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  1. 鳥取県議会 2016-11-01
    平成28年11月定例会(第3号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(斉木正一君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第2号「平成28年度鳥取県一般会計補正予算」から第22号「専決処分の承認について」まで、第24号「職員の勤務時間、休暇等に関する条例等の一部改正について」及び第25号「鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例の一部改正について」を一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  33番銀杏泰利議員 ◯33番(銀杏泰利君)(登壇、拍手)おはようございます。一番手を務めさせていただきます公明党の銀杏です。早速質問に入らせていただきます。  初めに、鳥取県中部地震について質問します。去る10月21日の地震発災から、ちょうど6週間がたちました。被災されました多くの方に心よりお見舞いを申し上げます。そして一刻も早く復旧復興ができますよう、努力していきますことをお誓い申し上げます。  地震に見舞われて、災害時の議会、また議員のあり方を考えさせられました。行政職員の手が回らなくなる中で、広い現場、災害箇所、現地の被災住民、それらと役所を結ぶ役目というものを、議員は担えるのではないかと感じました。議員は自由に動ける、選挙区住民のこと、現場をよく知っている、そして役所もよく知っていて、パイプ役になれます。時にはボランティアもやります。私もブルーシートがけボランティアをやりました。必要に応じて何でもできる、現場の声、情報を行政に上げていく役目を議員は担えると思いました。  11月14日、県議会公明党は、知事に緊急要望をいたしました。総合相談体制とその窓口を設置すること、そして貸し店舗で営業する事業者への支援を行うことの2点でありました。  被災現地の状況は刻々と変化をしています。とりあえずブルーシートも張り、雨漏りも心配なくなった。ただこれから年の瀬を迎えて、我が家はどう再建するのか、家庭の事情はそれぞれ違うでしょうし、建物の状況も違う、資金繰りなどもどうしたらいいのか、そもそもこの地にこの建物にいるべきかどうなのかなど、次の段階に入って苦慮されておられます。制度の情報なり、法律的な助言など欲しい、相談したい、そうした要望に応える必要があります。また、貸し店舗で営業していたが、建物自体が被災し、店舗移転を余儀なくされている事業主もいらっしゃいます。一刻も早く営業を再開しないと事業継続できない、そういう事業者への支援が必要であります。  この緊急要望への対応を知事にお伺いします。  国会議員の働きも重要であります。中四国の公明党国会議員も働きました。いずれも比例区選出で、5県のことは全て受けて取り組んでいます。本県選出議員ではありませんが、真っ先に現地に入り国会でこの地のために働きました。私はもっと使ってもらえればいいと思っています。  谷合参議院議員は、発災翌日の22日、朝9時過ぎには中部総合事務所に駆けつけ、その後合流した斉藤鉄夫衆議院議員と一緒につぶさに現地を調査しました。林副知事、石田倉吉市長とも打ち合わせをいたしました。  そして谷合議員は知事から要望のあった観光対策について、TPP特別委員会の冒頭、風評被害対策を取り上げました。御案内のとおり、安倍総理からは鳥取応援プログラムを早急に取りまとめるとの答弁をいただきました。  またこれに先立ち、11月10日、山本博司参議院議員も取り上げています。参議院総務委員会で、高市総務大臣へ、鳥取県中部地震への財政支援を万全にすべき。また本年度までの緊急防災・減災事業債に関して期間延長をすべきだ。藤井国交政務官に対しては、ふっこう割などの観光支援の助成制度を鳥取でも適用すべきだとの質問をしました。  これに対し、罹災証明発行のために他自治体から100名程度派遣する、緊急防災・減災事業債は来年度へも延長、拡充するとの答弁でありました。  また、ふっこう割については年末に考えるということで、これは北海道の災害対策も含め予備費での対応になるかもしれません。九州ふっこう割では、経費の倍の効果があったようで、大変効果があります。  また、山本議員は11月22日の参議院総務委員会において、鳥取県中部地震の被災地域の受信料免除について質問しました。災害救助法が適用になった倉吉市、北栄町、湯梨浜町では、全半壊を対象にNHK受信料が2カ月間全額免除になるとのことでありました。  県議会公明党も、11月3日の石井国土交通大臣来県の際には、1、地震からの復興支援、観光産業支援のための九州ふっこう割のような割引旅行プラン助成制度の創設。2、被災住宅や建築物の修繕・建設作業員等の確保の2点について直接大臣に要望書を手渡しました。
     公明党に限らず、それぞれの政党、議員が鳥取県中部地震の災害対策に取り組んでいただきました。よく働いておられると思います。最近は議員への風当たりが厳しくなっていますが、こうした議員の働きはマスコミは取り上げません。逆に避けるようにしております。そうしたことで、国民には余り知られていないのが現状であります。  鳥取県の政治行政を担う知事として、災害時の議員の役割について所見を求めたいと思います。  次に、手話革命、手話言語法制定に向けてについて質問します。  手話は言語である。平成25年10月条例制定以来、手話サークルを初めさまざまな場面で聾者や手話を学ぶ人に接する中で、日本語言葉にはない手話のすばらしさを感じるようになりました。  手話の表現力は実に豊かで、直接感じることができます。日本語が繊細な余り、身ぶり手ぶりを余り使わず、言葉だけで表現しようとするのと違って、手ぶりで、体で、表情で表現をする立派な言語であり、すばらしい言語だと実感するようになりました。日本語を補完する言語ではなく、独立した言語であります。  鳥取県から始まった手話言語条例の動きが、全国に広がっています。  現在、全国の55県市町村で条例が制定され、さらに6道府県と17市町で条例制定が検討されているということです。  また全国全ての自治体議会から手話言語法制定を求める意見書が国へ提出されました。100%の自治体からというのは画期的なことであります。  その重みを国や国会はもちろん、政党も感じなければいけません。全ての地方から声が上がったということは、これは国民全体の声と受けとめるべきで、無視をしてはいけません。その思い、良識を法律という形に反映すべきであります。  また手話言語法制定を求める首長の会も結成されております。ことしに入って、6月に全国手話言語市区長会、そして平井知事が代表発起人・会長を務める手話を広める知事の会が発足しました。知事の会は、47名のうち実に7割の33道府県知事の参加で、さらに3県ふえ36道府県までふえました。  法制定を求める背景には、条例だけでは十分な対策がとれないこともあります。例えば教育で、法律がなければ正式な教科になりません。  ただ、内閣では法制定の兆しがありません。7月下旬、私は内閣府の担当者に手話言語法制定について聞き取りを行いましたが、制定の考えは全くなく、議員立法で行うしかないことがわかりました。  そこで、国会の動きですが、これまで順次障害者福祉関係の法律制定、改正が行われてきまして、いよいよ情報・コミュニケーション法手話言語法に向かおうとしています。手話を広める知事の会で公明党の高木美智代衆議院議員が挨拶の中で述べたとおり、さまざまな障害のある方のソフト面でのバリアフリーを前に進めるということで、社会のあらゆる分野の情報アクセス保障のあり方として、まず情報・コミュニケーション法を制定したいと党内で現在進めています。議員立法となりますので、全会一致が原則で、慎重に進めなければいけないということです。  そして、その後の順番が手話言語法の制定ではないかと思っています。  情報・コミュニケーション法で定める情報アクセスや意思疎通の手段としてさまざまな言語、手段がありますが、手話を言語として別途法律で位置づける必要があります。つまり、手話言語の選択、獲得、習得、使用ができる手話言語教育と、手話を普及、保存する手話言語研究を法律として定めなければいけません。成立には情報・コミュニケーション法に比べ、格段の難易度だと言われています。  そこで知事に質問します。手話を広める知事の会で知事は手話革命を起こしたいと2度おっしゃいました。鳥取県手話フォーラムでもおっしゃいました。また知事の会で、障害のある方々がこの世の中を変えていくという願いに、ともに歩む決意をしていますともおっしゃっています。この言葉には、平等社会、ともに歩む社会をつくっていく、それには健常者が真に障害者の立場に立って、思いを同じくしていかなければ築けないということだと思いました。私は、手話言語法制定の運動を突破口にして、統治機構、行政機関、議会、広く国民の意識改革を促し、機構や手続の革命をしていくということなのかと思いました。手話の革命が、実は万般に通じているということではないか。知事の手話言語法制定への思いと手話革命の意味について伺います。  また、知事と教育委員長に伺います。手話言語法を定める大きな意義に、全国一律に教育で手話言語を教えることができるようになるということであります。そうなればいずれ一般社会の中に手話が普及定着していきます。また親子で手話によるコミュニケーションがとれないで、困ったという話もあります。家族に聾者がいるからといって、家族皆手話が使えるかといえばそうでないこともあります。聾者本人が使えない場合もあります。家族でコミュニケーションが十分とれないといったことをなくすためにも、手話の早期教育が必要です。法律をつくることによって、早期支援教育を進め、本人や両親、家族へ手話を教えることができるようにすべきであります。この点について知事と教育委員長の所見を求めます。  そして教育委員長に伺います。手話言語法を制定するということは、日本で手話を正式に言語として認める、公用語として認めることになろうかと思いますが、かつて、旧文部省は認めないようだと聞いたことがあります。手話言語法は言語として制定するということなので、所管としては文科省が中心になるのではないかと思います。抵抗もあると思われます。  地方教育委員会としては、法律で制定されないと正式に手話教育をカリキュラムに取り入れて行うのは難しいと思います。予算上の問題もあるでしょう。教育現場を持つ教育委員会として、手話言語法の制定についてどう考えるのか。また制定されればどのような影響があると考えるのか、学習指導要領カリキュラムなどの改変等も含めて伺います。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、鳥取県中部地震につきまして何点かお尋ねがございました。これまで公明党のほうから会派要望としていただきました相談体制をつくること、また、貸し店舗で営業する事業者への支援がいかがか、さらに災害の際の議会の議員の役割についての所見はいかがかと、こういうお尋ねでございます。  このたび鳥取県中部地震が10月21日に発災をして以降、ここにお集まりの県議の皆様それぞれに大変に御協力をいただき、現場に入っていただき、今、銀杏議員もおっしゃいましたけれども、そこで拾った課題についてみずからボランティアとして身を投じられたり、あるいは私ども現場のほうの災害対策本部であるとか、あるいは私どものほうにいろんな情報も提供していただき、仲介の労をとっていただくなど大変にお力をいただいたこと、この場をおかりして感謝を申し上げたいと思います。  確かに昨今、県会議員の役割についていろいろと言われることも多く、また昨日も静岡県の県議の問題が急にテレビで取り上げられたりなどなどさまざまなことが起こっているわけでありますけれども、私は鳥取県というのは、やはりコミュニティーが小さいからだと思いますけれども、お互い地域でいわば監視をされている状況もあり、また地域の中でみずから役割を果たしていかないとコミュニティーで生きていけないという、いわば地方特有の事情もあるのだと思います。それぞれの皆様がみずからを律しながらなすべきことを考え、行動をされる。そういう意味で震災というのは、皆様にとって大変に御苦労のある大きな挑戦の舞台ともなったのではないかと思います。皆様が動いていただくことで私どものふるさとの復興が一層早く進むことになりますし、一人一人の生活の安定を取り戻す大きな力になると思います。今後ともお力を賜りたくお願いを申し上げたいと思います。  今、銀杏議員のほうから議員の動きにつきましてお尋ねというか、御意見がございました。私も銀杏議員とのかかわりの中で、いろいろと思い当たることもございます。発災の翌日には、今もおっしゃいましたけれども、県議の皆様はもとよりでありますが、国会議員の谷合議員であるとか、あるいは斉藤議員、いち早く被災地のほうに入られたところでございました。  前回の鳥取県西部地震のときもいたく感銘を受けたわけでありますが、あのときも公明党の国会議員の皆さんや、あるいは県会議員の皆さんが公明党と書いた何か制服のようなものを着て、私、米子で災害対策本部におりましたけれども、そちらのほうに早い段階でやってきて、毛布を配るだとか、たしかそんなようなことをされていたと思います。どういうネットワークでそういう物資の調達をされているのか当時はよくわかりませんでしたけれども、皆様が体を張ってされている状況を当時も拝見をさせていただいておりました。  今回さまざまな意味でお世話になったことがございます。実は山本参議院議員も、四国の方ではいらっしゃいますけれども、10月29日、30日と鳥取県のほうにお越しいただいております。これは本県など全国の都道府県で一緒になってやっておりました障害者の芸術文化をパラリンピックに向けて進めていこうという、そういう集まりでございました。眞子内親王殿下も来られたわけでありますが、山本議員からも御挨拶の中で我々の被災に対する見舞いの言葉をいただきました。  そのとき山本議員に実は舞台の下といいますか、親しくお話しできるタイミングを捉えてお願いをいたしましたのは、実は石井大臣に私もいろいろお願いをしていると。1つは、早く災害復興を進めるためにも事業に着手しやすいような環境をつくっていただきたいし、しっかりとした国土交通行政でのバックアップをお願い申し上げたいということを申し上げました。  2つ目には、喫緊の課題であります観光風評被害のことでございまして、これは石井大臣と実は最初に月曜日から電話でも御相談、お願いを申し上げているのですけれども、正直なかなかハードルが高いだろうなというような電話でのやりとりでありました。  九州ふっこう割のお話が今ございましたけれども、九州ふっこう割については国が補正予算を組むタイミングがたまたまあったのですね。あのときは補正予算があって、議論がしやすかったと。今、銀杏議員がおっしゃいましたけれども、予備費というちょっとお話があって、私もそこはよくわかりませんが、今そういう補正予算を組むというタイミングではないものですから、機動的に動ける材料がないということもおっしゃっておられたと思います。ただ、お話は聞いていただけましたし、しっかり考えてみたいということをおっしゃっていました。  私も何人か今回大臣さんや政務の方々とお話を申し上げていますが、石井大臣は、自分の頭で割と考えられるタイプの方だと思います。それで被災の状況についても私のほうで率直なお話として、もうブルーシートもたくさん配られているし、1万を超える被害だと。数えるほうが間に合わないので、200、300という数字が出て、そういう頭に政府はなっているかもしれないけれども、それは間違いですよと。そこのところなど非常にすっと御理解をいただいて、被害の甚大さに鑑みて視察をしようということもお話としてはだんだんなってきたわけであります。ただ、なかなか厄介な課題でありまして、山本議員のほうにも同じ公明党なのでお力添えをいただけないだろうかということを申し上げました。  驚きましたのは、11月3日の大臣の視察のときに山本議員もお見えになって、一緒になって歩いていただきました。このとき公明党からは銀杏議員や、あるいは濱辺議員、澤議員、さらには北栄町の斉尾議員もおられたと思いますが、そうした皆さんも一緒に来られまして、公明党からも観光風評被害などについてその場で御提言をしていただきました。こういうことが恐らくいろいろと今後、効果が出てくるのではないかと思います。  また、谷合議員にも国会での質問のチャンスがあったわけです。たまたまその前日、銀杏議員を初め公明党の会派の皆さんから先ほどおっしゃった緊急提言をいただいたときがございまして、その際に谷合議員が質問されるというお話がありましたので、観光風評被害が難航するかもしれないので、ぜひお願いをしてもらいたいということを申し上げましたところ、銀杏代表等でお諮りいただいたのだと思います。谷合議員のほうから総理のほうにお話がございました。総理のほうから出てきたのが鳥取を応援するプログラムを考えようという言葉でありまして、非常にこれは我々としてはある意味収穫のある国会答弁を引き出していただいたというふうに思ったところであります。  これは別に公明党さんに限った話でもないわけでありまして、先ほども山口県議のほうから太田元大臣を通じて石井大臣のほうに観光風評被害についてお願いをしたとかというお話も伺ったのですけれども、各党、各会派でそれぞれのお立場でチャンネルをつないでいただいて、我々鳥取県内だけではどうしても始末がつかないこと、これについて道筋をつけていただけるということとなりました。これはまだ結果が出ているもの、出ていないものいろいろあります。中には石井大臣から事前の着工的な、1,500万円まで簡易なシステムで着工できるという災害復旧の特例措置の適用を出していただいたり、既に効果があらわれているものもございます。  観光の被害については、正直申し上げて今渦中でございまして、さまざまな事務レベルでのやりとりもしておりますし、国会の先生、石破議員とか、あるいは赤澤議員だとか、いろんな話をしていただいていることも聞こえてきておりまして、ぜひ何とかなればなというふうに思っています。  議員の皆様に一つ、これはこの場でのお願いではございますけれども、既に先般、予算を提案させていただきましたが、観光風評被害について仮に政府のほうで一定の措置を出してくださるというときには、議会の皆様に再々で申しわけありませんが、再度追加提案させていただくことを我々としてはお願いをしたいと思います。これはうまくいけばという前提つきでございますけれども、うまくいった場合には早目に観光対策をやらなければなりません。今からだともう年明け以降のことになるかもしれませんが、ただ、それでも早目にしなければいけませんので、ぜひまた今議会で相談をするチャンスがあれば受けとめていただければありがたいと思います。  次に、相談体制や窓口の御相談をいただいたことでありますけれども、これは11月22日に早速県としての相談窓口を総合的な窓口として中部総合事務所に開設をいたしました。  また、11月24日には弁護士会であるとか、司法書士会であるとか、土地家屋調査士ですかね、そうしたもののふの皆さんの合同相談会を県ももちろん入りまして、エキパル倉吉、倉吉駅のところで行いました。いろいろと相談も寄せられておりまして、市役所、町役場とあわせて活用をいただけるようになっております。  また、2つ目にお話がございました貸し家に入居されている店舗等の対策ということでありますが、今、我々個別のお店と相談をするようにしております。倉吉商工会議所が倉吉のことを一応取りまとめることになっていますし、我々のほうでも直接いろいろとやろうということになっていますが、一応倉吉商工会議所と相談しながら進めております。  例えばそのお店のタイプによってやり方が変わるわけでありますけれども、一般的な自分のお店が壊れて直すというときは、200万円以下のところの補助金を出させていただく復興・復旧型の経営革新制度をこのたび予算を増額していただきました。あれを適用することが可能であります。  貸し家の場合、ちょっと厄介なのは、自分でその家をさわれないことですね。その貸し家が使えないのであればよそでまた新たな店舗をつくるということになりまして、うまくこういう適用関係が難しいケースがございます。  そういうようなケースについて、例えば上井のところが被害が激しかったのですけれども、上井のビルの2階で店舗を営業されていて、地鶏とか非常に熱心にやっておられるお店も残念ながら被災をされました。こちらについては今、個別の話し合いもしているわけでありますけれども、近くの別のビルで営業を再開すると。その際にまた新しいメニューもつくって、いわば再スタートをするというようなことの話し合いを私どもと商工会議所レベルでしているところです。こういうようなことであればスタート型という経営革新制度の別の事業を使って、かなり額も大き目な形で、300万円ぐらいいけたと思うのですが、そうした形で適用してみてはどうだろうか。無利子、無保証料という融資制度もあるということであります。  また、そのすぐ近くに例えば美容室がございまして、こちらも被災したものがありますが、これも別のところで着つけなども含めた新事業展開をしようと。そういうようなタイプとして経営革新制度のスタート型を使う。これによって被災の復興支援ができるのではないか。こういうようにいろいろと柔軟に、個々の事業者に沿った対策をとる、これを我々のポリシーとしてやってまいりたいと思っております。  次に、手話につきましてお話がございました。手話革命の意義はどういうところにあるのか、また教育委員会にもあわせてお話がございましたが、法律をつくって早期の支援教育や家族への手話等々が必要ではないだろうかと、こういうお話がございました。  私はあえて手話革命という言葉を使ったのは、パラダイムシフトを起こそうということです。この議場で大議論をして、皆様にもお認めをいただき、私たちは手話言語条例をつくったわけであります。議員もおっしゃいましたけれども、文部科学省には文部科学省の事情があって、なかなか難しいかもしれない。国がなかなか制度をつくれない状況の中で、我々はそうしたいろんな行政の垣根を超えてルールを設定したり、プロモーションをかけたりすることができる。条例という形で予算もつけながらスタートを切ろうということにしました。  今、実は私もあちこち非常に呼ばれるようになりまして、つい先般も札幌のほうで手話の話をしてくれというようなことがございましたし、今度和歌山に来いと言われたり、さまざまなところで鳥取県議会が決めた条例のすばらしさというのをぜひみんなに教えてくれという動きが非常に強まっております。そういうような形で55の自治体で今、手話言語条例が現に成立をするということにまでなってまいりました。その着火点に火をつけていただいたのがお集まりの皆様でございます。この手話言語条例をつくったことで我々の地域ではもちろんのこと、全国に向けてパラダイムシフトを起こそうということを私どもとしては考えるべきではないかなと思います。  革命と言ったのは、いわばIT革命という言葉のアナロジーでございました。ITで新しいコミュニケーション手段を得ることができる。それが手話というのも同様のものではないだろうか。手話を使う別の言語として認知をして手話というものを通していろんな方とコミュニケーションができるし、ひょっとすると健常者の方も手話を多少覚えることによって新しい世界を開くことができるかもしれない。ITによって社会が劇的に変わったように、手話ということを正面から認知をすることで当然ながら障害者が使いやすい暮らしにもつながるし、また私たちの文化自体も変わっていくのではないだろうか、そんな意味で手話革命ということを目指したいと思っております。  これによりまして法律の制定をという動きもあり、我が県議会でも可決をしていただいたわけでありますが、それが何と今は全自治体まで広がったところでございます。  この上は国でそれを実行していただく以外ないと思っており、ぜひとも手話言語法の制定を求めたいと思いますし、それと関連して情報・コミュニケーション法というものも当然ながら考えていただくこともあるだろうと思っています。高木美智代議員ですね、障害福祉の委員長をされておられまして、たびたびお会いをします。私のほうからもお願いをさせていただきますし、非常に御理解をいただいていると思います。ただ、国会には国会のやり方がありましょうから、いろんなステップを踏んでいかなければならないのだろうと思います。  手話言語法ができたときにそこでぜひ目指していただきたいのは、私どももここで議論をした学校等の場での教育、早期に手話というものを知ってもらうチャンスをつくることだと思っています。私どもも経験しましたが、学校教育で手話を入れることの難しさがあるだろう。現場での抵抗感もありました。しかし、手話のハンドブックをつくり、そして学校の先生方のサポートシステムもつくりやってまいりましたら、本当に子供たちも覚えるのも早く、ひょっとしたらこれで10数年後には世の中が変わるのではないかなというふうにも思えるぐらいになってきました。若干抵抗感があった現場だと思いますけれども、学校のほうも変わってきて、例えば岩美高校で今度手話の基礎手話Iというカリキュラムを設定することも今目指されるぐらいになってきておりまして、全国でも先端的なことも始まろうとしています。  手話を御家族が学ぶチャンスとして、これは事実上のことでありますが、聾学校においてその保護者の手話教室というのを毎週されたりしています。ただ、こういうことがどんどんと制度化されていく必要があると思うのですね。やはり社会の根幹のかかわることですし、鳥取県だけの問題でもないと思いますので、手話言語法がこういう早期の教育支援であるとか、御家族への支援等々の一つの土台になろうかと思います。ぜひ公明党でも党を挙げて取り組んでいただいていると伺っておりますので、実現に向けて御尽力を賜ればと思います。 ◯議長(斉木正一君)中島教育委員会委員長 ◯教育委員会委員長(中島諒人君)手話の早期教育についての御質問をいただいております。  早期教育ということで、ふと、では、聞こえる人間がどういうふうに言語を習得していくのかということを思いました。大体3歳までに言語の素地ができると。それでそのときに私たちは、普通聞こえる場合、生まれたときからわからないまでも母親などを中心にして言葉がそれこそシャワーのように浴びせられ、そして家族から、そして周囲からということで言葉を浴びせられることでもって物には名前があるということを知り、そしてそれを呼ぶ、それによって周りとコミュニケーションが開けていくというヘレン・ケラーの伝記などで語られるようなああいう世界を体験していくことでもって私たちは言語の世界に入っていくのかなと思うのです。  それとパラレルに耳が聞こえないお子さんの言語習得ということを考えてみると、まず本人にどのように手話を入れていくかという水準と、それから家族の方にどのように手話を入れていくか、そしてそれを取り囲む、すごく大きい言い方になりますけれども、社会に対してどういうふうに手話というものを入れていくかというふうに恐らく3層で考えられるのではないかなというふうに考えました。  今、本人ということについて言うと、まずは鳥取聾学校などにおいて手話の一歩手前のところでキューサインとか指文字を学び、それからだんだんと手話に入っていくということをされていると。  その御家族の皆さんには、幼稚部の段階から、今、知事からも御紹介がありましたけれども、PTAの手話学習会が月に2回から4回開催されるというようなことがあるようです。その他の形でも保護者にいろんな支援も実施してきていると。それからまだ幼稚園に入られる以前のお子さんに対してもいろんな教育相談のような形で保護者の方にも学んでいってもらっているということがあるようです。基本的には今、本人とか御家族についての早期教育というプロセスは、ある程度は行われているということを言っていいのではないかなというふうに思っております。  ただ、一方で、手話に対する障害についての理解というのが家族の方に薄くて、それで手話を学ばせたくないというようなことをお考えになる耳に障害のあるお子さんの保護者の方もいらっしゃるということもあるようで、こういう方も含めてどういうふうに周りの理解を広げていくかということが非常に大きな課題になるかなと思います。  また、それから社会に対する啓発という意味では、手話普及支援員であるとか、手話ハンドブックというようなことも進んでおりまして、手話に対する理解が非常に手話言語条例以降高まっているということもあって、手話普及支援員の派遣の数とかが非常に伸びてきているということで、これは非常にいいことなのではないかなと思っておりますけれども、何にせよより手話というものを理解し、それを通じていろんな意味での他者理解を進めていく、そして聴覚に障害のある方がより積極的に社会に参加してもらって、その能力を生かしていくという状況をつくるために教育委員会としても環境整備をしっかり進めていかなければいけないなというふうに思っております。  手話言語法が制定されたとして、学習指導要領カリキュラムなどの改変等も含めてどういうことが、どういう影響があるかということなのですけれども、現在調べてみるとオーストリア、ハンガリーなど6カ国で憲法の中で手話が位置づけられ、スウェーデン、ベルギーなど11カ国で公的言語ということで法律で位置づけられているということのようです。  実際確かに法律で位置づけられると、学習指導要領の中で手話が位置づけられるということも当然出てくるのかなというふうに思います。  聾学校の現状を聞いてみると、授業に手話という授業がないのですよね。それでなるほどなと思ったのですけれども、例えばそうすると聾学校の中でももしかして手話という授業が教科として入ってくるということもあるのかなというようなことも思うのですが、聾学校の現状についてお聞きするとベーシックなものとしていろんなあらゆる場面を捉えて手話を教えているので、教科化にすることのメリットというのがどれぐらいあるのかなというような意見も少しあったりするようなのですけれども、この辺は実際現場の意見も聞きながら、いろいろ教えなければいけないことも非常に多いという中で、どういうふうにカリキュラムになったときに手話を位置づけていくのかということも考えなければいけないかなと思っております。  また、その他の聾学校以外の学校の中でもどういうふうに手話を位置づけていくかということ、これは今、先ほど知事からも御紹介があったように、例えば岩美高校の中での取り組みというようなこともことしからありますし、来年度から学校設定科目として岩美高校の中で手話を教えるというようなことも進んでおりますので、こういうことを先進事例としながら、どういうふうに学校のカリキュラムの中に位置づけていけるかということも考えていかなければいけないかなと思っています。  あと教育委員会として大事だなと思っておりますのは、こういう手話に対する対応とあわせてほかの障害も含めて障害に関する理解、障害者とともに生きていくということをどういうふうに進めていくか、これを教育の中でしっかりとやっていくということが非常に重要なことだなと思っております。今、障害が大体において逆説の言葉として使われるということが私は多いのではないかなと思っています。障害があるが、このようだというふうに言われるようなことがすごく多い。これをセットにされない、障害が逆説の言葉とセットされない世界をつくっていく、障害がある人もない人もそれぞれのよさを認め合いながら生きていける社会をつくっていく、これが私たちにとっての社会的な目標であり、先ほど知事もおっしゃった革命ということの意味なのではないかと思いますけれども、この小さい鳥取県の中で学校教育を中心にしてそういう発信をしていくということ、これは教育委員会としてぜひやっていかなければいけないことだと認識しております。 ◯議長(斉木正一君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)初めに、鳥取県中部地震であります。  総合相談窓口の開設をしていただいております。いろんな課題を抱えて相談に来られる方がいらっしゃろうかと思いますが、そうした相談窓口が情報収集機能を担うということもございまして、その中から次の現場対応の施策が生まれるのではないかというふうに期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。  中部地震では、私も発災当日すぐさまほかの同僚議員とも行きました。倉吉市役所であったり、災害対策本部、北栄町役場等々に行って、本当に激しい余震を感じてまいりました。議会議員の役割ということで思いますに、自分自身がそうなのですけれども、余り議会としてのまとまりがなかったかなというふうに反省をしております。倉吉市のボランティアセンターで川部議員や福浜議員にもお会いしたことがございました。多分ほかの方もたくさん来ていらっしゃったのだろうというふうに思いますけれども、現地に入ってどうだったのかとか、課題はどうかなど、そうした情報の共有が県議会においては議員間での情報のやりとりというのが、会派の中であったかもしれませんが、全体の中ではなかったかなと。本当は個々の議員がそれぞれ災害対策本部なり行政に要請していくというよりも、ある意味課題を集約して、その中からまとめて出していったほうがより的確なものが要請できたのかなというふうな反省も自分はしております。これはまた議会のほうでの課題になるかもしれません。  ところで一昨日、情報がございまして、国のほうではいよいよ具体的な対応策を考えておられるのか、総理が直接知事にお会いしたいというふうなお話があるということをお聞きしております。支障のない範囲でもしお知らせいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。  全日本ろうあ連盟、石野富志三郎理事長が石田倉吉市長、そして平井知事と面談されて、その内容が新聞報道されておりました。一つには、個人情報保護法が壁になって、中部の在住の約180人の聴覚障害者のうち、30人しか安否確認ができなかったというふうな記事であったと思いますが、実はこれは私の記事の読み間違いの部分もございまして、正確に言うと中部聴覚障害者センターが30人しか把握できていなかったという記事だったということであります。  これにつきまして要援護者の登録と、それらの要援護者の方に迅速正確に必要な情報を提供する、これが大変必要なわけでありますけれども、その中で関係機関、この場合は聴覚障害者センターですけれども、十分な情報共有が私は必要だというふうに思うわけですね。安否だけではなく、その後のサポートのためにもその180名全員との連携がとれるべきだろうなというふうに思いました。新聞報道にもありました指摘について知事の所見を求めたいと思います。  もう一つ、避難所で市の職員から手話のコミュニケーションを受けられて大変気持ちが落ちついた聴覚障害者がおられたということも、これも報道されておりました。使いなれた手話言語の必要性が再認識されたことだと思いますが、これに対してやはり手話を使える支援者をもっとふやす必要があるなというふうに思いますが、また一般県民の方でも、例えば10人に1人ぐらいでも多少なりとも手話が使える方がふえていくと、避難された方同士で何かと意思疎通ができて避難所生活のストレスが減るのではないかなというふうに思いました。一般向けの手話の普及を進めていかなくてはいけない、また感じたわけであります。と同時に、そうした一般の避難所にも健聴者にも使えるように、手話の辞典なり、緊急災害時の手話や日常会話の手話の一覧、ポスターなどを避難所に配置すべきではないかと思いました。筆記用具も当然必要でございます。避難所での情報アクセスの保障、意思疎通の確保について、知事の所見をお願いいたします。  手話についてもさらに質問をしたいと思います。  知事の会へお願いしたいことがございまして、手話言語法制定に対しては、政党や国会議員の同意が必要であります。ぜひ知事の会は、それらの方への働きかけを強めていただきたいと思います。知事にお伺いをいたします。  聴覚障害者支援や手話を普及するために、地方での条例制定や具体的施策を実施していくことが必要でありまして、先ほど北海道に行かれての講演もありましたようですが、そうした機会が多いということで安心もするわけでありますけれども、知事の会が先導して、また全国手話言語市区長会にも呼びかけて広げるように進めていただきたいと思いますが、知事の所見をいただきたいと思います。  手話を広める知事の会の中で、条例制定県による事例発表が4件ございました。情報へのアクセス、災害時の情報保障、手話による文化芸術振興、手話推進の日の制定、広報などなど各地でいろんな取り組みが行われているというふうに思いました。  翻って本県の取り組みが全てを網羅しているわけでは当然ありませんが、全国をリードする平井知事といたしまして、これからどのように施策を本県の中で新たに進め、また上乗せしていくのか、さらに施策に沿った条例に改正してより充実させていくつもりはないのか伺います。  実は私は、もともと内気で引っ込み思案でございまして、手話を勉強しようとしまして、いろいろ抵抗があったのですが、自分を外に向けて体も動かして表現をしていかなくてはいけないと、そういうことから積極性を出すには大変これは効果があるなというふうに思いました。こうした効果を教育に積極的に生かすべきだと思いますけれども、教育委員長の所見を伺います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねて災害や手話につきましてお尋ねがございました。  まず観光等で今、私どもでお願いしていることの今後の動きということにつきましてでありますが、10月27日に安倍総理、それから石井国土交通大臣を初め政府の要路の皆さんに私のほうから市町村長や、あるいは観光関係者を伴いまして風評被害対策を強く求めたり、財源対策、復旧対策を求めて歩きました。そのとき安倍総理にも私どもの要求を受けとめていただきまして、そうしたできることはやっていくというお言葉だったと思いますけれども、受けとめていただいたわけであります。その後いろいろとやりとりをしておりまして、私どもとしては何とか道筋をつけていただければと思っております。  今現在の状況では、そうした再度総理にお会いをいただくことも含めて政府側への働きかけ、面談の機会を今いろいろとアプローチをしているというのが現段階であります。現状まだ決まったことはございませんで、先ほど申しましたように今動いているものでありますから、今後、何か決まってくるものが出てきたときは再度議会のほうに追加的な御相談をするかもしれないという状況であります。  聴覚障害者の災害対応につきましてお尋ねがあったわけでございます。  これについては報道にもありましたように、私も直接会いました。全日本ろうあ連の石野理事長さんとお会いしました。もちろん手話を通じてのコミュニケーションになりますが、何となくニュアンスはある程度わかるのですけれども、石野理事長は、鳥取県のこれまでの手話言語条例の取り組みは生きていたということを言いたかったのが一つだと思います。そこはただ、十分上手に報道の中に出ていない部分でありまして、例えば手話を使える人に出会ったらほっとしたとか、そういうお話はそういう文脈の中で語られていました。ですから鳥取県の対応が非常によくなかったと言いに来たわけではなかったのですね。ですから見舞金もあわせて持ってきたということだったわけです。  ただ、そこで事実としてこんな話を聞いたということをおっしゃったわけでありまして、それが私ども聴覚障害者センターを東・中・西つくりました。そこのセンターのほうで全部の人がわからないと。会員が23名いらっしゃるのですけれども、170名ぐらい実は手帳を持っている方がいらっしゃるわけです。そこが聴覚障害者協会と現実の障害者の方とのギャップがありまして、これは中部に限らず東部、西部でもあるわけです。そこのところのどういうような聴覚障害の方がどういう状況なのか、なかなか情報がなくて面談ができないというお話なわけですね。私はその後、早速石田市長とも電話でお話をしたりして、対策をとろうということでお互い話し合ったところであるのですけれども、実態の状況はどうだったかということを、その後、情報が入ってまいりましたが、170名の方全てに市の職員が安否確認に行ったのだそうです。要支援者名簿に載っておられるので、その支援者名簿に沿って、手帳を持っておられる方には全員安否確認をとったということでありました。ですから、初動で全く孤立していたわけではどうもなかったようです。ただ、聴覚障害者同士のコミュニケーションで安心することもありますので、そうしたコミュニケーションというのをしっかりとれるような体制も本当は必要なのだと思います。これは個人情報保護審議会の市のほうで許諾をしてもらうとか、厄介な手続も正直あるのですけれども、今回の災害を機として、今回これを総括した上で、次の対策としては、そうした情報の開示等も含めて、聴覚障害者センターとの連携ということも含めて、対策をとれるようにすべきではないかと思います。  また、今回については、順次、今個別の方に了解をとって、情報開示ができるかどうかを今市が動いてくださっていますし、また、アンケート調査をしながら、了解がとれるのであれば、そうした中部の聴覚障害者センターとコンタクトをとれるという体制を今つくろうとしているところであります。  また、そのほかにも情報アクセスの課題が今回も当然ながら避難所等でも十分でないことはあったと思います。先般も申し上げましたが、この辺も総括をして、新年度中には地域防災計画、あるいは避難計画等の改定に向けて動きたいと思っております。  手話言語法の制定につきまして、あるいは手話言語条例の普及についてお話がございましたが、これはぜひ市区長さん、あるいは知事会のメンバーでこうした働きかけを今後ともやってまいりたいと思います。  知事がメンバーにおります手話を広める会には、公明党から高木議員がお見えでありましたけれども、そのほか、自民党からも古川議員であるとか、今井参議院議員、それから、川田さんですかね、エイズの関係の民進党の先生であるとか、そうした党派を超えて御招待した方々、呼びかけた中で参加された各党の皆さんもいらっしゃいました。党派を超えて、こういう課題について、先ほど議員立法というお話がありましたけれども、取り組んでいただければというふうに思っております。  また、手話の施策についてでありますが、今PDCAサイクルを回して、年々バージョンアップを図っていくようにいたしております。今々見えている課題でいえば、やはり今回の災害時のことでの課題があるのではないかということだとか、それから、聴覚障害の方が孤立しがちなのではないだろうか。ですから、集まれる場の確保だとか、そうしたアプローチをもっと考えるべきかなということがあります。また、手話通訳者の安全等々、そうしたことも含めて、今も見えている課題もあります。こういうものは、またPDCAサイクルを回しまして、新年度予算や今後の計画の中に入れていきたいと思います。  あわせて、あいサポート条例を今検討させていただいておりまして、この中で、情報コミュニケーション情報アクセスという観点で、聴覚障害者の課題も当然取り上げることになると思います。そうした中で、今我々で向かっていかなければならない条例上の手当て、これもあいサポート条例のほうの提案の中に盛り込んでまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)中島教育委員会委員長 ◯教育委員会委員長(中島諒人君)手話が積極性を出すには効果があるのではないかというお話です。  私もそのとおりだと思います。ありがとうございますというのをただ手でやっても伝わらなくて、何かありがとうという気持ちを持たないとだめだというので、要するにただ形をやるのではなくて、あるエネルギーを持って他者に向かってそれを出して関係をつくっていくのだということを前提としないと、コミュニケーションが成立しない。それは、いわゆる聞こえている子供たちにとっても、どういうふうに人に言葉を出し、あるいは体の動きなども見せて、自分の中の何かを伝えていくのかということが、今多くの子供たちにとって非常に課題、なかなかそれがうまくできない子供が多いという状況の中で、議員がおっしゃることはそのとおりだろうと思います。  実際、この間、銀杏議員もごらんになりましたけれども、手話フォーラムのときの演劇を私も見ましたけれども、皆さん非常に表情が豊かで、エネルギーが前に出ていらして、すばらしいなと思いましたし、それから、アメリカ・ロサンジェルスでデフ・ウェストというミュージカルの劇団がありまして、これはブロードウェイでも上演をやって、2016年のトニー賞にノミネートされたというぐらいすばらしいミュージカルをやるのですけれども、この人たちも本当にエネルギーがばんばん前に出るのですよね。そういうことを子供たちにどういうふうに体験してもらうかということは、まだまだ工夫の余地があるのではないかなというふうに思います。  手話普及支援員の皆さんとかが、今はどちらかというと恐らくサインを教えるというニュアンスのほうが強いのではないかなと思うのですけれども、学習発表会などにもいろいろ支援をしていただいているというような状況の中で、より自分の中のエネルギーを出していく一つの機会とか、ツールとしての手話というものを捉え、それが子供たちに影響を与えて、ふだんのコミュニケーションのあり方も変えていくということは、これは全然あり得ることだと思うので、学校現場における手話の指導の仕方とかも含めて、少し検討させていただきたいなと思います。 ◯議長(斉木正一君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)この手話を言語として認めてもらうような、そうした法制定をしていくための弾みといたしまして、手話を広める知事の会で読売新聞大阪本社の井手編集委員による講演がありまして、これが大変核心を突く講演で、ヒントになるかなと私は思いました。手話革命を起こしたい、手話言語法制定に向けてというテーマでありましたけれども、その講演の中で、デフリンピックの開催を提案されております。デフリンピックは聾者のオリンピックで、夏季大会は1924年から始まって、来年で第23回大会を迎える。冬季大会は1949年に始まって、去年、第19回大会が開催をされたと。歴史がある大会であります。4年ごとに開催をされておりますけれども、聾者自身が運営をする聾者のための国際的なスポーツ大会であります。そこで使われる言葉は国際手話で、井手氏は、国の壁を破るためにはデフリンピックを招致するのがよいというふうに提案をされました。夏季大会で80カ国3,000人近い聴覚障害者が来日をされ、国際手話が公用語として使われますので、政府は、これは何もしないわけにはいかないと強調されておりました。そして、さらに、鳥取にはコカ・コーラウエストパーク陸上競技場があると。この競技場を使ってぜひ開催してほしいとも呼びかけておられます。  私はこれは大変な試みでありますけれども、皆と協力して開催できたら、大きく前進することは間違いないというふうに思いました。一つの県でできなくても、他県と協力してでも開催をすべきではないかなと思います。
     調べてみますと、夏季大会では、2021年以降が決まっていない。冬季大会では、2023年以降が決まっていないようであります。当事者、関係団体の意向や国の考えなどもあろうかと思いますが、手話革命とおっしゃる知事のこの開催についての意向はどうなのか。ぜひ招致を検討すべきと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員からデフリンピックの開催につきまして、お尋ねがございました。  手話を広める知事の会の席上、井手さんのほうからお話があったものでございます。その後、私どもも全日本ろうあ連盟の幹部の皆さんともやりとりもしてはおりますけれども、かなり大きな大会ということになります。種目としては、陸上だけでなくて、バレーボールとか、水泳だとか、アーチェリーだとか、本当にオリンピックと同じように各種目をやることになります。ですから、今東京が大騒ぎしておりますけれども、あれと同じようなことをやはり、これは一つの伝統なのでしょうね、パラリンピックからデフリンピックだけ抜けているわけです。本当はパラリンピックで一緒にやるというのが考え方としてはあり得るのかもしれませんけれども、現状ではパラリンピックとデフリンピックがそれぞれ併存してやっているわけでありまして、いわばパラリンピックの聴覚障害者版をやるというぐらいのイメージの大会になります。  選手だけでも3,000人でございまして、役員等を入れるとかなり大きなものになりますし、パラリンピックやオリンピックと同じように、会場の基準がオリンピック仕様的なものになります。つまり、同じようなことをやるということに一つの意義があるようでございまして、ですから、かなり大がかりなことは間違いないわけです。  全日本ろうあ連盟のほうでは、今当面、それを我々のほうで誘致する動きはない、考えはないということでありまして、もしやるとしても、東京でオリンピックをやるわけでありますから、そういう東京だとかで考えられるのかなというのが今の率直な彼らの考え方であると受けとめています。  このことをまた知事連盟の中でもお互い話もしてみたいとは思いますけれども、例えば我々のところで、日本聴覚障害者陸上選手権大会をやりました。これは立派に運営もできましたし、県内で聾者の方々の活躍の姿を見ていただくチャンスにもなったと思います。デフリンピックにも実は個別の世界選手権がございまして、陸上競技の世界聾者陸上競技選手権大会という、これはかなり格式の高い大会もあります。  スポーツということで、それでサインランゲージ、手話の重要性というものを広く政府にも認識してもらったり、それから、我々のほうで社会的な運動を広げていく意味でも力になるとは思います。ですから、今せっかく御質問もいただきましたので、どういう形でそういう聾者の皆様、聴覚障害者の皆様の活躍の場というものを鳥取なり、あるいは他の府県と連携してつくることができるのか、検討させていただきたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)33番銀杏議員 ◯33番(銀杏泰利君)関西ワールドマスターズゲームなどもこれから行いますが、そうしたものも十分経験も生かしてできないものかなというふうにも思ったりしますので、ぜひとも御検討いただきたいと思います。  最後に、情報技術の進歩によりまして、外国の言葉を知らなくても、日本語と、例えば韓国語の通訳をスマホがやってくれるような時代になってきました。健聴者と聾者が手話を使わないで簡単に意思疎通ができるようになってまいりました。つまり、手話が言語として認められなければ、いずれ手話が使われなくなる可能性もあります。手話という言語がなくなってしまう可能性があるということであります。  聾者には強い思いがありまして、手話を認めるということは、聾者の人権を守ることだと、手話は聾者の意思を表現する手段で、それを認めないということは、意思の表現を認めないことと同義で、人権を無視することになる。ですから、聾者には手話を獲得する権利があるということだと思います。私は、それを国は保障する義務があると考えます。この点について、何度も聞くようでございますけれども、再度、知事の所見を伺いたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)銀杏議員から重ねてのお尋ねがございました。  これについては、国連の障害者権利条約におきまして、手話は言語だと認められたことは記憶に新しいわけでありますし、我が国の障害者基本法におきましても、3条において、手話は言語に含まれるというような表現で言語性が認められています。ただ、それを単に取り決めるだけでは余り意味がないのだと思います。今、議員がおっしゃるように、そういうコミュニケーション手段として使うことができること、使えるという環境が保障されなければならない。これがその法的な規範を定律する目的なのだろうと思います。  今世界を見渡してみても、例えばフィンランドにおいて、先ほどもお話がございましたけれども、2000年に憲法で手話が言語だと認められ、それから、手話のコミュニケーションの法律もその後制定をされています。今フィンランドで国として保障している意味をその法律の中でも述べているわけでありまして、無料で無制限に手話通訳を使うことができる権利として規定されています。これは、なかなか一つの地方団体だけで実現できる体制でもございませんで、やはり一つの国でそういうことに、権利性を十分に認めた上で、そうした環境をしっかりと保障していくということがあります。これは法律がまず先立ってこそ、こういう思い切った体制というものができるのだと思います。  また、アメリカで手話というものを広げていったギャローデット大学という大学がありまして、フランス系の手話がアメリカからさらに広まった一つの起点となる大学であります。そうしたところでのさまざまな活動があり、アメリカでも一つの法律として連邦のほうでコミュニケーション法というものができるわけであります。これによって、向こうに旅行されたりするとわかりますけれども、ニュース番組だとか何だとかで字幕がつくのですね。100%、放送に字幕がつくというのはこの法律の一つの帰結であります。これによって、手話ではないかもしれませんが、そういう文字を通して文字情報で聴覚障害者の方もコミュニケーションをとる、情報を得るという一つの権利性が生まれます。また、災害であります。災害があったときに、手話通訳者でその放送に手話通訳をつける、これもそうした法律の考え方の中で生まれているアメリカの制度であります。  ですから、我が国も、現状、100%悪いということは申しませんけれども、地域でばらばらに、それぞれができることを予算がつけばやっているということではなくて、国全体で考える必要もあるのではないかと思います。一つの例を申し上げれば、公職選挙法が改正をされて、政見放送に手話通訳がつくようになりました。あれも長年にわたる全日本ろうあ連盟の活動の成果なわけでありますけれども、法律で書かないとああいうことができないわけであります。そういう意味で、ぜひ国会においての議論が深まることを我々としても願うものであります。 ◯議長(斉木正一君)29番前田八壽彦議員 ◯29番(前田八壽彦君)(登壇、拍手)自由民主党の前田です。  質問に入るまでに少し時間をいただきまして、私は11月17日に関西広域連合議会で議員になって4回目の一般質問を行いました。質問時間は、議員1人当たり4分であり、どうにもならないので、興治議員の4分と合わせて8分で、2人で交互に質問を行っております。本議会の与えられた25分のありがたさをかみしめ、質問を行いたいと思います。  中部地震の早期の復帰を祈念しながら、私は、今回の1つ目の質問に、鳥取県の川づくりの目指すものはというテーマを取り上げたいと思います。  質問に入る前に、河川法の変遷について触れたいと思います。河川法は、明治29年に制定され、本格的な治水対策を実施するために誕生したものでありました。制定以来、我が国の治水に関する近代的な河川制度として、約70年間、その役割を果たしました。次いで、戦後の高度経済成長に伴い、昭和39年に治水のみならず、利水を含めた体系的な制度の整備が図られ、水系一貫管理制度を骨子として改正されました。また、平成9年には、住民の環境や自然との共生などに対する意識の高まりから、豊かで美しい河川環境整備と保全を目指し、従来の治水、利水に加え、河川環境の整備と保全が位置づけられたのであります。また、同時に、地域の特性を生かした川づくりを行うため、河川整備の計画において、地方公共団体の長、地域住民等の意見を反映する手続を導入し、河川流域の合意形成を図ることとなったのであります。  それでは、本論に入りたいと思います。河川整備が洪水を安全に流す治水だけでなく、美しい環境をつくり出すことも目的とされたことは、従来の設計思想の大転換とも言えます。国土交通省は、平成18年に、川の営みを生かした川づくりの具体的な行動指針とも言える多自然川づくり基本方針を定めています。同指針は、多様な河川環境を保全、復元する、連続した環境条件を確保する、生物生態系の保全を図る、水循環を確保するを基本的な考え方としております。国においては、このような河川整備における設計思想の変遷が見られましたが、本県では、河川整備において、具体的にどのように取り組まれておるか、平井知事の御所見を伺います。  また、私は、新たな河川整備を計画する場合は無論のこと、今まで整備した河川を局部改良する際にも、この多自然川づくり基本指針のような考え方を取り入れていくべきであると思いますが、本県の河川改修、あるいは改良の考え方について、平井知事にお尋ねをいたします。  川の役割は、洪水を安全に流下させるとともに、美しい自然環境や生活に必要な用水、多様な生物の生息、生育、繁殖の場を提供し、人々は川から多くの恵みを享受しています。そのため、山から海につながる川の上下流の連続性、川と周辺の水田等との間の水や物質の流れの連続性を確保し、生物や土砂の移動の連続性を確保することによって、生物生態系の保全が可能となるのであります。  ところが、河川に設置された床止工、落差工、頭首工等の取水施設は、魚類の移動を阻害し、河川流域の魚類相を貧弱にする要因となっております。特に海と川を行き来するサケ、マス、ウグイ、アユなどの回遊魚は川を繁殖の場としているため、これらの移動阻害構造物は魚類資源の減少を招いております。これを解消するには、魚道を設置する必要があります。平成3年に、当時の建設省から通達された魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業の制度によって、魚類の移動や阻害する河川構造物への魚道設置が義務づけられたのでありますが、やはり新たに築造する構造物についてのみ適用されているのではないかと思われます。  そこで、各水系ごとの魚道設置の状況と、遡上を阻害している堰の状況はどうか、平井知事にお尋ねをいたします。  次に問題になるのは、頭首工等の取水施設の魚道設置は、設置者である利水者の責任で行うこととなっております。このことについて、平成18年9月定例会で、当時の野田議員の質問に対し、当時の片山知事の答弁は、この問題は原則が法律にありまして、堰堤をつくったり、河川工作物をつくる場合には、その所有者、管理者がちゃんと堰などを管理して、魚の遡上等に支障がないようにしなければならないということが決まっているとの答弁でありました。この答弁は、原則論としてはもっともなことでありますが、堰等の管理者に資金がないなどの理由により、当時から魚道設置は余り進んでいない状況であります。  そこで、私は、この問題を他県ではどのように対応しているのか、先般、山口県にお邪魔いたしまして、県の取り組みの考え方を聞くとともに、実際に2日間、川を歩いて取り組み内容やその効果などを調査いたしました。山口県では、県内の主な河川を2年かがりで下流から踏査し、集めた情報をもとに、現在の河川を3つの生態系に分類し、堰の改良を行い、大がかりな魚道をつくるのではなく、小規模な余りお金を使わない小わざを使って生態系の回復を図っていく手法を独自に考えていました。題して水辺の小わざというガイドラインをつくり、職員に周知し、従来の考え方にとらわれず、知恵を出し合って、その現場に応じた工夫をすることにより、効果的で経済的な改善策を見出し、環境に配慮した川づくりを行っていました。  鳥取県では、農業関係の現行補助制度も活用しながら、このような手法を取り入れて、多自然の川づくりをしてはどうかと思いますが、平井知事の御所見を伺います。  また、生態系の保全は、職員の生物に対する意識向上によるところも多く、意識啓発や技術研修等を行う必要があると思いますが、あわせて平井知事の御所見を伺います。  ところで、平成3年に農林水産部は、千代川の魚の住みよい川づくり指針案を取りまとめられています。平成3年度には日野川、平成4年度には天神川調査を行い、順次指針が制定されたものと思います。また、平成6年には、県土整備部では魚にやさしい川づくりマニュアルをつくり、川に生息する動植物に優しい川づくりに取り組むこととされております。その後、この指針やマニュアルは川づくりにどう生かされているのか、平井知事にお尋ねをいたします。  ところで、私は、千代川漁業協同組合の小林組合長と千代川の環境について意見交換をしましたが、その際にお伺いした、日ごろから川の様子を見ている方の意見を紹介したいと思います。魚の生育のための瀬やふちの減少や河川の中の水草の減少が顕著となっている。2つ目、代かき時の汚濁水が以前は水田の用水として利用されていたものが、直接河川に流入しているため、汚濁水の量が多くなっている。また、農作業が一時期に集中して、多量の濁り水が河川に流入している。さらに、除草剤、肥料の河川への流入が水質に与える影響を懸念している。3番目、集落排水による水質の富栄養化と塩素処理水の河川への流入による環境悪化がもたらされているなどなどの意見をお聞きしました。  このようなことが原因かどうか不明ですが、天然アユの遡上量が平成26年度以来、3年連続で大きく減少しています。多様な河川環境を保全、創造し、生態系や水環境の保全等を図るためには、河川環境の変化だけでなく、農業、漁業、生活排水などのさまざまな影響を勘案しながら、流域住民、農業、漁業等の多くの関係者が連携して取り組んでいく必要があります。また、同時にアユを初めとするカワウによる食害被害の対策についても環境保護団体等を加えて取り組んでいくことも必要であると思います。このため、3大水系ごとに、河川、農林、水産、環境等の関係者や学識経験者などで構成する協議会を設立し、種々の課題を議論する場を設けてはどうかと思いますが、平井知事の御所見を伺います。  2番目の項目に移りたいと思います。郷土の先人に学ぶことの意義についてであります。  県教育委員会が平成2年3月に発刊した「鳥取県 郷土が誇る人物誌」は、我々が誇るべき郷土の先人150人の業績を紹介しております。当時の西尾邑次知事は、その序文に、「私たちが、郷土の産業や文化を理解し、自らの地域をさらに活性化しようとするとき、鳥取県の先人の業績や生き方を振りかえってみることは意義深いこと」であると、こう記されております。また、同じく、県教育長、松本兵衛さんは「発刊にあたって」に、次のように記されています。「私たちが住み暮らしている地域は、先人の英知と努力によって築き上げられてまいりました。近年、地域文化の振興が叫ばれ、新しい文化を創造しようとする動きが活発となるなかで、すぐれた先人の業績や生き方を振り返ることにより私たちの誇りとするとともに、将来の発展へのみちしるべとしたい」、加えて、「多くの皆さんが、この人物史を身近におかれ、先人の志に接することにより、郷土愛の高揚と生活、文化の向上の糧としていただければと願う」とも記されております。私も全く同感であり、先人に畏敬の念を抱き、県民として誇りを持ってほしいものと思います。  では、この人物史に紹介されている方々を私たちはどれだけ知っているのか、そういうことを考えてみる必要があると思います。そこで、執行部の協力で調査をしていただいたのですが、県立図書館の館外に遠藤董、岸本辰雄の胸像が、糸賀一雄のプレートと、尾崎翠、田中古代子、岡田美子のレリーフが館内に設置されておりました。また、書架内には、分野別に関連資料が常設されております。その一端を紹介いたしますと、生田春月、生田長江、池田亀鑑、大江賢次、尾崎放哉、奥田義人、佐々木惣一、矢部貞治、宇沢弘文、糸賀一雄、岸本辰雄、吉田璋也、板祐生、前田寛治、辻晉堂、尾崎悌之助、植田正治、岡本喜八、西河克己、岡野貞一、田村虎蔵等々の多くの資料があります。このように、郷土の先人の紹介に関して、県立図書館はその役割を十分果たしているのではないかと思います。しかし、県民の皆さんに広く、かつ積極的にその功績を知っていただく工夫なり、仕掛けはまだまだ不十分ではないかと思います。  そこで、県立博物館の美術部門が美術館として独立した際には、それによって生ずる新たな空きスペースを活用し、例えば先人たちの写真や肖像画、それぞれの功績を紹介するパネル等を常設展示し、いつでも入館者の方にごらんいただけるように、加えて、それらの方々の中から数名を取り上げて、小規模な企画展示を定期的に行うなどの工夫をしてはいかがでしょうか。このような取り組みが検討されるべきではないかと思いますが、平井知事、山本教育長の御意見を伺います。  また、あわせて、改修後の県立博物館の事業計画(想定)の資料を提供していただきました。鳥取県の自然や歴史、民俗に関する資料の収集には、今回私が取り上げた人物史的なことは含まれていないのではないかと思います。今後図書館や博物館の従来の役割とは異なる分野に取り組んではどうかと思いますが、山本教育長の所見を伺います。  また、鳥取城北高等学校の玄関正面には、各界で活躍していらっしゃる卒業生の写真が掲げてあります。同校にお邪魔するたびに、写真の枚数がふえているような気がしております。この写真は、在校生に自信と誇りを与え、外部から訪問された方々には学校に対して好印象を与え、学校のイメージアップにつながっているものと思います。  そこで、県立高等学校の状況を調査いたしましたが、各校まちまちの取り扱いで、積極性に欠けているように感じられます。母校の先輩方の功績を学ぶことは、単なる成功談に触れるだけではありません。功績を学ぶ過程において、必然的にその先輩と密接に関係している学校、地域、ひいては郷土に目を向けることとなります。これらに目を向け、触れることは、愛校心の醸成につながり、ひいては学校とともに歩んでくださる地域や、地域に生きる皆さんへの愛情や思いやり、郷土愛につながってくるものであります。まさに人格形成に大きく寄与するものと思います。  私は、いろいろな用務で県立高等学校の校長室にお邪魔する機会があります。私が拝見した限りでは、校長室には歴代の校長先生の肖像写真が掲げてある点では、各校足並みがそろっております。しかし、私は、今私が述べたようなことも積極的に取り組むべきことであると思います。このような人格形成に寄与する取り組みは、人を育てる、人としての器、土台を築く教育の真髄であると思います。教科を学び、知識を蓄えることは大切です。一方、蓄えた知識を盛る人としての器を大きく育むことも大切であります。先人の活躍を学ぶことは、両者をバランスよく、車の車輪のごとく育てていくことの一助になると思います。  このような観点から、先人の活躍等を在校生に紹介するように検討されてはどうかと思いますが、山本教育長の御所見を伺い、壇上からの質問といたします。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)前田八壽彦県議の一般質問にお答え申し上げます。  冒頭、関西広域連合につきましてお話がございました。先般も被災して間もないときに、関西広域連合が開催をされたわけであります。前田議員、また興治議員も御出席になり、議会での議論に臨まれました。その際、前田議員にも指導していただきまして、鳥取県の中部地震におきます被災に対し、風評被害対策などを強く国に求める決議を提出してまとめていただきました。本当にそうしたことも、さっき議論がございました、銀杏議員のお話にもございましたけれども、いろんな形で政府に働きかける大きな力になったと思います。  私も広域連合議会のほうに議決を、お礼の趣旨を込めまして、壇上に立たせていただきましたけれども、議場で拍手を受けたのはあれが初めてでありました。非常に珍しい光景があったというふうに思います。それだけ日本中の皆さんが鳥取県中部地震の復興に熱い思いを寄せてくださっていること、感謝を申し上げたいと思います。  議員のほうからは、川づくりにつきまして、お尋ねが何点かございました。  国における河川整備の変遷、これに具体的にどう取り組んでいるのか、河川改修や改良の考え方についてどうか、さらに、魚道設置や遡上阻害の堰の状況はどうか、また、山口県のことを例に引かれながら、農業関係の現行補助の活用など、多自然型の川づくりが必要ではないだろうかと、こういうお尋ねがございました。  魚道設置の状況や遡上への影響については、水産振興局長からお答えを申し上げたいと思います。  これにつきましては、議員も御指摘がございましたけれども、国全体で河川整備の考え方が変わっております。河川整備の王道は、いわば治水であると思います。洪水を起こさないために、これはヤマタノオロチの昔からなのだろうと思いますが、人々は闘ってきた。それが治水ということであり、それが河川の一つの重要な管理のあり方ということになります。  しかし、平成2年に、多自然型の川づくりについての通達が国のほうで出されました。その後、平成9年に、河川法が改正されるに至ります。この河川法改正は、その通達の意も受けまして、従来治水だけであった、そうした河川管理の目的に、河川環境の保全ということが入ったわけであります。昔ながらの川、そこに生物の多様性がある。そうしたものに対する配慮ということも河川整備の目標ということに位置づけられたわけです。  その上で、平成18年、議員のほうからも今御指摘がございました、多自然川づくりの基本的な考え方、基本指針が国のほうで示されるに至ったわけであります。ですから、全国でも水辺空間を上手に使っていこうとか、それから、今お話がありました魚道のような、そういう治水と、それから川の利水といいますか、自然環境を活用した産業活動や観光等々と、ちょうど調和的に進めていくという方向性が出されたわけであります。それが平成18年のことでありました。  本県におきましても、そうした考え方も受けて、最近であれば八東川であるとか、また日野川水系もそうでありますけれども、例えば魚道を堰のところにつけるというような工事をすることもありますし、最近でも東部のほうでいいますと大口堰、それも農林の事業を活用して、いわば魚道を確保するというようなことも進めたりしているところであります。  ただ、議員のほうのおっしゃりたいのはそういうことだと思うのですけれども、そうやってやっている、やっていると役所の中では私もレクチャーといいますか、お話も聞くわけでありますけれども、果たして今のこのアユの状況などを見ていて、このままでいいのだろうかということだと思うのです。アユが今急減している理由には、幾つか、いろんな理由があると思います。それは、一つは、河川環境が大分変わってきていること。例えば産卵する場所の状況がどうであるとか、川底のほうに砂泥がたまっているのではないかとか、また、堰等があって、それが遡上を阻害しているのではないだろうかということ、また、議員もおっしゃいましたけれども、カワウ、この食害があるのではないかということがあります。私ども、議場でも御相談申し上げて、例えばカタクチイワシの食害があるのではないかということで調査もさせていただきましたが、因果関係はどうもはっきり読み取れませんでした。まだ理由はよくわかっていません。  これは、鳥取県の千代川だけでなくて、天神川、日野川であるとか、山口のほうは、また、あそこもアユがバイタルなところでございまして、大問題になっています。山口県の場合、特徴的なのは、瀬戸内海のほうは遡上が見られるのだそうですけれども、日本海側のほうがだめだというわけですね。そうなってくると、何らかこの山陰の沖合のあたりを中心として、海のほうに何か原因があるのかなと我々も考えるのですけれども、いまだはっきりしたものがございません。  ただ、一つ一つ丁寧に対策を施していくことは必要でありまして、そういうアユが住みやすい環境ということであれば、アユの遡上についても考えなければならないわけです。例えばアユが一生懸命上るわけでありますけれども、その魚道のつくり方だとか、堰の状況によっては、どうしても表にあらわれながら、川面にあらわれながら遡上するということになる。これは、カワウにとっては絶好の餌場になるわけですね。そんな意味で、カワウの食害にもつながるところもございます。  だから、議員のほうで御指摘がございましたけれども、何らかここで方向転換を図るべき時期に来ているのではないかなと思います。議員はよく県庁の内情を御存じでいらっしゃいますので、今いみじくも御指摘がございましたけれども、平成18年のこの県議会でのやりとりがございまして、それで、堰を直すのは利水者である農業者が負担しろというのが我が県の基本方針になっている状況がございます。きょう御質問がございましたので、この方針は撤回をしたいと思います。  その上で、議員のほうで山口県のお話がございました。よく学ばせていただいて、数百万円でも、もう要は大きなものが上がるわけではなくて、アユが遡上するということに十分な、例えば石積みをするだとか、いろんな余りコストのかからない魚道の確保という手もあるのではないだろうか、そうしたことを実践的に各地で取り組んでみる、そういうことを漁業者であるとか、専門家の御意見も聞きながら、方向転換を新年度以降図ってみてはどうかなと思います。  次に、川づくりにかかわる公共事業関係者の意識啓発や技術研修というお話もございました。  これについては、県の建設技術センターがございます。そこのカリキュラムについて、関係者と話をしてみたいと思います。私ども県の職員も当然ながら、国の全体の研修に出かけたりして、一定の素養もつけさせていただいており、要は環境に影響を与えない、魚の生息ということを考えたような河川工事のあり方、河川整備のあり方、その辺の素養を技術センターのほうでも勉強してもらう、あるいは生態系のこともある程度知っていただく、これからの公共事業に携わる方々への重要な研修カリキュラムではないかなと思います。ただ、これは関係者の理解が必要でありますので、きょう以降、よく関係者と話をさせていただき、カリキュラムへの盛り込みを検討してみたいと思います。  次に、千代川の魚の住みよい川づくり指針が取りまとめられたわけだけれども、これはどういうふうに生かされているのか。また、アユの遡上に影響がいろいろとあるのではないだろうか、3大水系ごとに協議会を考えてはどうかと、こういうお話でございます。  これにつきましては、平成3年に、この千代川の魚の住みやすい川についての指針というのが示されていまして、例えば産卵場所への配慮であるとか、いろんなことが盛り込まれてきているわけであります。八東川とか、私都川とか、こうした指針も受けて、河川整備に当たっての配慮もなされてきたところでございます。  しかし、先ほど申し上げましたように、従来のちょっと県の方針もございまして、そうした堰等について、魚道設置などがなかなか、要は農業者が負担できないものですから、先に進まないというようなこともあったという事情もありますので、一定程度、平成3年の指針が生かされるような実効的な措置を今後考える必要があると思います。  また、これは別に千代川には限りません。天神川水系や日野川水系、日野川水系あたりは、このアユは内水面漁業の中心課題でもあります。したがいまして、こうしたそれぞれの水系ごとに、議員のほうのお話もありましたが、今現状、例えば河川関係者等々の実は協議会がございまして、そこでこうした課題についても議論できるようになっているわけではありますけれども、これを拡大して、こうした意味で、新しいタイプの魚道の設置等々も話し合ってもらう。また、ややこしいのは、先ほど申しましたように、アユが何でこんなに減っているのかというのがいまだにどうしても理解に至っていないわけです。これは、私どもだけでなくて、山口県であるとか、いろんなところが同じ悩みを抱えています。そういう意味で、専門家の方にも入っていただいて、何が特効薬的に動き得るのか、その辺もいろいろと解明をしていただいたり、議論をしていただく。試行錯誤になると思いますが、今の状況を解消していくための道筋をつけていく必要があるかなと思います。新年度にそうした協議の場の設置を検討させていただければと思います。  次に、郷土の先人についての取り組みについてお話がございました。  山本教育長からまた詳細はお話があるのだろうと思いますが、私自身は、今、前田議員がおっしゃったことに賛同するものでございます。例えば平成20年に、澤田廉三と美喜の顕彰をする、初代の国連大使や、また、鳥取県の岩美町で臨海学校をして、戦災孤児を養っていただいた、そういうことについて顕彰する事業を、これは公文書館のほうでやりました。非常に好評でありましたし、私自身も感銘を受ける内容でございました。  また、昨年だったと思いますが、放哉生誕130年のお祝いのイベントとして、その生誕地鳥取として、これはとりぎん文化会館などでイベントをやりました。それに前後して、図書館のほうで、尾崎放哉の顕彰の展覧会をやりました。この中には非常に貴重な資料もあって、例えば「障子あけて置く海も暮れきる」という、これは小説のタイトルにもなった有名な句がありますけれども、これは実は師匠の井泉水が添削をして、倒置法を使ってひっくり返したり、それから言葉遣いを簡明なものに直したり、そういう赤い鉛筆で添削をした資料も展示をされているなど、非常に貴重なものが並んでいました。もちろん全国から放哉の愛好家が集まったものでありますから、非常に評判もよかったと思います。  我々、郷土の先人でこのように顕彰に値する皆さんがいろいろといらっしゃいます。そうした方々の事績に触れることは、若い方はもとよりとして、第2の人生をどうやってこれから郷土のために役立っていこうかと、いろんな思いを描いているさまざまな世代の方々、いろんな方々に影響を与え得るものだと思います。今は十分なそうした顕彰がなされていないのではないかという問題提起だと思います。  公文書館であれば、知事部局でありますが、図書館とか、博物館だとか、そうしたところで、今よりももっと触れやすい形で、そうした先人の姿に触れることができる、そういう展示なり、イベントなり、今後強化していってはどうかと思います。  詳細は、多分教育長のほうからお話があると思います。 ◯議長(斉木正一君)小畑水産振興局長 ◯水産振興局長(小畑正一君)では、私のほうからは、魚道の設置状況、あるいはその阻害状況について、答弁をさせていただきます。  実は平成4年ぐらいからずっとアユの不漁というのは続いておりまして、特に平成15、16年と全国的に話はあったのですが、非常にアユが不漁になったということがございました。この結果を受けまして、県といたしましては、いろんな原因は考えられるとは思うのですが、やはり魚道の機能不全、これも一つの要因ではないかというふうに考えまして、平成18年に県内の3大河川の本流、あるいは主な支流について、魚道の設置、あるいはその阻害状況について調査を行いました。  この結果、県内では176カ所、魚道を設置しているわけなのですが、このうちの69カ所について、約4割になりますが、何らかの阻害があるということを確認しております。主な阻害要因といたしましては、そもそも魚道を設置していない、これが約30カ所、それから、せっかく魚道は設置しているのですけれども、魚道に水が流れていない、あるいはつくっている魚道が破損してしまっている、あるいはつくったときと水の流れが変わって、そこの流速が速くなっている、あるいは落差が大きくなっている、こういったことでアユを初めとする魚が上れない、こういったことで69カ所を阻害箇所として確認いたしました。  これを受けまして、阻害度の大きいところにつきましては、今までは既存の事業等を使いまして、そのときに魚道設置するようなことをしておりまして、日野川、天神川、それから千代川等で現在4カ所を設置いたしておりますし、先ほど知事からございましたように、千代川の大口堰につきましては、今年度中に魚道を改修する予定としております。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)前田議員の一般質問にお答えを申し上げます。  郷土の先人の紹介につきまして、図書館、あるいは博物館の取り組み、いま一歩踏み込んで進めていってはという御提案も含めた御質問でございました。  私もすばらしい先人の皆さんの業績、あるいは生き方を県民の皆様方に周知し、発信していくということは、そうした人物を生んだ鳥取県、あるいはその流れをくむ鳥取県民のすばらしさを含めて、再認識し、地域としての個性、あるいは誇り、そして魅力を強化していく上で重要であると認識をいたしております。  県立図書館では、例えば尾崎放哉でありますとか、人物を個別に紹介するブックレットを作成したり、あるいはふるさとの人物コーナーということで、さき方御紹介のありました方々の書籍等を配架するというような、そうしたコーナー等を設けておりますほか、時期に応じて、例えばさき方知事がおっしゃっていました尾崎放哉の生誕130周年、あるいは糸賀一雄氏の生誕100周年などを記念した特別な資料展を開催するなど、さき方御提案のあったような取り組みも含めて、行っておるところでございますが、PRも含めまして、引き続きそうした取り組みを充実させてまいりたいと考えております。  また、県立の博物館のほうでも、常設展示中にトピック展示を行うというような、そうしたことをやっておりますが、そうしたコーナーで特定の人物を紹介したりといったことでありますとか、美術の企画展で本県出身の作家の作品展を開催するといったようなことをやっておるわけでございます。ただ、博物館は、その性格上、さき方おっしゃいましたが、本物、実物を展示するといったことがありまして、人物史的な展開、そうした資料の収集がこれまで行われていなかった等も含めて、これまで力を入れてやってきていない分野でございます。今博物館の美術館が抜けた後の構想につきまして、検討しているわけでございますが、そうした構想の検討の中で、このたび御提案もございましたので、そうした面での充実も含めた検討を行いたいと考えております。  また、折しも現在、美術館、あるいは博物館の検討、議論の中で、市町村等の施設、こことの連携をしっかりとやっていくべきといった議論が行われておるところでございまして、例えば県内の図書館、あるいは博物館等が、例えば鳥取県民の日といったような一定の期間に、地域の偉人展など、それぞれの地域の偉人の方を同時的に展示したりといったような展示会を開催したり、あるいは連携してそれぞれの施設が所蔵している人物史的な資料を巡回展示をしていくといったような取り組みが工夫ができるのではないかなと考えておるところでございます。公文書館でありますとか、県立の施設の中、さらには、市町村や民間の施設を含めまして、施設間の役割分担など、少し整理する必要がある部分もあろうかと思いますが、このたび御提案もいただきましたので、鳥取県のミュージアムネットワーク会議などでも意見交換をするなど、検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、こうした先人たちの活躍を県立学校で在校生に紹介するような取り組みも検討してはどうかといったお尋ねでございました。  これは、現在でもある程度やってはおるわけでございます。例えば鳥取東高では、創立記念日に糸賀一雄氏の足跡を伝える記念講演会を開催したり、あるいは玄関の横庭に山下佐知子さんの顕彰プレートを設置するなどしておるところでございますし、鳥取西高では、正面玄関を入ったところに佐々木惣一さんの功績を示すような資料なども展示をしておるところでございます。鳥取聾学校では、同校の創立者であります遠藤董氏の生誕日であり、また命日でもあります1月22日を遠藤記念日として、毎年顕彰を行っておりまして、そうした在校生や来訪者の目に触れやすいような形で、学校内の廊下にパネルを展示して、功績を紹介するような、そうした取り組みもしておるところでございます。  また、近年では、各学校で、キャリア教育の一環としまして、大体どこの学校におきましても、卒業生を招いて、いろんな体験談を聞いたり、講演をしていただいたりといったような取り組みもするといったようなことで、さまざまな形で卒業生の活躍を伝え、在校生のキャリア形成に役立てているといったこともあります。伝え方はさまざまではございますが、こうした先輩の功績、あるいは活躍を在校生が学び、みずからの人格形成に役立てる取り組みは、非常に重要であり、意義があることだろうと思っております。  その際、さき方、鳥取城北高校の例を出されて御指摘もございました。鳥取聾学校や、これは鳥取中央育英も同窓会館そのものの一室を使って、創立者の豊田太蔵氏にまつわる品々を展示したり、あるいは同窓会が中心になって毎年、卒業者のこれは芸術祭みたいな格好で美術展を開催したりというような取り組みも行っておられます。これが生徒の目にしっかりと触れるという部分が大切であろうと思っております。学校によっては、スペースの問題等、いろいろあろうかと思いますが、そうしたことにつきまして、各県立学校に私のほうからも働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ◯議長(斉木正一君)29番前田議員 ◯29番(前田八壽彦君)まず、川づくりについてでありますが、今回の質問の趣旨は、平成18年の県議会での質問、答弁が原理原則だったものですから、あれから10年、全くその原則論で、県土整備部も農林水産部も一切しておりません。動きがとまってしまった。それを何とか打開したいというのが私の質問の趣旨でございました。  知事からあの当時の発言を撤回をしたいということで、もうそれで質問の趣旨は終わりましたが、1点だけ。県水産課が事務局となって、県、市町村、民間団体の出資によって、公益財団法人鳥取県の魚の豊かな川づくり基金が設立をされております。その財産が6億円あるのですけれども、昨今の低金利で全くその果実の部分がなくなってしまって、6億円が有効に機能していない、そういう状態であります。一挙に取り崩して使えと私は言いませんが、先ほど私の質問の趣旨は、少しずつでも知恵を使って魚道設置をしてはどうかというようなことも考えたりするのです。そのほか、魚道の小修繕も必要かと思います。そのあたり、有効に使ってもらってはと思いますが、知事の御答弁をお願いしたいと思います。  また、教育長から先人のことを学ぶということを前向きな答弁をいただきまして、ぜひとも各高等学校のその先人を、また発掘する作業を見える過程で、それを子供たちに教えていく。それで、母校愛を育てていく、郷土愛を育てていく、そういうことが必要だと思いますので、よろしくお願いをいたします。答弁は要りません。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)前田議員から川づくりの基金を使っての事業推進についてお話がありました。  この基金は、議員もよく内情も御案内だと思いますけれども、もともとは内水面漁業者に対して、河川工事等を行うときの若干協力金があったわけですね。西尾知事の時代だったと思いますが、そういう慣行をやめるに当たりまして、それに対する別の意味の補償的な意味合いとして、利息を使うタイプの、取り崩し型ではない運用型の基金として、そうした内水面の漁協のほうのさまざまなニーズに充てるということで設置をしてきているものであります。  そういう意味で、今回の御提案いただいたような話は、漁協のほうでも基本的には方向性は一致し得るものだとは思いますが、ただ、経緯もいろいろとございまして、そうした方々の了解をとらないと、崩すということもなかなかできない筋合いのものであります。  いずれにいたしましても、御質問ございましたので、きょうの議場でのやりとりも申し上げながら、関係者とお話をさせていただき、もうそうした方向性が可能であれば、この基金を一部活用しながら、先ほどお話のありました山口県型のできるだけ簡易に効果が上げられるような仕組みをそれぞれの場所に応じてやっていくこと、この推進に充てることができればと思います。もし、その辺の議論の状況によっては、なかなか基金というのは別の性格のものだということであるかもしれません。その場合にも、別の方策を考えながら、事業の推進を一定程度促進していければと思います。いずれにいたしましても、当事者もあることでありますので、早速協議をさせていただきたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時ちょうどより再開いたします。
           午前11時59分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  10番島谷龍司議員 ◯10番(島谷龍司君)(登壇、拍手)自由民主党の島谷龍司でございます。  まず、質問に先立ちまして、10月21日に県中部を中心に襲った震度6弱を記録した鳥取県中部地震の全ての被災者の皆様にお見舞い申し上げます。今回の地震では、負傷者の発生とともに、多大な家屋被害、農業被害等がありましたが、幸いにも人命被害がなかったことが何よりだったと思います。  この震災に関しては、今議会において、既に我が会派の浜田一哉議員の代表質問でも取り上げられており、今後も何人かの方が質問される予定でありますので、その方々にお任せし、私は障害者スポーツの振興に関連して質問いたします。  この件については、前回の9月定例議会での代表質問でも少し取り上げましたが、障害者も健常者も、また乳幼児から高齢者まで、全ての人が笑顔で暮らせる地域、いわゆる共生社会を築いていくためにも、多くの方がスポーツを通じて健康的な心身を培い、生活上のストレスを低減させ、また、コミュニケーションを促進させ、理解を深め合うことが重要な要素の一つであると考え、いま一度質問いたします。  ちょうど1年前の平成27年11月での私の質問に対し、知事は、障害者施策の基本条例を制定し、共生社会の実現を図りたいとおっしゃっておられましたが、先日、その骨子案が提示され、その中にもバリアフリー化を促進して、スポーツに取り組みやすい配慮を求めています。平成23年8月に施行されたスポーツ基本法においても、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であり、全ての国民が自発性のもとにおのおのの関心、適性等に応じて、安全かつ公正な環境のもとで日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、また、スポーツを支える活動に参画することのできる機会が確保されなければならないとあり、さらに、スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ、必要な配慮をしつつ、推進しなければならないとされています。本県においても、このスポーツ基本法を踏まえ、平成26年3月に、鳥取県スポーツ推進計画を策定し、全ての国民が豊かなスポーツ文化を享受できる鳥取県を目指して、障害スポーツの推進を図っておられます。  障害者にとって、スポーツ活動は、障害の進行の予防や障害の低減、身体機能の維持・向上などのリハビリテーション効果をもたらすとともに、外出やコミュニケーション機会を増大させるなど、健常者におけるスポーツ活動の有益性に加えて、多くの効果が認められています。また、健常者にとっても、障害者はアダプテッド・スポーツともいわれるように、障害のある人に限らず、子供から高齢者、運動が苦手な人まで、誰もが楽しむことができ、学校行事等の中でも障害者スポーツ体験等により、スポーツに親しむ気持ちを養うとともに、障害理解教育としての効果も期待されます。さらに、高齢者スポーツやライフステージに応じたスポーツ活動の促進につながり、健康寿命の延伸や寝たきり予防、クオリティー・オブ・ライフ、生活の質の向上にも貢献することになります。地域社会全体にとって、障害者スポーツの環境改善が進むため、障害のある人、ない人の相互理解と交流が広がることにより、共生社会の実現に貢献するとともに、障害のあるアスリートが持てる力を発揮し、競技に打ち込む姿は、多くの人に勇気と感動を与えています。このように、障害スポーツに触れ、知ることが人間の可能性と力強さを再認識する機会となるのではないでしょうか。  国においても、スポーツ自体の振興にとどまらず、障害者理解の促進や共生社会の構築等を初め、スポーツを通じた社会発展というスポーツ基本法の理念を実現するため設置されたスポーツ庁が所管する有識者会議がことしの3月31日に地域における障害スポーツの普及促進について意見をまとめられています。その意見書の中でも、障害者スポーツの振興が、障害者だけではなく、スポーツに苦手意識のある子供たちや高齢者の参加の容易性などによる障害のあるなしにかかわらない、ともに実践できるスポーツとしての可能性を高く評価し、障害者自身の生きがいや生活の質の向上、地域社会全体の活性化、健康長寿社会や共生社会の構築にも貢献するとも述べています。  本県においては、あいサポート運動の展開など、障害者施策を初めとした福祉施策に積極的に取り組んでおり、この障害者スポーツに関しても、国のスポーツ庁設置に1年半以上も先立って、平成26年4月には知事部局にスポーツ課を設置して普及振興に取り組むなど、全国的にも先駆的な施策を展開されていることは、私たち県議会議員はもちろんのこと、多くの関係者の知るところではないでしょうか。  また、この夏のブラジル、リオデジャネイロでのパラリンピック開催や2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催などにより、近年、パラリンピック競技大会の認知度の向上と急速な発展に伴い、競技スポーツとしての障害者スポーツも脚光を浴びてきており、ことしの春には、布勢総合運動競技場の陸上競技場で、地方開催としては初のリオパラリンピックの予選会を兼ねた全日本パラ陸上競技大会が開催され、選手、役員など、関係者の御努力もあり、観客にも勇気と感動を与え、成功裏に終わったことも皆さん御存じのとおりだと思います。  このように、障害者スポーツの振興には、地域社会や学校において裾野を広げる普及拡大の取り組みと、そこから発展していく競技力向上の取り組みの両輪でなされなければならないと考えます。地域社会はもちろんのこと、スポーツに触れる機会が多い学校教育現場も含む本県における障害者スポーツへの取り組みの現状とその課題について、本日は美保南小学校の皆さんが聞きに来られております。こういう障害者スポーツに関しても、ぜひ、知事、教育長にその知見をお伺いしたいというふうに思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議からの一般質問にお答え申し上げます。  島谷県議からは、スポーツ、障害者スポーツにつきまして、基本的な考え方や本県における進捗、方向性についてお尋ねをいただきました。  この障害者スポーツでありますが、議員のほうでもお話がございましたように、ただいま私どものほうで、あいサポート条例とでもいうべき、皆で支え合いながら、障害者が暮らしやすい社会をここ鳥取からつくっていくのだという条例の検討に入りました。その中に、一つの新しい視点として、今までは余りクローズアップされていなかったかもしれませんが、スポーツであるとか、芸術文化であるとか、健常者と障害者とそれぞれ喜びを分かち合い、高め合う、そういう社会の姿も盛り込んでいきたいと考えているところであります。  議員もおっしゃったように、スポーツというのは、それぞれの人の人生にとりまして、生きがいを与えたり、また、他の方々に対しましてすばらしいプレー、すばらしい運動を通じまして、感銘を与え、勇気づけたり、元気づけたりということがあります。今般も石浦関が敢闘賞を相撲の世界でとられました。あれが被災地に向けてのいいメッセージにもなったと思います。また、あわせて、石浦関もこのたび、そうした復興に向けて役割を果たしたいというふうにもおっしゃっていただいているところでございます。こんなようなことで、スポーツというのは理屈抜きで人に与える大きな力となる、そんなものだと思っています。  障害者の皆様にとりまして、スポーツは高ねの花であってはなりません。むしろアダプテッド・スポーツというお話がございましたが、それぞれの人にふさわしいようなプレーをする、競技をする、体を動かす、これは運動機能の増進はもとよりとしまして、心の問題としても満足度を高めたり、また、挑戦する意欲が湧く、成長へつながるということにもなります。だからこそ、障害者スポーツも今非常に取り上げられて、注目をされているところだというふうに思います。  本県におきまして、2つの方向性が大切だと思っています。島谷議員がおっしゃったのとちょうど同じようなベクトルになりますが、一つのベクトルは、裾野を広げていくということであります。障害者スポーツに親しむ障害者の方々をふやしていく。また、あわせて、障害者スポーツに健常者も触れ合うことで、みずから得るものもあるはずであります。それから、もう一つのベクトルとしては、競技力を高めていく。今パラリンピアンのように、非常に優秀な運動能力を示す方々がいらっしゃって、日本はもとより、世界でも争うということにもなってきています。  その1つ目のほうの裾野を広げていくという意味では、障害者スポーツのあいサポートのスポーツフェスタをやって、それで、いろんな障害者スポーツにさまざまな方がかかわるようになってきたところであります。また、学校現場ともつながっていって、学校現場、特別支援学校において、そうしたスポーツに親しむような、そういう指導体制、応援体制というものを近年、とみにふやしております。この辺、先ほど御指摘の知事部局のほうにスポーツ課を設置するに当たりまして、障害者スポーツも含めて対象としていくという、全国でも一回り先の政策に基づきまして、進めているところであります。  あと、もう一つの競技力を高めるところでいきますと、強化指定選手というのを健常者スポーツと同じようにつくらさせていただきました。これも余りよそでやっていることではないかもしれません。11名の個人と、それから6つの競技団体、これを強化指定しまして、例えば遠征費であるとか、そうしたスポーツに携わる方に非常に難しいところ、その辺の配慮を地域として応援させていただくということに踏み切らさせていただいております。  このような仕掛けを通じて、今パラリンピアンなども育ってきているところでございまして、先般のリオパラリンピックにおいても、野田昭和選手が大活躍をされました。野田選手には、本県のほうで採用している障害者スポーツの上級の指導者もついて、こうした栄冠をかち得て、晴れの舞台に立たれたわけであります。布勢の運動公園自体は、少しやわらかな路面でございまして、健常者スポーツにはいいのですが、障害者スポーツには厳しい、これがむしろ筋力トレーニング、競技力の向上にもつながったのではないかと思われますが、厳しい条件の中で、野田選手は練習を必死でされて、パラリンピアンとして活躍をされたわけであります。  また、さきの冬季のパラリンピックにおきましても、谷口選手が見事に入賞を果たし、引退はされましたが、輝かしい足跡をパラリンピックの歴史の中に鳥取県人として刻まれたわけであります。谷口選手も各地、各国を遠征する、非常に大変だと言っていましたけれども、そうしたものをやりながら、みずからも成長し、仲間をつくり、正直、お会いすると快活で、楽しんでおられるように見えました。彼自身のみならず、谷口選手の活躍で鳥取県民も誇らしく思ったものでございます。こうした優秀な選手を育てていくというのがもう一つのベクトルになろうかと思います。  本県におきましては、東部では、湖山に障害者の体育館がございます。また、米子のほうにも皆生温泉のところに、これは米子市の福祉会のほうが運営を受託されていますが、そうした体育館もございまして、こういう拠点とあわせて、さらに布勢の総合運動公園を活用していこうと、この議場でも若干御議論がございましたけれども、そうした方向性での今話し合いを始めたところであります。障害のあるなしにかかわらず、スポーツを楽しむことができる。そして、障害者もその能力をいかんなく発揮して、世界の中で認知される存在である、そういう舞台としてスポーツが寄与するように、私どもも環境づくりを進めてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)島谷議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私のほうには、学校現場における取り組みについてのお尋ねがございました。  特別支援学校では、運動部活動というのもやっております。全県で大体半数の生徒がこの運動部活動をやっておりまして、例えば陸上でありますとか、卓球でありますとか、それからダンスといったようなことで、これは地域の方々の指導、あるいは教職員の指導を受けながら、そうしたことに取り組んでおります。中には鳥取聾学校を卒業した前島博之、浩二兄弟、あるいは中村開知選手のように、世界大会で入賞したり、あるいは全国大会で優勝したりといったような活躍をされる選手も出てきているわけでございます。  また、障害者スポーツの裾野を広げるという意味合いからは、県の障害者スポーツ協会と連携をいたしまして、例えばボッチャでありますとか、カローリング、フライングディスクといった、そうしたスポーツにつきまして、道具を特別支援学校に貸し出したり、あるいは指導者を派遣するといったようなことをやっていまして、児童生徒の皆さんにそうしたスポーツに親しむ、あるいは体を動かすといったようなことで、障害者のスポーツになじんでいく、そうしたきっかけづくりにも取り組んでいるところでございます。  また、障害者スポーツというものの理解を広げていく、あるいは障害者に対する理解を広げていくといった意味合いから、このスポーツを通じて学校間の交流というのもやっておりまして、例えば鳥取盲学校と青翔開智の中学部とが、これはゴールボールといいまして、青翔開智の中学生のほうは目隠しを、アイマスクをして参加をするといったようなことで、スポーツを通じた理解というものをお互い図るような、そうした取り組みも行っておるところでございますし、また、知事部局のほうと連携をいたしまして、例えば先般はシドニーオリンピックのバスケットボールの日本代表のキャプテンを務められました根木慎志さんに、鳥取市の瑞穂小学校でありますとか、それから、岩美高校、そうしたところに行って実際にお話をしていただいたり、そこで車椅子のバスケットボールを体験したりといったような形で、これも理解促進に向けて、そうした取り組みを行っているといったような状況でございます。  課題も若干ありまして、特別支援学校ではそうしたスポーツが学校内ではできるわけですけれども、実際そこを卒業した後、地域に戻る、そうした後にこのスポーツが続けていけるかどうかというところがいま一つ大きな課題として上げられておりまして、そうしたことにもチャレンジを実はしているわけでございます。特別支援学校の体育施設を、これは学校開放というような手法を使って、地域の方々に来ていただいて、そこで障害者スポーツを特別支援学校の中でやっていただく、そうした取り組みを行う。それに向けて若干環境整備をしたりというようなことも行っておりますし、また、卒業した後、上手に地域でのスポーツ活動につなげていけるようにコーディネーターを指名して、そうした卒業後の地域の活動に参加できるような、そうした取り組みも行ってきているといったような状況でございます。これは緒についたばかりで、まだうまく仕組みが回っていくかどうかというのをこれから検証していく必要があると思いますが、このような取り組みを充実していくなど、これは関係機関の御協力も必要かと思います。そうしたところと協力しながら、この障害者のスポーツ振興の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)答弁いただきました。  先ほど知事、教育長から、地域社会や学校教育現場における障害者スポーツの取り組みの現状と課題、教育長においては、その課題への対応まで答えていただきました。  積極的に取り組んでおられるというのは、従前から承知しておりますが、しかし、でも、まだまだ課題なり、それに対する対応というのはしっかりとやらなければいけないというふうに思っております。  スポーツ庁の有識者会議の意見書の中にもありますように、障害者スポーツの振興にとっての大きな課題として、障害者スポーツに関する情報発信、普及啓発の不足、身近でスポーツする場の不足、それに関する広める指導者、それの不足、こういうことが取り上げられておりまして、この解消が重要だというふうに指摘されています。このことは、障害者スポーツの振興に先駆的に取り組んできた本県においても、同様であると思われます。  例えばスポーツの高揚に関する情報やいつどこでどのようなスポーツが身近にできるのか、具体的な情報発信、普及啓発については、県障害者スポーツ協会のホームページなどに掲載されていますけれども、インターネットを利用できない障害者や支援者も多数おられる、こういう現状もあります。これらの情報を入手できない方が大変いるということを考えた場合、この県内のスポーツ施設、どういうことができるのかというような、そういう情報発信、この問題が一つあります。  また、県内のスポーツ施設の多くはバリアフリー化され、ハード面では障害者にとって利用しやすい環境になりつつありますが、障害の特性のため、障害者自身が健常者が利用している中に入って利用するというのをちゅうちょするということが往々にあるという現状があります。例えばプール利用でも、身体障害などで健常者のスピードについていけない、一緒のコースで泳いでいると迷惑になるというふうに考えられたり、また、県立体育館のトレーニングルーム、これは私も時々利用させていただきますが、いつも混んでいます。混んでいて、健常者の中で障害がある方がみんなの迷惑になるのではないかなというふうに考えられる、そういうふうに心理的に、気楽にスポーツができない状態というのを仄聞することができます。  ハード面でのバリアフリー化は進んでいますけれども、このように、心理面などでのバリアフリー化はなかなか進展していないように思われ、施設面の不足解消とともに、障害者のスポーツ活動への理解を深めるなどの啓発が課題になっているのではないでしょうか。  また、障害者スポーツを地域の中で継続的に実施していくためには、スポーツ施設の充実とともに、地域の中でそのスポーツを指導し、広めていく人材として、障害スポーツ指導員が必要とされています。確かに前回の9月議会で知事も答弁されておりますように、本県の障害者スポーツ指導員は、初級は219人と、人口当たりの指導員の数は全国2位を誇っています。しかし、調査といいますか、問い合わせたところ、そのうち実働されているのは4分の1だそうです。  こういう幾つか例を挙げましたけれども、本県において、これ以外にも障害者スポーツを振興する上で解消すべき課題があると考えられますが、こういう課題をどのように解消していくべきなのか、知事及び教育長の所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷議員から障害者スポーツの推進における課題とその克服につきまして、お尋ねがございました。  議員のほうから今おっしゃられたとおりの一つの線が、筋があると思います。それに沿いながら、一つ一つ、順を追って問題を解決していかなければならないのだと思います。  正直申し上げて、5~6年前から比べますと、障害者スポーツに対する認識は本県でも広がってきたと思いますし、先ほどの指導員の充実につきましても、上級者も含めて、配置はある程度は進んできているわけでありますが、まだまだ量的にそれで十分かどうかということがあります。  また、障害者スポーツに対するイメージが、そうはいっても、相変わらず広く県民の間で共有されているかということもあって、それが先ほどおっしゃる心の意味といいますか、見えないバリアになっているのではないかと、こういうことではないかと思います。  幾つかのアプローチがあると思います。一つは、そうした障害者スポーツ特性に鑑みた設備なり施設、そうしたポイントをつくっていくことだろうと思います。今、日本財団さんと協調しながら、先月から検討を始めましたのが、そうした障害者スポーツの拠点を布勢に設置をする方向での具体的な話し合いでございます。専門家の方も入っていただきまして、また、当事者の方も入っていただきまして、今話し合いを始めたところであります。  今見えてきておりますのは、一つは、非常に高度なことを目指すこと、それから、障害者の特性ということもあって、医科学アプローチ、これが必要ではないだろうか。そういう医科学的なアプローチのできる、そういう大なりとは言いませんが、小さくともそうした機能を果たせるような、そういう機能が必要ではないだろうかということ。また、先ほどなかなか入りにくい、障害者の方がスポーツ施設に入りにくい、あるいはスポーツにチームだとか、そうしたことに入っていきにくいということがありますので、入門編的にそういう導入部の役割を果たせるようなところ、専門のスタッフもいてということでありますが、そうしたケアが必要ではないだろうかということです。そういうものがあった中で、大規模な障害者スポーツの大会の誘致だとか、そういうのにも役立つのではないだろうか。  今まだ初動でありますけれども、こんなような話し合いを始めたところでありまして、一つには、日本のどこにでもないような、全国でも有数のそうした拠点性のある一つの組織、施設をつくってはどうだろうか。場合によっては、布勢の体育館のあたりに新しい施設も設置をすることも含めて、少々踏み込んだ対策をとるというのが一つであります。これによって、全県的に一つの中枢があって、そこでスポーツの端緒に味わえるとか、また、専門的な指導を受けられる、こんなようなことを考えようというのが一つであります。  あともう一つは、やはり障害者スポーツへの理解をふやすことだと思います。先ほどお話もございましたが、日本パラ陸上がこの春にございまして、何と5,000人の方が観客として来られたわけであります。拍手も湧くし、選手に対する声もかかる。来られた選手の皆さんは、全国から集まられたわけでありますが、大阪の長居のスタジアムでは味わえなかった感動を味わうことができて、非常にモチベーションが上がったということでありました。私は、鳥取県の県民性からして、こういう障害者スポーツにも声援を送り、そして、それを育てていこうという気質といいますか、素地は十分にあるのだと思います。ですから、こうした活動をなお一層進めていくのが一つではないかと思います。  例えば県民のスポレク祭のようなものがございますけれども、こうしたところで障害者スポーツも体験してもらうということもあるかもしれません。そのほかのいろんな大会で障害者スポーツの種目、ボッチャであるとか、いろんなものがありますけれども、そういうものも体験していただく。もちろん障害者も参加をする。こうして、交流の中にスポーツの輪が、健常者、障害者の壁を超えて生まれることになればいいのではないかなというふうに思います。  また、それから、コーチ陣につきましても、特に中、上級のところの不足感もございますので、そうした上位のところの研修を受けてもらいやすいような、そういうような人材養成の仕組みなども必要ではないだろうか。こんなようなソフト面での仕掛けも入れて、障害者スポーツのいわば本当の意味の市民権というものを社会全体で与えていくべきではないかと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)島谷議員から重ねて御質問がございました。  課題解消に向けた取り組みといったことでございましたが、さき方御答弁申し上げたとおり、とりあえず今課題として卒業後のことが上がっているわけでございますが、これから障害者スポーツ、学校現場での障害者スポーツの振興に向けて取り組んでいく中で、またいろいろと課題も出てこようと思っております。そうしたことに対応するために、まず、課題を上手に吸い上げて、それに対して知恵を出していくという仕組みづくりとして、昨年度から学校現場、あるいは関係の行政機関、そして、県の障害者スポーツ協会などにも加わっていただきまして、そうしたことを検討する推進協議会をつくっておりまして、そうした中で議論を進めながら、対応も含めて検討を進める、あるいは障害者スポーツの振興に向けて施策を進めるといった取り組みをこれからも進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)知事、そして、教育長から答弁いただきました。  まず、教育長に関しては、確かに対応していただいているということで、言われていましたが、その一番最初の登壇での答弁にもありましたように、卒業後の障害がある方々のスポーツに対する取り組みに対して、もっともっと頑張っていただきたいと。これについては、特別支援学校の施設を開放するとか、そういうこともやられていると思いますけれども、それをもっともっと県民に、障害がある方だけではなく、県民も含めて、開放していただければなと、そういう施策を進めていただけたらなと、共生社会を実現するためにしていただきたいというふうに思っておりますし、知事のほうからは、障害者スポーツの指導員に関して少しおっしゃられておりました。この件については、先ほども言いましたように、前回の質問の中でもさせていただきましたが、配置が進んでいるというふうにおっしゃられております。確かに216名、数的には配置は進んではいるかとは思います。そしてまた、中級、上級、これは調べましたけれども、県内で中級が25名、上級が6名ですか、これもいるのはいると思いますし、やはりもう少し不足しているのではないかなというふうに思っておりますので、これについて、まだまだ頑張っていただければなというふうに思います。  ただ、この指導者というのは指導員だけではないのですよね。いわば障害者スポーツコーチとか、障害者スポーツ医、あるいは障害者スポーツトレーナーと、こういうものもちゃんと公益財団の日本障害者スポーツ協会が公認しております。この現状を見ますと、本県においては、障害スポーツ医が1名、スポーツトレーナーとスポーツコーチに至っては皆無なのですよね。こういう現状があるということは、しっかりと認識していただいて、今後の障害者スポーツの発展、振興のためにも取り組んでいただければなというふうに思っております。これについては、お願いという形になると思いますが、しっかりとこれは取り組んでいただければなというふうに思います。  それでは、重ねて質問いたします。登壇でも述べましたように、障害者のスポーツ活動は、現在では広く知られるようになっておりまして、競技型、あるいは参加型など、そういう形を問わず、さまざまな形で行われているというのは皆さん御存じだと思います。ただ、その中でも、精神障害がある人たちのスポーツ活動、これについては、身体障害、知的障害のものと比べて、まだ発展過程にあるのではないかなというふうに思っておりますし、実際にそういう状況があるという現状もあります。  例えば全国規模の障害者スポーツ大会を見てみますと、主に身体障害者を対象とした全国身体障害者スポーツ大会が昭和40年から、知的障害者を対象とした全国知的障害者スポーツ大会、いわゆるゆうあいピックと言われていますけれども、これが平成4年から開催されています。それぞれ歴史を重ねてきていますけれども、最近まで精神障害者が参加できる競技等は設定されていませんでした。平成13年に身体障害、知的障害が統合されて、全国障害者スポーツ大会となった、この第1回大会から精神障害者のバレーボールがオープン競技として位置づけられています。そして、ようやく平成20年の第8回大会から公式競技に採用されたというような状況がありまして、精神障害者が参加できるのは、いまだにこの1競技だけしかないという現状です。本県においても、精神障害者対象の障害者スポーツの団体は、このバレーボールのみが組織されている現状です。  現在国において推進されている第3次障害者基本計画でも障害者スポーツの促進に触れており、その中で、特に身体障害者や知的障害者に比べて普及がおくれている精神障害者のスポーツの振興に取り組むという目標が提起されています。この基本計画の目標は、第1次の計画が策定された当初から提起されていますけれども、現在でも精神障害者が参加できる全国規模のスポーツ大会は、先ほど申し上げたバレーボール1競技のみというふうになっています。  本県において、この国の基本計画に対するのが、平成27年3月に制定された鳥取県障害者福祉プランだと考えますけれども、この中には、国で提起されている精神障害者のスポーツ振興については一言も触れられていません。本県は福祉施策について先進県であると私は、評価しております。事実、他の都道府県に調査や視察に行っても、先日も広島県と東広島市にちょっと行ってきましたが、そちらのほうからも鳥取県からわざわざ来ていただいたのですかと、そちらのほうが先進県ですよねというような言葉をいただくほど、先駆的な取り組みを行っていると、私は本当に評価しています。プランにないからといって、こういう精神障害のスポーツに取り組んでいないということはないと思いますけれども、鳥取県として、この精神障害者のスポーツ振興にどのように取り組まれるのか、知事にお伺いしたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から精神障害者の方のスポーツ振興につきまして、お尋ねがございました。  これは多分国のほうの障害者施策の影響があると思うのですが、精神障害者についてのスポーツ振興、これは他の施策も含めて、一歩ずつおくれているような感じがいたします。本県も国の全体の枠組みの中で障害者施策も動かしてきているのは当然のことでございましたものですから、必ずしもほかの障害と違って、いろんな種目に障害者スポーツ、団体ができているとかというようなことではないというのが実情なのだと思います。  そうはいっても、平成20年から精神障害者につきまして、バレーボールが正式種目になるということもあり、この点では結構強いチームに県内でも育ってきているところであります。県内でもHEARTS、それからわれ等はーとぴあ、あるいはユナイテッド・イーストという、そういうバレーボールチームが結成をされまして、中国大会でも結構勝って、上のほうに行けるような、そういう実力も出てきているわけであります。これは、当事者の方ももちろん非常に熱心に参画をされていまして、こういう機は、一つの芽はどんどん育てていけばいいのだと思います。  あと、やはり当事者の皆さんも非常に楽しまれるのは、フットサルだと思います。このフットサルにつきましては、今ガイナーレさんも、平成26年から協力をいただきまして、いろんな交流もしたり、育成もある意味強化をされたりということになってきているところであります。東部のほうでは、私どもの県の精神保健センターが一つの受け皿になって、こういうフットサルというのを精神障害者の方々としてやっていく後押しをさせていただいておりますし、中部であれば倉吉病院さんがされておられますし、西部の方ではF&Y境港のほうがされていたりしまして、こんなようにいろいろとフットサルにつきまして出てきていて、西部のほうに集まって交流試合をするとか、そういう芽も生まれてきているところであります。  このほかにも、いろんな本来、種目もあり得ると思うのですが、全国的にも競技団体が十分整備されていないところであります。これは、いろんな関係者の皆さんの御興味であるとか、問題関心、そういうものに沿って、私どものほうの障害者スポーツ協会等々でバックアップをしながら育成なり、組織化を進めていくべきものだと思います。ただ、いずれにいたしましても、ほかの障害者と同じように、スポーツを楽しみ、そして、みずからの才能を発揮するチャンスのある場だと思いますので、後押しをさせていただきたいと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)知事から後押しをしたいというふうにおっしゃっていただいたので、それについては大変評価しております。  精神障害に限らず、知的障害でも身体障害でも、その障害特性がさまざまでございますので、一律に同じようにしろというふうには私も思っておりませんし、特によく問題になるのが精神障害の方は身体的接触がかなり負担になるとか、いろんなことがありますので、それについては、やはり当事者の方々の意見を聞きながら、これからも進めていただければなというふうに思います。  重ねて質問させていただきますが、先ほど知事も少し触れられました。障害者スポーツの拠点ということで、布勢に計画されているというふうにおっしゃっておられましたが、やはりこういう施設、整備の充実というのは、本当に障害者スポーツにとって重要だというふうに思っておりますし、先ほど申し上げましたように、健常者の中に入って、本当に遠慮をしながらやっていくというような現状がある段階で、そういう障害者のスポーツ利用を中心としたような施設ができれば、これは先ほど知事も言われましたが、医学的な見地からそれをサポートできるようなものがあれば、大変いいのではないかなというふうに思っておりますし、それはすごく期待しているところでございます。  これにつきましては、本県は今までなかったので、本当に時機を得たものだというふうに思っておりますが、全国には何カ所か、大阪などでいえばアミティ舞州とか、ああいうところに私も娘と泊まったり、いろいろするのですけれども、本当に障害者が利用してよかったなというふうな施設になっておりますので、ぜひこれから有識者会議を通じてでも、本当に障害者だけではなく、周りをサポートする健常者も使ってもよかったなというような施設を期待しています。  また、その中で、そういう障害者スポーツの拠点というふうに今回整備されておる布勢総合運動公園なのですけれども、現在この布勢総合運動公園は都市公園として、生活環境部の緑豊かな自然課が所管して、公園内に所在している陸上競技場や球場、テニスコート、体育館など、全ての運動施設、これは公益財団法人の鳥取県体育協会が指定管理者として管理運営されているというふうにお伺いしております。確かに都市公園の所管というのは、都市計画法を所管する部局が担当する、これが本筋であるというふうに私も考えますが、この布勢総合運動公園、名称が示すとおり、その目的はスポーツ利用が主となっていることは誰が見ても明白ではないでしょうか。  本県では、国に先立って、障害者スポーツを含むスポーツ行政全般を統括、推進する部署として、平成26年4月に、当時、文化観光スポーツ局、現在では地域振興部にスポーツ課が置かれて、布勢総合運動公園以外の県営運動施設の管理運営を行っておられます。この点からも、この布勢総合運動公園一帯を、障害スポーツの観点からだけではなく、広くスポーツ全体の拠点として一体的に運用するためにも、スポーツ課が所管するのが合理的ではないのでしょうか。この点について、知事の所見を伺います。  また、これまで障害スポーツは、障害のある人の社会参加や自立支援の促進のための施策の一つとして展開されてきましたが、先ほどから申し上げていますように、近年、パラリンピックや世界的な各種障害者スポーツ大会の開催などにより、認知度が向上し、裾野が広がるとともに、競技力の向上も求められてきていると、これは知事もお認めになっておられるとおりです。  このため、本県においても、障害者スポーツをスポーツ行政の中に位置づけ、一般のスポーツと一体的に展開するために、スポーツに関する所管部局として、先ほど述べました地域振興部スポーツ課において統合的かつ一元的に推進されていると。これらのことから、先ほどの質問の中でも指摘してきましたように、障害者スポーツには、障害のある人が身近にスポーツを実践できる場の確保や指導員などの人材の育成など、さまざまな課題があるほか、障害の種類や程度により、それに対応したきめ細やかな配慮を必要としており、スポーツ基本法にも同様に趣旨が盛り込まれています。  本県では、平成26年3月に、鳥取県スポーツ振興計画を策定されており、この中で障害者スポーツについて、少し触れられてはいますが、体系的な取り組みはなされていません。障害者スポーツを今以上に振興するためにも、その指針として障害者スポーツに特化した中長期的な視点での体系的、継続的な振興計画を策定すべきと私は考えますけれども、この点についても知事の所見をお伺いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から布勢総合運動公園のこと、そして、振興計画の2点につきまして、お尋ねをいただきました。  このたび、布勢の総合運動公園の中に日本財団と協調しながら新しい拠点をつくろうとしておりまして、これについては、議員の御指導もございましたので、ぜひ実り多いものになりますように、関係者とよく詰めてやってまいりたいと思います。今年度いっぱいはちょっと検討が続かなければいけないような、まだ始まったばかりでございまして、新年度になりますと姿が見えてくるということになろうかなと思いますが、先ほど大阪の舞州のアミティの話がございました。大阪の舞州ですとか、それから広島のスポーツ医療の専門機関がございます。広島大学の機関でございますが、こうしたところも実は視察のほうに関係者も行っておりまして、議員もおっしゃいましたように、なるほどこういうところは非常にある意味スポーツとか、そうした障害者の生きがいだとかが感じられるところだなというものを私どもなりに今勉強しているところでございます。また今後とも御指導いただければと思います。  その所管組織ということでありますけれども、議員がおっしゃったように、布勢については、コカ・コーラウエストスポーツパークでありますけれども、布勢の総合運動公園でありまして、名称の中に運動というふうに入っているからスポーツのほうがということだと思います。しかし、もう一度読んでいただければ、布勢総合運動公園でございまして、公園のほうも同じように2文字入っているわけでありまして、ですから、どちらかというと両方が合体したようなところになっているのですね。これは島谷県議は役所の内情もよく御存じなので、おわかりいただけようかと思うのですが、都市公園として整備をしておりまして、都市公園でありますから、正直運動だけの施設ではだめでございまして、そのほかの公園の施設もあります。そこに、あそこの場合は、若手の経済界の方なども入られて、千本桜を植えられて、花見にもいいところでありますし、滑り台のような遊具もございます。本当にいわゆる公園部分というものが体育館の奥のほうにかなり広がっているわけであります。入園者の数で見ますと、最近徐々に年々ふえております。120万人ぐらい、今年間いらっしゃいますが、そのうちの4割がスポーツ利用で、6割が公園利用のほうであります。ですから、単純にスポーツだけというふうに割り切りにくいところもあるのと、御案内のように、役所の内情からいえば、都市公園としての整備や管理がありますので、補助金の問題であるとか、いろいろ考えますと、公園の管理者に近いところに所管を持っておくというのは、そんなに不合理なことではないと思います。  ただ、ある意味曖昧な施設でありますので、今管理委託先が体育協会になっていて、いわば共同運営になっているという状況でございます。私は今の運用でさほどの不都合がないのではないかなと思って見ておりますが、今後も実態をいろいろと拝見をさせていただきながら、実態に即した運営がなされるように、いろいろと工夫のできるところは工夫してまいりたいと思います。  スポーツの振興計画、これは教育委員会時代につくっているものであります。今スポーツは所管が移りまして、こちらに来ておりますが、障害者のスポーツも、読んでいただいたと思いますが、実は点在しながらではありますけれども、盛り込んでできてきております。私はそれはそれでいいようにも思うのですけれども、きょうのような御議論もあろうかと思います。つまり、例えば指導者のことであるとか、それから、指定強化のことであるとか、そういうような、ああいう施設のことであるとか、いろいろなことを一つ、一気通貫して見なければいけないという面も確かにあると思うのですね。健常者スポーツの中のウイングの中で、それぞれどちらかというと隅のほうの問題として書いてあって、つなげるつなぎ方はよくわからないというのが、果たして体系立っていいのだろうかということがございます。  したがいまして、体系として一つ、一気通貫して障害者スポーツについての見えやすい形をつくり、それでまた、そのための議論をすることで障害者スポーツの振興にもつながるということにもなろうかと思います。したがいまして、ちょっとこれは関係者と話をしてみなければいけませんけれども、例えば新年度、いろいろな動きがあります。先ほどの日本財団と協調して動き始める新しい拠点施設もいよいよ建設に入るということになってくるかと思います。そのとき見えてくる一つの青写真も頭に入れながら、その障害者スポーツについての振興計画を別途新たにつくらさせていただく、そんなようなことで、関係者の方も議論がしやすい、今後のPDCAサイクルを回しやすい、そういうやり方もあると思います。この辺は関係者と今年度いっぱいよく話をさせていただければと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)最後の質問になりますけれども、知事がおっしゃられました。やはり十分理解しているのですよね、都市計画法の中で公園として管理されているというのは、しっかりとわかっています。ただ、県民として、そこを利用するときに、確かに半分近くは公園利用だと。でも、その半分近くの半分近くは、花見の時期だけがすごく多くて、あとはかなり少ないというような現状も御存じだと思います。  私が言いたいのは、県民として本当にさっとわかりやすいというのは、どこなのだろうと。特に、先ほど不便はないとおっしゃられましたけれども、やはり予算編成するときにでも、まず、スポーツ課のほうからいろんな施設面の予算計上なども上がってくるとは思うのです。そういう場合にはやはり一体がいいなというふうに私は思いますし、先ほどのスポーツの推進計画につきましても、本当に読み込ました。ただ、本当に一部分しかないので、こういう施策を運営する上では、知事が言われたように、今後検討されると言われましたけれども、特定された障害者のスポーツだったらスポーツの推進計画、あるいはその隣でもいいです、何かの中に体系的で、継続的なものを入れていただければなというふうに思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)22番福田俊史議員 ◯22番(福田俊史君)(登壇、拍手)皆様、こんにちは。一般質問初日、その4番手、最後の登壇者となりました会派自由民主党の福田俊史でございます。  質問に入る前に、私からも10月21日に発生をいたしました鳥取県中部地震で被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い完全復旧をお祈りさせていただきたいというふうに思います。  そして、私の地元、八頭町は、今特産の花御所柿が最盛期を迎えておりますが、平井知事は、昨年に引き続きまして、東京の高級果物店であります京橋千疋屋において、ことしも先週の11月27日の日曜日に、みずからが店頭に立たれて、トップセールスを行っていただきました。今シーズンも八頭町産花御所柿は、千疋屋の店頭で1玉1,296円でラインナップをされておりまして、間違いなく全国ブランドの仲間入りを果たしたと私は思っております。千疋屋でのブランド化によって、生産者の所得が上がる。そして、後継者につながってくる。こうした流れをつくっていくことこそ、我が鳥取県の地方創生であると私は思っております。平井知事のこれまでの御尽力に心から敬意と感謝を申し上げますとともに、さらなるブランド化に向けての取り組みに期待するものであります。  それでは、通告に従いまして、質問に入らせていただきたいと思います。  まず最初は、トワイライトエクスプレス瑞風の運行に伴う地域資源の発掘について質問をさせていただきます。
     2013年10月にJR九州がクルーズ型の豪華列車、ななつ星in九州を送り出して、この秋で3年が経過をいたしました。これまで最も安いもので1泊2日25万円という価格ながら、平均倍率26倍という高い人気を誇っております。そのななつ星に続きまして、来年、2017年春には、いよいよ我々の地域にもJR西日本のクルーズ型豪華寝台列車がデビューすることになっています。トワイライトエクスプレス瑞風であります。議長にお許しをいただきまして、お手元にJR西日本米子支社より御提供いただいた資料を配付させていただきましたので、御参照いただきたいと思います。  JR西日本は、観光立国の推進、日本の人口減少といった観点から、豪華列車の導入を決め、先週29日には大阪のJR西日本本社にてその運行スケジュールが発表されました。運行ルートについては、京都駅から中国地方をめぐり、京都駅へ戻る2泊3日の周遊型のほか、京都、大阪駅と山口県の下関駅の間を山陽、もしくは山陰本線を経由して1泊2日で走る片道移動型が用意されています。そして、料金は、2人用のツインが1人27万円から55万円、1人から2人用のシングルが1人25万円から67万円、1両1室で、バルコニーや浴槽を備え、2人から4人用のスイートは1人56万円から125万円と高価な設定となっております。  なお、この豪華列車は、途中下車しての観光も大きな魅力であり、瑞風を地域との共生の手段ともするJR西日本は、その停車駅で地元自治体などと連携し、乗客をおもてなしする考えであります。その停車駅の一つで、我が鳥取県の岩美町にある東浜駅では、地びき網体験が用意されていると伺っております。また、この豪華列車瑞風は、車内で提供される料理もセールスポイントであり、JR西日本は、恵み豊かな西日本の食のすばらしさを提供したいとしており、我が県の食材の活用についても大変気になるところであります。JR西日本米子支社の松岡支社長も新聞社の取材に対し、観光資源や食材の魅力を発信できる絶好のチャンスと、地元からの期待を感じているとされており、立ち寄り先でのおもてなしなど、地元の皆様と一緒に地域全体の盛り上げを実現したいと、こうコメントをされております。  その料理の監修は、料理雑誌「あまから手帖」の編集顧問などを務めている門下武司氏のプロデュースのもと、京都の高級料亭、菊乃井の村田吉弘氏、大阪の高級フレンチレストラン、HAJIMEの吉田肇氏が担当することになっています。  そこで、この豪華列車、トワイライトエクスプレス瑞風の運行がいよいよこの春に迫る中で、我が県として、これまでJR西日本とどのような連携を図ってこられたのか、平井知事にお伺いいたします。  また、現在のところ、我が県への停車駅は鳥取駅と東浜駅のみと伺っていますが、千載一遇のチャンスと、この春の瑞風の運行を心待ちにしているのが東浜駅のある岩美町であります。東浜駅近隣の東浜海水浴場は、昭和後期から平成初期にかけて、関西方面などの海水浴客でにぎわい、ピーク時には海岸周辺に何と60件もの民宿があったといいます。しかしながら、現在では10分の1ほどに激減しており、榎本岩美町長は、地域衰退をとめるきっかけにしたいとお話をされております。  私は、この絶好の機会を捉えて、山陰海岸の美しさを強調し、山陰海岸ジオパークのブランド化をさらに全国に向けて図っていく必要があると考えておりますが、この瑞風の運行に向けての平井知事の意気込みと我が県への波及効果について、平井知事の御所見を伺います。  私は、JR九州の豪華列車、ななつ星in九州を初めとする観光列車が九州全域にどれだけの経済効果をもたらしているかを調査するため、これまで3回、JR九州本社を訪問し、お話を伺ってきました。JR九州の担当者は、車両本体の魅力だけではなく、沿線の歓迎ムードや地域の素材が人気を下支えしていると強調されていました。そして、観光列車の成功には、地元住民の協力に加え、自然、食、文化、歴史などの観光資源の発掘、活用が欠かせないとさらに強調をされていました。  熊本県人吉市では、2009年から薩摩線を走るSLを生かした地域振興に力を入れており、市が打ち出した手振り運動が定着しています。住民は、通過する列車を見れば、反射的に手を振るようになったとのことであります。また、地元民泊施設のおかみでつくる会は、ノスタルジック人吉と題して、訪れる乗客にSLが現役だった100年前の時代の服装をまとい、郷愁を覚える音楽を奏でて歓迎する運動を展開されています。人吉市によりますと、これらの取り組みで、2009年以前、70万人から80万人だった観光客は、ここ5年で100万人を超え推移しているとのことであります。  そこで、瑞風運行に向けて、沿線住民の歓迎ムードの演出や観光関係者によるおもてなし精神の醸成等について、関係市町村と連携をしながらどのように取り組まれようとされているのか、平井知事の御所見を伺いたいと思います。  観光列車の成功には、地元住民の協力に加え、観光資源の発掘や活用が欠かせないと、先ほどJR九州の事例を紹介いたしましたが、JR西日本でも、このたび瑞風の運行に向けて、鳥取、島根両県の地域資源の発掘や情報発信を進めています。JR西日本米子支社が主体となって取り組んでいる山陰いいもの探県隊であります。初代の内山興、現在2代目の木内吾平JR西日本松江支店長をキャプテンに、山陰両県の文化や食、観光などに精通する民間の45人の隊員が、ガイドブックに載らない、これまで埋もれていた地域資源を掘り起こしてブランド力の向上を目指しております。  JR西日本は、ことし8月8日にトワイライトエクスプレス瑞風の車内を飾るアート作品や伝統工芸の作家を発表しました。地元作家の作品を乗客に見て、使ってもらい、運行する山陰、山陽両ルート沿線の魅力を伝えるのが狙いとのことであります。山陰いいもの探県隊など、沿線各地域からの推薦を受け、瑞風のデザインを担当したインテリアデザイナーの浦一也さん監修のもと、現時点で鳥取を初め、京都や島根など、7府県20人への制作依頼が行われています。瑞風の資料の11ページを御参照いただければと思います。  我が鳥取県関係では、人間国宝で白磁作家、前田昭博さんの作品が通路の展示スペースに飾られるほか、因州・中井窯の坂本章さんが各客室に備えつける瑞風オリジナルの茶器を担当、鉄筋アーティストの徳持耕一郎さんの作品がラウンジカー、写真家、植田正治さんの作品が各車両通路でそれぞれ展示されることになっております。  また、もう一つの停車先である鳥取駅での立ち寄り先を見ますと、鳥取砂丘だけではなくて、仁風閣や鳥取民藝美術館、さらには、通常非公開である鳥取の民芸建築の旧吉田医院が決定をしています。ここで注目したいのが、この立ち寄り先の全てに鳥取民芸の祖、吉田璋也氏がかかわっている点であります。こちらも議長にお許しをいただき、一般財団法人鳥取民芸協会様より御提供いただいた参考資料を配付させていただいておりますので、ぜひ御参照いただければと思います。  鳥取砂丘や仁風閣といった鳥取の観光名所が破壊されずに今日の姿をとどめているのは、吉田璋也氏らが設立した鳥取文化財協会の活動のたまものであり、吉田璋也氏が築いてきた鳥取民芸や、吉田璋也氏がつくった鳥取民藝美術館や旧吉田医院が立ち寄り先に採用されたことは、我が鳥取県として大変誇らしいことだと私は思っております。  これまで我が鳥取県にはいいものがたくさんあると県民誰もが薄々感じていましたが、行政や経済団体主導では、平等性に配慮する余り、商品を絞り込むことができなかった部分があったのではないかと思います。その点、JR西日本が主体となっていいもの探県隊では、山陰の西から東まで、いいものを隊員が気兼ねなく選定されました。単にいいものというだけでなく、誰がどういうふうにつくっているのか、物語まで考えて選ばれております。私は、この機会に、吉田璋也氏がつくってきた物語を、そして、積み重ね、構築してきた鳥取民芸を、鳥取民藝美術館を、新作民芸運動の発祥の地、鳥取県として大きく売り出すべきだと考えますが、平井知事の御所見を伺います。  次に、ツキノワグマ対策について質問をさせていただきます。  近年、全国で熊が人里に出没し、人を襲う被害が相次いでいます。秋田県では、ことし6月に山林で4人が相次いで熊に襲われた事故が発生し、4人目の女性が襲われた現場近くで射殺した熊を解剖したところ、胃の中から人間の体の一部が見つかっております。お隣の兵庫県でも、この10月17日に60歳の男性が熊に襲われ、頭と左腕をかまれて重傷、岡山県でも16年度のツキノワグマの出没情報は214頭、有害捕獲数は10頭で、いずれも年度ごとの過去最多を更新しております。10月中旬には、県境をまたいだ美作市や西粟倉村で、1日7頭が捕獲されている事態も起きております。  我が鳥取県でも、他県同様、熊の目撃情報や負傷事故が相次いでおり、県もその対応に苦慮していると伺っております。5月に若桜町の山中でランニングをしておりました男性が襲われて、指を骨折、6月には、八頭町で捕獲したツキノワグマをおりに入れる際、作業員2人がかまれ、それぞれ左手にけがを負う事故も発生をしております。県内全体で見ると、今年度のツキノワグマの出没情報は453件あり、推定生息数は250頭から400頭程度と見込まれております。私の住む八頭町では、毎朝、防災行政無線で目撃情報と注意喚起が繰り返し行われており、私のほうにも小さいお孫さんを心配するおじいさんやおばあさんから、何とかこの現状を平井知事に伝えてほしい、平井知事にいい対策を講じてもらうようにお願いしてほしいと切実な声が多く寄せられております。  そこで、県内の過疎地域で深刻化しているツキノワグマによる被害について、平井知事の現状認識を伺いたいと思います。  鳥取県を含む東中国地域のツキノワグマは、環境省の絶滅のおそれのある地域個体群に指定されており、県のレッドデータブックでも県内で絶滅の危険が増大している種類である絶滅危惧II類とされています。そして、全国的な被害を受け、生息数が増加している兵庫県では、先月15日からツキノワグマ猟が20年ぶりに解禁され、県北部でツキノワグマの出没が相次ぐ岡山県でも、このたび2017年度から狩猟を解禁する方針を明らかにしております。  兵庫県では、ツキノワグマの推定生息数が100頭以下に減少した1996年度から狩猟を禁止し、保護に取り組んできました。その後、熊は順調にふえ、人的被害も懸念されたため、2014年度、兵庫県の保護計画で推定生息数が800頭以上になった場合に狩猟を再開する方針を決定しています。その後、2015年度の調査で940頭に達し、今回の解禁を決めたとのことであります。我が鳥取県も、県独自の保護管理計画に沿って、これまでツキノワグマ対策に取り組まれてきたと思いますが、その取り組みの中身についてお聞かせ願いたいと思います。  お隣の兵庫県や岡山県が熊猟を解禁していく中で、今年度、我が県では保護管理計画の見直しが行われると伺っております。これまで鳥取県は、保護優先でツキノワグマの対策が行われてきたと思いますが、毎年徐々にツキノワグマは増加をしており、私は個体数を調整する時期に来ていると考えております。子供たちや高齢者が犠牲になる前に、我が鳥取県としましても、熊猟を解禁し、しっかり対応していくべきだと思いますが、平井知事の御所見を伺い、壇上での質問といたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議の一般質問にお答え申し上げます。  まず、福田県議、さらには、先ほども島谷県議から中部地震につきまして、心温まるお言葉をいただきました。県民一丸となって復旧復興へ向かってまいれればと存じます。  また、花御所柿についても言及いただきましたけれども、先般、新宿の京橋千疋屋の店頭におきまして、私もプロモーションに参加をさせていただきました。召し上がっていただきますと、皆さん、表情が緩みまして、確かに甘いということであり、かなり高額の販売ではありますけれども、何人かにお一人は買いに戻られるというようなことでございまして、これからのブランド化に向けた手応えも、2年目として感じるようになってまいりました。この京橋千疋屋さんには、あわせて復興関係で王州梨なども販売をお手伝いいただいておりまして、ぜひこれからもよいつながりをつくっていければと思います。福田県議や、あるいは石破代議士、また、御婦人に大変にお世話になりまして、御縁ができたことを感謝申し上げたいと思います。  まず、トワイライトエクスプレス瑞風につきまして、何点かお尋ねがございました。  JR西日本とどういう連携を図ってきたのか、また、運行に向けての意気込みやいかん、さらに、歓迎、おもてなし、そうしたことをどういうふうに地域と連帯しながらやっていくのか、こういうお尋ねがございました。  このトワイライトエクスプレス瑞風は、いわば日本版のオリエントエクスプレスでございます。非常に豪華な列車でございまして、先般発表されましたけれども、6月17日からいよいよ運行開始する。また、12月に入りまして、そのチケットの発売も始まるということで、恐らく予約、抽せんということになるぐらい人気が出てくるのではないかなと思われます。九州のななつ星が先行しておりますが、それ以上に高額な商品も今回出されて、少しく驚いたところでございます。  本県へのルートもこのたび発表になりました。2泊3日コースですと、3日目に東浜に停車をしてブランチを食べる。イタリア料理のブランチを東浜の駅のところに新しくつくるレストラン、ここで召し上がっていただくというコースになります。また、1泊2日の山陰コースについて、2日目に鳥取でおりて、鳥取砂丘や仁風閣などを回る、こういうコースも計画をされているわけです。  これに至るまで、随分年月がございまして、最初に構想が示されたときに、これは非常に新しい旅のテーマとして重要ではないかなと私も考え、多くの方々もそのように思われたと思います。平成26年6月に、JR西日本の米子支社長さん初め、幹部の皆様とまずお話をさせていただく機会がございました。これは、JRと我々県のほうとの意見のすり合わせをする連携の会議でございます。その席上で、ぜひ瑞風を県内にとめてもらいたいと。また、瑞風のプロジェクトの中で県産品などをぜひ活用してもらいたいということを強く申し上げました。また、あわせて、鳥取県としては特別の応援プロジェクトを始めたいということを申し上げまして、その夏に市町村だとか、関係者と一緒になりまして、この瑞風を応援するプロジェクトを始めました。  そうこうしていますと、あちらのJRのほうで、先ほど福田県議がおっしゃいましたいいもの探県隊というのが始まりました。実はそのいいもの探県隊が動き回るのと、私どものプロジェクトとはかなり連動して、下支えをさせていただいております。そういう中で、鳥取の産品である伯耆町のカゴノキを車体の中で使うとか、また、中井窯であるとか、また、やなせ窯であるとか、さらに、徳持耕一郎さんのあの針金アートといいますか、ああいう造形であるとか、植田正治さんの写真であるとか、そうしたアイデアを一緒につくり上げていったところでございました。  ここまでJRさんといわば共同歩調でやってまいりまして、非常に前向きに山陰の新しい旅を掘り起こそうとしていることが私どもにも伝わってきたところでございます。ぜひ今回の瑞風のプロジェクトを成功させ、いわば世界でも最高級の旅の宿の聖地として、単に瑞風に乗っている人だけでなくて、瑞風に憧れる層、あるいは鉄道に憧れる方々、こういう方々の魅力を引きつけてやまないような、そういう観光リゾートに山陰、鳥取県を育てていければと思います。そういうチャンスにも一つなり得ると思います。  先ほど人吉市のお話がございました。九州のななつ星では、鉄道が走るということで、これで経済効果、観光効果が生まれているというお話がございました。お考えいただければ、すぐおわかりかと思うのですが、一つの列車に乗れる方は30名です。ぐるぐる同じ列車で30名の方が回っているわけでありまして、それを幾ら足し算しても年間でたくさん運ぶということにはならないわけです。希少性がありますから、それはそれで人気が出るわけでありますが、乗っておられる方だけで地元が潤うとかということにはならないわけです。だから、むしろ、その最高級の列車が走る、あの景色を私も見てみたい、あるいは東浜の新しくできたレストラン、これは瑞風のお客さんが食べるところだと、私たちも行ってみたい、そうやって広がりが出てこないと、地域としては本当の果実を得られないと思っています。  また、鉄道ですから走り回るわけでありまして、正式な停車駅以外のところもあるだろうと思います。JRさんとは結構率直なお話もさせていただいていて、米子だって支社があるのだから、とまればいいではないですかと、何か考えましょうよとかということを呼びかけたり、中部のほうでも何かポイントがあってもいいのではないかとか、水面下ではいろんな御要請もさせていただいております。どういうふうに最後、転がってくるかはわかりませんけれども、JRのほうでも、せっかく地域を走っているのですから、何か考える方向性は出してくださるのではないかなと思います。  そういう中では、一つは大山を見に行こうということで、少し回り込んで、大山を見てもらうというような時間を瑞風の中でつくられることが決まりました。また、先ほどお話がございましたように、鳥取の民藝美術館であるとか、それから、吉田医院であるとか、そうしたところも視察先として加わることも出てきましたし、単にただ停車駅だけの問題ではない広がりが、徐々にではありますが、生まれてきていると思います。これを成功させるためには、やはり地元としてのおもてなしの気持ちが大事だと思うのです。それは、単に瑞風に乗っているお客様のためのものだけでないと私は思います。  先ほどまで、美保南の子供たちもいましたが、子供たちが豪華列車を見たら手を振るというのは当たり前の感情なのですね。ただ、それに触れることで旅の情緒として、旅情として、思い出に残る、感動するということであります。こういうことは、観光地としては必要な素養でもあるのですね。ですから、先ほどお話がございましたようなこと、例えば福岡県のうきは市でも手振りという、手を振るという運動を始めたわけです。それが評判になりまして、結局ななつ星がとまるということにもなったのですね。また、旗を振ってお出迎えをする。そんなようなことも大牟田などでもございます。実は今、東浜でも旗を振ってお出迎えをしようということを今計画されているわけであります。  今、大山のほうに回り込んで、大山のすばらしい景色を見てもらう、この伯耆町のほうでは、菜の花畑を見せて、菜の花を植えて、きれいなそうした大山の風情も感じてもらおうと、そんなような準備も始めているところでございます。また、麒麟獅子舞やお茶で、仁風閣でもてなそうと、これも県が今助成をしておりますけれども、そういうもてなしのプログラムも準備が始まりました。いろいろな形で市町村や地域の方々と一緒におもてなしの輪を広げていければと思います。  これができることが、外国から来たお客様であるとか、全国各地から来られるふだんのお客様、それに向き合う地元のホスピタリティーにもなってくるわけであります。それが観光として産業を育てる大きな起爆剤にもなり得るのではないかと思います。  次に、瑞風の運行の機会に、鳥取民藝美術館など、民芸運動の発祥の地として売り出せないかということであります。  これはぜひに考えてみたいと思いますし、関係者とぜひ進めていければなというふうに思います。最近、皆様が想像される以上に、実は民芸が見直されてきております。これについては、例えば若い方のセレクトショップのようなBEAMSという店がある。あれに出したことが皮切りになりまして、最近もいろいろとそうしたクラフトショップのようなところで鳥取の民芸品を売っていただけるようになってまいりました。それがまた人気があるのですね。さっき申し上げたBEAMSであれば、例えば中井窯とかから出しています。そうすると、すぐに売り切れてしまうわけですね。だから、生産が追いつかない、それぐらい、高い値段なのですけれども、そういうようにお取引が進むようになってきました。  また、こうした民芸を紹介する旅行本も刊行されてきておりまして、「山陰旅行」という本であるとか、それから「ことりっぷ 鳥取 倉吉・米子」という本、こうした本は、若い女性であるとか、結構人気のある手引書なのですけれども、そういうのが、例えば「ことりっぷ」であれば、版を重ねて重版になりました。そうやって結構市場性があるのですね。その証拠に、そういうようなガイドブックを見て鳥取民藝美術館に来られるお客様もふえていまして、最近も1,500人ぐらいふえてきているということであり、勢いが今戻り始めているとも言われています。  これは、別にそうした旅だけでなくて、物の需要としても民芸についての興味は高まっているようでありまして、去年、おととしぐらい、京都や大阪の高島屋で、鳥取民藝美術館やたくみさんのほうでお世話になって、向こうで展覧会をやったのですね。民芸のための展覧会。これは県のほうでもそうしたものの販路拡大などを応援させていただくプロジェクトで支援させていただきました。これは非常に評判がようございまして、正直、高島屋さんの注文がさばけないというような悩みが出るぐらい、こういう意味で活気を呈しているわけであります。今がいわば旬になり始めているのだと思うのです。そこに今回の瑞風というものもやってきますので、ぜひそうした意味で、この民芸運動を見直す契機になり、全国や世界に向けてアピールするチャンスになればと考えております。  最後に、ツキノワグマについてお話がございました。  このツキノワグマの被害について、ぜひ認識を深めてもらいたいと、こういうことでございました。  これについては、大変に私も憂慮するものであります。ことしは、ちょっと山の状況も変わっていて、ブナが大凶作であります。コナラやミズナラといったところも凶作でございまして、要はドングリ、全部の種類ではないですけれども非常に作柄が悪い。それで勢い、里のほうに餌を求めておりてくる、こんな状況が全国各地であります。記憶に新しいところでは、秋田県のほうの鹿角市で、連続して襲われるというようなことがありました。山陰でも、島根県の浜田、あちらのほうでは西中国系の群体がございまして、人が負傷するということがありました。隣の兵庫県でもことし、久しぶりに負傷するということがあったとして騒ぎになっております。  本県に至りましては、岩美町、それから鳥取市国府町、また若桜町、また八頭町では専門家の方がかまれるということになりましたけれども、そういうように4件にわたりまして負傷事故が起きているわけであります。看過できない状況になってきていると思います。  今折しも、議員がおっしゃるように、鳥獣保護管理の計画の改定時期に入っていまして、今年度いっぱいで、今後、では、どういう方針で向かうかというのを議論する時期でございます。今その議論の過程なのですけれども、従来は確かに希少動物という側面で保護するほうに重点が若干置かれがちであったのではないかなと思います。そうはいっても、実は前回の改定時期にやはり同じような議論がございまして、それで、ある程度抑制をしながら、個体数管理をしていくのだということに本県としては踏み出したわけでありますが、今回議論を今進めているところであり、専門家の方、地元関係者の方、みんな交えて議論をすることになりますが、ぜひ踏み込んだ議論をお願いできないかなというふうに思っております。  これは、専門的見地のアプローチも必要でありますので、私どもでこうしろということだけで押し切れるものでもないのですが、幾つか問題意識を申し上げれば、現在の個体数管理として800頭というのが一つの目標値になっているのですね。これは国全体の指導もあるということでございまして、国の法律と、それに基づくガイドラインで設定されている数字でもあり、さっき兵庫県が狩猟に踏み切ったといいますが、800頭を超えて940頭ぐらい確認されたので、140頭を限度とした狩猟ということを解禁したということであります。そういう意味で全国的にこういう数字はあるのですけれども、ただ、個体群としては東中国地域は一つ、一体のものでありまして、もともと本県にそんなにいなかったのですよね。ですから、岡山が過敏に反応して、今同じように狩猟解禁に踏み切ったというのは、その辺が背景にあると思います。  本県も、数年前までは400頭いくかいかないかぐらいのところまででございましたのが、急速に今ふえてきているというような観測になっています。今最終的な調査がなされているわけではありませんが、いずれにせよ、これはふえているというふうに皆さん感じています。  これについて、実は昨日、県の市町村会が県政への要望を持ってこられました。皆さん口をそろえておっしゃったのは、熊を何とかしてもらいたいということです。例えば有害捕獲との関係をおっしゃったり、それから、わなに捕まったところ、これを教育放獣する、学習放獣するわけでありますが、そういうことに対する地元の理解ももう得られなくなってきているとか、そういうようなお話が相次いだところでございます。  ですから、例えば、実は800頭というのは、400頭から800頭という幅がある中で800頭と設定されている、いわば環境省的な優等生を目指しているのかもしれませんけれども、実態に即して、例えば400頭ぐらいを管理の目標にするとか、また、ゾーニングをして、こういう里に近いところにおいては、錯誤捕獲といいますが、わなにかかった熊については、それは殺処分するということも入れるような、新しいタイプの管理手法、こういうところについての議論も必要ではないかなと思っております。  ただ、いずれにせよ、今はまだ議論のさなかでございまして、きょうの議場での御議論も誠実にその検討会のほうに御報告申し上げたいと思いますし、また、願わくば現場の集落の方の話とか、町長さんの話とかも聞いてもらいながら方針を話し合ってもらうのがいいのかなと思います。今のままの管理計画を続けていきますと、800頭に至るまで、まだまだふやせということになります。果たしてそれが本県の県民感情に合うのか、また、里の安全・安心ということに果たしてそのままでいいのかというようなことだと思います。ですから、見直すことも含めて、これについては、十分議論していただくように、私どものほうからも申し上げていきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)22番福田議員 ◯22番(福田俊史君)知事の御答弁から、瑞風の運行につきましては、しっかりJR西日本と連携が図られておりますし、共同歩調でやってこられたということでよくわかりました。  また、沿線住民の歓迎ムードの演出でありますとか、観光関係者によるおもてなし精神の醸成についても、関係市町村と今しっかりやっているという話でありましたので、しっかり運行までに形にしていただきたいなと思います。  先ほども申し上げましたけれども、今回の瑞風の運行によって、一番すばらしいなと思ったのが、やはりいいもの探県隊だと思います。今まで行政とか、経済団体というのは、やはり平等性というものを余りにも重視してきた、配慮してきたために、商品を絞り込むことができなかったと思うのですが、今までエースで4番になれなかった鳥取民芸でありますとか、鳥取民藝美術館というのが、ここになって実は一気にクローズアップされていて、これから非常に脚光を浴びる可能性が出てきたということだろうと思います。平井知事のほうからも、先ほど改めて今回見直しをして、応援をしたいということを言っていただきましたので、続きまして、吉田璋也さん、そして、鳥取民芸についてさらに質問を続けさせていただきたいというふうに思います。  吉田璋也は、鳥取砂丘や仁風閣だけではなくて、湖山池にも大きくかかわられております。湖山池の景観は、古くは江戸時代の文人、安藤箕山らがいおりを建てて、その景観を楽しみ、小説家、志賀直哉も称賛をしております。しかし、さまざまな開発計画が進み、景観が損なわれようとしたことに歯どめをかけるため、吉田璋也ら鳥取文化財協会は、その景観保護や遺跡保存などの運動を起こしました。また、その価値ある景観を多くの人々に公開するため、吉田璋也は絶景の地を買い求めて、鳥取民藝美術館別館として昭和39年に湖山池阿弥陀堂を建てました。湖山池の北岸に位置し、小高い山の上にあり、津生島を正面に据え、中国山地が遠望できるこの景観は、現在では山陰海岸ジオパーク内の景勝地としてすぐれた観光資源であることを確信いたします。資料の一番最初のページです。これが湖山池から見た阿弥陀堂であります。そして、一番最後のページ、これが阿弥陀堂から見た湖山池であります。  この阿弥陀堂でありますが、特に湖山池の遊覧船などとの連携によって、インバウンドを含めた付加価値の高い観光商品としての可能性も十分見込めるのではないかなと思います。また、その建築は、吉田璋也のすぐれた設計であり、現在国の登録有形文化財として文化庁に進達がなされていると伺ってもおります。しかし、残念なことに、築後50年を経て、雨漏りをするなど、老朽化が進み、活用するには大改修が必要だと伺っております。  瑞風が運行するこのタイミングに施設を所有する公益財団法人鳥取民藝美術館や地元の鳥取市とも連携し、整備や活用に向けて当初予算編成過程の中で協議してみてはどうかと考えますが、知事の所見をお伺いします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田議員から重ねて、民芸について活用のお話がございました。  民芸について、いろいろと側面はありますが、器をつくる、あるいは着物ということにとどまらず、さらにその用の美は建築にも及んでいます。旧吉田医院もそうですし、また、民藝美術館もそうでありますが、非常に例えば窓枠の桟の一つとってしても、一つ一つが洗練された感性に基づくデザインがなされています。  今御指摘ございました阿弥陀堂については、湖山池の北のほうにあるわけでございますが、ちょうど三徳山と言うとちょっと言い過ぎですが、一つ、岩の上に建つお堂のような形でつくられているところであります。この阿弥陀堂は、吉田璋也の晩年の非常に手をかけた一つの作品と言っていいものでございまして、当時の民芸作家たちがこの建設にも大きくかかわっているわけであります。木谷理事長を初め、こうしたことを顕彰しようとイベントをされましたときに、私もお伺いをして、阿弥陀堂の中に座らさせていただいたこともございました。また、民芸の全国大会のような場でも、こうしたすばらしい施設というのが各界からの評価を集めたところでございました。  幾つか特筆すべき点があるのだと思います。例えば構造材にクリを使って、それがまた、いわば用の美であることだとか、また、ケヤキの大きな板で床材をふくとか、そういうような当時非常に先端的だったと思われます工芸品のような家をつくる、それがちょうど湖山池のほうにせり出すような形で八角堂をこしらえるわけでありますが、その八角のうちの5つの面までガラス張りにしまして、パノラマ展望台のような、そういうつくりにし、奥のほうに茶室があるというような、日本のよさを心行くまで楽しめる、湖山池というものをモチーフにした、そこでなければ建てられないような建物になっています。  ここから見える景色、今解説もいただきましたけれども、目の前のほうに津生島がある。津生島というのは、こんこんと湧き上がる泉の津と、それから、生まれるということでありまして、無量寿、阿弥陀仏に係るものであると。それの脇を固めるかのように、青島や団子島がございまして、それが勢至菩薩や観音菩薩、いわば阿弥陀三尊を構成しているというようにも読み取りながら、そこの場を選ばれたのだと思います。こんなような非常に考え抜いた一つの作品として、あそこにあるわけでありまして、例えば瑞風のお客様のような、そうしたテーストをしっかりと味わっていただけるような方々にも満足していただけるところではないかなと思います。私も伺いまして驚きましたのは、バーナード・リーチのスケッチがかけてありました。あれはわざとかけたのかもしれませんが、そういうようなことで、当時いろんな世界の人たちとつながっていた一品であるということだと思います。  議員からも御指摘もございましたので、改めて鳥取市であるとか、民藝美術館であるとか、私どものほうでも話し合いをさせていただきたいと思いますが、そういう新しい旅先の発掘、あるいはジオパークの一角にもなりますから、そういうジオパークの一つの施設として、改修のお手伝いをさせていただく検討をいたしたいと思います。当初予算の中でちょっと関係先と議論をさせていただきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)22番福田議員 ◯22番(福田俊史君)大変前向きな御答弁ありがとうございました。  続きまして、先ほど知事が一番最初の御答弁でお話があった若い人への民芸ですね、鳥取の民芸の現代的なブラッシュアップと販路拡大について、続けて質問をさせていただきたいと思います。  鳥取の民芸は、都市部で大変高い人気をかち得ております。98ページを御参照いただければと思います。そのきっかけは、鳥取民藝美術館が工業デザイナー、柳宗理らを招聘し、製品開発をして、それが大変有名なセレクトショップ、先ほど知事からも御紹介がありましたBEAMSの目にとまり、新たなレーベルとして平成15年にBEAMS渋谷店で発売を開始されたことでありました。平井知事は、当時副知事として、その記念すべきオープニングに立ち合われたということであります。  公平性を保つために、これまでのように、県内の全ての民工芸品を同列に扱うようなことはもうやめまして、特徴あるこの鳥取民芸などのような製品開発に意欲の高い工房や、それをまとめる流通組織、例えば鳥取たくみ工芸店を有する公益財団法人鳥取民藝美術館などを積極的に支援することが今必要だろうと思います。先ほど知事からも前向きな御答弁をいただきました。BEAMSを初めとする全国のセレクトショップや有名百貨店との連携、デザイン開発など、鳥取県が積極的に補助金等でさらに支援をすべきだと思いますが、知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議から重ねてのお尋ねがございました。  先ほど申しましたように、県としてもこの民芸の販路拡大、認知度を高めるためのアピールに協力をこれまでもしてまいりましたし、ぜひ今後も積極的に仕掛けていければと思います。  先ほどのBEAMSだけでなくて、最近人気のCLASKAという店があります。これは、日本橋のあたりとか、それから東京駅前のKITTEという、ちょっと騒動も起きましたけれども、あのビルの一角にありますが、こちらのほうでは、国造焼とか、それから大因州製紙さんのものをクラフトとして置いていただいて、結構売れ行きもいいわけであります。そのほかにも、銀座三越であるとか、そうしたところでも中井窯等々を扱っていただいたりしておりまして、大変引き合いも出てきているわけです。  先般、新宿の伊勢丹の鷹野店長さんとかとお話をさせていただいて、また、今まで余りやっていないのですけれども、鳥取の物産だとか、それから食べ物、食の魅力、これを伊勢丹として全店舗的に展開をするような、そういう物産展をやろうということで今準備が始まりました。恐らくこの冬、年が明けて後になろうかと思いますけれども、そういうときに新しいそういう物産展をやろうと、イロトリドリというような形で、鳥取をもじりながら、鳥取のよさを知っていただこうと。この中にもそういう民芸のクラフトなども出していってはどうかと思います。  また、あわせまして、グーグルのそういういわばサイトがございまして、そちらのほうで国内外に民芸の魅力を発信する、そういうチャンスもあるのではないかということで、これは今、そちらのほうのページ開設の準備を始めているところでございます。近々そちらのほうも公開できるのではないかなと思います。  見ていただいて、使っていただければ、なるほど、すばらしい時代を超えたデザイン性があるなとか、その心遣い、息遣いがわかっていただけるものだと思っております。これからいろんな形で、そうした販路拡大や情報発信の支援をさせていただきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)22番福田議員 ◯22番(福田俊史君)先ほどは鳥取民芸のブラッシュアップとか、販路拡大について質問を続けたわけでありますが、次は、鳥取民芸の後継者問題について、続けて質問させていただきたいと思います。  かつて、石破二朗知事は、地域の特産物の生産を奨励するために、鳥取の民芸などを県庁がエンジンとなって積極的に購入し、活用したと聞いています。しかし、今日、鳥取民芸が、先ほどの話で都市部で大変高い人気を誇っているにもかかわらず、後継者不足により鳥取の民芸が品不足で、せっかくのチャンスを逃し、逆に苦境に立たされていると聞いております。なぜ後継者が少ないのか、ここで、平井知事とその問題について議論をしてみたいと思います。  私は、現在ある後継者育成の助成金での支援にとどまらない幅広い支援が必要だというふうに考えております。まず、現在の後継者育成のための助成金の1人当たりの上限額を引き上げなければならないと思います。現在あるふるさと産業支援事業(後継者育成)補助金についてでありますが、私の八頭高校の先輩であり、先ほど瑞風での採用が決まった因州・中井窯の坂本章さんにお話を伺ったところ、現在の補助金制度の実効性が低いため、一部改善して、実効性の高い仕組みにすることを望んでおられました。  具体的には、1つ、補助期間2年を3年とし、技能の習得を確実なものにする。2つ目は、研修滞在費補助は1カ月当たり10万円を8万円に引き下げ、研修事業者が4万円を研修事業者に対し負担し、1カ月当たりの手取りを10万円から12万円とする。研修事業者も4万円を負担することにより、研修事業者の労働力目的の研修受け入れを防ぎ、研修事業者の生活が向上いたします。そして、3つ目、研修地は中山間地域であるため、研修期間中は車両費補助として、1カ月当たり2万円を新たに設ける。4つ目、研修終了後、さらに2年間の雇用努力義務を研修事業者に負わせる。そして、最後、その他、研修受け入れ助成、同伴家族滞在費助成、家賃助成は従来どおりとする。これらにより、現在の補助金制度が改善されるのではないかというのが因州・中井窯の坂本章さんの御意見です。  ぜひとも平井知事は、現場からの意見を酌み取っていただきたいというふうに思いますが、御所見を伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)民芸などの後継者の育成につきまして、お尋ねがございました。  本県でも、近年そういう後継者育成に向けて県の補助金なども使って支援しております。今、坂本さんの御提案がございましたが、そういうようなスキームを適用しながら、私どものほうでも支援をさせていただいてまいりました。  例えば前田昭博さんのところのやなせ窯のほうで、森和之さんという若い方がいらっしゃいまして、この助成金を使っていわば弟子として育てられたわけでございます。今では青谷のほうに窯を開かれまして、そちらのほうで制作活動をし、日本の伝統工芸展でも入選をする、そして、正会員になる、さらに、デパートでの個展も開く、今有望株の後継者が育ってきています。  また、そのほかにも、例えば若桜の山根木工店がございます。こちらのほうに女性の研修員の方、覚えておられると思いますが、今、河原の西郷地区のほうに工芸村をつくろうと今我々も動いているのですけれども、あちらのほうに転じられまして、そちらのほうで制作活動をされている藤本さんという方がいらっしゃったり、また、今回、被災地域でありますが、倉吉の町なかで、これは商工会議所も結構バックアップをして、はこた人形の後継者づくりをしています。このほうでも、山脇さんとか、高田さんとか、そうした助成のスキームを使いまして、後継者として今順調に育ちつつあるというような方もいらっしゃるわけです。  ですから、今までやってきたことは、そんなに成果が出ていないわけではないのですけれども、おっしゃるように、坂本さんもそうやって人を抱えておられましたので、いろいろと反省すべき点もあると思います。率直にちょっと関係者と意見交換をさせていただいて、例えば今のスキームのままやりたいという人もいれば、別のこういうような、今おっしゃったような、予算額は多分変わらないのだと思うのですけれども、やり方としてそういう工夫をした別の雇い方をしていく、そういう何かある程度メニュー化した、若干フレキシブルな、そういう助成体系をつくるということもあり得ると思います。当初予算に向けまして、関係の方々の御意見も聞いて、より使いやすく、人が育ちやすい制度づくりにしていきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)22番福田議員 ◯22番(福田俊史君)最後に、ツキノワグマ対策について質問をさせていただきたいと思います。  先ほど申し上げましたように、平成28年度ツキノワグマ目撃情報は、鳥取県全体でこれまで453件となっております。このたび、熊の狩猟を解禁する方針を明らかにした岡山県は、今年度214件ですので、我が県は岡山県の倍以上出没していることがわかります。この453件の目撃情報を市町村別で見てみると、トップが八頭町の204件で、全体の9割を東部が占めております。そして、そのうちの6割が八頭町ということになっております。  花御所柿のお話もあったのですが、今果樹園で大変な熊の出没がありまして、生産者は高齢化しておりますので、なかなかその対応ができないことになっております。先ほど平井知事から、今後人命を守るため、専門家会議にきょうの議論は伝えるという話がありましたが、いつ出てくるかわからない状況ですので、きょうあすの喫緊の対応策が必要と考えますが、平井知事の御所見を伺い、今議会の一般質問とさせていただきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)福田県議から重ねてのお尋ねがありました。  非常に切迫した状況でありまして、もうすぐ冬眠してしまいますから、一旦はここでやむのだと思いますけれども、ともかくそれに至るまで、気を抜けない日々だと思います。これは市町村のほうと十分連絡をとって、もし出没したということがあったりしたときに、適切に1件1件対処をしてまいりたいと思います。そして、実績を見ながら、このたびの状況も踏まえた、より地元にふさわしいような鳥獣保護の計画に改定をしていくと。そのときに、目標値として、ただふやせばいいという時代ではないと思いますので、適正な個体数に管理をしていく。そのためにゾーニングをしたりして、里を守るようなことを加えた形、特に有害鳥獣捕獲が有効でありまして、今シーズンは69頭、既に有害鳥獣で捕獲をしております。兵庫よりも多い数になっております。こういうようなことをしっかりとやっていって、まずは、今シーズン、まず終わらせた上で、次のシーズンに新しい計画をつくって臨んでいければと思っております。
    ◯副議長(藤縄喜和君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時53分散会    ────────────────...