル企業の選定方法をしっかり行わないと無駄足に終わらせることが多々ありました。モデル企業としてパンフレットなどに掲載させている企業を交流会などにお誘いしてもまだ計画段階ということで断られるパターンもあったそうです。課題は、県内企業は様々な不安からまだまだ外国人の雇用に及び腰であり、まずは外国人雇用に慣れてもらう必要があります。今回、日本語学校開設検討においては、開設する場合に求人企業に学校や学生を知ってもらうことが必要です。企業向けオープンキャンパスや外国人受入れに関する企業向け研修、そして、昨日の一般質問でも出ましたが、就職後の離職率を下げるためにも在学中のインターンシップ制度を導入するべきではないでしょうか。インターンシップは人材が不足している職種を優先とし、お互いが納得して働ける環境を事前に知ることのできる環境整備により県内企業への就職率の向上につなげ、外国人を定住人口につなげることも可能と考えますが、県の所見をお伺いいたします。 また、日本語学校では日本語を学ぶだけではなくビジネススクールの要素を取り入れることも必要かと思います。ビジネススクールのように、生産や観光、介護や看護、農業や水産、林業などの専門分野を学ぶことによる即戦力としての人材を育てる初めての試みにチャレンジしてはどうかと考えます。例えば、就業を希望する分野の学科を並行して習い、授業の一環として職場見学なども行い、就職活動までに企業を知っていただくことが大切だと思います。そこで、今後、改編が予定されている県立高等技術専門校との連携や他の学校でも可能と考えます。ぜひ、御検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 二月十八日に知事と県内在住の外国人との意見交換の座談会が開かれたと報道で拝見しました。宮城華僑華人女性聯誼会、宮城アフリカ協会、一般社団法人海外在住ネパール人協会日本支部の三人の方々と外国人が暮らしやすいみやぎをテーマに意見交換され、「外国人の子供が母国語を学ぶ講座などが開けるような場所を増やしてほしい。」、「県が配布するチラシに内容を外国語に翻訳した文章が読めるQRコードを付けてほしい。」との要望があったという記事でした。また、「住み慣れた宮城で働きたいのに就職口がなく大都市に流れざるを得ない。」という外国人が働きやすい環境整備を求めたとありました。県の在留外国人は二〇二〇年十二月末時点で二万二千五百人、県人口の約一パーセントとなっており、今回は第一弾として行われた座談会でしたが宗教的な部分で困っている外国人が含まれていませんでした。世界の人口の四人に一人と言われるイスラム教徒は東北大学の留学生でも中国に次いで多く来ており、気仙沼市の大型漁船の乗組員は大多数を占めております。最優先課題としての整備が求められております。食、礼拝所のサポート、土葬文化のためお墓の問題も今後取り組む必要があると考えますが、県の所見をお伺いいたします。 現在、既に暮らしている外国人たちが快適に暮らせる環境をつくるということでインバウンド関連の問題はほとんどが整備されていると思いますが、観光部分が特化したイメージとなっているインバウンドですが留学生もインバウンドの一つです。宮城・東北は大都市よりも遅れを取っておりますが、留学生の家族は最優先に子供たちの学ぶ街を訪れてくれます。一見のお客さんを大切にする前に既に共に宮城県で暮らしている外国人たちを大切にしていくことが最も重要だと思います。宮城県内で楽しく暮らしている姿は彼らがそれぞれSNSなどでも発信してくれるためプロモーション効果を発揮してくれます。県内で暮らしている外国人はお客さんではなく宮城県民である認識を持ち、その意識を高めていくことこそが帰国後の関係性を築いていくためにも大変重要だと考えます。神奈川県で進めているかながわ国際ファンクラブをモデルに宮城県でも国際交流を推進していただきたいと考えますが、県の所見をお伺いいたします。 コロナ禍においてインバウンド需要は完全に停止状態ではありますが、二〇二一年六月に行われた日本政策投資銀行が行ったコロナ後に行きたい国に関する調査において、日本はアジア居住者では一位、欧米豪居住者においても二位との結果が出ており、コロナが収束し日本がその国境を観光客に開いた時、これまで日本への旅行を我慢してきた外国人が一気に日本に押し寄せてくることが想定されます。その時までに県として、あらゆる環境整備をしておく必要がありますが、その中で最も急務なことは多言語のガイド育成であります。コロナ後の旅行スタイルにおいて、これまでのような人口密度が高くコロナ感染の可能性がある都市部や有名観光地を避け、少人数で親しい友人や家族と地方を目指す旅行者が増えることが予想されます。不特定多数の人々と一緒に動くバスツアーのようなスタイルが減り、大勢の旅行客を一度に案内することができなくなると現地においての多言語ガイドの必要性が高まります。宮城県内には現在約二万五千人を超える外国人が住んでおります。また、この数字に加え帰化され日本人となった元外国人の方々もたくさんいらっしゃいます。彼らはそれぞれ母国語、例えば、フィリピン人であれば英語、台湾人であれば北京語や台湾語、ペルー人であればスペイン語をネーティブレベルでしゃべることができます。日本に長く住んでいる方も多く日本語も堪能です。宮城県内においては、コロナ前、台湾人や中国人観光客が多かったにもかかわらず通訳案内士の資格を持っている方々がしゃべられるのは英語で、それ以外の言語でガイドをできる人材は限られているのが現状です。日本語しか話せないガイドの方に外国語を教えるのには何年もかかってしまいますが、外国語、日本語の双方の読み書きが堪能な在留外国人、また、帰化された元外国人の方々にガイド術を習得してもらい、より実践的なガイドを育成する事業を県として行うべきと考えますが、県の所感をお伺いいたします。 既に青森市ではこの類似の事業を二〇二〇年度に実施し、ガイド研修のみならず受講生と旅行会社やツアー会社とマッチングし成果を上げています。また、この事業では在留外国人のその土地に役立っているというシビックプライドの醸成にも効果があり、青森市事業では日本に来てから初めて地域に貢献している実感が湧いたなど受講生からとても好意的なコメントが寄せられたそうです。コロナ後に宮城県を訪れる外国人観光客の満足度を高めるためにも検討をお願いしたいと思いますが、県の所感をお伺いいたします。 以上、壇上からの質問を終了いたします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 福井崇正議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、コロナ禍の小児医療政策についての御質問にお答えいたします。 初めに、オミクロン株による感染者急増時における小児医療体制についてのお尋ねにお答えいたします。 オミクロン株による感染拡大により小児の感染者数も増加しており、今年一月一日から先月末までの県内の十五歳未満の陽性者数は五千六百六十六人で、入院は四十三件、そのうち重症は三件、重症化率は〇・〇五%となっております。小児の重症者については宮城県立こども病院のほか東北大学病院や仙台市立病院、大崎市民病院などで入院受入れが可能となっており、現時点において病床は十分に確保されております。県では医療調整本部に専門医療分野のアドバイザーを設置し、小児の医療調整を行う場合にはアドバイザーの助言とそのネットワークを活用しながら患者の症状や年齢に応じた適切な医療が提供される体制を整えております。今後とも医療機関や医療関係者と密に連絡しながら子供たちが必要な医療を受けられるよう万全を期してまいります。 次に、五歳から十一歳の子供へのワクチン接種に関する広報についての御質問にお答えいたします。 五歳から十一歳までの子供については十二歳以上とは異なりワクチン接種を受ける努力義務対象から除外されていることから、保護者が接種を受けさせるかどうか適切に判断できるようワクチンの効果や副反応等に関して正しい知識を持っていただくことが重要であると考えております。現在、市町村において接種券を発送する際に国のパンフレットを同封するなどにより保護者への情報提供を行っております。県においてもホームページを活用して広報を行っているほか、県医師会を通じて各医療機関に保護者への情報提供に特段の配慮をお願いしたところであります。 次に、大綱三点目、在留外国人の人材育成と就業地として魅力ある地域づくりについての御質問にお答えいたします。 初めに、日本語学校の生徒募集と設置場所についてのお尋ねにお答えいたします。 開設を検討している日本語学校の生徒募集に当たっては魅力的なカリキュラムの編成や地域と一体となった受入れ体制を構築した上で、日本で学ぶ意欲のある海外の若者に対し積極的なPR活動を行っていく必要があると認識しております。具体的な募集方法については、今後、全体の構想を練っていく中で検討していくこととなりますが、例えば、留学生の出身国の関係機関との連携や現地サポートデスクの設置により、我が県や教育環境の魅力をPRするなど留学先として宮城を選んでもらえるよう取り組んでまいりたいと考えております。学校の設置場所については地域にもたらす効果や先行事例における廃校を活用した手法などもしっかりと調査しながら、県内の日本語学校が全て仙台市内にある現状を踏まえ、仙台市以外への設置を念頭に意欲のある市町村と意見交換を行いながら検討してまいりたいと考えております。 次に、日本語学校における県内就職への支援スキームについての御質問にお答えいたします。 県内の人口減少が本格化していく中で外国人の受入れを促進し地域活力の維持や活性化につなげていくことは、今後、ますます重要になると認識しております。県が関与する日本語学校においては、県内への就職を希望する留学生に対しては在学中から地域の企業等における就業体験やインターンシップなど、県内企業への就職につながる機会を設けたいと考えております。また、在学中から日本語の習得はもとより県内各地の歴史・文化の学習や体験、地域住民との交流等の機会を多く設けるなど、留学生が地域と深い関わりを持つことで宮城への愛着を育てていくことも大切と考えております。私といたしましては、長期的な観点にも立ち卒業生がそれぞれの夢や目標の実現に向け世界で活躍する人材としての成長を後押しするとともに、在校生・卒業生が宮城ファンとして世界に情報発信することにより多くの若者が各国から来県し、人材の好循環が生まれるようにしたいと考えております。 次に、インターンシップ制度などの導入についての御質問にお答えいたします。 外国人の雇用に当たってはコミュニケーションの問題や文化・習慣の違いを懸念する企業が多いことから、県では今年度から実施している外国人材マッチング支援事業において、実際に外国人を雇用している企業のノウハウに関するセミナーや企業と外国人の相互理解を促進する交流会などを開催しております。本事業では外国人の採用を検討する企業に個別マッチングも含め留学生を紹介しており、紹介先企業の中には短期間働いていただいたことで仕事への適性を把握し社員との交流も深まった結果、採用内定につながった事例もありました。御提案のありました企業向けインターンシップ制度等は、県内就職を希望する留学生にとっても働く環境を直接知ることができる貴重な機会であり有効な取組と考えられることから、県といたしましても、今後、日本語学校の開設に向けた準備を進める中で経済団体や企業などの御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、コロナ禍の小児医療政策についての御質問のうち、小児医療体制の充実についてのお尋ねにお答えいたします。 県では小児科を標榜する医療機関が年々減少する中、各地域の拠点となる小児医療機関とかかりつけ医との連携により小児医療体制の確保に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染症患者の受診については県内六百一の診療・検査医療機関が中心となって担っており、このうち小児については各地域の拠点となる小児医療機関を含め二百十六の医療機関で対応しております。小児患者がかかりつけ医で受診できない場合にはコールセンターに相談いただき、対応できる医療機関を紹介する体制を取っているところです。先月上旬に不足がちであった抗原定性検査キットの提供等も行っており、引き続き小児に対応できる診療・検査医療機関の拡充に向け郡市医師会等を通じて各医療機関に働きかけを行ってまいります。 次に、子供がいる自宅療養者に係る様々な問題に対し対策を講じるべきとの御質問にお答えいたします。 同居の子供がいる新型コロナウイルス感染症患者等の自宅療養において、部屋や動線を分けることが難しいがどうしたらよいか、マスクを着用すべきかどうか、こまめな手洗いが必要かどうかなどの相談があり、保健所ではできる限り丁寧な説明を行っているところです。また、子供が発熱した場合の受診先が少ないという声も聞いており、子供への医療の提供については保健所が郡市医師会と調整の上、小児科を含む診療・検査医療機関等において必要に応じ電話診療やオンライン診療、往診・薬剤処方などを行うこととしております。自宅療養中の注意点等については県ホームページで周知しておりますが、子供が感染した場合の対応などについても分かりやすい説明を検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、コロナ禍の小児医療政策についての御質問のうち、小学校休業等対応助成金等保護者を支える制度についてのお尋ねにお答えいたします。 小学校や保育所の休校等や子供の感染等に際して、保護者が安心して休暇取得や休業できる環境を整えることは県としても大変重要であると認識しております。国の小学校休業等対応助成金については制度の積極的な活用を促すため、昨年十月に宮城労働局から教育委員会を通じ学校等に対し、更に先月十日には県から市町村や教育委員会、経済団体等を通じ周知を図っており、併せて全国知事会を通じ国に対して制度の更なる周知や相談体制の充実等を求める緊急提言を行っております。今般、本助成金の今年六月末までの延長が公表されたことから、宮城労働局と共に改めて学校や企業等に対し周知してまいります。労災保険につきましては労働者の方が業務により感染した際には給付の対象となる規定が設けられており、こうした制度につきましては県のホームページに掲載するとともに、窓口や電話で制度の説明等を行い詳細な内容については宮城労働局に設置されている相談窓口を御案内しております。今後も宮城労働局と連携しながら制度の積極的な活用が図られるよう更なる周知に努めてまいります。 次に、日本語学校における専門分野も取り入れた人材育成についての御質問にお答えいたします。 日本語学校の留学生にとって在学中に地元での職業体験や専門分野の学習の機会を設けることは県内での就業や進学につながるとともに、培われた知識や経験が将来的には世界各国で活躍する人材へと成長する上で糧となることも期待されます。日本語学校の基本的な構想の策定に向け、来年度、調査・検討を進めていくこととしており、観光や介護等の専門分野の学習については、日本語教育を中軸に据えた教育内容の具体化を図っていく中で留学生のニーズ等も踏まえながら、歴史・文化の学習や体験と並び、どのように盛り込めるか検討してまいりたいと考えております。 次に、暮らしやすく働きやすい環境整備についての御質問にお答えいたします。 県内在住外国人のうちイスラム圏出身者は千八百人程度と考えており五年前と比べて約六七%増加しております。イスラム圏の方にとって食や礼拝、埋葬は宗教上重要な問題であると認識しております。県ではこれまで飲食店向けにハラール食のセミナー開催やメニューの開発支援を行うとともに、ハラール対応の飲食店や礼拝施設等を紹介するガイドブックの作成等を行ってまいりました。今年度から実施している外国人材マッチング支援事業では礼拝など宗教上の慣習についてのセミナーを開催するとともに、企業に対し外国人を雇用する際の配慮など必要な助言を行っております。また、イスラム教徒の間で一般的な土葬については、水源維持や衛生上の懸念等から他県では地域住民の反対により埋葬地の計画が頓挫する事例もあると承知しております。今後、県内のイスラム圏出身の永住者の増加が見込まれる中、宗教観も含め固有の慣習に対する理解が重要なことから、市町村や関係機関と連携しシンポジウムや在住外国人との共生イベントの開催、広報資料の作成・配布等を通じ、多文化共生の理念の啓発・普及に一層努めてまいります。 次に、宮城県とゆかりのある外国人等が集うことのできる組織づくりについての御質問にお答えいたします。 宮城県で暮らす外国人が我が県に愛着を感じ県民としての意識を持つことで、県内在住時はもとより県外に移り住んだ後も宮城県の魅力を世界中にPRしていただけるようになることは、とても重要であると考えております。県ではこれまで外国人コミュニティーのまとめ役との関係構築や外国人向けSNS、VisitMiyagiによる情報発信、宮城県国際化協会等が主催する外国人と地域住民の交流会などを行ってきているところであり、今後とも他県の取組も参考にしながら我が県にゆかりのある外国人に宮城のファンとなっていただけるよう、より効果的な方策について検討してまいりたいと考えております。 次に、県内在住外国人による観光ガイド育成についての御質問にお答えいたします。 県内在住外国人を観光ガイドとして育成し活用することは母国語により外国人目線で地域の魅力をより分かりやすく伝えられるため、インバウンド需要の取り込みに効果的であるとともに、ガイド本人にとっても宮城への愛着を深めファンになることが期待されるなど大変有効な取組であると認識しております。県では外国語で案内ができる質の高い観光ガイド育成研修会を実施し、これまで外国人も八人受講しております。県といたしましては、宮城県国際化協会等の関係団体や県内在住外国人コミュニティーなどを通じた研修会参加への呼びかけなどにより、人材の掘り起こしを行うとともに研修機会や終了後の活躍の場の確保を図るなど、外国人観光ガイドの育成と活用にしっかりと取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱二点目、学校における実践的な英語教育についての御質問のうち、今後のインバウンド需要への対応としての外国語教育の充実についてのお尋ねにお答えいたします。 県内唯一の観光科を設置する松島高校においては、地元の観光資源を活用し観光に関する専門的な科目やホテル実習などの実践的な学びに取り組み、将来、観光業界で働くスペシャリストの育成に努めております。特に、インバウンド需要に適応した必要な英語力を養成するため観光に関する英会話を主とする学習を行い、更に実践力を身につけるため、海外からの観光客に対する英語による観光ボランティアガイドとして地元松島の観光案内に取り組んできております。こうした松島高校での取組を踏まえ、今後のインバウンド等への対応も見据えながら実践的、体験的に英語を学ぶ機会の充実に努めてまいります。 次に、外国語教育による人材育成についての御質問にお答えいたします。 グローバル化が急速に進展する現代社会において英語によるコミュニケーションは、一部の業種や職種だけではなく生涯にわたって様々な場面で必要とされることが想定され、学校教育において実践的な英語力を習得させることは児童・生徒に将来を考えさせる上でも重要なことであると認識しております。県教育委員会では宮城の英語教育推進計画を策定し、小学校から高校まで系統的に英語を用いたコミュニケーション能力を向上させるよう英語教育の充実を図っております。また、英語科や観光科を設置している県立高校では、オンラインを活用した海外のネーティブ講師との英会話や海外の高校生との国際交流を通して、自分の考えを英語で発信することができる実践的な英語力の育成に取り組んでおります。今後もこうした活動の充実を図り、児童・生徒は将来を見通しながら豊かな語学力やコミュニケーション能力を身につけ、様々な分野で活躍できる人材の育成に努めてまいります。 以上でございます。
    ○議長(菊地恵一君) 八番福井崇正君。 ◆八番(福井崇正君) それでは、少しだけ再質問させていただきたいと思います。 教育長からも英語教育の部分でオンラインも活用しながらネーティブな英語を学ぶこともされているということでしたが、先ほど外国人材の部分でお話ししたところで、例えば、もう日本人になった外国人の方だったり、英語の堪能な方がいらっしゃると思いますが、そういう方々をALTとか、そういった部分で活用もされているのか、それとも今後そういうことを考えているのか、お伺いいたします。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 各学校のALTにつきましては、そういう事業をしているところに委託してお願いしております。ただいまのお話のとおり、海外に住んでいらっしゃる方とのオンラインを活用した英会話だけではなくて、ネーティブでお話ができる方のお力を借りるということもとても大事なことだと思いますので、そのことについても取り入れを考えてみたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 八番福井崇正君。 ◆八番(福井崇正君) それでは、留学生について再質問させていただきたいと思います。 既に宮城県にも日本にも入ってきている留学生の中には母国での犯罪歴もあるような人たちも入ってきているというお話も伺っております。県で日本語学校を造る場合には留学を仲介する事業者に対して、例えば、犯罪歴の有無の照会など、受け入れる体制として確認の上でやっていただいたほうが、ほかの留学生にとっても、また、受け入れる宮城県民にとってもいいのではないかと思いますが、そこら辺、どのようにお考えか、伺います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 先行例になりますが、介護人材を宮城県で受け入れるためにベトナムのほうにアプローチしておりまして、あちらで調印式をやる予定だったのがコロナの関係でできなくなってペンディング状態なんですが、その場合はベトナムの政府機関などしっかりとしたところに入っていただいて、人材を派遣していただくことにしております。やはり、そういった信用できる機関をしっかりかませるということが非常に重要だと思っておりまして、行政が関わる日本語学校ということになれば、当然、その結果、犯罪が起こったということにならないようにする。また、犯罪歴がなくても、こちらに来て不遇な生活を続ければ犯罪に手を染めてしまうことがあるかもしれませんので、そういうことにならないように、しっかりケアをしていくことが非常に重要なことだと思います。日本人の子供、我々の子供が海外にいたときにどうしてほしいのかということの裏返しです。向こうから来る子供たちを同じように育てていくということが重要だと思いますので、そこをベースにいろいろ制度設計していきたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 八番福井崇正君。 ◆八番(福井崇正君) 以上で、終わります。 ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。    〔四番 石田一也君登壇〕 ◆四番(石田一也君) みやぎ県民の声の石田一也でございます。議長のお許しが出ましたので、以下、大綱五点について質問させていただきます。 初めに、大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策の改善についてお聞きいたします。 二〇二〇年一月十六日、日本国内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されてから二年余りが経過いたしました。二月二十八日時点の日本国内感染者数は五百一万三千七十三名、宮城県でも四万三百八十五名が感染し、百四十一名の方がお亡くなりになっています。改めまして、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、罹患された皆様にお見舞い申し上げます。また、新型コロナウイルス感染症禍において、二年以上に及ぶ危機感、緊張感の中で医療現場の最前線で御尽力いただいている医療関係者の皆様、感染リスクの高い職場で私たちの生活をお支えいただいている全てのエッセンシャルワーカーの皆様、そして度重なる感染拡大で我慢を強いられている全ての皆様に敬意を表し感謝を申し上げます。 国立感染症研究所が一月に公表した新型コロナウイルスの感染経路の記述に間違いがあるのではないか、と先月一日感染症や物理学者などの有識者八名が国立感染症研究所宛てに公開質問状を出されました。国立感染症研究所の文書の内容が世界保健機関、WHOやアメリカ疾病対策センターなど、主な感染ルートはエアロゾル感染、いわゆる空気感染であるという国際的なコンセンサスと違っていることを指摘し、なぜ国立感染症研究所だけがかたくなに飛沫感染と接触感染を主張するのか、について見解を求める内容になっています。見立てが間違っていれば、処方箋、効果的な対策も変わってくると考えますが、感染経路に係る宮城県の見解をお聞かせください。 新型コロナウイルス感染症の発生当初から、利用者の命に直結する介護施設でのクラスター対策は大きな課題でした。この間、宮城県では応援職員派遣による支援や現場に精通した介護関係者をメンバーに加えたワーキングチームを立ち上げるなど、評価の高い取組を実施してきています。これらの取組には多くの介護関係者の御尽力をいただいておりますが、そのお一人が清山会医療福祉グループの山崎英樹先生です。山崎先生からお許しをいただきましたので、先生の言葉を一部紹介させていただきます。 接触か、飛沫か、エアロゾルかという問題は、施設から逃げられない高齢者と逃げるわけにはいかない介護職員にとっては文字どおり死活問題です。認知症のある高齢者は、マスクができない人もいれば、大きな声を出してしまう人もいれば、自分の唾液でせき込む人もいる。現場を知らない人がガイドラインをつくっています。発生した施設ではレッドに勤務できる僅かな職員で、個室での個別介護、頻回の健康観察、接触・飛沫感染対策を、PPEを着用しながら頑張ります。が、検査をすると何人かの陽性者が出て更に職員が減り、介護も感染対策もほとんど手が回らなくなります。その原因にエアロゾル対策の不徹底はないのでしょうか。エアロゾル感染を早い時期に教えていただいた私たちは、当初からエアロゾル対策として換気とフィッティングに優れたN95マスクを徹底しています。一昨年十二月から現在まで法人内で十二回、法人外の応援で七回のコホーティングを経験した中で、法人内では一か所で二次感染が一人確認されましたが、ほかは全て一次感染で済みました。レッドゾーンに入った職員、延べ約百九十人は一人も感染していません。運がよかっただけでしょうか。クラスターが発生して激変する劣悪な介護環境を考えれば、もはや人権に関わる問題と言ってもいい。本来の科学と医学の倫理に立ち返り、当事者の声に耳を傾けながら、ガイドラインを真剣に、早急にバージョンアップしてほしいものです。 以上が命のとりで、介護現場で日々仕事をされている山崎先生の言葉です。国のガイドライン、介護現場における感染対策の手引では気管挿管など医療処置のときのみN95マスクを推奨しています。エアロゾル対策としてレッドゾーンで介護に当たる場合は、N95マスクを着用するようガイドラインを改めるべきと考えますが、所感を伺います。 第六波では保育所や幼稚園、学校などでのクラスター発生が新規感染者数拡大の要因になっています。子供さんを預かる先生や職員さんは、連日消毒の徹底や子供たちへのマスクの着用を呼びかけるなど、大変な御苦労をされています。五歳から十一歳の子供に対するワクチン接種が三月から本格化しますが、お子さんへのワクチン接種を心配する声は多く、接種率を高めることは容易ではありません。さきに紹介した公開質問状にも名を連ねている愛知県立大学看護学部の清水宣明教授は、空間に漂っているエアロゾルを吸い込むことで感染リスクが高まる、としてサーキュレーターなどを活用した実効性のある換気対策を講じるべきと提言されています。小学校の高学年以上の児童・生徒については、改めて不織布マスクの正しい着用を指導するとともに、マスクを正しく使用することが難しいと思われる低学年の児童の教室や保育所、幼稚園ではサーキュレーターの活用など、換気の徹底を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 第六波による感染拡大に伴い、最大三十六都道府県でまん延防止等重点措置が適用され、今日現在でも三十一都道府県で継続されています。村井知事は、主に飲食店をターゲットにした現状のまん延防止等重点措置では感染拡大防止にはつながらないとして、重点措置の適用を国に求めないことを表明されています。また、二月十五日にまとめられた全国知事会による全国的な感染拡大の早期抑制に向けた緊急提言でも三十一項目に及ぶ提言の一番目に、今後も感染の実態に即した実効的な対応となるよう、時機に応じて更に見直すことを国に求めています。国民、県民に対し一定の行動制限を求める以上、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言には伝家の宝刀的な役割、実効性の高い対策が期待されています。県民の命と健康を守るために、また、社会経済活動との両立を図る上でどのような見直しが必要とお考えか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、大綱二点目、持続可能な地域医療提供体制についてお聞きいたします。 昨年十二月十日、総務省から持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドラインの方向性と関連する地方財政措置の延長・拡充の内容が示されました。公立病院の赤字解消を目指していたこれまでのガイドラインを改め、人口減少や少子高齢化、また、コロナウイルス対応に公立病院が中核的な役割を果たす必要があることから、新たなガイドラインでは公立病院の持続可能性確保、経営強化を目指す方向性になるようです。都道府県には、地域医療構想の策定主体として調整機能をこれまで以上に強化すること、特に医療資源が比較的充実している都道府県立病院が中小規模の公立病院との連携・支援を強化していくことが求められています。宮城県としてどう取り組むのか、考え方をお示しください。 また、令和六年度には時間外労働規制、いわゆる働き方改革の運用が始まります。働き方改革を推進することは当然として、不採算地区病院等への医師・看護師等の派遣の強化も大きな課題です。東北医科薬科大学では三月に医学部一期生九十三名の卒業が予定されており、そのうち五十七名は東北の医療機関で臨床研修が決まったとのことです。東北の地域医療・僻地医療を担っていただくことへの期待が高まっています。一方で、宮城県出身者が利用可能なA方式の東北地域医療支援修学資金を利用した卒業生には、二年の臨床研修後、宮城県知事が指定する医療機関等に十年間勤務することが義務づけられていることから、人材育成を担う県内医療機関の受入れ体制を不安視する声も上がっています。東北医科薬科大学では、医療ニーズの高い総合診療医を目指す多くの学生さんが学ばれています。総合診療専門研修プログラムを持っている宮城県内の医療機関をお示しください。 ガイドラインの方向性には、新興感染症に備えた平時からの対応として、感染拡大時に転用しやすい施設・設備の整備についても明記されています。先日、お世話になっている医療関係者から医療法人伯鳳会東京曳舟病院で導入した災害緊急医療対応車に関する情報を教えていただきました。この大型車両は内部にCT装置、免疫生化学分析装置、超音波画像診断装置など最新の検査機器が装備されていて、発熱外来や健診、僻地医療での活用が想定されているほか、電源車両が独立していることから災害時には動く病院として大きな役割が期待されているそうです。本年一月には、同病院が立地する東京都墨田区と合同で、臨時のPCR検査センターへの利用等を想定した訓練も実施されたとのことです。平時は県立病院等の検査センターとして活用可能なことから、宮城県として導入を検討すべきと考えますが、所見をお聞かせください。 大綱二点目の最後に、四病院の統合・合築について一点お聞かせいただきます。 一月から二月にかけて、太白区と青葉区の地域回りをしました。四病院問題の当該地区ということもあり、多くの方から御心配の声をお聞きし、私が村井知事への支援をお願いする選挙ハガキを送付していたお宅からは、一部お叱りもいただきました。慣れ親しんだ病院が地域からなくなることに対する不安のほか、立地自治体や地域の声を聴く気がないのでは、と進め方に対する疑問の声もありました。宮城県は県立病院を運営する当事者としてだけでなく、地域医療構想の策定主体として立地自治体や地域の医療関係者、そして地域住民の意見を調整する役割が求められています。できる限りの情報公開と丁寧な議論、地域の声を聴く場が必要と考えますが、所見を伺います。 大綱三点目、宮城の子ども・子育て支援についてお聞きします。 新型コロナウイルス感染症禍の学校閉鎖などによる学力低下で、生徒らが生涯を通じて得られるはずだった収入を失い、世界全体で損失額が十七兆ドル、約二千兆円に上る可能性があるとの、世界銀行のショッキングな試算が報道されました。日本は休校時間が他国より短く、損失は他国と比較して小さいものの、学習機会の減少による損失は大きいと指摘されています。また、昨年十二月に東洋経済新聞社が実施したアンケート調査によると、GIGAスクール構想により学校でのIT環境が整った一方で、オンライン授業をいまだに経験したことがない教員の割合が半数以上いること、サポートへの負担を感じている保護者が多いこと、児童・生徒からは何よりも友達と会えないことへの不満や不安があることなどが明らかになるなど、教員、保護者、児童・生徒ともに約七割がオンライン授業に後ろ向きとの結果でした。オンライン授業に係る宮城県の現状と課題についてお聞かせください。 また、ネットの世界が公共の場であるという意識に欠けている児童・生徒が多いという指摘があります。メディアリテラシー教育を専門とする法政大学キャリアデザイン学部の坂本教授によると、「情報化に伴う教育といえば、日本ではこれまで情報モラル教育が推奨されてきた。しかし、これはネット依存症やSNSへの書き込みの影響などインターネットの危険性を教えるだけで使用を抑制する教育であり、ICTの活用を前提とするGIGAスクール構想の理念とは真逆の教育だと指摘し、真に必要なのはデジタル・シティズンシップ教育、簡単に言うとICTのよき使い手となると同時に、よき社会の担い手になることを目指す教育だ。」とされています。大阪府吹田市教育委員会ではすでにデジタル・シティズンシップ教育の推進を打ち出していて、広島県でも県全体で取り組もうとしています。ネットいじめやヘイトスピーチ、フェイクニュースにどう対応すべきかを学ぶことは重要で、宮城県でも導入を検討すべきと考えますが、所見をお聞かせください。 令和四年度予算の中には継続的な子供・子育て支援が可能になるよう次世代育成・応援基金の立ち上げ予算のほか、多くの子供・子育て関連予算が盛り込まれました。この場では、前回の一般質問でも取り上げたヤングケアラー対策についてお伺いいたします。 令和四年度には、学校現場と連携した県内の実態調査と併せて、適切なサービスの利用につなげるための専門家の配置や民間団体と連携した相談体制の構築を図る予算が計上されました。ありがとうございます。ヤングケアラー対策については、庁内連携体制の確立、地域における関係者の情報共有、そして地域理解を深める啓発・広報が重要だと考えています。実効性のある基本計画を策定すべきと考えますが、所見を伺います。 大綱四点目、ゼロカーボン社会の実現に向けた課題について、お伺いいたします。 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの集計によると、ここ十年で太陽光の発電コストは八割弱、風力は約六割コストが下がっているそうで、イギリスやアメリカ、ブラジルなどでは風力発電が最も安く、中国やインド、オーストラリアなどでは太陽光が最も安くなるなど、世界の三分の二の国で再生可能エネルギーが最も安い電力になっています。石炭火力が最安値の日本や韓国は世界の非常識になりつつあるようです。政府は二〇三〇年度の新たな電源構成について、再生可能エネルギーの比率を三六%から三八%にすることを目指していますが、欧州では現状の三三%から二〇三〇年には六五%まで引き上げることを打ち出しているだけに、寂しい目標設定です。具体的には太陽光発電の大量導入を進める方針ですが、パネルの設置用地を確保するのが難しくなってきていて、この目標設定でさえも実現へのハードルが高いとされています。秋田県沖で進む洋上風力発電事業において、海外で実績を積んだ企業グループが、国の設定した上限価格を大幅に下回る価格で落札したとの地元紙の報道がありました。風車の大型化が進み、発電効率が向上したことでコストダウンが加速しています。宮城県としても洋上風力発電の積極的な誘致を検討すべきと考えますが、所見をお聞かせください。 また、政府は空港を再生可能エネルギー発電の拠点に利用できるよう規制を緩和する方針で、三月上旬にも航空法と空港法の改正案を通常国会に提出する方針を固めたとの報道がありました。十一月定例会で当会派の枡議員が公共施設への太陽光パネル設置を求めておりますが、宮城県として仙台空港への太陽光発電パネルの設置を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 脱炭素化を進める上で、建築分野の省エネルギー化も世界と比較して大きく遅れていると言われています。宮城県では、断熱性の高い省エネ住宅、ZEHへの支援を拡充するほか、宮城県民会館・みやぎNPOプラザ複合施設新築設計業務公募型プロポーザルについてもZEB Ready以上、CASBEE Aランク以上取得への配慮を求めています。このようなZEH、ZEB推進策と併せて、昨年十月に公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が改正されたことを受け、県産材を利用した高断熱木造住宅に対する支援策の拡充や公共施設の木質化・木造化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて、Jクレジット等を活用した宮城の森林吸収オフセットの取組を拡大する余地がないのか、現状について御教示ください。 政府は、脱炭素事業に資金を支援する官民ファンドの創設を盛り込んだ地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を閣議決定いたしました。民間資金も活用し、総事業費一千億円規模のファンドを立ち上げ、地球温暖化対策に取り組む民間企業を支援する計画のようです。同時に、自治体への財政支援の努力義務が規定され、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金が新設されることになります。複数年度の継続支援が可能な交付金のようですが、宮城県として新たな事業を検討されているのか、現状をお示しください。 最後に、大綱五点目、情報化で実現する富県躍進についてお聞きいたします。 デジタル化関連については、当会派の代表質問で境議員が幅広く質問していますので、私からは二点に絞って質問させていただきます。みやぎ情報化推進ポリシーには三つの重点項目を実現するために、二十七項目の目標指標、KPIが設定されています。令和三年から令和六年までの四年間でこの目標指標の達成を目指すことになりますが、すでにクリアしている項目がある一方で、マイナンバーカードの交付率については本年二月一日現在で四一・一%。全国平均の四一・八%をやや下回っています。マイナポイントが付与されるニンジン作戦により前年の二四%から大きく増加したものの、令和四年までの一〇〇%目標達成は厳しく思えます。令和四年度予算に計上されている新規のマイナンバーカード普及促進費でどんな事業が実施されるのか、御教示ください。 昨年五月時点で、マイナンバーカードの交付率全国一位の石川県加賀市では、一四%だった交付率が一年で六五%まで上がりました。何をやったのでしょう。マイナカードの交付率を上げるために申請した市民へ五千円商品券を配布することを決め、商業施設などに五十三か所の申請窓口を設置し対応したそうです。財源は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金です。加賀市では高齢化、過疎化に立ち向かうための切り札としてデジタル化を進めていて、宮元加賀市長は「マイナンバーカードはデジタル化のインフラと言える。道路を造らないと人が歩けないのと同じで、交付率を高めないと話が始まらない。」と話されています。交付率一位は宮崎県都城市に譲ったものの、本年二月一日時点の交付率は七二・四%で更に交付率を伸ばしています。宮城県としてもマイナンバーカードをデジタル化のインフラと捉え、更なる普及拡大に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 石田一也議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策の改善についての御質問のうち、まん延防止等重点措置や緊急事態措置の見直しについてのお尋ねにお答えいたします。 まん延防止等重点措置や緊急事態措置は県民の生命と健康を保護しながら社会経済活動を維持するため、不要不急の外出の自粛や、学校、社会福祉施設等の施設の利用制限などにより、感染拡大を抑制するための対策と承知しております。現在の基本的対処方針は、昨年夏に猛威を振るったデルタ株の経験を踏まえ、感染リスクが高いと指摘されていた飲食の場の制限に主眼を置いているため、教育・保育現場や福祉施設、職場、家庭など、より暮らしに近い場面で感染が拡大している第六波の特性に応じたものとはなっておりません。感染拡大を抑制しながら社会経済活動を維持するためには、オミクロン株の特性や感染拡大の実態を踏まえ、知事の判断により実際に感染が拡大している場面に応じた実効性の高い対策を選択できることが重要であり、全国知事会等の場を通じて引き続き基本的対処方針の見直しを求めてまいります。 次に、大綱二点目、持続可能な地域医療提供体制についての御質問にお答えいたします。 初めに、都道府県の役割強化が求められている中での我が県の取組方針についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、国において、少子高齢化の進展による医療需要の変化や医師の働き方改革に対応し、限られた医療資源で良質な医療を持続的に提供していくための検討が進められておりますが、この中では医療機能の分化・連携が重要になるものと認識しております。このため、各医療圏において救急医療をはじめとする急性期機能の集約を図るとともに、回復期や慢性期を担う病院との役割分担と連携・補完体制の強化に向けて、地域医療構想調整会議等を活用し、引き続き取り組んでまいります。 次に、四病院の統合・合築に関する情報公開などについての御質問にお答えいたします。 県では、昨年九月の公表以降、仙台医療圏の市町村長会議や地域医療構想調整会議のほか、周産期医療協議会、救急医療協議会などの公開の場で説明して意見交換を行うなど、できる限りの情報公開と丁寧な議論に努めてまいりました。今後も引き続き地域の声を聴きながら丁寧に議論を進めるとともに、協議を重ねていく過程で診療科や病床規模など、新病院の具体的な内容についてできる限りの情報提供に努めてまいります。 次に、大綱三点目、宮城の子ども・子育て支援についての御質問のうち、ヤングケアラー対策についてのお尋ねにお答えいたします。 家族のケアや手伝いをすることは大切なことでありますが、過剰な負担によって学校生活に支障が生じたり、成長期にふさわしい充実した生活が送れなかったりすることは課題と認識しております。このため県では、来年度新規事業として仙台市立を除く公立学校の小学校五年生、中学二年生及び高校二年生を対象とする実態調査のほか、関係機関の支援者向け研修や市町村への専門家の派遣、民間団体と連携した相談支援等について事業の実施を予定しております。国においても、来年度から三年間を集中取組期間として社会的認知度の向上を図るなど、取組を強化することとしております。県といたしましては、これら事業の実施や実態把握の状況を踏まえ、教育委員会や市町村など関係機関と連携しながら、支援体制や実効性のある施策の方針について取りまとめてまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、ゼロカーボン社会の実現に向けての御質問にお答えいたします。 初めに、仙台空港への太陽光発電パネルの設置についてのお尋ねにお答えいたします。 空港分野におけるゼロカーボンに向けた取組については、昨年三月、国土交通省において空港分野におけるCO2削減に関する検討会が設置され、空港脱炭素化の全体目標や主な取組内容等について検討が行われてきたところであります。この検討を踏まえ、空港分野における脱炭素社会の実現に向けた対策を推進するため、今月中に空港法等の改正法案が国会に提出されるほか、空港脱炭素化推進計画策定ガイドラインが策定される予定となっております。このことから、今後各空港や航空会社において、ゼロカーボンに向けた動きが活発になっていくものと認識しております。宮城県環境基本計画第四期において、二〇五〇年二酸化炭素排出実質ゼロを長期目標としている我が県といたしましては、空港分野におけるゼロカーボンの推進も重要であると考えており、空港の設置管理者である国や運営権者である仙台国際空港株式会社の御意向も確認しながら、連携して取り組んでまいりたいと思います。 次に、地球温暖化対策に関する国の新たな交付金の活用に向けた検討状況についての御質問にお答えいたします。 今般の地球温暖化対策推進法の改正案は、脱炭素化に資する事業への資金供給等を強化することによって、民間投資の一層の誘発を図るとともに、地方公共団体等が行う脱炭素関連施策の費用について、国が財政上の措置を行うことを明確化したものと承知しております。特に、地方公共団体への財政措置については、国の来年度当初予算案において、地域での先行的な取組を支援する地域脱炭素移行・再エネ推進交付金が創設されたところであり、脱炭素化に関する取組がより一層強化・充実されるものと期待しております。県としては、集中して取組がなされる二〇二五年度までに、県内の複数の地域が脱炭素先行地域に選定され、これらの地域を中心に県内各地における脱炭素の取組が進展するよう、市町村や事業者等と連携しながら官民挙げた体制づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長志賀真幸君。    〔企画部長 志賀真幸君登壇〕 ◎企画部長(志賀真幸君) 大綱五点目、情報化で実現する富県躍進についての御質問のうち、マイナンバーカード普及促進費についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県においては、マイナンバーカードの交付率の更なる向上に向けて、新年度マイナンバーカード普及促進事業を実施することとしております。事業の具体的な内容としましては、これまで交付率が低調に推移してきた若年者を主なターゲットとして、集客力の高い施設やイベント会場等に出張ブースを設け、実演も交えてマイナンバー制度やカード取得の利便性を周知するほか、その場で申請の受付も行うなど、カードの取得を積極的に働きかけてまいります。 次に、マイナンバーカードをデジタル化のインフラと捉えた更なる普及拡大策についての御質問にお答えいたします。 マイナンバーカードは本人確認のための身分証明として利用できるほか、各種証明書のコンビニ交付サービスや行政手続における添付書類の省略など、様々な場面で国民の利便性向上や行政の効率化につながるものであり、デジタル社会を推進する上で重要な基盤であると認識しております。国では、健康保険証としての利用も可能とするなどサービスの拡大を図るとともに、マイナポイント付与を拡充しカードの普及を推進しております。県といたしましても、マイナポイントの拡充等の成果を踏まえつつ、引き続き市町村と連携し新たな普及促進事業等を実施するとともに、マイナンバーカードを利用したサービスの充実を図りながら、更なる普及に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長鈴木秀人君。    〔環境生活部長 鈴木秀人君登壇〕 ◎環境生活部長(鈴木秀人君) 大綱四点目、ゼロカーボン社会の実現に向けての御質問のうち、洋上風力発電についてのお尋ねにお答えいたします。 国ではカーボンニュートラルの実現に向けて、洋上風力発電を再生可能エネルギーの主力電源化の切り札に位置づけており、風況が良好な日本海側の地域を中心に導入計画が進められております。県ではこれまで、洋上風力発電の導入可能性について検討を進めてきたところですが、風況の影響を含めた採算性の確保や漁業関係者との調整等が課題であると認識しております。現時点では導入に至っておりませんが、将来的には有望な再生可能エネルギーであると考えており、県といたしましては洋上風力発電に関する技術開発の動向や先行事例などを注視しながら、県内での導入可能性を引き続き検討してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策の改善についての御質問のうち、感染経路に関する県の見解についてのお尋ねにお答えいたします。 今年一月の国立感染症研究所の報告では、オミクロン株において従来株やデルタ株の事例と比べ、エアロゾル感染を疑う事例の明らかな増加は確認されず、従来どおり感染経路は主に飛沫と接触によるものと考えられるとされ、これに対して一部の専門家から異論が出されていることは承知しております。一方、国の診療の手引や基本的対処方針では、感染経路について、せき、くしゃみ、会話等の際に排出されるウイルスを含んだ飛沫やエアロゾルの吸入が主なものとして挙げられております。県としても、換気の悪い場所で浮遊するエアロゾルや飛沫等が感染拡大のリスクを高めるものと考えており、引き続きオミクロン株の伝播スピードが速いことを踏まえ、喚起とマスク着用をはじめとした基本的な感染防止対策の徹底とともに、エアロゾル感染についても広く注意喚起してまいりたいと考えております。 次に、レッドゾーン内で介護に当たる場合に、N95マスクを着用するよう国の指針を見直すべきとの御質問にお答えいたします。 国では、昨年三月に介護現場における感染対策の手引きを改定し、新型コロナウイルスの感染対策や感染者が発生した場合の対応、注意点を示しております。全国的に施設内療養が増えている中で、本手引はレッドゾーン内で介護に当たる場合の感染防御方法の記載が不十分であり、介護現場では特にレッドゾーン内において利用者のマスク着用が必ずしも徹底されず、食事介助時等にむせ込みがあり密着を余儀なくされる場合もあるため、エアロゾルに対する防御性に優れるN95マスクの着用が望ましいとの声があることは承知しております。県としては、国に対して施設内療養への対処方法の具体的な記述を求めるとともに、引き続き感染が発生した施設への状況に応じた助言・指導に努めてまいります。 次に、保育所におけるサーキュレーター等を活用した換気の徹底についての御質問にお答えいたします。 県では、国の保育所向け感染症対策ガイドラインを踏まえ、可能な限り窓を開け、定期的で小まめな換気を行うよう通知するとともに、換気用の機器を含む感染防止対策物品の購入費補助を実施してまいりました。また、感染管理認定看護師が対応している相談窓口や研修会においても、換気の重要性を機会を捉えて助言しているところです。今後とも、注意喚起を続けるとともに、具体的な助言や補助制度等を通じ、保育所等の感染防止対策の徹底に努めてまいります。 次に、大綱二点目、持続可能な地域医療提供体制についての御質問のうち、総合診療専門研修プログラムを持っている県内の医療機関についてのお尋ねにお答えいたします。 現在、総合診療専門研修プログラムの基幹施設となっている医療機関は、東北大学病院、坂総合病院、東北医科薬科大学病院、仙台医療センター、仙台徳洲会病院及び石巻市立病院の六病院であり、募集定員は合わせて二十五人となっております。 次に、災害緊急医療対応車両の導入についての御質問にお答えいたします。 大規模災害時においては、DMAT等の医療チームを受け入れるとともに、自衛隊などの関係機関との連携により、各機関が保有する仮設診療所設備や野外手術システムなどの活用も含め、災害の規模等に応じて対応することとしております。県といたしましては、これら医療資源を十分に活用するとともに、関係機関と連携して必要な対応を行ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長佐藤靖君。    〔水産林政部長 佐藤 靖君登壇〕 ◎水産林政部長(佐藤靖君) 大綱四点目、ゼロカーボン社会の実現に向けての御質問のうち、木材利用推進や森林吸収オフセットの取組についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、木造化の対象を一般住宅などを含む建築物全般に拡大する公共建築物等木材利用促進法の改正を踏まえ、コストや技術面で困難な場合を除き、県が整備する施設を原則木造化とする新たな方針を定め、市町村や民間に対しても広く木造化を図られるよう働きかけているところです。また、住宅の省エネルギー化を図るため、来年度は新たに断熱性能が高いZEH住宅に対する支援を行うこととしておりますが、県産材利用サステナブル住宅普及促進事業も併せて活用することで、脱炭素化の取組が加速されるものと考えております。森林吸収オフセットについては、国の制度を活用し、県有林や登米市有林などでクレジットの取得・販売に取り組んできたところであり、持続可能な林業経営の確立に向け、制度の更なる周知を図ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱一点目、新型コロナウイルス感染症対策の改善についての御質問のうち、学校でのマスクの着用等についてのお尋ねにお答えいたします。 教育現場におけるマスクの取扱いについては、文部科学省の衛生管理マニュアルに基づき、各学校で不識布マスクの優位性や正しい着用方法について指導しているところであります。また、衛生管理マニュアルには換気の徹底による密閉の回避についても示されており、市町村教育委員会では所管する学校や幼稚園の換気設備の状況や幼児・児童の発達段階も踏まえた上で、国の交付金等も活用し、サーキュレーター整備等を必要に応じて行うなどの対策を講じております。県教育委員会としては、引き続きマスク着用や換気といった基本的な感染症対策の徹底について市町村教育委員会の理解促進を図るとともに、所管する県立学校において適切な感染症対策が実施されるよう必要な衛生用品や備品も整備しながら取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、宮城の子ども・子育て支援についての御質問のうち、オンライン授業の現状と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 県教育委員会では、新型コロナウイルス感染症対策と学びの保障の両立を図っていくため、オンライン授業全般に対応する教育用グループウエアを導入し、県内全ての自治体で同一のアプリケーションによりオンライン授業が実施できる体制を整備し、教育の情報化を推進してきたところです。県立高校の状況としてオンライン授業を抵抗なく好意的に捉えている教員や生徒がいる一方、苦手意識を持つ者、特に授業に必要なICT機器の設定やアプリケーションの操作に不安のある教員が見られることから、ICT支援員の派遣や教育用グループウエアの操作研修会等を実施し、教員のICT活用指導力の向上に努めております。現在策定中の次期みやぎの教育情報化推進計画においても、主体的・対話的で深い学びを実現する手法としてオンライン教育の取組を推進することとしており、今後も様々な場面に応じた効果的な活用を図ってまいります。 次に、デジタル・シティズンシップ教育についての御質問にお答えいたします。 デジタル・シティズンシップ教育については情報モラル等の保護的な教育から一歩進んで、自主的にデジタルのよき使い手・社会の担い手になることを目指すものであると認識しております。児童生徒が情報社会での行動に責任を持つとともに、情報を正しく安全に利用するため、現在、全ての公立学校に対し、児童生徒への情報モラル等に関する計画的な指導の実施を促しているところです。指導に当たっては、情報モラルや情報セキュリティーに加えて、ネットワークが多くの人によって支えられている公共的な場であり、自ら支える大切さに気づくこと、他者と協力して使おうとする態度など、公共的なネットワーク社会の構築を考慮した指導等も行うこととしております。今後、他県の事例も参考にしながらデジタル・シティズンシップ教育の更なる推進を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) ありがとうございました。何点か、再質問させていただきます。 最初に感染経路の件ですけれども、WHOとかの見解だといわゆる接触感染に関しては、あるかもしれないという程度の見解になっています。でも、学校現場もそうですし、いろいろな飲食店もそうですけど、皆さん一生懸命お客さんが帰った後のテーブルを拭いたり、いわゆる消毒作業に物すごい時間と労力を、更にお金も費やしている。それが果たして正しいのかという話なのかなと思っています。限られた予算・人的資源の中で、できるだけ効果的なところにお金も人も投下するべきだと私は思うんです。そもそもの感染経路の認識が、やはり間違っている……。私はそこまで詳しくありませんけれども、どうも先ほどの介護施設の話をいろいろ聞いても、やはり接触感染の可能性は低いのかなと個人的には思っているんです。確かに、何でしょう……。換気の重要性というのは最近多くなっているんです、政府のいろいろな対策を見ても。ただ、そこの根本のところを改めて科学的知見で国が考えないと、幾ら予算があっても足りないのかなと考えているんですが、その辺り知事、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 科学的な知見に基づいた対策ということは非常に重要なことでありまして、大切にしていきたいと思っておるんですけれども、御質問いただいたエアロゾルなり接触感染につきましても様々な意見があるようであります。ただ、先ほど申しましたように、現在我々が依拠しております国の基本的対処方針、あるいは手引におきましてはエアロゾルについても明記されておりますし、それからくしゃみやせきによって、それがテーブルやドアノブ等について接触という可能性についても言及されておりますので、まだまだ分からないところが多くありますけれども、我々としてはこういったものに基づいた、それぞれのガイドラインだったりに従って、指導してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) ぜひ、よろしくお願いいたします。二年以上皆さん本当に大変な思いで苦労されていて、無駄とは言いませんけれども、できるだけ効率的な対策が打てるようにしていただきたいと思います。私自身もそういうふうにしていきたいと思っています。 同じ項目になりますけれども、科学的知見ということで国でもEBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング、いわゆる科学的知見に基づいた政策の検証を、今、令和四年度予算でも結構予算を取っています。コロナ対策予算、令和二年度だけで七十七兆円使っているというのが、年末のNHKスペシャルで放送されました。東日本大震災の復興予算が十年で三十兆円をちょっと超えるぐらいだったと思いますので、異次元の対策だったと思います。それがちゃんと科学的な根拠で、間違っていたら間違っていたということで次に改善すればいいと思うんですけれども、その辺りをしっかり検証しながら事を進めていくべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) おっしゃるとおりだと思います。国もそうですけど、我々役所の悪いところは、一回動き出したら、それを止める・やめるとなると、今までやってきたことが間違っていたということを認めることになるということで、なかなかそこで止まれない、非を認められないという、そういう特性がありますので、それはおっしゃるとおり、やはりこれはおかしいのではないかと思ったら一旦立ち止まるということは、私は非常に重要じゃないかなと思ってます。そういったことでいろいろ厳しい御意見もありましたけれども、宮城県はまん延防止等重点措置を適用しなかったんですが、今のところは適用したところとそれほど大きな差がないというようなことで、そういった勇気を持ってやるというのはやはり非常に重要だと思いますので、国に対しましても知事会等を通じまして、しっかりと物申していきたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) ぜひ、よろしくお願いいたします。飲食店を中心とした感染防止について、私、最初からちょっと違うのではないかという話を、いろいろな場でさせていただいてましたが、確かにクラスターは当時も発生しましたけど、飲食店の数考えると比率からしたらほかとそんなに違うのかなというのがありましたので、その辺も含めてやはり科学的根拠に基づいてやるべきだと思いますし、ぜひ、知事のほうで進めていただきたいと思います。 次に、持続可能な地域医療提供体制についてのところで、今、四病院の統合・再編の話が進んでますけれども、具体的な話はこれからということですが、県立がんセンターの経営主体が県でなくなることというのがあるのかということと、仮にそうなった場合に今回の国で求めているガイドラインの方向性を見ると、県立病院のいわゆる役割というのは物すごく大きくなるような、逆に言うと期待が書かれていると思っているんですが、その辺りどのようになるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これも本当にまだ何も決まっておりませんで、今年に入りましてから、具体的な調整が始まったということです。本当につまびらかに、今からスタートするということを正直に、皆さんに申し上げたということです。一部誤解されて何か決まってから出したみたいに言われているんですけれども、県民の命に関わるということで、本当にスタートしたところです。ですから、まだ結果がどうなるか全く見えない。県立病院なのかもしれないし、あるいは破談になるかもしれないし、あるいはあちらのほうにお願いするかもしれないということで、場所もまだ本当に決まっていないということです。重要なのは、国のガイドラインという話でしたけれども、県として担うべき必要があるかどうか。政策医療として県が担うということは、精神医療センターのように県の中で必ず一か所は設けなければならないと。しかも二十四時間救急で非常に採算性が取りづらいところですので、これは政策医療として担わなきゃいけないという、そういった、県として県民の税金を使ってやるべき病院なのかどうかと。やはり私としては、そこに一番に軸足を置いて相手と調整していくということになろうかと思います。今いただいた御意見なども参考しながら、これからしっかり検討してまいりたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) ぜひよろしくお願いします。日本のこのコロナ感染対策で何が他国と違ったかというと、やはり民間の病院が多いので、なかなか公の強制力が出せないということがあったと思います。ですから、民間の病院にコロナの外来を受け付けてと言っても嫌だと言われればそれまで。ですから、医療資源をしっかり使い切れてないのかなと思っています。イギリスなんかはかかりつけ医と言われているところを公でやっているものですから、そこでまず外来もしっかり対応していただいて、重症化すれば総合病院に動かすということが可能でしたけれども、日本はそれができないのでどうしても、大きい病院、地方に来ればやはり公立病院、公立的な病院に負荷がかかってしまっているのかなと思います。当然、公立というのは少子化の中で大事だと思ってますけど、ぜひその辺りも念頭に入れながら御検討いただきたいと思います。 次に子供・子育てのところなんですけど、みやぎ子ども・子育て幸福計画というのがあって、令和六年まで十一の指標を掲げて、子供・子育ての政策がどのくらい進展したかというのをホームページでも掲げられています。ただ、これ、情報がアップデートされてなくて、令和元年までがマックス新しい指標で、せっかく予算をかけて子育て支援やっても、宮城県の今の子育て対策がどうなのかというのが、本当に分かりにくい。こんな予算やこんな事業をやってますというのがPDFの羅列でだーっと出てるんですが、あれ、見る気にならないと思うんです。住民基本台帳人口移動報告によると、全体的には、三十七道府県が転出超過になってるんですけど、三十代・四十代だけで見ると実は転入超過の都道府県がすごく増えていて、子供・子育てとか住宅政策をしっかりやっているところに、若い世代が入ってきているというような調査もあります。まずはぜひ、宮城県がこんな子供・子育て政策をやってるというのを、しっかりホームページ等を通じてアピール、PRするべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) みやぎ子ども・子育て幸福計画の周知の仕方ということであります。ホームページの内容、それから出し方など私もよく確認して効果的な内容に改めたいと思っています。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) 最後です。風力発電のところなんですけど、私もいろいろ調べたら、やはり風況がヨーロッパと比べて悪いとか浅瀬が少ないのでコストがかかるとか、あまり進めるのは難しいのかな最初思っていたんですけど、いろいろ国は今回相当気合を入れて計画を立てて、銚子市沖とか岩手県の久慈市沖とか、そういったところもこれから洋上風力を進めるということになっているようです。宮城県としてもぜひ進めるべきだと思います。改めて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 環境生活部長鈴木秀人君。 ◎環境生活部長(鈴木秀人君) まず、県内の検討状況を申し上げますと実は五年前に遡ります。平成二十八年に官と民と学から成ります研究会を設けまして、洋上風力の導入可能性を検討いたしました。その結果といたしまして、地区として好ましいのではないかということで、県内二か所を選んだのですが、そのうちの一か所は地元の合意が得られず、最後に残ったのは一か所でございました。その一か所について公募事業者ということで募集をかけまして、令和元年度時点になりますけれども、まずそれに応募していただいて事業者が決定したという事実があります。ただ、いろいろその後地元の調整とか事業者内でのいろいろな経営状況、あるいはその採算性を検討した結果として、その直後にこの公募事業者が導入を断念したという経緯があります。なので、まだまだ採算性については非常に厳しいものがあると思っておりますけれども、議員御指摘のとおり風力に関するコストもかなり下がっているということでありますし、技術の動向とか先行事例などを、これからも県としても引き続き注視し検討してまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 四番石田一也君。 ◆四番(石田一也君) 終わります。 ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩-----------------------------------    午後一時再開 ○副議長(外崎浩子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。十九番櫻井正人君。    〔十九番 櫻井正人君登壇〕 ◆十九番(櫻井正人君) 自由民主党・県民会議、櫻井正人であります。議長から発言のお許しを得ましたので、大綱四点の一般質問をさせていただきます。 まず初めに、このたびの新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々及び御家族、関係者の皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者の皆様をはじめ行政の皆様など感染拡大防止に御尽力されている皆様にも心から敬意と感謝を申し上げます。 それでは、大綱一点目として、コロナ禍の観光戦略についてお伺いいたします。 宮城県の代表的な観光地といえば松島であると誰しもが認識しているところであります。松島においての統計では、二〇二〇年中の入り込み数は百六十万七千百七十二人で、二〇一九年との比較では約四六%の減となっており、二〇二一年においては更なる落ち込みとなり、入り込み数は百二十三万九千百五十五人にとどまり、統計の残る一九八九年以降で過去最低を記録いたしました。これらの主な原因は新型コロナウイルス感染症の影響によるところが大であり、昨年の上半期一都三県で始まった緊急事態宣言や宮城県へのまん延防止等重点措置適用で客足が低迷し、重点措置が解除された七月に初めて十万人を超え、二〇一九年七月の約半分に戻りましたが、八月下旬からの宮城県への緊急事態宣言と重点措置で再び減少に転じました。重点措置解除後の十月以降は回復基調になり、十一月は春先から延期が続いておりました小・中・高校の修学旅行も重なって、二〇二一年最多の約二十六万人を記録し、二〇一九年十一月同月比で七一%まで戻りました。修学旅行につきましても、これまでは東北近県から大半を占めておりましたが、特筆するならば栃木・茨城両県を中心に北関東の中高生が来訪していただき、新たな転換期を迎えられる機会を松島町当局及び観光業者一丸となり、誘客を図っている状況であります。宮城県といたしましても、更なる協力体制の構築を図っていただきたいと考えておりますが、所見をお伺いいたします。 次に、昨年の新型コロナウイルス感染症第五波により落ち込んだ宮城県内の宿泊・観光需要の早期回復を図るため、みやぎ宿泊割キャンペーン「泊まって応援!宿泊割引&クーポン付きプラン」を次に掲げる内容にて実施されて好評であると聞き及んでおります。詳細については、宮城県在住の方を対象に事業者を通して予約した宿泊プランについて、一旅行一人当たりの宿泊代金の二分の一または五千円のいずれか低い金額を支援。一人泊当たりの割引額に応じてクーポン券を配布、宿泊割引五千円の場合は二枚、五千円に満たない場合は一枚配布。このような支援をされている中での第六波を迎え、一月二十一日から東京都をはじめ、全国に拡大の様相を呈している中において、まん延防止特別措置が発令されており、宮城県においてもいつ発令されてもおかしくない不安な状況が続いております。このままの状態が続きますと、新しい生活様式に見られるとおり今までの日常生活を取り戻すことは困難になっており、そのため多くの業種で影響を受けるのではないかと危惧しております。また、当初一月末より国で進める予定だったGoToトラベルの再開もずれ込んでおり、殊さら地域経済を支える観光事業者は疲弊し、どん底状態が続くことになります。当局の今後の展望等をお伺いいたします。 次に、外国人観光客宿泊者数は、平成二十八年では十七・五万人泊で、令和二年の目標数値五十万人泊は一年前倒しの令和元年に達成するなど一定の成果を出してきましたが、今後第四期みやぎ観光戦略プランでインバウンドに特化した観光戦略をどのように見直していくのか、中長期的にアフターコロナのインバウンド戦略において、どのようなターゲットで行っていくのか、お聞かせください。 台湾は観光経済新聞によりますとアフターコロナの観光地として東北は第四位という統計が出ております。コロナ前、台湾は週十九便、タイは週三便、そのほか韓国や中国便もありましたが、航空便を回復させていくためには航空会社が飛行機を飛ばすためのインセンティブ・メリット等が必要であると考えます。仙台空港国際線の再開に関して宮城県はどう捉え、どのように海外路線を展開していくのか、お聞かせください。 これまでは宮城県を知ってもらうための施策として、県庁舎内で考えた観光振興を具現化すべく、広告代理店等に協力を仰ぎながら芸能人を活用し、県のPRを行っていたと考察いたしますが、今後は地域観光関係者が一体となった観光振興体制として、昨年発足したみやぎ観光振興会議を最大限に活用し、地元の各種団体との話合いの中で各種団体に協力を仰ぎながら官民連携し、共有した目標にお互いの知恵と行動で取り組むべきと考えます。みやぎ観光振興会議内では、今までの観光における事業の検証も必要だと考えます。より多くの意見を頂戴しながら検証し、みやぎ観光振興会議の内容を県民の皆様に広く開示することで、県民の皆様方の観光に対する機運や世論の醸成を高めることにつなげる必要があると考えますが、いかがでしょうか。 次に、大綱二点目として、地方創生事業についてお伺いいたします。 宮城県では、観る、遊ぶ、学ぶをコンセプトに、水上輸送を活用した松島湾周遊ツーリズムの造成や地域資源・環境を生かした体験型アクティビティーの創出、農業・漁業体験等を通じた体験学習コンテンツ造成、地理・歴史・文化・防災等の松島湾学習コンテンツ造成、ガイド人材の育成、地域のプロモーション等に取り組み、松島湾地域における滞在時間の長期化と消費額の増大など観光振興を図るとともに、東日本大震災から十年目を迎える節目の年に、復興観光地として、国内外からの交流人口の拡大による雇用人材の確保及び地域経済の活性化に重点的に取り組む事業として、昨年度、松島湾周遊体験観光地整備事業がスタートしましたが、事業の進捗状況及び今後の展望をお伺いいたします。 また、昨年四月からは東北六県が合同で六か月間行う広域デスティネーションキャンペーンが「巡るたび」では様々なテーマ・ルートで周遊、「出会う旅」では複数県の観光資源をテーマで連携し、単県ではアピールできなかった新しい魅力を創出することで、自然・歴史文化・食等を通じ、幾つもの出会いや発見にあふれた表現、楽しみをアピールし、旅をすればするほど奥深さを感じていただくというコンセプトで開始される予定でありましたが、新型コロナウイルスの感染の急拡大により、延期若しくは中止せざるを得ない状況となりましたが、これらの事業のリベンジ、若しくはバージョンアップしての取組など、当局の考えをお聞かせ願います。 次に、大綱三点目として、今後の道路行政についてお伺いいたします。 宮城県内の渋滞対策について、総合的な整備計画を策定することを目的とした宮城県渋滞対策連絡協議会の令和二年度からワーキンググループを立ち上げ、様々な交通課題へ対応できることを再確認するため議論を活性化させてきており、その中の観光渋滞について交通状況をモニタリングし、議論を重ね社会実験へと聞き及んでおりますが、過去にも平成二十五年度十二月初めの土日二日間、平成二十六年度八月末の一週間と二か年にわたり、国道四十五号松島海岸地区の通過交通を分散し、観光シーズンにおける交通環境の改善、名勝・松島のイメージアップを図るため、松島町交通社会実験協議会を設置し、社会実験を行っております。その取組内容は、ホームページのバナー・ラジオでの広告、道路情報・交通情報板での周知、チラシ・ポスターの掲示、誘導員の配置、信号現示の調整、荷さばき施設の設置等であり、結果について大型自動車の問題では全交通量の約一割が分散され、渋滞の問題については駐車出入り交通や荷さばき車両は交通負荷軽減のみでは解決できない。その他として、歩道が狭く歩行者が横断するところが少ないことや、観光ピーク時は旅行速度が著しく低下する、という結果が出されております。今後の課題は駐車場出入り交通・荷さばき車両による交通阻害を軽減する対策の検討、沿道交通機関の改善、観光ピーク時の渋滞対策の検討、大型車軽減に向けた取組が必要となります。こうしたことを踏まえ、県では松島海岸地区における大型車の軽減などについて、来年度には更なる社会実験を実施する予定と聞き及んでおりますが、具体的な内容等をお聞かせ願います。 次に、大綱四点目、農業政策についてお伺いいたします。 スマート農業について、宮城県による今後の展望についてお伺いいたします。 宮城県におかれましては、スマート農業の重要性も考慮した耕作者で構成されるネットワークグループ化の募集をしている状況であります。宮城県では本事業が出遅れており、現在の農業従事者は最新の機械を導入するのになかなか資金投資することをちゅうちょしているのが現状であります。このままでは農家人口の減少に拍車がかかり、衰退していくことが目に見えております。そもそも、スマート農業の自動大型機械操作可能な農家が宮城県の中で何人もいないことが言えます。東北の中でスマート農業に特化し、人材育成の最先端な都道府県は秋田県であります。ICTを活用したスマート農業の研究組織、アグリイノベーション教育研究センターを令和三年度に秋田県立大学に設置し、産学官が連携して最先端技術開発に取り組むほか、スマート農業に精通した人材を育成する方針であります。秋田県大潟村に設置された当該教育研究センターは農場百六十四ヘクタールを活用し、農学系と理工学系の研究者十五人が共同で研究を進め、衛星利用測位システムを活用した自動運転のトラクターや自動収穫ロボットなどの実証実験や農地をデータ化して仮想空間に農地を再現し、気候や土壌など条件を変更して最適な生育環境を探るシミュレーションの実施計画が進んでおります。更に、秋田県はスマート農業の普及に当たるスマート農業指導士認定制度を新たに創設し、県内の農家や営農指導員にセンターでの教育プログラムを受講してもらい、県内高校にスマート農業体験・学習できる場として設備を提供することも想定しております。早期に導入しなければならないのは、農業現役世代を対象としたスマート農業の運転技術を指導する機関を充実させることだと思います。大型機械を購入したが操作が不十分であれば宝の持ち腐れにすぎません。また、現役世代の農業従事者の年代が六十代であり、メーカーが指導するだけでは運転技術を理解することが難しいと言えます。そのため、農家にとって受講しやすい教育機関を確立しなければならないと考えます。政府は、岸田文雄首相を議長としたデジタル田園都市国家構想実現会議を開き、農業は二〇二〇年度から五年間、農業大学などスマート農業に精通した人材を年間三万人育成する目標を掲げました。農村活性化などでデジタル化による地域づくりを担う中核人材も百地区に配置するようであります。内容としましては、職業訓練などを通じ二〇二六年度までデジタル関連の技術を身につけた人材を二百三十万人確保するというものであります。そこで、宮城県ではスマート農業の人材育成をするため、施設の増設や研修施設を整備する計画が今後あるか、また、スマート農業指導士の促進計画があるか、併せて伺います。 次に考えるのは、スマート農業の若手担い手の育成機関の充実であります。最新技術を取り入れたとしても、農業を持続していかなければ活性化につながりません。若い世代からICTを活用した農業機械の運転技術を磨き上げ、農業高校からその技術を訓練することが必須だと思われます。農業高校、農業関係者で組織する全国学校農場協会は令和二年度関東地区と隣接する一都八県にある栽培系の学科を対象に農業高校での情報通信機器、ICT機器の整備状況調査を行いました。その結果、導入したのは二八%にすぎず、そのうち導入機器の三三%は十万円未満であり、タブレット端末やドローンが買える程度の金額でありました。教育予算の中で園芸施設の環境制御や家畜の繁殖管理、トラクターの自動操舵機器など農業経営を全体で見える化できる仕組みや、省力化を狙った大型自動システムの導入は予算的にハードルが高いと思われますが、当然国の支援を含めて都道府県の予算措置が今後必要であります。安価な機材を場当たり的に導入するのではなく、農業の作業、運営を体系的にスマート化ができるように事業計画を策定した実施導入を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、スマート農業は単品の機器だけではなく体系的に整備したとき効果が生じます。育成が後退すればするほど、明日の農業が衰退する一方であり、ここで歯止めをかけるため、スマート農業を教える人材の育成確保や若い担い手の長期的な教育や教職員の研修への支援も考えていかなければならないと思いますが、伺います。 続いて、スマート農業の導入における農家向けの補助情報周知の徹底であります。 スマート農業活用補助事業が一部の法人だけしか認識しておらず、一般的な農家はその補助手当も認識してないと思われます。松島町の農業者に話を聞く限りでは認識していない方が大半でありました。しかしながら、スマート農業の活用方法は認識しているようであります。令和二年度宮城県が農業従事者向けにドローンを活用した農業の研修を開きました。松島町内の事例で申しますと県営復興基盤総合整備事業手樽地区を題材として、補完工事の根拠材料や稲の生育状況や地盤の均平工事の根拠として、ドローンを活用したそうであります。その結果、営農の作付コストの削減や補完工事費の削減にもつながったということでありました。その後、研修に参加した法人、数人の農家は令和三年度において高性能ドローンをリースで活用し、取り入れたと聞いております。これはまさにスマート農業の情報促進効果であるということが言えます。これを踏まえ、宮城県ではスマート農業の効果、導入への広報周知を積極的に活用することや補助金の導入や採択の条件緩和を積極的に図り、小規模農家が導入できるような構築を行っていかないといけないと思いますが、どうか伺います。 次に、農業DX構想による宮城県の取組や今後の展望についてお伺いします。 農業デジタル・トランスフォーメーション構想、略して農業DXの実現について宮城県の見解をお聞きいたします。 政府は、デジタル活用で地域の課題解決に取り組む自治体を二〇二四年度までに一千にするといった目標を掲げました。実現に向けて二〇二二年度当初・二〇二一年度補正の両予算で、計五兆七千億円を投入するとしております。農業DXは農業の効率化が一番の目的であり、そのために生産や流通、行政の手続を大幅に効率可能にするなど、農業を新しい産業に変革することが狙いであります。自動運転トラクターやドローンなどスマート農業は可能性を秘め、体力的にサポートし、高齢者や女性、身体の不自由な方も農業を可能にするメリットがあります。企業の参入といたしましても、大手自動車メーカーは先端技術を活用した農業支援分野に本格的に参入し、自動車総合商社は令和四年度に農業支援に向けたシステム販売を開始するほか、系列自動車部品メーカーも取組を加速し、自動車生産で培った効率化の考えを基に高齢化や担い手不足など、課題が多い農業分野を新たな商機としております。このように企業と農のタイアップする計画や立案が、宮城県では考えがあるか、お伺いいたします。 次に、半農半Xと二種兼業農家への取組について伺います。 戦後の農業を支えてきたのは、収入の多くを他産業から得てきた第二種兼業農家であります。農産物を自給自足する兼業農家は自家消費しない余剰を市場に出す。この余剰生産物が結果的に多品種となり、我が国の食料を支えてまいりました。第二種兼業農家は過去二十年間で六割減少し、しかも農業従事者の平均年齢も六十二歳と高齢化が進んでおります。このままでは離農に拍車がかかり、自給率の更なる低下は不可避であります。これからは第二種兼業農家を主体とした農業政策へ早急に方向転換しなければなりません。そのためには、兼業収入が得られる雇用の場をつくるため、農村地帯に企業を誘致することが今後必要になってくるかと思います。今は農業用機械の進歩も著しく、週休二日制を利用した農作業でも相当の農産物が生産できます。この政策が大都市圏の過密を解消し地方を活性化する効果もあり、生活資材の国内生産による安定供給が可能となります。農業者の減少に歯止めがかからない中、新たな担ぎ手として農業と他の仕事を両立させる半農半Xへの関心が高まってきております。農林水産省の二つの有識者会議が合同会議を開き、人口減少や新型コロナウイルス後を見据えた新たな農村政策案を示しました。農村で半農半Xなど多様な人材を確保するため、地域資源を活用した事業の創出を提起し、集落の共同活動を支援する組織の育成も打ち出しました。また、農地の荒廃防止に向け、受け手のない農地では有機栽培や放牧など粗放的な利用を進める方針も示しました。新しい農村政策の在り方及び長期的な土地利用の在り方の両検討会が中間取りまとめ案として示しました。農林水産省政策案によると、人口減少や新型コロナウイルス禍後の社会変化を見据え、人口分散と持続的低密度社会の実現を掲げました。農村で所得と雇用を確保するため観光や食品製造など農業以外の仕事も含め、事業を創出する、農山漁村発イノベーション推進を提示し、第六次産業化を発展させ、半農半Xなど農業に様々な形で取り組む人が地域に定着できるようにすると記述されております。そこで、農村減少などを踏まえた新たなる農村政策の案として、農村における所得と雇用機会の確保による半農半X実践者らの定着に向け、地域資源を基に事業を創出する農山漁村発イノベーションを推進する具体的な案を検討すべきと思うが、伺います。 また、農村を支える新たな動きや活力の創出として地方自治体職員ら対象に地域づくりを支援する農村プロデューサーを養成し、農村に関わる関係人口の創出・拡大を図ることを検討すべきと思うが、いかがですか。 以上、大綱四点において、壇上からの質問といたします。 御清聴ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 櫻井正人議員の一般質問にお答えいたします。大綱四点ございました。 まず、大綱一点目、コロナ禍の観光戦略についての御質問にお答えいたします。 初めに、松島における観光振興についてのお尋ねにお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な観光客の減少で、松島町をはじめとする県内観光地では地域経済に大きな打撃を受けており、官民一体となって積極的な誘客活動を行っていくことが大変重要であると認識しております。このため県では県民宿泊割引による需要喚起のほか、落ち込んだ団体旅行の誘致に向け、宿泊や遊覧船事業者などと連携して、県内はもとより首都圏や北海道、中部以西をターゲットに教育旅行誘致セミナーや商談会の開催など鋭意取り組んできたところであります。県といたしましては、喫緊の課題である観光需要の回復に向け、教育旅行をはじめ、来月から実施する宮城県制百五十周年記念観光キャンペーンや松島湾周遊体験観光地整備事業などの各種誘客活動に松島町や観光事業者、仙台・松島DMOなどの関係団体と一丸となって取り組んでまいります。 次に、GoToトラベルキャンペーンの展望についての御質問にお答えいたします。 国の観光需要喚起策について、昨年十一月時点では年末年始の感染状況等を確認した上で、全国規模の新たなGoToトラベルキャンペーンを実施することとされておりましたが、現時点で開始時期は不透明な状況となっております。一方で、長引く新型コロナウイルス感染症の影響によって、裾野の広い観光産業全体が大変厳しい状況に置かれており、地域経済の早期回復を図るため、切れ目のない需要喚起策の実施が必要であると認識しております。県といたしましては、さきの予算議案でお認めいただいたゴールデンウイーク後の需要喚起策の迅速かつ円滑な実施に向けて準備を進めるとともに、国に対し、より効果的な需要喚起策が行えるよう実施期間などの柔軟な取扱いを要望してまいります。また、ウィズコロナやポストコロナに対応した観光関連産業の収益性の向上や、持続可能な地域づくりに向けて現在策定中の第五期みやぎ観光戦略プランに掲げる、魅力あふれる観光地づくりや観光産業の体制強化などの成長戦略を踏まえ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。 次に、国際線の再開及び今後の路線展開についての御質問にお答えいたします。 現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、仙台空港発着の国際線は全便運休となっておりますが、世界各国の航空会社で構成される国際航空運送協会、通称IATAの需要予測では、令和五年には新型コロナウイルス感染症が広がる前の水準まで旅客需要が戻ることが示されております。また、国においては、外国人の新規入国制限の見直しなど水際対策の緩和を段階的に進めており、来年度中に順次国際線が再開されていくものと考えております。そのため、これまでの新規路線の誘致・定着に向けた助成に加え、既存路線の運航再開等に向けた新たなインセンティブとして、航空会社が負担する手荷物の運搬や駐機場への誘導等に係る費用を補助するための予算につきましても、今議会にお諮りしているところであります。県といたしましては、これらの支援を最大限活用するとともに、運用時間二十四時間化のメリットを生かし、仙台国際空港株式会社や仙台空港国際化利用促進協議会とも連携をしながら、既存路線の再開と新規路線の誘致に積極的に取り組んでまいります。 次に、大綱三点目、今後の道路行政についての御質問にお答えいたします。 松島海岸地区を含む日本三景松島は国内有数の観光地でありますが、主要幹線道路である国道四十五号が通過しており大型車両を含む交通量が多いことから、慢性的な交通渋滞や観光客を含む歩行者の安全確保等が喫緊の課題であると認識しております。このため県では、これらの課題の解決に向けて効果的な取組を検討するため、来年度から交通社会実験を行うこととし、宮城県渋滞対策連絡協議会の下部組織として昨年二月に立ち上げた観光渋滞ワーキングにおいて、その内容を協議しているところであります。具体的には、過去に実施した交通社会実験の検証結果やにぎわいのある道路空間の構築を目的に創設された歩行者利便増進道路制度等も踏まえ、大型車両の流入抑制対策や観光客の安全で快適な通行・滞留を可能とする一部車線規制等の実施を考えております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により低迷した松島海岸地区の観光客の回復と更なる拡大を図るためには、渋滞対策等を含めた魅力ある観光地づくりが大変重要であることから、県としては引き続き国や松島町等の関係機関と連携し、地域住民や地元商店街等の観光事業者、物流・運輸事業者などの御意見も伺いながら、交通社会実験の円滑な実施に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。 次に、大綱四点目、農業政策についての御質問のうち農業分野への参入を進める企業との連携についてのお尋ねにお答えいたします。 ICT関連技術の革新が進んでいる状況においては、農業分野においても企業等との連携はますます重要になるものと認識しております。これまで県では、トヨタ自動車株式会社が開発した農業生産工程の管理ソフトを活用した生産の効率化や豊通食料株式会社とのスマート商流の実証など、企業とタイアップした取組を進めております。更に今年度はスマート農業技術の普及・拡大に向けて、株式会社クボタとの包括連携協定を締結いたしました。県といたしましては、第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画のキャッチフレーズに掲げた共創力強化、共に創る共創ですけれども、共創力強化の実現に向け、企業との連携を更に強化し、スマート農業先進県を目指して頑張ってまいりたいと思います。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱一点目、コロナ禍の観光戦略についての御質問のうち、観光戦略の見直しと中長期的なインバウンド戦略についてのお尋ねにお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響により、観光を取り巻く状況が大きく変化したことから、県では第四期みやぎ観光戦略プランを一部改定し、その実施計画となるみやぎ観光回復戦略を令和二年十一月に策定しております。今後の観光戦略に当たっては、まずはこの回復戦略に基づき、社会経済活動の回復フェーズに応じた誘客の取組を実施し、その範囲を県内から東北域内、国内、海外へと順次拡大させていくこととしております。一方、感染拡大が落ち着き、入国制限が解除された段階でインバウンドが急速に回復するとの予測もあることから、県といたしましては再開に向けた準備にもしっかり取り組む必要があると認識しております。このため、アウトドアアクティビティーをはじめ外国人旅行者にも訴求力の高い観光資源の磨き上げなどの受入れ体制整備や、これまで来訪者が多かった台湾、中国、韓国、香港市場を中心に、旅行博出展や旅行会社招請等の誘客活動に、東北各県や東北観光推進機構などの関係機関と連携し、積極的に取り組むこととしております。 次に、みやぎ観光振興会議における取組と機運醸成についての御質問にお答えいたします。 県では、官民が連携し、地域が抱える課題を的確に捉え、より効果的な観光施策を展開するため、多様な観光事業者等で構成するみやぎ観光振興会議を令和二年六月に立ち上げ、これまで全体会議七回、圏域会議も含め計五十三回開催してまいりました。本会議では、現在第五期みやぎ観光戦略プランの策定に向け、これまでの施策の評価・検証も踏まえながら、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた観光の回復策とともに、ウィズコロナ、ポストコロナを見据えた今後の観光施策の方向性や事業展開などについて御議論いただいており、資料や議事概要は県のホームページで公開しております。県といたしましては、引き続きみやぎ観光振興会議の圏域会議などを通じて、地域の現状や課題などを丁寧にお伺いし、具体的な施策展開につなげるとともに、地域の方々の郷土への誇りと愛着を尊重しながら、観光に対する機運の醸成を図ってまいります。 次に、大綱二点目、地方創生事業についての御質問のうち、松島湾周遊体験観光地整備事業についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、日本三景松島の魅力を一層高め、国内外から多くの観光客に訪れていただけるよう令和二年度から仙台・松島DMOが主体となり、県と地元三市三町が連携し、松島湾周遊体験観光地整備事業を実施しております。この事業では、地元産業の特徴を生かした農業漁業体験プログラムの開発、浦戸諸島を周遊するツーリズムの造成、松島高校と連携したガイド人材育成などを実施しており、これらの取組をガイドブックやウェブサイト上で紹介するとともに、松島離宮におけるプロジェクションマッピングの導入など、松島湾地域の魅力向上に向けて更なる磨き上げを行っております。県といたしましては、今後魅力的なプロモーション動画の配信などSNSでの情報発信の強化とともに、オンラインツアーを活用した学校教育旅行関係者へのPRの充実など、ポストコロナを見据えながら官民一体となって松島湾地域の誘客促進と地域活性化に取り組んでまいります。 次に、東北デスティネーションキャンペーンを踏まえた今後の取組についての御質問にお答えいたします。 東北DCについては、各地域において観光資源の磨き上げを行い受入れ準備を整えてきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により昨年四月からの各種イベントの多くが中止となるなど、想定した誘客活動を十分に行うことができませんでした。県といたしましては、今年四月から始まる宮城県制百五十周年記念観光キャンペーンをポストDCと位置づけ、東北DCで磨き上げた様々な観光資源をレガシーとして活用し、強力にプロモーションを展開することとしております。更に来月から六月まではJR東日本が南東北三県を重点販売地域として指定し、集中的に宣伝展開や送客を行うこととなっており、こうした好機を生かしながら感染状況を見据え、山形・福島両県とも連携し、首都圏を中心に積極的な誘客活動を展開してまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱四点目、農業政策についての御質問のうち、スマート農業を実践する人材の育成についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年三月に策定した第三期みやぎ食と農の県民条例基本計画では、農業生産性の向上や省力化を図るため、ICT等を活用したスマート農業を含めたアグリテックを推進することとしております。このため県では、令和元年五月に設立したみやぎスマート農業推進ネットワークを活用して各種セミナーや実演会などを開催し、関連機器の活用方法や導入効果について理解促進を図るとともに、スマート農業を実践する農業者の育成に努めております。その会場としては、農業・園芸総合研究所や古川農業試験場のほか、県内で国の実証プロジェクトに取り組み、最先端の機械や施設を導入済みの実証農場を使用しており、今後もこれらの施設等を活用することとしております。このほか県では、外部専門家や先進的に取り組んでいる農業者等をみやぎアグリテックアドバイザーとして登録し、新しく取り組もうとする農業者に派遣することで先進技術の早期習得を支援しております。県といたしましては、他県の事例も参考にしながら引き続きスマート農業を実践する農業者の育成に取り組んでまいります。 次に、スマート農業を教える人材の確保等についての御質問にお答えいたします。 県では、就学段階からの一貫した農業教育により担い手を確保するため、平成三十年度より県農業高等学校と県農業大学校による高大連携推進事業を実施し、スマート農業やGAPに関する連携事業を実施してまいりました。また、昨年度には国事業を活用し、農業大学校にICTを活用した農業機械・設備等を導入し、スマート農業実践の即戦力となる人材の確保・育成に取り組んでおります。更に、昨年六月には農業関係高等学校十一校、宮城大学及び農業大学校が参画する宮城県農業教育機関連携推進会議を新しく設置し、県が行うスマート農業に関する研修等に高等学校教員も参加できるようにしております。県といたしましては、引き続き農業関係高等学校と農業大学校等が連携し、将来の担い手の確保・育成に向けてしっかりと取り組んでまいります。 次に、スマート農業の広報と導入要件についての御質問にお答えいたします。 スマート農業には省力化などのメリットがあるものの、農業機械・施設の導入にコストがかさむため、補助事業を使ったとしても一定の経営規模が必要となります。例えば、農薬散布用ドローンを使用した実証事業では、費用対効果を考えますと六十ヘクタール以上の経営面積が必要とされております。このため、スマート農業の推進に当たっては、主として農業法人などで組織するみやぎスマート農業推進ネットワークや地域の中心的な担い手に対して、スマート農業の導入効果と活用可能な事業等について情報提供してまいりました。一方で、小規模であっても高齢化などの理由により省力化技術の導入を望む農業者の方に対しましては、費用対効果を考慮して共同利用や水位センサーなどの安価な機器導入により生産性向上を図っていただけるよう取り組んできたところであります。県といたしましては、今後とも農業者の経営形態に応じたスマート農業の活用や省力化技術の導入を推進し、地域農業の維持・発展につなげてまいります。 次に、地域資源を基に事業を創出する農山漁村発イノベーションの具体的な取組についての御質問にお答えいたします。 農山漁村において所得向上と雇用機会の確保を図るためには、従来の六次産業化にとどまらない地域資源を活用した多様な人材によるビジネスの創出を図ることは重要であると認識しております。県ではこれまでに県産ワインと地域食材によるマリアージュの取組や、地域内の複数の異業種が連携し多彩な地域資源を組み合わせたペアリング商品の開発などを支援してまいりました。この取組を通じて大和町のワイナリーではレストランや宿泊施設の経営を開始したほか、県内四地域において農林水産物や日本酒、工芸品等が一つになったギフト商品の試験販売が行われております。また、六次産業化の商品開発の支援も行っており、その支援を受けた地域おこし協力隊員が地場産の規格外のナシを使ったレトルトカレーを商品化した事例なども誕生しております。県といたしましては、半農半Xを含む多様な人材の地域への定着を図るため、引き続き魅力ある地域資源を活用する農山漁村発イノベーションの支援に取り組んでまいります。 次に、農村における関係人口の創出や拡大についての御質問にお答えいたします。 人口減少や高齢化が進む農山漁村を維持・活性化するためには、交流人口や関係人口の活用が重要であり、中でも近くに暮らしながら地域をサポートする人材として、地方自治体職員等が活躍することは大切なことと認識しております。国では、今年度より地方自治体職員等を対象とした農村プロデューサー養成講座を開催し、職員自らが地域に寄り添ってサポートする体制の構築を進めており、我が県職員を含む県内の地方自治体職員も受講しております。また、県においても地域コーディネーター育成研修会の開催、都市住民や企業と農山漁村地域のマッチング等を通じて、地域づくりを支える人材の育成に取り組んでおります。県といたしましては、このような活動の継続により、農村における関係人口の創出・拡大に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱四点目、農業政策についての御質問のうち農業高校におけるスマート農業の学びと関連機器の導入についてのお尋ねにお答えいたします。 農業分野での急速な技術革新が進む中、次代の農業を担う人材を育成していくためには、農業高校においてもICTや人工知能などの先端技術を活用し、省力化や品質の向上を図っていくスマート農業について学ぶことは重要であると認識しております。我が県の農業高校では、企業の協力を得ながら自動運転田植機を用いた実習やドローンを活用した生育調査などの新しい技術を取り入れた授業を実践しております。また、今年度国の学校施設環境改善交付金等を活用し、複数の農業高校に温室制御装置や牛舎飼養管理システムなどの農業設備を導入し、スマート農業の学びに対応できる教育環境の整備に努めたところです。今後も、必要な機器が計画的に導入できるよう国に支援を求めながら、企業や関係機関等と連携し新たな時代を見据えた農業教育の推進に向け取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 十九番櫻井正人君。 ◆十九番(櫻井正人君) それでは再質問を行います。 まずはコロナ禍の観光戦略についてでありますけれども、このたび昨日から、松島の瑞巌寺で、これまでは本堂を拝観することは一切やってはならんとかたくなにやっていましたが、今は数を限定しながら本堂を拝観してもらうという取組をするようになりました、やっと。観光船があって瑞巌寺に行ってというパターンで松島ではやってきたんですけども、ここに来て瑞巌寺ではこの事業を取り入れないと、今後のコロナ下の、若しくは拡大が収まったときに用意スタートではもう遅いというような危機感を持ったんだろうと思います。こういう少しでも観光客の方にとって安心・安全な感染症対策にしっかりと取り組んでいくというのがどんどん増えてきていると。これまで経験したコロナ対策のいい部分の取組だなと思ってます。これについては、私も観光協会と一緒に手助けできる分は全力をもってやるというようなことでやっております。ですから、そういう部分を少しずつでも県のほうもタイアップして、そこで一緒になってやっていくという施策が必要だなと。こっちはこっち、我々は我々、そういう垣根を全部取っ払って。今からはそういう方向でいかないと絶対にコロナに負けてしまいます。その辺、いかがですか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 本堂の拝観まで踏み込んだということは本当にすばらしいことだと思いますし、感謝を申し上げたいと思います。今でもいろいろ連携は取れていると思いますし、新たな組織もつくっております。また、松島の場合はDMOもございますので、そういったものがそれぞれ独立して運動するのではなくて、やはり連携しながら手を合わせてやっていけるように、しっかりと先頭に立って頑張ってまいりたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 十九番櫻井正人君。 ◆十九番(櫻井正人君) どうかお願いしたいなと。一般質問でお願いはやめなさいということで若いとき言われたんですが、何とかお願いをしたいなと思っております。 それで、連携を取りながらやっていくわけですけども、GoToトラベルなりどこでできるようになるか分からない状態です。ですから、観光と地方創生は基本的にはコロナ感染者が減少しないと。去年の数字でもしっかり分かるとおり、ゼロまで行ったときとかがんと観光客数上がってきましたので、これはもう誰でも同じような感覚だと思います。で、数字に表れているとそれを分析しながら……、分析はもういいですね。とにかく感染者数を減らすという努力を、国もしっかりやってもらわないと困る。蔓延とか重症者数を出しているのもいいですけど、基本的に観光地なり地方の経済が疲弊するような状態では、これ以上は多分体力もなくなってきますので、私それを危惧しているんです。ですから、しっかりと知事会を通じて国のほうにもよろしくお願いしたいなと。やわらかい口調なのか、もうぎっちりやれと言うのか、知事会を通じて今の状況を打破するために、しっかりと国に要請していっていただきたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 近いうちに知事会があります。この間、この議会で答弁したように、三月は人が移動する時期でありますので、全国の知事で協力してまずはワクチンを県外に行く人は早めに打ってくださいということを働きかけようということを提案しようと思っております。こういったようなものは、当然国がリーダーシップを発揮するわけですが、国任せでは駄目で我々、責任を持って、県としての役割をやらなければいけないと思っております。ワクチンにつきましては、人気のあるファイザーもだんだん入ってくるようになったようでありますので、できるだけ早く一人でも多くの方にワクチンを接種していただけるように。そして、なるべく子供にも協力していただけるようにお願いをして、早くワクチン接種が進んで、終息するように努力してまいりたいと思います。それがまず何よりも一番だろうと思っております。 ○副議長(外崎浩子君) 十九番櫻井正人君。 ◆十九番(櫻井正人君) それでは大綱三点目でありますけれども、今後の道路行政についてですが、これは長年の懸案で、しばらく前からここはどうするかということで本当に皆が協力していろいろな知恵を出し合ったんですけど、いまだこれに至っていないというのが現状だと思うんです。県道八号、通称利府街道も同じであります。並行して走ってますし、やはり国道四十五号の松島の渋滞も兼ね合ってますので、それをどうやって……、新しい道路を造ればすぐできますけども、これをどうやって迂回させていくかというのが最重要課題だろうと思います。ですから、この社会実験に対しては協議会をつくるわけですから、それらを分散しないで、丸くしっかりと協議会を固めて、実施に臨んでいただきたいなと思いますが、いかがですか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) この事業につきましては、私も相当強い思い入れがありまして、東日本大震災でちょっと中断したんですけども、東日本大震災の前から何とかしなくてはいけないということで、いろいろ知恵を出してもらっております。と言いますのは、ちょっと長くなるんですけども、日本三景の一つであります安芸の宮島、私あそこに行きまして、大変すごいなと思ったのは、広島県というのはあちらこちら島がいっぱいあってほとんど島に橋が架かってるんですけども、あえて宮島には橋を架けてないんです。車で来ないようにしてるんです。そしてもっとびっくりしたのは宮島の中で亡くなっても葬式させないんです。外で葬式をさせるということで、やはり神聖な島なので皆で守ってるんです。で、どうしても車でという人については、住んでいる方なんかはフェリーで来させる。あえて不便にしてるんです。一方、我が松島は瑞巌寺が目の前にあるんですけれども、バス、トラック、霊柩車、もうどんどん走って行くという状況であります。これでは松尾芭蕉の気持ちになれと言われてもなれないと思うんです。ですから、やはり私としてはできるだけ交通量を減らして、全部止めるのは難しくても、観光客が松尾芭蕉の気持ちに少しでもなれるような、そういう松島にしないとお客さんをもっと増やすことは難しいのではないかなと思って、ずっとこれは言っているんです。難しいのは道路を迂回させようとしましても、三陸道を使うのも考えたんですけれども、鉄道を渡さないといけない、川を渡さないといけないという、そういった地理的な要因であったりインフラの要因があって、非常にお金がかかる。技術的に難しいということがあって簡単にはいかないんですけども、そういった中で今回ちょっといろいろ社会実験をしてみようということで検討した結果、いろいろ調整をしてここまで来ましたので、一回やってみて、また課題が出てくると思いますので、どこまでできるかやってみて、やれることやれないことで。当然地元の皆様に相当御不便をおかけします。商売をされてる方は車の規制をするということになると、物の搬入・搬出が限られた時間しかできなくなるということでありますので、地元の方にどこまで協力してもらえるかということを見ながら、ぜひやってみたいなと思って。これ、私としてはかなり気合を入れてやっていきたいなと思っております。 ○副議長(外崎浩子君) 十九番櫻井正人君。 ◆十九番(櫻井正人君) これは本当に長年の懸案でありました。知事の思い、しっかりと受け止めながら、これをぜひとも成功裏に納めていただきたいと思ってます。松島に関係する団体、いろいろな話があると思います。その協議会の中でしっかりと膝を交えて、ゆっくりと急がなくてもいいですから固めていかないと、パンクしたらまた終わりになってしまいます。その辺は慎重にやっていただきたいと思います。 それでは大綱三点目でありますけども、冒頭、宮城県は出遅れていると申し上げましたが、こんなに進んでいるとは思いませんでした。大変申し訳ございませんでした。私の勉強不足でありますが、やはりここまで来ているということはその新しい農業変革というのに危機感があるのかなと。大手企業が参入するとすぐにも、どんと進んでまいりますので、それも対応しながら小さい農村が置いてきぼりならないようにそれもしっかりとやっていっていただけたらと思います。 それで一点、農村プロデューサーについてなんですけど、もともと農業改良普及員とか職員とか市町村の、あとはJAで設置してる営農指導員とかやってますが、これが機能してきたのかなというのが疑問でありました。現在、圏域の中で農業改良普及員は設置されていると思うんですけども、その中で農業改良普及員の人数は妥当で、大丈夫かというのをお聞きしたい。 ○副議長(外崎浩子君) 農政部長宮川耕一君。 ◎農政部長(宮川耕一君) 農業改良普及員、それから農業改良普及所、これは年々減っているというのが事実でございます。ただ、人数としては当然道路網も整備されまして、移動時間も短くなっているということがございますので、基本的には十分足りていると考えてございます。 ○副議長(外崎浩子君) 十九番櫻井正人君。 ◆十九番(櫻井正人君) どっちですか、足りてて大丈夫というのか、はっきり答えてください。 ○副議長(外崎浩子君) 農政部長宮川耕一君。 ◎農政部長(宮川耕一君) 業務と人数のバランスという点ではしっかり取れていると、必要な人員が配置されていると考えておりますけれども、ただ、櫻井議員がおっしゃったように、いろいろ農家の方にきめ細かく対応していくときに、どこまで御期待に沿えるかどうかという部分では多少捨象せざるを得ないところが出ているのかなと思いますけれども、業務遂行上は十分な人数になっていると考えてございます。 ○副議長(外崎浩子君) 十九番櫻井正人君。 ◆十九番(櫻井正人君) もし仮に、これからこのスマート農業なりいろいろな部分が発展してきます。普及員は技術者なのでしっかり養成していかないと。行っても農家から聞くような普及員では役に立たないので、しっかりと養成していくと。今から若い人たちをつくっていかないと。辞めたりしたらまた補充するけど、全然分からない人を補充してしまっても役立ちませんから。その辺をしっかりと、長い目で育成していただきたいと思います。 最後になりますが、佐野副知事、三月で退任ということでありますけど、我々自由民主党・県民会議の中にいる一期生で令和会をつくりました。そこでこれまで九回の勉強会をさせていただきました。佐野副知事は一度も欠席することなく、我々へ助言と御意見を賜りました。今ここで、改めて感謝を申し上げる次第であります。副知事からいただいたいろいろな御意見はしっかりと胸に刻んで、県勢発展のために全力で取り組んでまいる覚悟です。副知事の今後の人生に更なる幸せが訪れますように、そして今後、更に人生の年輪を重ねていっていただく、それを御祈念申し上げて最後に副知事からお言葉を頂戴し、私の一般質問を終わります。 ○副議長(外崎浩子君) 副知事佐野好昭君。 ◎副知事(佐野好昭君) ただいま櫻井議員からねぎらいのお言葉をいただき、また、今後の人生へのエールをいただきましてありがとうございました。令和会の方々は非常に勉強熱心で、本当にこれまでの議会一回も欠かすことなく勉強会をしていただきました。私もその会に出て、いろいろな現場の声を聴かせていただいて、私自身が多分一番勉強になったと思っております。私は県行政から離れますけれども、今後もそういった勉強会をぜひ続けていっていただきたいと思います。そしてもちろん、執行部に対して是々非々の立場で御意見もいただければなと思っております。 ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(外崎浩子君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後二時三分散会...