3番 岡 孝 治 君
│ 4番 明 石 和 之 君
5番 土 井 昭 一 君
│ 6番 梶 原 一 哉 君
8番 藤 田 真由美 君
│ 9番 岸 本 和 代 君
10番 齋 藤 智 彦 君 │ 11番 岡 南 均 君
12番 塀 本 信 之 君 │ 13番 渡 邊 亜由美 君
14番 中 西 裕 一 君 │ 15番 加 村 祐 志 君
16番 北 原 光 晴 君 │ 17番 西 林 幹 展 君
19番 井 上 武 君 │ 20番 武 知 浩 之 君
21番 宮 内 春 雄 君 │ 22番 加 戸 悟 君
23番 見 田 治 君 │ 24番 船 越 智 子 君
25番 森 井 嘉 一 君 │ 26番 玉 野 勝 彦 君
27番 山 本 武 生 君 │ 28番 久次米 尚 武 君
29番 美 馬 秀 夫 君 │ 30番 須 見 矩 明 君
─────────────────────────────
欠 員 (2名)
─────────────────────────────
説明のため出席した者の職氏名
市長 遠 藤 彰 良 君 │ 第一副市長 平 山 元 君
第二副市長 豊 井 泰 雄 君
│ 企画政策局長 松 本 泰 典 君
総務部長 成 谷 雅 弘 君
│ 財政部長
市民環境部長 黒 川 義 君 │ 兼理事 鳴 田 真 也 君
保健福祉部長 三 輪 俊 之 君
│ 経済部長 吉 岡 健 次 君
都市整備部長 │ 土木部長 横 山 敏 春 君
兼理事 都 築 伸 也 君
│ 危機管理局長 井 原 忠 博 君
消防局長 小 池 和 成 君
│ 水道局長 山 口 啓 三 君
交通局長 大 西 孝 佳 君
│ 病院事業
病院局長 児 島 正 実 君
│ 管理者 曽 根 三 郎 君
教育委員会 │ 選挙管理委員
教育長 石 井 博 君
│ 会事務局長 北 野 治 君
監査委員 稲 井 博 君
│ 監査事務局長 堀 川 尚 生 君
農業委員会 │
事務局長 伊 賀 俊 雄 君 │
─────────────────────────────
議会事務局職員出席者
事務局長 扶 川 康
文 │ 次長兼
庶務課長 橋 本 由加里
議事調査課長 武 田 吉
史 │ 庶務課長補佐 佐 藤 一 秋
議事調査課長補 │ 議事係長 久次米 智 広
佐 宮 本 和 明
│ 調査係長 勝 占 高 弘
─────────────────────────────
○議長(井上武君)これより本日の会議を開きます。
本日の
議事日程は、配付いたしてあるとおりであります。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○議長(井上武君)それでは、日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、
会議規則第88条の規定により、議長において、5番土井昭一君、20番武知浩之君のお二人を指名いたします。
〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○議長(井上武君)次に、日程第2を議題といたします。
これより質疑及び質問に入ります。通告により順次発言を許します。3番岡 孝治君。
〔3番 岡 孝治君登壇〕
◆3番(岡孝治君)おはようございます。
徳島活性会議を代表し質問を行いたいと思いますが、冒頭に1点だけお断りさせていただきたいと思っております。
今期定例会におきましては、通告書に記載のとおり、主として二つの項目について質問する予定でおりましたが、持ち時間の関係上、まず、初問においては、新
ホール整備の方針についてのみに絞って質問してまいりたいと考えております。もう一方の条例案に関する質問は、残時間等も勘案しつつ対応したいと思っておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、新
ホール整備方針について、通告により、順次質問を行ってまいります。
現在、旧
文化センター跡地において、1,500席程度の大ホールを核とした新ホールの
整備検討が徳島市主導で進められております。しかし、残念ながら、その議論の中身といえば、表向きには過去多くの関係者が長きにわたって協議・調整を重ねつつ丁寧に積み上げてきた徳島市
文化振興ビジョンや
ホール整備計画、
管理運営計画等々の内容は引き継ぐとしているものの、その実態は、まず、敷地ありき、予算ありき、そして、早期建設ありき、論点がこの3点のみに恣意的にフォーカスさせられたまま事の本質を論ずることなく放置する、こういうことになれば、新ホールの基本理念、そして
基本方針の達成には全くほど遠い、中身がすかすかの使い物にならない無駄な箱物ができ上がるということは火を見るより明らかでございます。
まずここで、批判を覚悟で申し上げておきたいのは、恣意的に誘導されたとはいえ、去る10月12日の初会合からわずか1カ月足らずの期間に、たった4回の開催のみでその意見集約を行った新
ホール整備検討会議の運営手法や議論の内容が、客席数とか、小ホールの要否とか、
創造支援ゾーンの要否とか、徳島市に必要な
ホール機能は何かというそもそも論に舞い戻ってしまっているのは、非常にずさんであった駅西案よりもさらに劣化した議論ではなかったかということでございます。
委員各位の中にもし異論がある方がいらっしゃるのであれば、即対応させていただく準備は整えてございますので、いつでも直接御連絡いただきたいと思いますが、徳島市が必要とする
ホール機能が
候補敷地に入るか否かの判断は、純粋に技術的な検討に基づいて判断すべきものであって、本来は
ホール建築の専門家に対して諮問すべき事項であり、さきに組織された
検討会議の構成員のような方々に結論が出せるものではないということは十分に理解した上での発言と受けとめていただければ幸いです。
では、どの部分が劣化した議論だと考えたのか、ここで
一つ具体例を挙げてみます。全く不思議なのは、第2回及び第4回の
検討会議において市サイドから提出された資料の中に、これまでに検討した内容を全て反映した計画案として、延べ床1万1,000平米、工事費110億円の企画案が提示されていることです。
この企画案は、理想とされる
舞台奥行き寸法10間から1.8
メーター短くなっている、また、楽屋用の駐車場がない、
附置義務駐車場が敷地内にとれないことの解決方法が示されていない、同じ
施設規模を検討しているにもかかわらず、駅西案のときから比較すると、
延べ床面積が9,000平米から1万1,000平米に、備品を除く
建設工事費が94億円から110億円に変更されている、また、
搬入用大型車両は後進でしか進入できない等々のおかしな部分は多々あるものの、客席数や必要諸室はおおむねこれまでに徳島市が積み上げてきた議論に整合していますし、
新町西計画のときの与条件ともおおむね整合しています。
しかも、赤字で
文化センター跡地に入ると記載され、その横にまた赤字で平成35年までに開館できないことと工事費が高額であると記載されております。つまり、
文化センター敷地で理想案もできるけれど、予算と期間に問題があるから、別の選択肢から決定してくださいという論理展開です。
我々はここに三つの論理的な飛躍があると考えています。
まず、1点目です。
市民文化団体が利用しやすい小ホールの排除です。徳島市に必要な
ホール機能から結果として小ホールを排除することは期間とコストの代償として正しいのかということが検証されずに
施設機能が決められており、論理が飛躍しています。
検討会議の意見でも再三述べられているように、
市民団体の発表の場としては1,500席は大き過ぎるので、仮に小ホールを整備しないのであれば、今後数十年の徳島市の市民による
文化芸術の育成に対して何らかの対策が講じられる必要があったにもかかわらず、これが明示されておらず、市長案は市民の
芸術文化育成を放棄する結果となっています。
次に、2点目です。それは
必要機能を減じた場合の
敷地選定の妥当性です。徳島市に必要な
ホール機能から小ホールを排除して施設の規模を小さくすることが許されるのであれば、敷地の選択肢はもっとあるのではないか。
文化センター跡地のように不便なところよりも、不退転を誓った駅西でもいいのではないか。新町西なら地下への居室配置が不要な分、さらに安価に早期に建設できるのではないか。こうした疑問が生じるのが当然じゃなかろうかと思います。
そして、3点目は
必要機能を減じることの独断です。徳島市に必要な
ホール機能から必要な機能を減じれば、総コストが減るのは当たり前です。それを市民向けに、
文化センター跡地であれば十分に満足していただけるホールが80億円程度ででき上がるかのように説明されているのは論理のすりかえであり、ここでの論点は、徳島市に必要な
ホール機能を減じてよいのかということです。ホールは一旦建設すると、50年から100年というスパンで徳島の
文化行政の中核施設となります。そうした決め事を、市民代表として招聘した
検討会議の意見をないがしろにし、市長が独断してよいわけがありません。これに関しては、何の説明もなされていないし、少なくとも以下の問題点があると考えます。市長はこれらの問題点に対し、みずからの言葉で明確な説明を行う責務があると考えています。
そこで、お尋ねいたします。なぜ当初想定金額110億円から80億円まで減じなければならないのか。その根拠について、今後の
財政見通しの観点からの説明を求めておきたいと思います。
次に、小
ホール機能を今後は市内の既存施設で代替する方策であれば、どの施設がそれに該当するのか、
検討会議資料に記載されているミッションがその施設で代替できるのか、また、小
ホール機能を市内のどこかで別に設置するのであれば、どこに建設できるのか、その際には、
イニシャルコスト、ランニングコスト含め幾らの費用がかかるのかという方策が、本来なら大
ホール整備と並行してセットで進められることが常識であり必須だと考えますが、いかがでしょうか。
第2回
検討会議資料では、
シビックセンターとの
機能分担で問題を解決するようにという旨のことが記載されていますが、現在の
シビックセンターが今後何も手を加えることなく小ホールとしての機能を果たすのなら、資料の冒頭に市民の発表の場がないことが最大の問題だなどという言質は出てこないはずであり、本来なら、
シビックセンターの
利用率情報、
空き待ちの情報、市民の
満足度調査が開示され、
検討会議の方から
シビックセンターのホールが将来的に市民の発表の場たり得るかという観点の評価があってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。あわせて明確な答弁を求めておきたいと思います。
次に、市長が
必要機能を減じることの独断を思いついたとしても、本来その決定の妥当性は改めて
検討会議に諮問しなければならないはずです。結局、勝手に市長が独断するのであれば、
検討会議など、初めから時間と金の無駄遣いであり、市長自身に
スピード感が欠落していると考えますが、このことについても市長の見解を求めておきたいと思います。
加えて、仮に以上3点の論理の飛躍が説明されたとして、その代償として、新施設から小ホールが排除され大ホールと一体整備されないことにより、どのようなメリットが失われるのかということを我々は理解しておく必要があります。そして、さらには、市長案、
検討会議資料の中で見過ごしてはならない事項が相当数ございますので、この際、指摘し、確認しておきたいと思います。
まず、小ホールが大ホールと一体整備されないことによるデメリットに関して想定される事項の一つに、大ホールとの
機能連携ができないことによる二重投資の必要性があります。
楽屋に関しましては、年間の開催数は少ないものの、大ホールで非常に多人数の方が順番に舞台に立つ催事があります。例えば選抜阿波おどり大会、徳島県
交歓音楽会、民間でのオペラ、第九演奏会等々がそれに当たり、小ホールが併設されていれば、そのときだけ小ホールの楽屋を借りるということが可能ですが、小ホールが併設されなければ、大ホールだけで最大限の楽屋を設置しなければならなくなります。
また、小ホールでも非常に多くの方が舞台に立つ催事があります。例えば
バレエ教室・
ピアノ教室の発表会、幼稚園や小学校での
催事利用が該当し、その際だけ大ホールの楽屋を借りられればよいのですが、小ホールの
単独整備であれば、やはり小ホールの楽屋数も考え得る最大限で整備せざるを得なくなります。
また、備品に関しても、大ホール、小ホールで備品を共用できるものが多々あります。舞台の可動照明や
視覚障害者用の赤外線による音響装置、
日本舞踊用の所作台、
スモークマシン等の演出装置、譜面台、1,000万円以上すると聞いております、
ホール用グランドピアノ等も
兼用利用ができるのですが、大ホールと小ホールが別置であれば、個々に設置しなければならなくなります。
また、運営者に関してですが、最も費用がかかるのはこの人件費でございます。大ホールと小ホールが別置であれば、結局それぞれに館長と
スタッフが必要となり、特に
舞台つり物、
舞台照明、
舞台音響については、素人にはさわれない物が多く、ホールに専属の
スタッフが必要となるのですが、これも別々に必要となります。恐らくこのまま行けば小ホールには
専門スタッフを必要としないつり物や照明設備しか設置できず、例えて言うとコミセンの集会室に毛の生えたようなものにしかならないということは必至でございます。
そして、さらに強く指摘しておかなければならないのが
文化センター跡地の
敷地利用上の諸問題でございます。現在示されている計画案及び
検討会議の
比較検討資料の第4案、1,500席
プラスリハーサル室案には、小ホール問題を除いたとしても、少なくとも以下の八つの問題点があると考えられます。
まず、1点目でございますが、さきの
まちづくり対策特別委員会の
事前委員会において、理事者から、
搬入用大型車両の
回転用スペースにつきましてはサブの搬入口を利用して回転させるという旨の発言がありましたが、これこそまさに絵に描いた餅、乱暴きわまりない計画案であり、そのような手法で、最低限必要とされる11トントラック2台の搬入及び駐車が可能な
スペースが確保できるとは到底考えられません。実態は恐らく後進入車であり、しかも30
メーター、40
メーターの後進というのは今日的な
ホール建築として聞いたことがございません。まず、
プロモーター等にそれでオペレーションできるのかどうかということを確認されたんでしょうか。仮に可能であっても、
ホール側で
交通誘導員を常時配置しなければならなくなるということが予想されるため、その分、維持費にお金のかかる施設となるのは明らかですが、この点いかがお考えでしょうか、お尋ねしておきたいと思います。
2点目ですが、このことはさきにも少々触れました楽屋の不足の問題でございます。旧
文化センターでは、選抜阿波おどりの際に楽屋の
収容人員も直前の
位置合わせ場所も不足していたため、踊り子さんたちが屋外の駐車場で事前の
位置合わせをしているという異常な状態でございました。まさか新ホールで選抜阿波おどりをやらないということは考えられませんが、今回の計画案では
屋外駐車場の
スペースすら見られません。仮に
リハーサル室で直前の
位置合わせができたとしても、選抜阿波おどりを開催するために必要な楽屋は何室必要で、
収容人員は何人で、それが間違いなく確保できるのか、確認しておきたいと思います。
3点目は、全て地下に配置された日常使いの各室に関してでございます。旧
文化センター敷地の地下水位が高いことは、
耐震調査の折に奈落が水没していたことが示しています。計画案では、活動室や
リハーサル室といった
市民団体が日常的に利用する施設が優先的に地下水のプールの中に設置されているという安全性を無視した計画になっています。経年変化に伴う躯体の劣化によって一度クラックが入れば、常に湿気が感じられるじめじめした空間になるか、もしくは、それを除去するために延々と空調機を回し続けなければならず、
光熱水費が非常に高い施設となります。加えて、この敷地での津波の到達時の想定高さは最大2.5
メーターです。高齢者や障害者の皆さん方が逃げおくれたらどうなされるのか、どのような対策を講じるお考えなんでしょうか、お尋ねします。
4点目は、無料演目に対応する
エントランスホールの不足に関してでございます。
検討会議の資料を見ると、旧
文化センターでは入場料を取らない催事の割合がかなり多いということがわかります。この場合、観客は、よい席をとるためにもぎりと言われるところの前で列をつくるのですが、近年の公立のホールでは、
列待ち者用の雨対策、また、
熱中症対策として、
エントランスホールや
ピロティーで最低でも200人程度の
列待ちスペースをとるのが一般的でございます。幼稚園等の催事には、保護者は開演の恐らく2時間、3時間前から並びます。あるいは、成人式の利用の際に、雨が降っても友人と
晴れ着撮影ができるといった
スペースをイメージしていただければよろしいかと思います。今回のプランでそのような本当に市民が利用しやすい
スペースがとれるようには思えませんが、この点について御見解をお聞かせ願いたいと思います。
5点目です。大
ホール直下の
リハーサル室はホールとしては恐らく致命的です。一般的にクラシックのコンサートを開催しようとすると、いわゆるホールの静けさを示す指数をNC値と申しますが、このNC値は20以下と言われています。今回の計画は、大ホールの客席直下がいきなり
リハーサル室の断面構成になっておるんですが、これでNC値20以下にできるホールが存在するのかどうか不明でございます。恐らくないと私は考えています。
東京の池袋の
芸術劇場を調べましたが、ここは大ホールの下に中ホール、小ホールを入れていますが、間にフロアを挟んだりホールの真下にならないように
平面計画を工夫したりしても、結局、大太鼓、太鼓の音は微弱ですが、振動が計測されていると聞き及んでおります。
大変な
建設コストをかけて浮き壁、浮き床、浮き天井という遮音の工夫を凝らしたとしても、結局、大ホールの演目中は
リハーサル室では思うように音が出せないホールになるのではないかという懸念がございます。これに関しても御見解をお伺いしたいと思います。
6点目、
創造支援ゾーンの不足に関して、計画案ではほんのわずかに活動室という表現が見られます。これでは、ほとんど関係団体の予約の取り合いになってしまい、新
ホール整備検討会議資料で示されているような芸術を通じた人同士の交流はどうやって生まれるのかが疑問です。これもお答えいただけたらお答えいただきたいと思います。
7点目ですが、
附置義務駐車場の不在に関しましては、過去、この間の
検討会議以降、各メディアにも取り上げられた問題でございますが、議会に対して計画案を示す段階には、当然のことながら付近のどの駐車場が該当するのか、また、それ以上の来客用の駐車場がどこにあるのか、この程度のことは確認できるようになっていてしかるべきものであるにもかかわらず、それがなされていません。
8点目です。劇場法上の運営に関する
補助金取得に見通しが立っているか否かということです。一般的に言えば、第2回
検討会議資料に示されているように、近年竣工しているホールは必ず小ホールを併設しております。50年前の
貸し館主体のホールではなく、市民の芸術・文化を振興させるというのが劇場法上のホールの役割、使命でございます。市民が発表しやすい場を提供するのは当然でございますし、そうした
自主事業がなされていないホールには国の運営上の補助金を優先的に受けられないということがございます。
検討会議の資料では、旧
文化センターがこの補助金を得られていなかったことに触れております。小ホールなしで補助金を得られるような
自主事業を市民とともにつくり上げられるのか、市長はこのビジョンを語るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、新
ホール整備計画の中で最も大きな問題をはらむと今後考えられる、開館までの
スケジュールに見られる
市民意見反映機会の無視に関して、お伺いしたいと思います。
実は、第2回の新
ホール整備検討会議の
スケジュールチェックまでは、私は恐らく本計画案は
リース利用を念頭に置いて作成されていると想像しておりました。それがここに至って
デザインビルド方式の提案でございます。
デザインビルド方式とは、設計、施工がコンソーシアムを組んで計画の当初段階で
設計提案と建設の提案を同時に行うというものであり、入札不調を避ける効果が期待できることから、近年
採用事例がふえていますが、同時に以下の問題点も存在いたします。
まず、
要求水準書の記載が曖昧だと業者は全て安価になるように提案してくるため、業者決定後、追加費用なしでは市民の要望を聞き入れ、反映させることはできません。しかしながら、逆にこの
要求水準書の記載内容が予定価格に対して過大でありますと、一流企業であるほどに応募できないというジレンマに陥ってまいります。また、設計者によってデザインや性能発現の手法に大きく隔たりが発生する場合に、そもそも
デザインビルド方式で価格提案を審査項目に入れるのが望ましいのかという問題が生じてまいります。これらの問題点があるため、
デザインビルド方式の適用案件というのは標準的な学校建築とか、
給食センターとか、大
規模改修工事とか、大
規模仮設工事等々への採用が主でありまして、ホールへの
採用事例は本当にまれでございます。
ただし、近年の事例として、事前の委員会でも説明がありました小田原市の
芸術文化創造センターは1,200席の大ホールと300席の小ホールを備えておりますが、これが
国土交通省の
モデル事業として
デザインビルド方式を採用されております。小田原市では、基本構想に2年、
基本計画に1年、
基本設計に1年、
実施設計に1年、計5年をかけて作成した
ホール設計が、入札を行いましたが不調となりました。この経験を踏まえて、設計者の選定が、完成するホールのできばえを左右することを十分に考慮して
要求水準書を作成するコンサルタントを選定して、仮案として作成された
要求水準書に対して市民の意見を反映できる期間を設け、今年度優先交渉者が決められております。
この事例においては、5年をかけて
実施設計まで至って、入札不調になってから設計・施工者の選定までにかかった期間は2年10カ月かかっております。
デザインビルド方式の採用が確定してから
要求水準書が完成するまでに、実に1年8カ月の期間を要しております。そして、
要求水準書の発表から事業者の選定の期間だけでも9カ月かかっています。逆に言えば、入札不調になったというもともとの詳細の設計案があったという手がかりがあった上で、なお新しく市民からの要望、有識者、専門家、そして当然議会の意見を十分に踏まえた
要求水準書を作成し、それが予算にきちんとはまるかどうかを確認し、その内容を何度も市民説明会を開催して丁寧に開示・説明する作業を重ねていけば、これくらいの時間がかかるのは当然でございます。これを小田原市はやっています。
しかしながら、徳島市はこの
要求水準書を何と実質、この議会が終わってからなのでわずか5カ月、実質5カ月で完成させようとしています。狂気の沙汰としか言いようがございません。
ホールという建築は、実は細かな仕様選定において、いろいろとエンドユーザーの意見や要望を聞かなければ使い勝手のよいものにはなりません。これは皆さん御承知のとおりでございます。市民が使いやすいホールを求めるのであれば、現在の
検討会議のメンバーを初めとして、さまざまな団体から実際の使い勝手をヒアリングして、それを設計に取り込まなければならないというのに、そういう視点が決定的に欠落しています。今日の公共建築として、市民の声をワークショップやパブリックコメント、エンドユーザーのヒアリングを丁寧に行い、その結果は市民説明会を通じて明確に開示する、そうした
スケジュール上の見通しをきちっと計画すべきです。
要求水準書には可能な限りの内容を盛り込み、その決め方には十分な市民意見を取り入れるべきでございます。
例えば舞台上部のつり物機構、昔は手引きでございました。現在は機械ドラム方式が主流なんですが、この演出用のバトンの操作スピードを例えば60
メーターから90、120と上げていくだけで数千万円単位で
建設コストは変わってきます。それらの静穏機能や音響反射板のつり込み位置、照明機器のセッティング手法だけでも数千万円の桁で金額が変わってまいります。そういう意味で、舞台機構や
舞台照明、ホール用備品についてもあらかじめ
要求水準書に明確に記載しておくことが使い勝手のいいホールをつくるための絶対条件であり、また、そうしておかないと本事業がゼネコンの食い物になるというのは目に見えております。
市民の中で最もエンドユーザーとしての意見を言えるのは、芸術・文化・音楽関係者の皆さんです。このたびの
検討会議のメンバーであった吉森先生や浅香さんといった
委員各位に加えて、平成28年11月にまとめられた市の新たなホールの整備に向けての提言書の作成に御尽力をいただきました徳島市音楽・芸術
ホール整備推進有識者会議のメンバーであった、例えば徳島交響楽団の生駒さん、そして、四国大学の田村先生、現代舞踊協会の檜さん、この方々にもぜひとも返り咲いていただいて、
要求水準書をよりよいものにするための新たな組織を立ち上げるべきではなかろうかと考えています。嫌だと言う理由は見つからないと思いますが、いかがでしょうか。見解を求めておきたいと思います。
また、市民意見の反映のためには、市サイドの望むパブコメのみという手法は断固として否定されなければなりません。でなければ、この
スケジュールは
スピード感に責任を転嫁した、ただの市民意見の無視、あるいは単なる雑な見通しと批判されて当然です。何か特段の事情でもあるんでしょうか。次回の市長選までにデザインビルドコンソーシアムと契約を交わしてしまいたいとか、新町西の損害賠償訴訟の第1回公判に、市側が根幹たる責任論を展開せず次回送りとしたことに疑義を覚えておりますので、あえて申し上げますが、新町西の損害賠償訴訟の一審判決が出るまでに施工者からの提案を募集してしまって、もう後戻りできないという機運をつくりたいのか、はたまた、絶対に騒動になる来年の阿波おどりの準備期間に
要求水準書をぶつけることによって大きな争点となることを避けたいのか。
現在は削除をされておりますが、過去、市長、あなたのホームページには、市民、議会の熟議で市の方針を決めていきます、また市の将来を左右するような大きな課題については、場合によっては住民投票で市民の直接判断という方法も今後の検討課題としますと、記載されていました。今は削除されていますが。しかしながら、着任以降のあなたの行政運営の手法、そして、このたびの新
ホール整備計画に対する取り組みを見れば、これらの言葉が選挙のための全くの方便であったと断じられるべきです。来年6月までの
要求水準書の完成にこだわる理由は一体何か、市長の明確な答弁を求めておきたいと思います。
以上、総じて申し上げれば、今私がお尋ねした事項は、現計画が抱える多くの問題点のほんの一部でしかございません。このたび示された、あえて言うと子供の落書きレベルの計画書案を見れば、その内容もおのずと読み取れなくもありませんが、私が今申し上げましたこれらの疑問にさえまともに答弁できないようでは、今議会に示された計画案がいかにずさんで行き当たりばったりのものであるかをみずからが証明することになるということを肝に銘じてお答えいただくことをあわせて求めておきたいと思います。
答弁をいただいて、また発言残時間も考慮しつつ、可能であれば再登壇いたしたいと思います。
〔
市民環境部長 黒川 義君登壇〕
◎
市民環境部長(黒川義君)質問に対しまして、順次お答えさせていただきたいと思います。
まず初めに、小ホールについてでございますが、小ホールがどの施設が該当するのかというお話と、小ホールをしない理由、小ホールを整備せず
機能分担をするのであれば
イニシャルコストやランニングコストも示すべきであるということにつきまして答えさせていただきます。
文化センター敷地において、何よりも必要な大ホールの席数と舞台と同程度の広さの
リハーサル室を優先した結果、十分な機能や設備を持った小ホールは難しいと判断したものでございます。小ホールにつきましては、文化団体からの整備要望があるほか、利用頻度が高いという御意見はございますが、一方で、現在ほかにある同様の小ホールでは意味がなく、300から500席程度で一定の舞台の広さや舞台機構・性能を持ったホールでなければならないという意見もございました。今回の検討では、こうした機能を持つ小ホールの整備は難しいと考えており、当面は既存の公共施設や民間施設を利活用するなどしていただきたいと考えているところでございます。
どういう小ホールが市内にあるのかというお話ですけれども、市内では、
シビックセンターのさくらホールやふれあい健康館のホールがございます。県では、21世紀館イベントホールやトモニプラザなどがございます。上演する内容につきましては設備や機能が十分ではない場合もありますが、実際にそこは団体の発表や音楽コンサートなどの興行なども行われておりますことから、施設の有効活用の点から、こうした施設を引き続き御利用いただきたいと存じます。
それと、小ホールを整備せずに
機能分担するのであれば
イニシャルコストやランニングコストも示すべきであるという問いに対しましては、今回整備しない方針であることは間違いないんですが、引き続き市民や文化団体の皆様などにおかれましては既存施設を有効活用していただきたいと考えており、それらの既存施設を活用するに当たり、運営上の課題や施設の改善等が必要な場合は、今後、適宜検討してまいりたいと考えております。
続きまして、楽屋についてでございますが、当然使いやすい十分な楽屋を確保できるように検討してまいりたいと考えております。
それと、地下の湿気問題につきましても、湿気に対して対策がとれるように努力してまいりたいと考えております。〔「聞いたことを答えてない」と呼ぶ者あり〕順番がちぐはぐになって失礼いたしました。
新
ホール整備検討会議の設置目的とその役割につきましては、設置目的は、徳島市における新ホールの整備に当たり有識者による検討を行うため、
検討会議を設置したものでございます。その役割につきましては、
文化センター敷地における新
ホール整備を推進するために必要な事項などについて専門的見地から検討し、意見を述べるものでございます。
それと、本来一体整備されるべき大ホールと小ホールのことにつきましては、今回の
文化センター敷地を建設予定地とした整備は、何よりも必要な大ホールとその席数、舞台と同程度の広さを持つ
リハーサル室の整備を優先した結果、十分な機能や設備を持った小ホールは難しいと判断したためでございます。小ホールにつきましては、文化団体からの整備要望があるほか、利用頻度が高いという御意見でございますが、当面は既存の公共施設や民間施設を活用するなどしていただきたいと考えております。
次に、
敷地利用上の諸問題についてでございますが、
文化センター敷地につきましては、現在、施設の建屋部分を解体中でございますが、敷地の地下には排水管等があり、それらを移設する必要があるほか、既存施設のくいや基礎が残ることから、撤去する工事が必要でございます。また、それらに先立ちまして、一部分の埋蔵文化財調査を行う必要がございます。新ホールの整備を検討するに当たりましては、現在の敷地の全てが使用できるわけではございません。北側は将来の都市計画道路の計画線があるため、それを考慮する必要があるほか、南側は敷地内に市道があることから、その間の敷地内で計画していく必要がございます。敷地面積は仮測量の数値ではございますが、全体面積が4,948平方メートルに対しまして……。〔「ちゃんと質問に答えてください」と呼ぶ者あり〕質問は
敷地利用上の諸問題ということなので、今お答えさせていただいております。計画敷地面積といたしましては4,023平米となります。そのほかの課題といたしましては、駐車場や南北に鉄道が走っていることから、これまでと同様に徳島駅や市役所側からのアクセスが上下移動を伴うことになります。これらにつきましては、施設利用者の利便性の観点から、できる限りの解決を図ってまいりたいと考えているところでございます。
あと、市民が利用しやすい
スペースという御質問に対しましては、市民の方がわくわくするようなすばらしい施設にしたいと考えておりますので、市民が当然利用しやすい
スペースを確保することを検討していきたいと考えております。
次に、
リハーサル室についてでございますが、先ほどのNC値も含めまして舞台と同様の大きさの
リハーサル室を確保することに努めてまいります。
それと、音の問題も御指摘いただきましたので、音につきましても外部に漏れないようにしっかりと対策を練っていきたいと考えております。
それから、活動室につきましても、芸術の交流が十分できるように考えて対策していきたいと考えております。
次に、駐車場につきまして、現在の本市の試案、プランでは、敷地には主催関係者や車椅子用の駐車場として10台程度の
スペースを確保しております。徳島市における建築物に附置する駐車施設に関する条例に基づく駐車台数につきましては、施設全体の床面積が確定していないことから必要台数は確定しておりませんが、敷地内で必要台数を確保することは難しいことから、不足分は敷地外の公有地や民間駐車場を活用することにより駐車場を確保してまいりたいと考えております。
デザインビルド方式に対しての御質問に御答弁をさせていただきます。期間の短縮の部分のお話が出たかと思います。新ホールの詳細の整備
スケジュールは今後確定してまいりますけれども、早期実現を望む市民の皆様のために、一日も早い整備を目指してまいりたいと考えております。また、
デザインビルド方式では、設計と施工を同一の企業で行うため、設計の段階から建設工事の準備に取りかかることができ、また、施工事業者の選定過程が省略できることなどから、設計完成後に建設の事業者を決める設計・施工分離発注方式に比べて、一般的に工期の短縮を図ることができる手法であると認識しております。
次に、
要求水準書の質問がございました。
スケジュール上での懸念をいただいておりましたので、御答弁させていただきます。
要求水準書につきましては、本市が求めるホールの機能や性能をまとめたものでございまして、事業者を募集するに当たり、非常に重要なものでございます。
要求水準書の作成につきましては、これまでのホールに関する検討の経緯を踏まえるとともに、文化団体や興行主など、さまざまな方から御意見を伺いながら、必要な内容に漏れがないよう、十分検討し取りまとめてまいりたいと考えております。
それと、
デザインビルド方式の
要求水準書の中に市民の意見を取り入れられるのかどうかというお話でございました。
文化センター敷地における新
ホール整備でも
検討会議等におけるこれまでの成果を可能な限り反映させてまいりますが、敷地上の制約や本市の財政状況の面から、これまでの市民要望の全てを実現することは難しいものでございます。しかしながら、現在検討を進めている諸室の配置において多機能化を図るなど、さまざまな工夫により必要な機能をできる限り実現していく考えでございます。
それと、
要求水準書の作成に当たりまして、芸術監督などの意見を聞くべきではないか、専門的な文化団体等の意見を聞くべきではないかという御質問がございましたので、お答えさせていただきます。
要求水準書につきましては、来年6月までに取りまとめる予定であり、作成に当たりましては、文化団体や興行関係者、
市民団体の御意見なども個別ヒアリングを通じてお聞きしてまいりたいと考えております。また、ホールの専門コンサルや舞台関係者などにも御意見等をお聞きし、作成してまいりたいと考えております。
恐れ入ります。私のほうで書きとめたのはこれだけだったので、もし漏れがありましたら、また御指摘いただけたらと思います。
以上でございます。
○議長(井上武君)答弁時間も迫っておりますので、簡略に的確な答弁をお願いいたします。
〔財政部長兼理事 鳴田真也君登壇〕
◎財政部長兼理事(鳴田真也君)新
ホール整備方針についての御質問のうち、冒頭に
財政見通しの観点からの御質問がございました。110億円から80億円に減じなければならない理由という御質問がございました。翻って見れば、本市の財政状況を踏まえてどの程度の新ホールへの投資が可能かということで御答弁させていただきます。
これまで本市の厳しい財政状況については、議会の機会を通じまして、るる御説明をしてきておりまして、議員にもたびたび御指摘をいただいているところでございます。そういった中で、新
ホール整備につきましては、将来的に過度な財政負担とならないといったところについても十分配慮した上で今回整備方針をお示しし、79.8億円というような金額をお示ししているところでございます。
この金額につきましては、財政運営に大きく影響を与えるものではございますけれども、この提示につきましては、担当部局と十分に協議を行うといったことに加えまして、新
ホール整備検討会議で各計画案を提示するに先立ちまして、委員の皆様にも本市の財政状況等を御説明しております。また、その結果、最終的な
検討会議からの意見におきましても、他都市の事例を踏まえても本市の投資金額につきましては妥当であるといったような御意見をいただいているところでございます。
いずれにしましても、現在徳島市が置かれている財政状況というのは非常に厳しい状況にありますことから、本年度からスタートしております行財政改革推進プラン2018に基づきまして、早期に財政構造の改善を図っていくといったことをしっかり実施してまいりたいというふうに思っております。
また、劇場法の補助金の取り扱いにつきまして、御質問がございました。そちらについても担当部局と十分検討の上、今後そういった補助金の活用ができるのかを十分検討してまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(井上武君)申し合わせによる質問時間がなくなりましたので、これで終了いたしたいと思います。
〔「議長、登壇はしませんので、一つだけ」と呼ぶ者あり〕
○議長(井上武君)申し合わせを遵守して、次にまいりたいと思います。
次は、11番岡南 均君。
〔11番 岡南 均君登壇〕
◆11番(岡南均君)思い出したかのような拍手、ありがとうございます。
会派を代表して、通告に従い質問いたします。
自治体が抱える環境、教育、福祉等、世代を超えて持続する政策課題を解決し、将来世代に持続可能な環境・社会を引き継いでいくためにはどのような社会制度をデザインすべきか、この問いを追究するのがフューチャー・デザインという研究です。ここ数年に始まった研究テーマですから、少々わかりにくいと思われますが、具体的にフューチャー・デザインがどういうものなのか、認識している範囲で結構ですのでお答えください。
次に、本年6月、第2回定例会において、市民の読書環境の拡大と整備に関して質問いたしました。その質問、答弁を要約すると、人口20万から30万人の自治体で分館がないのは41自治体中9自治体、四国四県の県都で分館がないのは徳島市だけ。
初代日野市立図書館館長の前川恒雄氏は、図書館は建物ではなく、市民に資料を提供するシステムであり、よほど小さな市町村でない限り、建物が一つあればでき上がったとは言えない。システムの中で最も重要なのは分館であり、次に移動図書館である。システムとしての図書館では、中央館、分館、移動図書館が一つの図書館として機能する。分館の数と規模については、差し当たって中学校区に一つが目標であり、蔵書数は最低でも3万冊は必要であろう。
徳島市内15中学校の総蔵書数は29万2,160冊、平成29年度の図書購入費は1,300万8,000円、蔵書数が1番多いのが富田中学校で3万7,730冊、2番が城西中学校で3万2,531冊、3番が国府中学校で3万2,395冊。その3校の図書購入費、購入冊数は、富田中学校で87万6,000円で628冊、城西中学校で116万3,000円で726冊、国府中学校で104万4,000円で808冊などでした。
そこで質問ですが、中学校の図書館を分館にすることと中学校の図書館を地域に開放することでは何がどう異なるのでしょうか。それと、6月にもお聞きしましたが、中学校図書館の地域開放に限ってですが、メリットとデメリットを改めてお答えください。
答弁の後、再問いたします。
〔企画政策局長 松本泰典君登壇〕
◎企画政策局長(松本泰典君)フューチャー・デザインについての御質問に答弁申し上げます。
フューチャー・デザインとは、現在、大学などにおいて研究が進められている長期的な政策形成等における手法の一つで、将来世代になり切った仮想将来世代が将来をデザインしていく考え方であると認識しております。
具体的には、自治体がまちの将来ビジョンを住民参加型で策定する場合、仮想将来世代のグループを構成し、その意見、アイデア等を将来ビジョンに反映させていくような取り組みであり、計画の策定に導入している自治体もございます。これまでの研究によりますと、現世代の視点から町の将来について考える場合、現状の課題やニーズの観点からスタートし、その解決の先に将来ビジョンを描く傾向があるのに対し、将来世代の視点で町の将来について考える仮想将来世代においては、地域の資源や長所に着目し、それを伸ばすことや独創的な思考傾向になるとのことであります。
フューチャー・デザインとは、基本的にそうした現世代グループと仮想将来世代グループが議論する中で、将来世代の利益も反映した意思決定を進めていく手法であるとのことでございます。
以上でございます。
〔
教育委員会教育長 石井 博君登壇〕
◎
教育委員会教育長(石井博君)読書環境の拡大と整備についての御質問に答弁申し上げます。
まず、中学校の図書館を市立図書館の分館にする場合と地域に開放する場合の相違でございますが、学校図書館の地域開放につきましては、学校図書館法第4条の2におきまして、「学校図書館は、その目的を達成するのに支障のない限度において、一般公衆に利用させることができる」と定められておりますことから、学校行事や授業などに支障が及ぶことがないよう、ソフト面、ハード面における課題をクリアする必要があると考えております。
その上で、市立図書館の分館とする場合は、指定管理者が運営を担うことになり、図書の貸し出しや返却のできる場所がふえ、利便性が向上する一方、市内在住・在勤・在学者全てが利用対象者となります。ただ、アミコビルの本館と図書館システムネットワークをつなぐ必要があるため、学校図書館にインターネット回線を接続し、端末を最低でも2機用意し、図書館システムを導入することになります。さらに、全ての図書にICタグを取りつけなければなりません。また、指定管理者の実施業務が増加し、人員増も必要となるため、指定管理の仕様書を変更し、指定管理料を増額する必要もあるなど、財政面において大きな負担が生じることとなります。
次に、地域に開放する場合は、地域住民が運営を担い、開館日や開館時間、蔵書を新規購入する場合のジャンル選択などにおいて、地域の特性や人口構造に応じた施設とすることが可能です。しかし、その場合は、運営時間や運営方法も学校とは異なることから、その調整など、管理運営面に多くの課題があると考えております。また、施設面での課題といたしまして、地域住民が活用しやすい部屋へ学校図書館を移設することや、学校の管理運営上の支障や、生徒などの安全を確保するため、他の学校施設と区別する施設改修などにより多額の経費が必要になるものと想定しております。
次に、中学校の図書館を地域に開放する場合のメリットとデメリットについてでございますが、メリットとしては、6月議会でも答弁いたしましたとおり、地域住民と生徒との交流が深まり、地域の社会教育活動や文化活動が推進されるという点でございます。デメリットとしましては、蔵書の貸し出しについてシステムの構築、運営主体を誰に委任するのか、委任は有償か無償か、利用対象者を地域住民に限定するのであれば、その認証方法をどうするのかなどが考えられます。
以上でございます。
〔11番 岡南 均君登壇〕
◆11番(岡南均君)フューチャー・デザインに関して再問なんですけれども、長期的な観点からの対応が欠かせない課題の本質は、世代間の利害対立という側面があります。現世代による対応や意思決定が将来世代に大きな不利益をもたらす可能性があるということです。つまり、現世代寄りの意思決定がなされていても全く不思議ではありません。このフューチャー・デザインの根幹は、将来世代の利益を代弁するステークホルダーを現代の意思決定の場に創出するというものです。このステークホルダーが答弁にありました仮想将来世代です。
そこで質問ですが、フューチャー・デザインを計画の策定に導入している自治体とその事例を御紹介ください。
中学校図書館の地域開放に関して、地域に開放した場合のメリットとして、地域住民と生徒との交流が深まり、地域の社会教育活動や文化活動が推進されるとの答弁でしたが、その交流とは具体的にどのようなことが考えられますでしょうか。
次に、中学校図書館を地域開放する場合、最終的にどなたが決定するのでしょうか。
次に、答弁では、学校図書館を地域に開放する場合、運営時間や運営方法も学校とは異なることから、その調整など、管理運営に多くの課題、そして、地域住民が活動しやすい部屋へ学校図書館を移設することや他の学校施設と区別する施設改修などに多額の経費が必要とありました。では、地域住民が活動しやすい部屋、いわゆる余裕教室に学校図書館を移設するのではなく、その教室を第2図書館もしくは地域図書館として社会教育のために利用し、学校の授業に影響のない土曜、日曜のみの運営で、管理は地域の方という状況であれば、どのような問題が発生しますか。お答えください。
〔企画政策局長 松本泰典君登壇〕
◎企画政策局長(松本泰典君)フューチャー・デザインについての御再問に答弁申し上げます。
フューチャー・デザインを計画の策定に導入している自治体とその事例についてでございますが、主なものといたしましては、岩手県の矢巾町では大学と連携してフューチャー・デザインの取り組みを実践しており、町の長期ビジョンの策定に当たり、現世代と仮想将来世代、それぞれの立場となるグループを住民で構成し、討議を繰り返しながら合意形成を図り、施策の選定や優先順位づけ等を行ったとのことでございます。そのほか、同町では水道事業について施設の老朽化や人口減少の進行により事業の持続性が課題となっている中、将来的な事業のあり方を議論するフューチャー・デザイン・ワークショップを開催し、施設の更新計画等に関する提案を受けたほか、他の公共施設の管理計画に関してもフューチャー・デザインの手法を取り入れております。
また、大阪府の吹田市では、フューチャー・デザイン手法の研究の一環として、市のエネルギービジョンの作成に同手法を取り入れたほか、将来設計の手法として、今後も大学などとフューチャー・デザインの研究に取り組むとの方針が示されております。
さらに、長野県の松本市におきましては、建てかえ予定の庁舎の基本構想を策定するに当たり、市職員対象のワークショップ及び一般市民対象のワークショップを開催し、それぞれにおいて現世代グループと仮想将来世代グループにより新庁舎のコンセプトについて討議を行ったとのことでございます。
いずれの自治体も大学と共同して取り組まれており、大学の研究者等において、そうした実践的な研究を通じたフューチャー・デザインの手法に関する検証が行われているところでございます。
以上でございます。
〔
教育委員会教育長 石井 博君登壇〕
◎
教育委員会教育長(石井博君)読書環境の拡大と整備についての御再問に答弁申し上げます。
まず、地域住民と生徒との交流や社会教育活動、文化活動についてでございますが、中学校の図書館は生徒から成る図書委員で運営されています。地域住民による運営団体と図書委員との交流の場を設けたり、地域の大人の視線でお薦めの本等を紹介することなども可能だと思われます。また、ビブリオバトル、参加者同士で本を紹介し合い、もっと読みたいと思う本を投票で決める催しやブックトークなど、地域住民を対象にしたイベントを開催することなどによって地域での文化活動が推進され、これらのイベントに生徒も参加することで交流も深まると考えられます。
次に、学校図書館を地域開放する場合の判断についてでございますが、小・中学校の体育施設の地域開放につきましては
教育委員会規則に基づき実施していることから、学校図書館の地域開放につきましても執行機関としての
教育委員会が決定する事を想定しております。
次に、余裕教室を地域の図書館として活用することについてでございますが、余裕教室がある徳島市の中学校の大部分におきましても、教室以外の生徒のための
スペースなどとして余裕教室を学校教育における他の用途に活用している状況でございます。こうしたことから、余裕教室を地域の図書館として活用するためには、学校教育に支障が生じない範囲で学校の使用方法や教室配置の見直しを行う必要がございます。また、先ほど御答弁いたしましたとおり、学校の管理運営上の支障などから、他の学校施設と区別するための施設改修が必要であり、図書の購入や運営費などを含めた経費負担の課題があると考えております。
以上でございます。
〔11番 岡南 均君登壇〕
◆11番(岡南均君)フューチャー・デザインは始まったばかりの研究ですから、成功事例というようなものはないと思います。ただ、複数の自治体が取り組み始めているわけですから、調査・研究程度のアプローチは必要かもしれません。残念なことですが、私が目にした限りにおいては、フューチャー・デザインに関する著作、論文等に徳島県内の大学の先生のお名前はありません。フューチャー・デザインに関して徳島市が対応しなければならないような状況が考えられるのであれば、若手の職員の方がセミナー、シンポジウム等に参加されておくのもよいかと思います。
フューチャー・デザインについて第一人者の高知工科大学フューチャー・デザイン研究所所長、西條辰義氏は、「日本は『シルバー民主主義』で、高齢者が若者の資源を奪っていると捉えがちですが、もっと視野を広げ、現役世代が将来世代の資源を奪っていると捉えるべきです。そのうえで、『たとえ現在の利得が減っても、将来世代を豊かにするのならばそれが自己の幸福につなが る』という発想への転換が求められていると思います」と述べられています。
なお、フューチャー・デザインの質問等に関しては、大阪大学大学院オープンイノベーション教育研究センター、原准教授の論文等を参考、引用させていただきました。
学校図書館の地域開放に関して、幾つかの自治体に行ってきました。その一つ、川崎市の学校図書館有効活用事業について、その概要は、学校図書館を家庭や地域で有効に活用するために、土曜、日曜を中心に学校教育活動に支障のない時間帯に学校図書館を近隣住民の方々に開放し、図書の閲覧・貸し出しサービスを行っています。事業の実施主体は、地域在住の図書館活動、ボランティア活動に関心のある方々やPTAの方たちが独自の運営組織を形成し、その組織に川崎市が業務委託しています。開館時間は、土曜日、日曜日、4時間程度、貸し出し対象図書は、購入図書、市立図書館からの貸し受け図書、寄贈図書などです。お話を伺った限りにおいては、デメリットは何も聞いてないということでした。
10月12日の読売新聞に次のような記事がありました。NPO法人キッズドアの調査報告です。子供の学力に関する調査では、学校の授業がほとんどわからないという子は9.7%、あまりわからないは33.3%だった。また、簡単な国語と算数のテストを行ったところ、正答率が低い層は、小学校時代に家族と博物館、科学館などに行った経験がない子や家庭で勉強を見てもらった経験がない子の割合が高かった。調査を監修したお茶の水女子大の耳塚教授は、学力の向上には、経済的支援だけでなく、人間関係や経験の幅を広げることが重要。丁寧に教えてもらう経験が得られる民間の無料学習会は効果があり、自治体は支援を拡充してほしいとのことでした。この調査は、仙台市と東京都で行ったことですが、結果に関しては納得いたします。
社会教育法の第6章は、学校施設の利用に関してですが、その第44条に、「学校の管理機関は、学校教育上支障がないと認める限り、その管理する学校の施設を社会教育のために利用に供するように努めなければならない」とあります。答弁にありましたが、余裕教室がある本市の中学校の大部分におきましても、教室以外の生徒のための
スペースなどとして余裕教室を学校教育における他の用途に活用している状況でございます。その点については、
教育委員会で時間があればまたお聞きいたします。
開かれた学校がよいのかよくないのか、いろいろなケースで答えも変わってくるでしょうが、少なくとも地域と学校の関係は進歩・発展していくほうがいいと思います。
最後に、今回の質問、市民の読書環境の拡大と整備についてですが、その2としましたから、過去の私の質問傾向からすると、その3があると考えていただいて結構です。
以上で私の質問を終わります。御静聴ありがとうございました。
○議長(井上武君)議事の都合により小休いたします。
午前11時16分 小休
─────────────────────────────
午後1時 再開
○議長(井上武君)小休前に引き続き会議を開きます。
小休前の議事を継続いたします。次は、26番玉野勝彦君。
〔26番 玉野勝彦君登壇〕
◆26番(玉野勝彦君)交志会の玉野勝彦でございます。交志会を代表して、通告に従い質問をしてまいります。
まず、子ども食堂について、お聞きします。
近年、地域の子供に無料または低額で食事を提供する子ども食堂を開設する動きが全国的に広がっています。この子ども食堂については、子供の貧困や共稼ぎ家庭の子がひとりぼっちで食事する孤食の問題を背景として始められた取り組みですが、今では子供たちへの学習支援や地域住民の交流の場等、さまざまな役割が期待されています。
私が把握しているところでは、大学教授や子ども食堂主催者等で構成された全国的な子ども食堂支援団体である「こども食堂安心・安全向上委員会」が平成30年4月3日に発表した調査結果では、全国で2,286カ所の子ども食堂が実施されているとのことです。
そこで、まずお尋ねいたします。徳島市内での子ども食堂の実施箇所数や運営状況、また県内及び四国他県における実施状況について、把握している範囲でお答えください。
次に、バイオガス化施設の検討状況について、お聞きいたします。
飯谷町枇杷ノ久保を最有力候補地として周辺5市町と広域整備を進める一般廃棄物中間処理施設整備事業の
基本計画素案が今議会に報告されました。その計画においては、燃やせるごみの処理方式として、ストーカ式の熱回収施設を
単独整備し、灰溶融設備は付設しない、バイオガス化施設の導入についても検討を行ったが、バイオガス化施設からの排水を熱回収施設で焼却する必要があり、そのことで発電量が落ちて二酸化炭素量の削減効果が減少することや維持管理費用が増すことなどから、導入は見送ることと整理されています。
一方で、9月議会において、本市が計画している一般廃棄物中間処理施設整備事業において、香川県の民間施設が設置している排水処理を必要としない縦型バイオガス化施設の導入なども視野に入れ、再検討されるべきではないかという質問をさせていただき、引き続き検討されるとの御答弁をいただいたと記憶しておりますが、その検討状況はどのようになっているでしょうか、お答えください。
御答弁いただき、再問してまいります。
〔
保健福祉部長 三輪俊之君登壇〕
◎
保健福祉部長(三輪俊之君)徳島市内での子ども食堂の実施状況等についての御質問に答弁申し上げます。
平成28年3月、徳島県内で最初の子ども食堂が徳島市内で実施されて以降、現在では市内7カ所において定期的に実施されております。これらの運営主体につきましては、主にNPO法人や飲食店経営者等であり、実施頻度といたしましては、おおむね月に1回から2回程度となっておりますが、中には平日に毎日実施している子ども食堂もございます。また、食事の提供に際しましては、子供は無料ですが、大人については無料の場合や、1回の利用につき300円から500円程度を負担してもらっているという状況となっております。