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  1. 鳥取県議会 2018-09-01
    平成30年9月定例会(第3号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、まず、県政に対する代表質問を行い、次いで、議案第1号及び第3号に対する質疑を行った後、これらの議案を所管常任委員会に付託し、各常任委員長の付託議案に対する審査報告の後、議案の可否を決定いたしたいと思います。  これより、代表質問を行っていただきます。  17番伊藤保議員 ◯17番(伊藤保君)(登壇、拍手)議員の皆さん、執行部の皆さん、傍聴者の皆さん、おはようございます。  会派民主の皆さんを代表しまして、代表質問をいたしたいと思います。  本日は、代表質問終了後に、7月豪雨の災害復旧関連の補正予算の先議、つまり常任委員会での審議や本会議での採決が予定されておりますので、本日の代表質問は質問項目を絞りながら、壇上での質問を2回に分けて行います。県民の皆さんの目線に立った中身の濃い議論をさせていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。  まずは、質問に入る前に、ことしの夏は異例の酷暑に加え、6月の大阪北部地震、7月上旬の梅雨前線停滞による岡山、広島県での豪雨被害、さらには台風20号による豪雨被害、台風21号による強風被害、そして北海道胆振東部地震と、全国各地で次々と記録ずくめの災害が発生しました。お亡くなりになりました皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして、早期の復興をお祈り申し上げます。  本日は、その中でも7月の西日本豪雨を教訓としながら、冒頭に防災関連について何点かの議論をしたいと思います。  このたびの梅雨前線では、各地で経験したことのない大雨が続き、7月6日から8日にかけて、1府10県で余り聞きなれない大雨特別警報が相次いで発表されました。鳥取県もそのうちの1県で、7月6日午後7時40分に発表され、翌7日午後1時10分に解除されました。県東部の市町並びに日南町で公共土木等を中心に大きな被害が発生いたしましたが、心配された人的被害がなかったことは幸いでありました。  この特別警報なるもの、多くの県民の皆さんが初めて耳にする気象情報であったかと思います。町役場で防災担当をしていた私も初めて聞く情報で、関心を持ってニュースを見ていました。それもそのはずで、特別警報は平成25年8月に創設された最大限の警戒を呼びかける気象情報であり、鳥取県では初めて出された警報で、まだまだ国民、県民の皆さんに浸透している気象情報ではありません。  気象情報は、注意報、警報、新たに創設された特別警報、さらに大雨警報発令中に数年に1度しか起こらないような、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が観測された場合に発表される記録的短時間大雨情報と比較的理解しやすい表現となっておりますが、課題は、避難情報の表現がどれだけ住民の皆さんに理解され、行動をしていただけるのかということだと思います。  避難情報は、平成28年台風10号による紀伊半島の大水害を受け、平成28年12月から避難準備・高齢者等避難開始に始まり、気象の状況により避難勧告、避難指示(緊急)となっております。  そこで、こうした災害の気象情報、避難情報の現状を踏まえ、以下、何点か知事の所見をお伺いしたいと思います。  7月上旬の梅雨前線豪雨のときに、県内でも避難指示(緊急)の避難情報が発令されたかと思いますが、避難情報に基づく県内の避難状況、県民の理解度はどうであったのか、知事に県としての認識をお伺いいたします。  私は、このたびの広島、岡山県での災害は我が県でも教訓とすべき課題が多くあったと思います。県は早速、同様な地質の危険箇所の確認、ため池の点検等はスピード感を持って対応されており、評価をいたしますが、浮き彫りとなった課題は何か、知事にお伺いをいたします。  また、平成30年7月の7月豪雨を教訓とした安全・避難対策のあり方研究会が発足されたわけでありますが、発足されるに当たり、県として特に研究していただきたいと認識されている課題について知事にお伺いをいたします。  次に、平井県政の総括と財政見通しについてお伺いいたします。  最初に、今任期の総括についてからお伺いしたいと思います。
     知事を初め私たちの任期も、残すところあと半年余りとなりました。この質問通告後の記者会見と先日の代表質問で大まかなことはお話しになっており、重複する部分がありますが御容赦をお願いいたします。  平井知事においては、当選以来、本当に息つく暇もない過密スケジュールの中で、思わぬ骨折以外は力を抜くことなく、絶えず全力で疾走されてきました。鳥取県のためならなりふり構わぬ知事のパワフルな行動、さらには素早い行動に、多くの県民の皆さんは称賛と高い評価をされていると思います。  一方で、幾ら努力してもどうにもならないことが社会の常であり、知事自身も思うに任せない政策、もう少し知恵を出したほうがよかった政策等、いろいろであろうと思います。残り半年の任期の中で、やり残した、どうしてもなし遂げたい課題がありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。  本来なら、ここで次の知事選はどうされますかという質問に入るのが一般的でしょうが、私はあえてお尋ねはしないつもりでありましたが、既にまだ白紙だと公表されております。  知事の業務は、苛酷で孤独な上、気力、耐力、知力を必要といたします。第三者ではわからない過激な業務であると思います。一方で、一番気になるのが県民の皆さんの評価だと思います。そのことは、私たち議員も同じことが言えます。  これから苦悩の日々が続くものと思いますが、後援会の皆さんや奥様としっかり話し合って、そう遠くないうちに知事らしく、来るときに、みずからが記者会見の場で意思表示をされればいいと私は思っています。余計なお世話かもしれませんが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、地方財政の見通しについてお伺いをいたします。  私は、かねてより地方財政の確立について強い関心があり、幾度も知事と議場で議論をしてまいりましたが、平成31年10月1日にいよいよ消費税率が10%へ引き上げされることから、消費税と地方財政について、改めて検証を含め議論したいと思います。  議長のお許しを得て、議員の皆さんのお手元に消費税率引き上げ後の消費税収に係る国、地方の配分表をお配りしておりますので、参考にしていただいたらと思います。  消費税率は、平成26年4月にそれまでの5%から8%に引き上げられ、その時点では翌年の平成27年10月には10%に引き上げられる予定でありましたが、2度の先送りを経て、平成31年10月、来年10月には10%へ引き上げられます。平成26年4月に消費税率が8%に引き上げられたことにより、地方消費税が0.7%上乗せされ1.7%に、地方交付税分が0.22%上乗せされ1.4%になり、地方分は3.1%とふえ、地方税財源の充実が図られる計算でありましたが、実際に充実となったのかどうなのか、想定と現実について知事の所見をお伺いいたします。  また、平成26年度税制改正では、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差を縮小するとして、県や市町村の法人住民税法人税割の一部を引き下げ、その分を地方法人税として税率4.4%が交付税特別会計に繰り入れされるようになりました。理論的に私は理解を示しますが、改めて、地方を預かる知事としての所見をお伺いしたいと思います。  また、地方税である法人事業税は偏在性が強いことから、暫定的ではありますが、地方法人特別税が創設され、人口及び従業員数に応じ、国から都道府県に再配分されてきました。ところが、徴収規模を3分の1に縮小し、法人事業税に復元されました。せっかく偏在是正がなされたものを縮小するとは、私は少し理解に苦しみますが、知事の所見をお伺いいたします。  さらに、平成28年度税制改正では、消費税率が10%の段階で、さらに地域間の税源の偏在性を是正し、財政力の格差是正を図るためとして、法人住民税法人税割の一部が引き下げられ、地方法人税として税率4.4%から10.3%へ引き上げられ、交付税特別会計に繰り入れされるようになります。さらに、地方法人特別税が廃止され、全額法人事業税に戻される上、引き下げられた市町村の法人住民税法人税割を県が補填する法人事業税交付金が創設されることとなっております。  県が引き下げられた市町村分を補填するというのは少しわかりにくい仕組みであると思いますが、県としてこの仕組みをどう評価されているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、公共事業の見直しによるレガシーについて質問をいたします。  公共事業再評価制度は、北海道が97年、ダムなど9事業を対象に初めて実施し、当時の橋本総理が、旧建設省などに導入を指示。98年に国が通達し、全国の都府県でも導入された制度で、都道府県が学識経験者や各種団体の代表らに諮問し、答申を得る制度であります。  公共事業の事業採択前から事業完了後に至るまでの個々の事業について、その効率性や客観性を確保し、事業実施過程の透明化を図るという観点から、鳥取県においても平成10年から取り組みが始まりました。  再評価の対象事業は、事業採択後5年を経過した後も未着工の事業、事業採択後5年を経過している継続中の事業、事業採択後5年を経過している継続中の事業であって、進捗状況、社会情勢等から再評価が必要であると判断される事業であります。  この20年間で、県公共事業評価委員会では再評価にかけられた事業は230件で、見直しが指摘された案件は5件。内訳は、中止された事業が2件、一部区間中止が1件、休止が1件、一部区間休止が1件となっております。  私は、公共事業再評価制度に対して反対しているのではなく、決定についてもう少し丁寧な説明が必要ではないかと思い、知事に何点かお伺いいたします。  中部ダム事業の中止、日野川工業用水道事業の中止、岩美町広域営農団地農道整備事業の一部区間の中止については理解をいたします。評価委員会の言葉の定義であります。中止は読んでのごとく理解いたしますが、休止、一部区間休止という表現があります。一般的には、また需要が高まれば再開もあり得ると理解いたしますが、現実的にはまた新たに補助事業を受けて事業を再開することは困難と思います。どう理解すればいいのか、知事にお伺いいたします。  次に、泊漁港整備事業として平成13年度に事業着手して、9年間の事業として進められていた第2沖防波堤。もともと120メーターの防波堤が計画されていましたが、費用対効果が見込めないことから、30メーターを残し90メーターで中止となりました。この事業の目的について、改めて説明していただきたいと思います。  次に、現道も活用しながら整備が進められてきた東伯中央地区広域営農団地農道整備事業が一部区間休止となっていますが、一部区間休止となった理由はなぜなのか、あわせて知事にお伺いいたします。  以上で1回目の壇上の質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤保議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤保議員の代表質問にお答え申し上げます。  まず、一連の災害につきまして何点かお尋ねがございました。議員も御指摘ございましたように、今年度に入りまして、考えてみれば島根県西部地震もございましたし、さらに私どもでも西日本豪雨、その災禍がこちらにも刻まれることとなりました。残念ながら、佐治のほうでお一人亡くなられている方もいらっしゃるなど、非常に甚大な被害があり、特に東部を中心にしまして今も災害復旧の途上でございます。そこに加えまして、台風21号の記録的な風が吹き抜けました。本県は若干進路がそれぎみになりましたので大きな被害はなく終わりましたけれども、ただ、関西空港が閉鎖をされたことは、本県にも物流で今なお厳しい状況を残していますし、観光にも影響がございました。あわせまして、北海道胆振東部地震が発生をしました。こうしたときに私どもでは、鳥取県中部地震で2年前にお世話になったこと、これも考えながら、折に触れて救援を申し出て、人も派遣しております。北海道のほうには、倉吉から早速市役所の方にもお手伝いに行っていただいたところでございます。鳥取県の山陰のよさといいますか、こうしたきずなで結び合うことが非常に重要であると思います。例えば連合鳥取さんにおかれても、東日本大震災以後、こういう災害についてみずから救援に出向かれるというようなことなど、官民挙げたきずなづくりが大切ではないかと思います。  そういう中、何点かのお尋ねがございました。避難情報に基づく県内の避難の状況はどうだったのか、また今回の西日本豪雨で課題として残されたもの、何を教訓とし、今後研究会で検討していくということにしていくのかと、こういうお尋ねがございました。  本県におきましても、7月6日の夜7時40分に、まず大雨について特別警報が出されました。対象地域は、八頭町、若桜町、智頭町、そして鳥取市の南部でございました。さらに翌朝になりまして、中西部にも大雨特別警報が広がりまして、中部では三朝町、また西部では南部町、伯耆町、江府町、日野町、日南町、鳥取市でも北部も追加の警報が発令をされました。本県にとりましては初めての特別警報でございましたし、気象庁もその旨を全国に向けて注意を呼びかけていました。私どもも特別の体制をとりまして、これは事前に気象台の情報を共有し、市町村とも対策を話し合い、現実にも事前のリエゾン派遣などを行ってきたところでございます。  こういうようなことでございまして、特に呼びかけをさせていただきましたのは、命を守る行動を起こしてくださいということです。特別警報というのはそういう趣旨のものでございまして、速やかに避難をしていただき、安全な場所に身を置いていただく、これが求められる場合に特別警報が出されます。かつてないような、そういう記録的な異常気象が起こる、このことを我々は前ぶれとして、その警報を役立てなければなりません。正直申し上げて、当時私の頭をよぎりましたのは、ちょっと早目に出したなという特別警報だったと思います。それは、その前に気象台と打ち合わせておりまして、これからだんだんとこういうような雨雲がやってくるだろうと、それに備える必要があるということを話し合いました。そういう中でございましたので、特別警報が7時40分に出たときは、今ならまだ逃げられるから、この時期に出したのだなというようにも思ったわけです。確かに夜もこれから更けてきます。夜中の例えば12時を過ぎて特別警報が出されるよりもよっぽどいいわけでありまして、それで私どもも特別の呼びかけをさせていただこうということにいたしました。結果、2,099名の方が避難をされ、一番多いときでは2,111名であります。実はエリアメールというのを活用して、私自身もメッセージを出させていただきましたし、それを見て智頭町などで町長もマイクを持って町内に呼びかけるという異例の措置をとられました。本当は町としてもいろんなことをやりたいところであろうかと思いますけれども、まずは避難をさせることが大事だというふうに町当局も重点を置いていただいたところでございました。それで2,099人が多いか少ないかというのはいろんな議論があろうかと思いますが、被害が起きていない段階でこれだけの人が避難をされたというのは、本県では記録的なことでありました。従来こういう場合に、数十名避難をするとか、そういうのが通例であります。ただ、地震のように実際に被害が起きてしまって家に入られないで避難所に行かれるというパターンはございますし、そのときは数も多くなりますが、雨が降る、そういう初期から中期の段階でこれだけの方が逃げられたというのは、大分テレビ、報道もございまして、住民の皆様には意識を持っていただいたことは間違いないと思います。  ただ、幸い本県では堤防の決壊も八東川のところの一部、農地に出ていたものがあった程度でございまして、真備町のような大きなことにはならなかったわけでありますが、パーセンテージでいうと、避難していただきたい方の1%にも満たないという状況でありまして、これは決して少なくはないのですけれども、ただ、真備町のような災害を考えると、ここは課題があると言うべきであろうかと思います。  現に真備町の場合、9割の方が65歳以上のお年寄りでありました。そして、自宅で亡くなられた方が極めて多いということであります。早目にもし避難所に行っておられれば。実は避難所となったところに私自身も慰問を兼ねて、派遣職員の激励も兼ねて参りましたけれども、小高いところにあるのですね。そういうところが真備町の中にもあるわけです。あそこは水害の常習地帯とも言われるわけでありますけれども、そういう小高いところの学校などに仮に避難していれば命までは奪われなかったというふうにも思われます。深刻なのはお年寄りが多いということでありまして、だからこそ、早目に逃げていただく必要があったのではないかなということです。  こういうようなことが一つ悲しい教訓としてあったと思いますし、避難される方をもっとふやす必要があるのではないかと、こういう認識にもなるわけであります。  またあわせて、今回ちょっと見逃せないなと私自身が思いましたのは、肱川の野村ダムなど、そうしたダムにかかわる事象でございます。本県として、佐治川ダムの操作であるとか、そのほかにも企業局のダムがございまして、三朝のほうで三徳川がありますけれども、以前もあそこが一気に増水したことがありまして、町から苦情をいただいたことがございました。これはもちろん放流の手順としては間違ってはいないのですけれども、やはり早目に情報共有をすべきではないかと、こういうことがありました。だから、今回もそれに備えまして、早目の情報共有や早目の放水ということをしたのですね。こういうようなことをいろいろと今回工夫をしながら、当日の特別警報に臨んだわけです。特別警報が出る前から、実は私どもは気象台ともやりとりをしまして、備えを始めていたというのが実情であります。  今回の肱川の場合は、水をためていて一気に放流をするというパターンだったのですね。これは手順としては間違っていないと国交省さんも今も主張されていますし、それはそうなのかもしれませんが、ただ、結果として多くの命が失われることが代償になっていいのかというと、私個人はそうは思わないのですね。ですから、それはやはりダムの放流のやり方も含めて、我々はメスを入れるべきではないだろうか、こういうように思います。  ダムにはダムの事情がありまして、ダムは治水目的であっても利水もあります。したがいまして、発電をされる人とか上水道の確保とか、そうしたものの保障的なことも考えなければいけません。利水も確保しなければいけないというルールがあったりするわけですね。でも、そうであっても、果たして命との重みをどう考えるかというのは、関係先の理解も得ながら進めるべきこともあるかもしれません。こんなようなこととあわせて、万やむを得ず、ダムが決壊するとさらに大変なことになりますから、ダムが壊れないようにするために放流をするということであったら、こういうような結果が予想されるのであれば本気で避難してもらわなければいけません。今回はそれができていなかっただろうと思うのですね。ですから、そこはまたダムの操作とあわせて情報共有の仕方や皆さんに確実に避難していただくこと、これはハザードマップに従って避難をしていただくということが必要でありまして、それをもう一度考え直す必要があるのではないかということです。  こんなような教訓があろうかというふうに考えまして、今回7月豪雨を教訓とした安全・避難対策のあり方研究会というのを立ち上げさせていただき、同時に実務者によりましてダムの操作方法につきましても今検証を進め、この研究会のほうで最終的な取りまとめをすることにいたしているところであります。  今まで出てきている御意見では、避難行動をとるやり方がわかりにくいのではないだろうか。つまり、避難情報として今避難準備、それから避難勧告、避難指示というレベルがあります。これを言いかえる必要があるのではないだろうか。その研究会の中間的な御意見を踏まえまして、台風21号のときから我々もそれを試行的に市町村の協力を得て始めております。それは具体的には、避難準備であればお年寄りなどは避難の準備を始めてくださいとか、それから危険な水位に達するおそれがありますとか、そんなようなことであります。これに今回は鳥取市さんでは、例えば福部などでは情報をさらに加えまして、たくさん雨が降ったときなどはそうなのですけれども、危険なレベルに達する可能性がありますよと、それで川沿いの方とか、それから子供さんが小さい御家庭だとかお年寄りがおられる御家庭では避難行動をとってくださいと、かなり具体的に記述を入れまして、メッセージを流すということをされました。こんなような工夫を一つはやっていかなければいけないのではないかなということであります。  また、避難に備えて防災意識というのをやはり高めていく必要があったり、ハザードマップをきちんと準備する必要があったり、それから要支援者の情報を共有していく必要があるとか、いろんな御意見が出されておりまして、これを早急に取りまとめて、今年度また今後の対策に生かすべく、結論を出していきたいと思っております。  次に、残り半年の任期の中でやり残したこと、なし遂げなければならないことについて課題はいかがかと、また私自身の身の振り方について、来るべきときに記者会見等で意思表示をすればよいのではないだろうかと、こういうお尋ねでございます。  今、もう半年ぐらいでありますので、でき上がらせる必要があるべきことはしていかなければならないタイミングに入ってきたと思います。それは、一つには今の防災対策ですね。次の任期の人たちに送るわけでありますが、私たちは情報を共有できていますけれども、また4月、メンバーが入れかわって、それでまた一から話し合うということになる前に、やはり我々が学んだ教訓、課題に基づいた対策等は今年度のうちにある程度取りまとめていかなければならないと思いますし、それから、今任期中にございました鳥取県中部地震という一番大きな災害がありましたが、これのめどをつけていく、一部どうしても補助事業の継続分などがあって残るものはあっても、例えばブルーシートがかかったままの状態、こういうことは極力少なくしていかなければならないことであるとか、私たちなりの決着をつけていく必要があるだろうと思います。  住宅の支援につきましては、今再建支援の補助金のほうは99.1%、また修繕の支援のほうは99.9%、実はどちらも未申請のところが残り20数戸と、それから10戸未満というところまで、数えるほどに少なくなってきています。あとは、もしかして経過措置的なことを入れるぐらいをすれば十分な手当てということになる段階まで来たのかなと思います。ただ、ここにおいて私どもが今ほかの地域から注目されている災害ケースマネジメントといったような手法、こういうものを活用しながら新しい災害対策というものを実践し、これを次の任期に向けて復興から福を興すような「福興」にきちんと筋道がついていくように、私たちのこの半年間でまずは道筋をつける必要はあるかなと思います。  先ほどのような水害対策、これも鉄は熱いうちに打たなければなりませんので、今我々が鮮明な記憶を持っているときに、我々の代の間に対策を考えていく必要があると思います。  またあわせて、昨今のいろんな事情を考えてみますと、伊藤議員が提起された公文書の問題というのは、私たちのこの半年の間に道筋をつけておく必要があるかなと思います。本県は幸い、電子決裁を既に導入していたり、それから公文書の管理や情報公開については最先端というふうに外からも評価をされているところでありますが、新しい課題にも挑戦をしてきた4年間でありました。  伊藤議員から提起されたのは、歴史公文書の問題があったわけであります。これは御提起いただきまして、我々はこの議場で歴史公文書等の条例をつくりました。全国で初めてのことであり、市町村に対する支援なども始めたところであります。せんだって公文書館でシンポジウムをやりましたときに、国立公文書館長の加藤館長がお見えになりました。加藤館長が褒めてくださった点がございまして、それは県の公文書館で災害があったときの救援とか緊急避難のための道具の備蓄を始めたことであります。それから、市町村に対する支援等を始めていることでありまして、現実にも共同会議のようなことができ上がってきている。こういうような体制ができていることは非常に画期的であって、評価できるということでありました。若干割り引かなければならないのは、加藤公文書館長は私の高校の先輩でありまして、少し配慮がある発言があったかもしれませんけれども、ただ、ともかくそんなようなことで、国立公文書館からも一目置いていただいたというようなことがございました。  これとあわせて、県の公文書管理につきましても、今、洗いざらいメスを入れてきたところでございまして、例えば30年ないし5年の文書管理の基準をつくり、わかりやすくした形で、要は恣意的にこれは廃棄だとかということにならないように手を打っておこうということであります。特に優生保護の問題などもございまして、権利義務を後々の世にまで考証すべきこと、このようなことは10年ごとにも点検をしながら延長していくというようなシステムを入れるのをやってはどうかということを今やっているところであります。  また、万が一にも改ざんというような残念なこと、国のようにあってはならないわけでありまして、こうしたことには私どもの懲戒基準などにもきちんとした根拠規定をこの際明記させていただくなど、襟を正すべきところも正していこうと、こんなようなことをやっておるのですが、こうしたこういう公文書管理であるとか行政のシステムのことは、我々は今、4年間の任期の共有の中で成熟化を進めてきたところでありますので、仕上げておかなければならないのではないかなというふうに思っております。  私の身の振り方につきましては、先般も斉木議員の代表質問のときにも申し上げましたが、まだ多くの県民の皆様のお考えもきちんと聞かなければいけないと思っておりますし、その上で自分としての判断をさせていただきたいと思います。  もちろん自分のプライベートなこともあるわけでありまして、議員も私の妻の話をしていただきましたけれども、家族だとか、あるいは自分自身のしがらみのこともございますし、その辺ももちろん考え合わせていかなければならないのかもしれません。いずれにいたしましても、いましばらく時間をいただきたいというのが本意でございますし、それよりもまたもっと大事なのは、今申し上げたような残り半年で仕上げるべき課題、これに全力を投入することではないかなと思っております。  そういう意味で、それは公表するのが公人としての責務だと思いますので、どういう場で自分の考え方を明らかにするかは、その方法等も含めて、今後よく熟慮させていただきたいと思います。  次に、地方財政につきまして、何点かお尋ねがございました。まず、消費税が8%に引き上げられ、地方消費税が0.7%上乗せされた等があったけれども、実際に県財政の充実になったのか、その現実はどうだったのかと、こういうことであります。  本来、国全体の仕掛けとしては、地方消費税がふえますし、それから地方交付税の原資分を確保しました。これによって我々のような交付団体も含めて、一般財源はふえるという想定をしていただろうと思います。我々としてもそれを期待していたのですけれども、残念ながらここ最近、8%に引き上げられはしたものの、一般財源については厳しさが残ってきているところであります。  現実にも、平成25年と現在の平成30年を比べてみますと、平成25年の決算に対しまして鳥取県は一般財源のトータルベースでは15億円減少しています。ですから、ちょっと話が違うというのが一つあるかもしれません。これに対して東京都は6,400億円増収になっています。ですから、大都市に一極集中している状況が出ています。  その原因は、地方消費税が引き上げられると当然ながら鳥取県にも入りますが、大体それでも格差が人口1人当たり2倍程度あると言われていますので、ですから大都市部のほうにそれでも偏在するということがあります。交付税の調整がなされるべきではあるのですけれども、この調整がなされるべきではある一方で歳出特別枠が廃止をされたり、制度的な見直しもあり、残念ながらふえるということになっていないというのが現実であります。  さらに、法人課税が最近好調でありまして、本県はわずかなのですけれども、地方法人税収自体がわずかでありますが、東京都のようなところは法人税関係税がどっとふえるわけですね。そういうことで、大都市部に集中して一般財源が行っているという現状がございます。ですから、これから10%になるわけでありますけれども、それ相当の対策を考えなければいけないということになります。  地方法人関係の税収につきまして、お尋ねがございました。これは暫定的に地方法人特別税が創設をされたわけでありますが、これが廃止をされる。これが偏在是正をまた戻してしまうのではないだろうか。さらに、法人住民税の法人税割について、これが引き下げられると。これが交付税特会へ繰り入れられたり、それからまた法人事業税の交付金という制度が創設されたり、こういう一連の法人課税の改正がなされるわけでありますけれども、これについてどういうふうに評価をするのかと、こういうお尋ねでございます。  こうしたことについて、結論から言えば、先ほど申しましたように、最近の財源調整は必ずしもうまくいっていないと思います。したがいまして、地方交付税のほうでは、財源保障機能とあわせて財政調整機能、これを強化すべきだというふうに思います。そうしないとこうしたことの解消ができないわけでありますし、特に法人課税が税収の偏在性を拡大させていますので、いろいろと従来のいきさつがあってやらなければならない制度改正もありますけれども、トータルで考えて、もう一度頭を冷やして考えるべきときではないかというのが結論であります。  法人事業税について、地方法人特別税の考え方がございましたけれども、この地方法人特別税のことについては、我々としては偏在是正に寄与してくれたと思います。これが廃止をされるということになるのですが、実はいきさつがございまして、もともと消費税が増税をされるというようなことになります。そこで偏在分がどうしても出るのですね。そういう偏在分に対する対応として議論をされましたのが、実は地方団体側は法人課税と消費税の入れかえをするというようなことを主張したわけです。それは総務省もそういうようなことを主張していました。また、それに対して財務省のほうは、いわゆる水平調整というのですけれども、税収が上がる都からよその県へと税収を移すと、そういう地方団体間の水平調整を直接やるべきだという主張をしたのですね。この論争になりまして、最終的には当時の与党の税調などが取り仕切りまして、最終的な結論として地方法人特別税というのができたといういきさつがございます。これは消費税ができるときまでの暫定的な措置だと、当時から決まり事として入っていました。これはその折衷案みたいなところではあるのですが、東京都からこういう特別税を取って、それでその税収をもとに譲与税としてこれを割り振るというようなことでありまして、これは譲与税ですから、実は不交付団体も含めていくという仕組みでございます。そんなようなことの仕組みが導入されたのですが、ある意味サンセット、時限つきであったということでありまして、東京都を初め大都市部のほうでは、その廃止は既定事実だということを主張し、国もこれは現にそういう約束事で始まっていますのでやむを得ないというふうに考えているわけであります。  それとあわせて法人住民税の問題が出てくるわけでありますが、これも偏在是正の一環として出てくるわけでありまして、先ほどおっしゃったように10.3%ですか、市町村では12.3%が6%の法人住民税率になり、私どもも1%まで法人住民税率が下がるということになります。ただ、これは市町村のほうの下げ幅のほうが税率的には大きいものですから、これをどうするかということです。私どものような交付団体であれば交付税収の中でお互いにそれを基準財政収入額との関係で処理できる面が大きいのですけれども、不交付団体の市町村には単なる減収だけが残ってしまうわけでありまして、これを調整する必要があって、今回法人事業税の交付金という制度ができます。これで本県でも恐らく9億円とか、一定程度そうした交付額が生じると思います。しかし、普通地方財政トータルでいうと、全体としての消費税収が上がる中で交付税の原資も確保する、そこで一般財源トータルとしては確保しながら、それで最終的にはつじつまを合わせるという約束事になっているわけであります。  ただ問題は、物事そんなにうまくいくかということであります。ですから、先ほど申しましたように交付税の基本的なやり方を考える必要があったり、それから法人課税ももう一つ見直しが必要なのかなと思います。実は今、政府のほうでは、地方法人課税の見直しの議論が研究会として始まっています。世上報道されているところでは、例えば新しい譲与税というものをつくる方式であるとか、それから交付税の原資を強化するというやり方であるとか、何らかそうしたことを考えるべきではないかと、今そうした研究会での研究がなされていまして、この秋、取りまとめをして、年末の税の折衝や予算折衝に向かうということになりそうです。我々としても、こうした一定程度の税制措置というのを求めてまいりたいと思います。  最後に、公共事業の見直しにつきまして、何点かお尋ねがございました。まず1つには、公共事業評価委員会の言葉遣いとして休止、一部区間休止という表現があるけれども、これは事業再開ということができるのかどうか、どう理解すればいいのかと、こういうお尋ねでございます。  今までも例えば日野川工業用水とか、それから東伯の農道ですとか、そういうところで休止や一部休止ということがされてきましたし、また、これとは別に中止ということで中部ダム、それからの漁港での一部中止、このようなことがあったりしております。  休止というのは、これは事業がもしまたやる必要があれば再開しますよという、いわば休むという意味合いでありますので、これはそういう扱いを公共事業の評価委員会がしたということだと考えます。したがいまして、事業をやる必要性が生じれば再開の可能性もあるというふうに考えるべきであります。  中止は、議員もおっしゃったように明確にそこはストップをするという意味の中止でありますけれども、ただ、将来的にではそれで一切そこの箇所では事業がないかというと、また新しい必要があって、例えば災害だとかいろんなことがあればまた事業の必要性が出てくるかもしれませんし、そこはそういう意味で考えるべき筋合いのものかと思います。  したがいまして、休止のほうはそうした再開への含みというのは、事業を考えたときの事業の必要性がまた生じればまたやるという意味だと理解できようかと思いますし、中止のほうはやめるわけでありますが、ただ、筋合いとしては他の事情が生じた場合を完全にシャットアウトできるものでもない。したがいまして、ある意味若干相対的なものかなというふうに思えます。いずれにいたしましても、そうしたこと、答申も踏まえながら、最終的には議会と御相談をし、そういう休止や中止ということをでは我々としてどういうふうにその提言を捉えて考えるか、これは折に触れて今後も御相談を申し上げたいと思います。  具体的なお話として、泊漁港の整備事業の90メーターで中止をしたことについて、事業の目的についてお話がございました。泊漁港は、イワガキとかヒラメとか、最近ではサワラ等の新しい魚種も出てきましたけれども、そうした漁業の拠点でございますし、これは県管理の漁港でありまして、周辺の漁港に対して避難港としての役割も果たし得る部分もあろうかと思います。  そういう意味で、これについては平成13年のことでありますけれども、これを検討したその目的は、一つは安全性の確保ということであります。泊漁港に結構波が立つわけですね。それが1.5メーターとか3メーターとかそういう波が立つわけでありますが、航行の安全性からしますと1.2メーター以下を目指さなければならない。そういう安全性を保つという意味で、その出口のところに防波堤をつくるわけです。それを120メーターやるといいぐあいに波が緩和されるというようなことが一つ。これは安全性のことですね。それから、そうなれば操業日数がふえるということ。これによって漁業所得の向上につながるということがありますし、3点目としては、これが静ひつになれば、中でいわば天然の魚礁というか人工の魚礁というか、そういう結果として魚礁的になり得るところでございまして、そこで今もやっていますけれどもワカメの養殖事業とか、そうした養殖などの促進ということもあり、その3つを目的としてこの事業は始められたものであります。  ただ、私が就任する前のことでありますが、平成18年度末にこうした中止ということが決定をされまして、実際に今90メーターでストップした状態だということでございます。  次に、東伯中央地区の広域営農団地の農道整備事業について、一部区間が休止となっている理由はどうかと、こういうことであります。  これは非常に古い事業でありまして、平成に入って平成6年ごろからスタートをしているわけでございます。かなり長大なルートでありまして、倉吉市からずっと大山町のほうまで抜けていくものでございます。実は地形的には当然海岸線に国道9号がありますし、それから中核的な広域な農道もあったりします。そういうものにあわせてもう一本つくろうというようなことだったのかなと想像します。  その当時は、農業がどんどんまだ増産でございまして、今は梨農家であるとか農業生産自体も、当時から比べると大分縮小した形になっています。それで、当時は東伯町農協などがございまして、非常に元気な時代で、それで野菜等選果場施設だとか大型のそうしたものを各所につくりまして、それを集出荷する動脈となるような道路として本来構想をされていました。しかし、その後、先ほど申しましたように農業生産の事情が変わってきまして縮小してきたということがあり、実は計画どおりにそういう農業施設の営農団地の整備が進まないというのが現実になったところで、東伯町農協が鳥取中央農協として合併をしていく、そういうことになってきました。そういうようにして計画の見直しを農業ベースではされたということであります。  そういうようなことで、事業の目的として果たして続ける必要があるのだろうかと、こういうようなことでございまして、5年ごとの見直しが入っているものですから、5年ごとの見直しの中で平成21年にこの検討ということになりました。このときに、ただいろんな議論がございまして、既に着工しかけていたところもあるわけですね。それで大方でき上がっていたようなところについては、そこの部分はその後の展開につながるところまで仕上げる。それから、必要性のあるところについては事業として残す。それで、具体的には第2工区と第4工区、これについて休止という扱いにしようということになったところでございます。  ただ、当然ながらその周辺の町道等のいろんな道路ネットワークもございまして、これは伊藤議員もいろいろかかわっていただきましたけれども、そうしたところとの連携もとりながら機能としての保障は確保していこうと、今そういうことで以来進んでいるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)そうしますと、災害のほうから追及をいたしたいと思います。  このたびの7月豪雨では、大雨特別警報が発表されるたびに、先ほどありましたように数十年に1度の大雨ですと、命を守る行動をしてくださいと何度となくテレビで呼びかけがあり、テレビを見ている人は特別警報が発する危険度の意味をある程度理解していただけたというふうに思っております。  私が問題視しているのは、避難情報の出し手と受け手の相互理解がこれまで十分にできていなかったのではないか。そこに大きな問題があったように私は思っております。  まず、災害発生が想定される中での避難情報でありますので、避難準備・高齢者等避難開始は誰でも理解できますが、次の避難勧告と避難指示については、情報の受け手によってその後の行動に大きな影響があったものと思っております。まさに行政言葉の表現でありまして、一般の人にはなかなか理解しがたい表現であるというふうに思っています。  一番重たい避難情報が避難指示ですから、受け手側からすると少し弱い表現であるというふうに思います。一番わかりやすいのは避難命令でしょうけれども、命令という上から目線で違和感を抱かれる方も多くあり、結果的には使われなかった原因の一つと推測いたしますけれども、もう少し受け手側の住民が緊張感と危機感を覚えるような表現を検討すべきものと思いますけれども、知事の所見を改めてお伺いしたいと思います。  また、近年マンション等の高層住宅もふえてまいりました。避難指示が発令された場合、住民の皆さんは高層階に避難する垂直避難なのか避難所に避難する水平避難なのか、戸惑う方もやはり多かったというふうに思っております。それぞれの地域において、想定される災害に合わせて、また高齢者、障害者、外国人等の要配慮者の避難方法も含め、具体的な避難計画を作成することが急務と思いますけれども、支え愛マップづくりを含め、県内の防災計画の取り組み状況と今後の推進方法について知事にお伺いいたしたいと思います。  もう1点、東日本大震災による津波や平成23年台風12号による紀伊半島を中心にした大雨で甚大な被害が発生したことを受けて、平成25年8月にこのたびの特別警報が気象庁で創設されて、5年が経過をいたしております。既に県の防災計画では明記されておりますが、県内の全ての市町村で防災計画に特別警報が位置づけられているのか、そして住民の行動計画に結びつくように明記されているのか、平井知事にお伺いをいたしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤県議から改めて御質問がございました。まず、避難指示など受け手側が危機感を覚えるような、そういう検討をやるべきではないだろうかと、こういうお話でございます。  先ほど申しましたように、今、有識者だとか防災関係者を交えて研究会をやって、今ここのところを実は詰めているところでございますけれども、例えば避難勧告であれば、避難所など安全なところに速やかに避難してくださいと、こういうように言いかえる。それから避難指示であれば、これについては直ちに避難を完了してくださいと、それで危険が極めて高くなっていますと、こんなようなことを言ってはどうかと。これは例文として今、市町村のほうでも工夫も始まったところでございまして、先ほど塩見川のお話も申し上げましたが、具体的に市町村によってはそういうふうに呼びかけを変えてきているところが出てきております。  例えば先ほどのダムの放流で本当に危険なときには絶対に逃げてくださいとか、何かそういうさらにレベルを上げたような言い方をしなければならない。残念ながらそういう場合もあるかもしれません。その辺を単に全部避難指示という言葉だけでくくるのではなくて、実際に例えば何々川の堤防が切れました、いよいよ水が迫っています、もう逃げてくださいとか、情報の出し方もやはり工夫が必要なのではないかなというふうに思います。  この辺は臨機応変にやらなければいけないところはありますけれども、今回の災害をもとにして、真備町のようなことがございますので情報の出し方を考えようと、市町村も含めて今一緒に検討をしているところでございます。  次に、要配慮者の避難の仕方を含めて具体的な避難計画をつくり、支え愛マップを進める必要があるのではないだろうかと、こういうことでございます。  要支援者の名簿づくりを我々も進めてまいりました。その効果もございまして、平成27年には5市町村であったものが、ことしの6月で、全部の市町村で避難行動要支援者名簿についての策定ができてきております。  さらに、個別計画と言われます国がいう計画づくりも進められてきましたけれども、まだできていないところもありますが、そこでも鳥取県型とでも言うべきものだと思うのですが、例えば三朝だったらば消防団だとかそういうところが実務を担いますよとか、それからまた、そのほかで智頭町等は支え愛マップというのを広範にやっていまして、支え愛マップでやっていきましょうというようなところもございます。国の個別支援計画というのは、それぞれの人について要支援者がいますよと、何々さんについては何々さんが担当して避難をしてもらうようにしましょうと、こんなようなことまで決めていくというものなのですが、ただ、これは長所もありますけれども欠点もありまして、結局この人が動けなかったらば助けにも行けないということにもなるわけですね。支え愛マップはちょっと手法が違っていまして、これは鳥取県型と言っていいと思うのですけれども、要はみんなでマップづくりに参加をするわけです。それで、どこに誰それさんがいるねというのをみんなで共有をするわけですね。そして、災害危険箇所というのも把握をする。例えばここを通って逃げてはだめですよとか。そういうようなことでお互いにいろんな情報を共有した中でマップづくりをして、さらに避難訓練をそのマップに基づいて行う。日ごろから助けに行く練習をするわけですね。こんなようなことがセットになっていまして、一つのシステムとしての支え愛マップであります。ですから、こちらのほうがすぐれているという、そういう市町村もございまして、こうしたほうを鳥取県型としてやっているところもございます。  今回の災害を踏まえると、もう一つこれからやらなければいけないのは、やはりハザードマップを市町村のほうでもしっかりつくっていただくことかなと思います。現実にも、このたびの西日本豪雨で土砂災害の危険区域とされたところ、そこは本県の場合はほぼ指定が終わりましたけれども、危険区域の指定が終わり切っていない広島のようなところがあるわけですね。危険区域ではないけれども危険だというふうに考えられていたところ、こうしたところも含めると、実に亡くなられた方の88%はそういう区域内の人だったのですね。仮にハザードマップがしっかりしていて、それでそこのハザードマップ内の人はこの雨だったらあらかじめ逃げておきましょうということで逃げておられたら、そこは変わってきたと思います。  現実にもそういう避難行動を起こしたところもございました。広島の坂というのは非常に今回災害の爪跡の深いところですけれども、そこでは地域の団結も強くて、お互いに誘い合って逃がすということも今回一生懸命されたところであります。私どももそうしたことも学びながら、こうしたマップづくり、支え愛マップづくり、ハザードマップづくりなども含めた、そういう要支援者対策をグレードアップする必要があると思います。  特別警報につきましては、これは県のほうでは既に県の地域防災計画の中に入れておりまして、市町村も特別警報が出たらそれを伝達しなければいけないとか、県としての計画も書かせていただいております。市町村のほうは、実はこれは結構計画策定という事務作業が伴うものですし、そのためには防災会議をやるという手続があったりしまして、必ずしも追いついていないわけでありまして、現在でも4つの市町村がまだ見直しの途上にあります。しかし、これは早晩そういう特別警報は入って、見直されるということになる予定でございまして、むしろほかの対策、例えば中部地震だとか今回の豪雨の対策なども含めて、盛り込んで地域防災計画をつくろうということでありますから、そこは前向きに捉えていただいてよいのではないかなというふうに思います。  特別警報が持つ意味合いというのは今回の西日本豪雨で我々も経験したところでございますので、しっかりとこれは市町村に対しても呼びかけをさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)答弁をいただきました。まず防災からいきたいと思いますけれども、防災計画が市町村はできていないところがあるということで、このたびの災害でたまたま被害がなかったからよかったなというふうに思っていますけれども、やはり市町村担当者というのは消防・防災を1人で担当というのはなかなかいません。いろんな業務を担いながらやっています。大体毎年6月の梅雨の前には気象庁の関係者を呼んで防災会議、ことしの気象情報はどうですかとかいろんな議論をするのですよね、勉強を。やはりもっともっと県が主導して、こういう特別警報など、非常に重要な、命のかかわるような警報を県がもっともっとサポートして、早く市町村の防災計画に入れられるようにすべきだと思うのですよね。担当者もたくさん仕事を持っていますから、市町村は本当に大変なのですよ。そこのところをどういう手順で、中部地震でてんやわんや、本当に大変だと思うのです。そういうところをやはり県がもっともっと主導的にサポートして、とにかく早く防災計画にこうした特別警報を入れるようにお願いしたいと思う。これは要望で、私はお願いしたいというふうに思っています。  次に、農林水産省の情報によりますと、このたびの豪雨で2府4県で32カ所のため池が決壊し、このうち防災重点ため池として選定されていたのは4カ所のみ、大半は指定されていないため池でありました。私は、議会で何度となくため池の防災対策を議論させていただきました。我が県では、他県よりため池の実態調査を初め防災対策は進んでいると認識をいたしております。県内の防災重点ため池の指定基準はどのようになっているのかお伺いいたします。  私は、8月20日、広島県東広島市の三連ため池の決壊現場を調査、視察いたしました。呉の近くですけれども、ふだんは温暖な気候で、尼子に追いやられた武士が刀を捨て住みつき、ため池をつくり農業を始めたと古文書にも記載されている歴史あるため池でありました。上流から土石流とともに流された流木によって洪水吐けがせきとめられ、堤を越水したことにより堤本体が決壊し、次々と下流のため池も決壊したということでありました。  このたびの豪雨は、各地とも経験したことのない大雨と皆さんが異口同音に言われたように、48時間、72時間雨量が観測史上最大値を更新した雨量で、徳島県の馬路村では、雨が降り始めてから雨がやむまでの10日間、1,852ミリの雨量を観測したということでありました。1メーター85センチの雨です。とんでもない雨の量です。これだけの雨が短時間に降れば、幾ら国土強靱化を進めても限界があると思いました。やはり身の危険を感じる豪雨のときには諦めて、災害に巻き込まれないように避難することが賢明な選択肢であると現地を視察しながら思いました。
     しかしながら、問題は地域事情により異なる避難する判断を誰がどの段階で下すことが適切なのか、課題であると思いました。今後の検討の中でぜひとも議論をしていただくとともに、防災士等地域のリーダーを早急に養成することが必要だと思いますが、知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、ため池をいろいろ見て回る機会がありますので、ため池の問題について質問したいと思いますけれども、洪水吐けの大きさは、ため池によっていろいろであります。ため池の大きさに合わせて洪水吐けの基準があるのかないのかわかりませんけれども、土石流とともに流木等が起きそうなため池については、洪水吐けが流木等でせきとめられて堤を越水しないように、洪水吐けを現状に合わせて広くするなど、ため池の現状に合わせた見直しを検討すべきと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。  また、防災重点ため池については、これが確認できるように、やはり洪水吐け付近に今後順次防犯カメラ等を設置されるのがいいかと思いますけれども、これは通告していませんので、提言でいいですけれども、検討していただければというふうに思っております。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員からため池のことと、それから防災の避難のあり方につきましてお尋ねがございました。  ため池につきましては、防災重点ため池を本県では現在85カ所設定をさせていただいております。具体的には堤の高さが15メーターであるとか、それから下流というか、下のほうに集落があって、そういう危険性があるものであるか等々を指定基準としまして、こういう85カ所を設けているところであります。これは現在までに防災重点ため池の点検は終えておりまして、さらにそのほか298カ所のため池の点検も今月中に終えると。さらに、そのほか1,110カ所についても年内を目途に点検しようということにいたしておりますが、特に防災の重点ため池というものを我々としてもリストアップしています。  そういう中で、今回もいろいろと見ておりますけれども、やはり重点的にやらなければいけない対策の見えるところもございまして、こうしたことなどに、洪水吐けの話がございましたが、そういう洪水吐けの改修であるとかも含めて、対策をこれから総合的にとろうというようにいたしております。  私どもは正直、伊藤議員がたびたびこのため池の議論をされることもありまして、近年ため池の点検だとか、あるいは改修に着手をしたりというようなことを県単の事業も含めて進め始めております。先ほどおっしゃったような今回よくテレビに出てきた三連ため池ですか、あそこの場合などがございまして、大分報道されて、ああいうふうに次々に決壊をしていくというのを見たわけでありますが、例えば琴浦町でも松谷に第1、第2、第3のため池がやはりつながっているような形状ではありますけれども、ともに古いため池で、広島のほうは400年も前にできたと言われています。あちらは真砂土なのですね。非常にもろいところでありますけれども、同じ古いため池でも松谷のほうは粘性土でございまして、そういったよりは耐性は高い。そこへ持ってきて、今までこういう議論もしてきましたので、第1だとかは改修を進めてきているところでございまして、安全性としては高いものになってきているのかもしれません。いずれにいたしましても、こういうものを順次手を打っていかなければなりませんし、何せ県内は数が多いですから、その対策を考えなければいけません。  それで、九州の北部豪雨が実は私ども発端なのですけれども、あれで流木が結構悪さをしています。本県も実は山の中は杉の植林なども進みまして、間伐をしたりして中には投げ捨て間伐も正直あるわけですね。そういうものがどういうように下流域に、山から川に流れてきてため池に入ってきて、そうやって河川だとかいろいろなところで悪さをし得るかということでありまして、こういうものをトラブルスポットとしてピックアップをしようと。この調査をやってまいりまして、その様相が見えてきました。そこで、今年度流域ごとの対策に結びつけていこうと。今回の補正も含めて計上させていただいて、例えば土師川の水系であるとか、それから佐治川であるとか、そうしたところを水系として考えると。山の中の手入れの問題から始めて、山に対する対策は森林対策でこういうことをやりましょう、それからため池については網場といって、網で流木が入ってきたものを中でとめて、堤体のほうに悪さをしない、洪水吐けのほうに行かない、そういうことをやるとか、もちろん洪水吐けのところの改修が必要であればそちらをやるとか、堤体が弱いのであればそういうことを考えるとかであります。  そうしたこととあわせて、河川などもそうでありまして、橋脚にひっかかる可能性があるような場所をあらかじめ考えておいて、そうしたものの対策を考えていく。ダムなどもそうであります。そうしたことで、砂防についても堰堤のほうで透過性の堰堤を新しく設けるとか、従来とはちょっと違った手法も含めて、モデル的にはまず始めてみようということをし、そういう農業ため池の対策の経費も今回計上させていただいております。  農業ため池では、一定の課題を抱えているところとして判定をしたものが今のところ11カ所ございます。これのうちの2つについては、ここの補助事業も入れて、堤体のところのやりかえをやろうと。さらに、そのほか割と軽微に手入れをすればいいという、例えば水路をちょっと除去するとか、そうしたものもございまして、中にはこの際廃止にしてしまおうと、農業用水としての用途もないというようなところも今仕分けをして、この11カ所を今片づけようとしています。さらに、1,100カ所判定をしていこうと。防災重点ため池が非常に大事だというお話がございましたけれども、こういうような過程でもし防災重点ため池に振り分け直すところがあれば、それはまた振り分けの直しをちゅうちょなくさせていただこうというように考えているところでございます。  次に、避難の体制づくりについてでございます。これについては、議員のほうからも御指摘がございましたように、避難を誰がどういうふうに判断をするのか、その担い手はどうなのかということであります。  これについては、先ほど議員がおっしゃったような、災害対策基本法第60条で市町村長が避難勧告だとか避難指示を出すという役割になっていまして、避難勧告はそうした必要が出てきたときに出すものであり、また、窮迫した場合には避難指示を出すと。あるいは、垂直避難といったような屋内退避ということ、これもできるとか、こういうことは基本的な法律としては定められているわけですね。ですから、公助の部分に相当するようなことではそうした対策に基づいていくのでありましょうけれども、大事なのはやはり自助とか共助の部分でございます。危ないと思ったら逃げる、お互い近所同士で助け合ってみんなで逃がす、こうしたことをふだんからも訓練をしたりしてやっていくことが大切でございます。  今回の場合でもそうでありまして、智頭町は町長も呼びかけをして避難の率も上がりまして、例の豪雪のときに手助けをした大内という集落では2割を超える方々が事前に避難をしていた状況がありました。あのあたりは、議員も御案内のように今回結構千代川の上流が暴れまして、あちこち道路もえぐられるようなことになったところでございます。それから、若桜のほうでは自主防災組織などが呼びかけをしまして、集落によっては7割ぐらいの方が避難をしたという集落もございました。地震のときでもそうでありますけれども、例えば倉吉の宮川町とか円谷町とか、そうしたところでやはりそうした自主防災組織が日ごろから避難所の設営等を訓練したりしていたところでそれは有効に機能したということもありました。  ですから、こういう自助、共助の世界というのもやはり必要でございまして、そういう意味で自主防災組織のリーダーの育成事業とか、それから防災士の受験などを慫慂したり、そうしたことを予算も含めて我々としてもバックアップを今組ませていただいております。  今回貴重なレッスンというものが一連の災害の中で生まれてきたと思います。ぜひそれに基づく情報をまた総括をさせていただいて、こういう自主防災組織や自主的な避難の促進を図ってまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)智頭、若桜、特に鳥取県東部の奥のほうは、林道なども非常に大きな災害を受けております。それで、今県から総合事務所職員の派遣をしていただいておりますけれども、なかなか市町村には設計できる技師がいない、そういう悩ましい問題がありますので、今派遣されておるのは短期間ですけれども、これから補正予算がついて、町も補正予算をつけていきます。そして、災害復旧に向けての現場でのいろんな復旧作業が始まるのですけれども、早期に復旧作業ができるように、ぜひとも県としても引き続き県東部の市町村へのそういう継続的な技師の派遣についてもお願いをしたいというふうに思っております。  次に、財政問題に入りたいと思います。消費税が引き上げられれば、地方の財源は少しずつでありますが増加しているのは事実であります。交付税特別会計への繰り入れもふえてきているのに総枠が目に見えてふえていない、そういうふうに感じるわけですけれども、なぜでしょうか。本来はもっと交付税特別会計の安定的な財源を確保し、都市と地方の税源の偏在性を是正する機能を強化すべきと思います。  人口減少が続く我が県のようなところは、交付税が減り続けるだけで年々20億円近くの伸びを続ける社会保障費に対応し切れない現状であるというふうに思っています。こうした状況の中で、安倍総理の唱える地方創生は、何か非常にむなしく私は聞こえます。こうした状況について、知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、平成28年度税制改正大綱の中で、森林環境税、仮称でありますけれども、創設については平成30年度税制改正において結論を得るとされ、一定の方向が見えてまいりました。国が予定している森林環境税は、市町村が実施する森林整備等に必要な財源として森林環境譲与税、これも仮称でありますけれども、この創設が予定され、その財源に充てるとされております。既に県では森林環境保全税が創設されており、この4月に5年間の延長を決めたところでありますが、国の森林環境税がもしできたとするならば、知事として県の単独の森林環境保全税の継続をされるのか、またその使途について見直しを検討されるのか、お伺いをしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねてお尋ねがございました。まず、災害対策の人材派遣でございますけれども、例えば智頭町のほうに林道技師とか、それから日南町のほうに林道や土木の技師であるとか、そうしたことの派遣は、先方ともよく協議をさせていただいて、必要不可欠な期間につきましては協力をさせていただきたいと思います。  また、実は県外にも今、岡山のほうに土木技師を応援で派遣をさせていただいておりますが、先般、湯崎知事から悲鳴が上がってきまして、ぜひ広島にも送ってくれということがございまして、我々も非常に手元は厳しいのですけれども、そういう中でいろいろと人のやりくりもして、あちらはうち以上に大変でしょうから、一定の人員派遣も含めてやっていくということを考えています。  こんなような形でそうした人材不足があるのですね。実は西日本だけかと思ったら、今、北海道だとか、それから台風21号とかどんどんいろんな災害が起こっていまして、非常に各地も応援を送りにくい状況になっていますので、お互いにつらいときですけれども、協力し合っていくということかなというふうに思います。  地方財政についてでありますけれども、先ほど申しましたように、片方で東京都が平成25年から現在まで6,000億円以上一般財源をふやしていると。私どもは15億円の減収になっているということでございまして、やはりどこか算定のやり方を考えなければいけないと思います。例えば歳出特別枠だけでも平成25年と今とを比較しますと廃止されていますので、これだけで本県は65億円交付税収を失っているわけでございます。そういうものがあればそれを埋め合わせるようなことをしていただかないと、結局今、税収が都市部に行くのに、その分交付税のほうで調整するはずだったものがそれができていないということであります。なぜそんなようなことになっているかというと、私どもは、例えば人口に掛ける補正係数がございます、こういうものが高目に設定されているのですね。これが逆に今、悪さをしていまして、そうすると単位費用を削減していくという交付税上の措置がなされますと、それが大都市部よりもうちのほうに過重に削減が来てしまうということがあります。そこに先ほど申しましたように歳出特別枠の廃止などがきいていまして、こういうものでどんどん交付税の配分がきつくなるのですね。ですから、例えば密度補正と言われるものであるとか、技術的ではありますけれども、交付税の算定の世界の中で今後何らかの工夫をしていただく必要があるのではないだろうか、これは我々としても財源調整機能というのを考えろということを言っていまして、7月27日、全国知事会の決議の中にも私のほうも提案させていただき、これを入れてもらった次第であります。  今後とも、議員が先ほどおっしゃったこととあわせまして、つまり法人課税の調整とあわせまして、こうしたことを年度末に向けて国のほうで検討してもらうよう、働きかけをいたしたいと思います。  さらに、森林環境保全税につきましてお尋ねがございました。これは新しい税収が国税として創設をされ、これはまずは譲与税で来ることになるわけでありますが、まずは経過措置としての譲与税が新年度から開始をします。ただ、税金自体は平成36年度の創設であります。御案内のように、私どもは昨年の11月議会で森林環境保全税の延長を決めていただきました。ですから、今回の延長期間中に国のほうの新税が導入されるわけではございませんので、例えば住民税の均等割のところに上乗せをしていくということになったときに、うちが500円乗せていますけれども、それにさらに1,000円乗せるかどうかという検討は今直ちには必要ないというようなことになったかなと思っています。  したがいまして、当面新年度に向けましてはこのことを今のやり方で継続をしていくわけでありますが、その使途をどうするか等々の調整は必要かもしれません。今、市町村ともいろいろと協議をしているところでありまして、新しい譲与税制度に基づいてどういうことをこれから市町村がやるのか、そういうことといわばある程度役割分担をしながら、県のほうの森林環境保全税の使途を若干盛り返していく、改善していくということかなと思います。  実は他県の状況も調べてきているのですけれども、我々は去年もう既に課税延長を決めたところでありますが、これから実は課税延長を決める県もあるわけですね。そうしたところは、36年度導入ということもありまして、いずれの県も現状どおり延長するというようになりそうです。今そんな検討方向になっています。したがいまして、本県としてもそうした他県の状況もにらめば、むしろ譲与税が入ってくることを想定して、トータルで森林環境の保全が進むような、そういう工夫を考えていきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)環境税の話なのですけれども、県の既に集めている森林環境保全税については、やはりトータル的な県全体の対応に努めていただいて、それで国の新しくできる森林環境税については、やはり市町村の業務をしっかりやっていただくということで、すみ分けをしながらぜひとも対応策を考えていただきたいなというふうに思っております。  先ほどずっと消費税の一連の議論をしてまいりました。私たちは、消費税引き上げとなれば、どちらかというと一般的には引き上げられる税率や大まかな税の使い道の議論に終始しがちでありますけれども、税制調査会では、財務省主導とも思われるような事細かな改正が逐次入ってまいります。要するに、私が見てみますと、地方財政が豊かにならないようにいろいろな知恵が盛り込まれているのではないかなというふうに思っています。我々地方議会としても、やはりそういうところをしっかりと関心を高めていかなければならないなというふうに思っております。  次に、公共事業について追及をしたいと思います。  先ほどありました泊漁港整備事業ですけれども、防波堤を30メーター残して中止となった理由は、費用対効果が少なく、出漁の影響は8日間ということでした。今、1月、2月は海が荒れまして、小型漁船というのは漁に出られないことがほとんどであります。しかしながら、この時期というのはサワラ漁の最盛期で、8日間も漁に出るか出ないかは業者の皆さんの所得を考えると大変な違いだというふうに思っています。そして、しかも急激に海が荒れますので、帰港する際の安全性も高まるわけで、事業の途中での中止が私には理解できないという思いを持っております。  中でも、この安全も費用対効果の中で削減の対象にされるのかということをお伺いしたい。  また、先ほど言いましたように、海の天候は急展開します。急に天候が悪化し、安全に帰港するためにつくるはずだった防波堤を中止することによって、もし帰港する際に海難事故が起きたということになれば、これまた責任問題に及ぶ可能性もあるかというふうに私は心配をいたします。  したがって、この中止ということは、非常に説明責任をしっかり果たさなければならないと、私はこの事業はそういうふうに思っています。知事の所見をお伺いしたいと思います。  それと、東伯中央地区広域営農団地農道整備事業ですけれども、何かもともと絵に描いた餅でずさんな計画といいますかね、ずさんという表現ではないけれども、当初の計画と全然時代がずれておるということのような話でありました。  そういう中で、倉吉側から大体工事がある程度進んできたのですよね。ところが、最後は大山町なのですよ。中山側に7億7,700万円もかけて大きな橋が既にかけてあります。橋を渡ったらもう山です。今後どう活用されるのか。また、その橋から先に、道路用地として8,000万円で14万3,300平米の土地、これの買収が終わっています。この用地は国、県、地元の予算が入っています。誰のもので、今後どう活用される計画なのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤県議から重ねてお尋ねがございました。公共事業の見直しにつきまして、泊漁港、そして東伯中央の農道につきましては、それぞれ詳細は県土整備部長と農林水産部長からお話を申し上げたいと思いますが、泊漁港については、先ほどちょっと議員のほうでもおっしゃいましたけれども、安全性等でどうなのかと、こういう御指摘も当然ながらあるだろうと思います。私も正直、就任する前のことで、就任直前のときにどうもばたばたと決めたようでございまして、当時の議会のやりとりを伺っても、当時の藤井議員、と言っても省三議員のほうですが、藤井議員だとか山田議員だとかもちょっと戸惑った形で答申が提出されて、それで議論をされておられる様相でございまして、藤井議員の言葉の端々などを見ても、当時、中部ダムの中止が何かすごく英雄的に言われていた時期でありまして、公共事業の見直しということを結構県政が好んで取り上げた時期でもあったのだろうと思うのです。そういうようなことではあるのですけれども、ただ、具体的に波の高さが1.2メーター以下でないと実際静ひつが保たれず、港に入ってこられない、出入りができないということになったり、あるいは養殖の問題も今つくり育てる漁業のほうに重点が移りつつございまして、そういうようなことなどもあるかもしれません。  実は、鳥取港ではまた別の問題が起こっていまして、台風のときに中の静ひつ性が保たれなくなりまして、それで今、国土交通省のほうにも申し上げて、研究を始めているのですが、港のあり方自体をひょっとするとやりかえなければいけないかもしれない、そういうようなことになってきました。日本海沿岸でも福井県だとかいろんなところでやはり波浪の影響等もあるわけでありまして、新たな事業を起こすというところも出てきているように伺っております。先ほど申しましたように、中止というのはストップということでありますけれども、ただ、それで事情がどういうふうに現在変わっているのか等々もあるかもしれません。したがいまして、静ひつ度だとかそういう安全性について、地元の状況なども聞く必要はあるのではないかなと思います。  ただ、もちろん、もし事業化しようと思えばBバイCと言われるものが1以上でないといけないとか、それから事業効果、波高の問題とか、そうしたことなど、いろいろとクリアしなければいけない大きな課題は途端に出てくるわけでありますけれども、ただ、安全かどうかというのはまた別の問題でありますので、それはそれで今後も事情を我々も伺っていきたいと思います。  また、東伯中央のほうでございますけれども、これも先ほどおっしゃった橋でありまして、あれも実は委員会のほうで一番大きな論点でありました。実はもうつくりかけていたのですね。ほぼつくりかけていたところで、ではこれをどうするのかと。そしたら橋は全部仕上げる必要がある。実はそこから林道が延びていくわけです。林道のほうについては、今月中にいよいよ完成をすることになりました。これで大体20ヘクタールぐらいの林地の運び出しがその橋梁を使って行われるということに今後なってきます。そういうようなことでの活用なども今図られようというところにようやくなってきたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、こうした未利用地の課題等もございますし、これは中止ではなくて休止扱いでありますから、どういうようなことを今後継続して考えていくべきなのか、その辺は今後もいろいろと地元ともきちんと協議をして、コミュニケーションをとってまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)泊漁港の費用対効果での削減、そういった安全性において、中止理由が非常に理解できないということにつきまして、補足の答弁をさせていただきます。  泊漁港の第2沖防波堤の整備事業は、防波堤を整備することによりまして航路や泊地、休憩岸壁の静穏度、こういったものを向上させまして、出漁可能日数の増加、さらには休憩船舶の安全性の確保、泊地内でのイワガキ等の増殖、こういったものの効果を期待して事業を実施したものでございます。  公共事業再評価におきまして、整備済みの防波堤90メートル事業効果と計画どおり120メートルを整備した場合の事業効果、こういったものを精査させていただき、事業評価委員会では今後30メートルの延伸により出漁可能日数は8日しかふえない見込みであると、さらに港内の養殖や天然イワガキ、こういったものの生産性、これが5割ふえるといったような効果、こういったものは非常に疑問だということ、こういったものが追加費用に見合わない、便益が生じないといった判断をされて、事業中止が妥当という答申がなされたものでございます。  県はこういう答申を受けまして、漁協、さらには関係市町、さらに水産庁といった関係機関と協議させていただいて、やむを得ないというような回答を受けながら県として中止を決定させていただいたというところでございます。  議員が言われるように安全性につきましては、波の状況は今現在変わっているかどうか、こういったものを精査して、そういった状況が変わっているということであれば、再度再評価委員会にかけさせていただいて、事業の推進ということもあろうかというふうには思っております。  ただ、安全な漁港活動、こういったものにつきましては、気象状況、さらには海の状況を十分考慮していただいて、漁業者一人一人がその判断に基づいて行われるというものに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)村尾農林水産部長 ◯農林水産部長(村尾和博君)東伯中央地区広域営農団地農道整備事業の今後の計画につきまして、補足の答弁を申し上げます。  本事業の前提となります中部広域営農団地整備計画は昭和47年に制定されたものでありまして、平成5年3月に計画を変更し、老朽化、人手不足等に対応するため、広域野菜集出荷施設等の建設が位置づけられたものであります。  知事からもございましたように、県中部地域は県下の農業の中心地帯としまして農業生産基盤の整備も進んでおり、当時の農業生産の状況を踏まえて広域野菜集出荷施設等の建設が計画されたものでありますが、その後、水稲の作付面積が3割減、スイカと梨が7割減と大幅に減少したことや主として建設計画を進めていました東伯町農協が鳥取中央農協との合併に伴いまして計画の見直し等を行ったことにより、施設建設に至らなかったものと推察されるところであります。  農道整備に当たりましては、工事の進捗を図るため、5つの工区に分けて実施していったものでありまして、中山側から整備を進めた区間については、鳥取県公共事業評価委員会からの施行中の橋梁工事の完成後は最寄りの林道と接続することにより通行可能な状態にして、有効に活用することが適当と考えられるという答申を受けまして、橋梁は完成されたものであります。ちなみに、当時の進捗率は84%で、橋からの上の部分の工事が残っておりました。その橋梁から東側の区間は既存の林道と接続して活用しておりますが、さらに現在、林業専用道の工事にも着手しておりまして、今月末には完成する見込みであります。これによりまして、20ヘクタールの杉・ヒノキ林の間伐及び間伐材の搬出にも有効に活用される予定であります。  また、本事業としましては答申を受け休止しましたが、農道整備が完成していた2つの工区は町道または県道とつないでおりまして、農作業や生活用道路として有効活用されております。さらには、琴浦町帽子取地区には、米久おいしい鶏の養鶏団地、ブロイラーで年間140万羽出荷計額でありますけれども、これが本年8月に整備されまして、有効活用されているところであります。  なお、先行して買い上げた道路用地につきましては、県有財産で現況は山林であります。このうち琴浦町中村から大山町羽田井の区間につきましては、平成23年から25年度に新たな農道の可能性について地元を交えて検討いたしましたが、費用対効果は認められないということで断念した経過がございます。一方、公共事業評価委員会の答申による休止以降、先ほど申しましたように新たな養鶏団地が進出してきた事例もありまして、これらの動きを踏まえて、今後どのように活用ができるか検討してみたいと考えます。 ◯議長(稲田寿久君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)いろいろ答弁いただきました。  泊漁港なのですけれども、今、サワラ漁、最盛期が1月、2月なのですね。1日に数百万の水揚げがあるということもあります。BバイC、これだけが何かずっとひとり歩きというか先行してしまって、だけれども防波堤、安全という部分が何か本当に議論の中で担保されていないというふうに思っています。ですから、行政効果上ではたかが8日でしょうけれども、やはり漁師にとっては貴重な8日間になるかもしれません。そして、帰港する最後の何か安全が奪われた、そういう感が私はいたしております。  こうしたことが否定されるということは、もともと何か過大設計だったのではないかなというふうな理解も一方ではされますけれども、やはりこの評価委員会は説明責任が十分果たされていないというふうに私は思っております。  また、広域農道なのですけれども、中山から着工されて途中で中断になったのですけれども、現地へ行ってみましたら、今、専用林道なのですよね。これは森林組合の専用林道ですよ。行きどまりですよ。有効利用ではないのですよ。だから、今、答弁ありましたけれども、有効利用ではないのです。行きどまり、誰も入られない。要するに、山の搬出、材を搬出するための専用林道なのですよ。  もともとここは深い山ですから、林道がなかったのですよ。地元の山の関係者も山に入って迷ってしまうぐらい、財産区の管理者の委員が山に入って迷ってしまうぐらい、本当に地形的に難儀な山なのです。本当はその道路がついておれば、作業道なども枝葉としてどんどんつけられて、この深い山から木材を搬出するということも、逆に言うと安易にできたと思うのですよね。  ですから、あくまでもBバイCということでありますから、それはそれとして私は仕方がないと思いますけれども、買った土地も含めて、せめて将来これをどうしていくのか。貴重な県民財産ですよ。7億7,000万円の橋は、高い、見晴らしのいい立派な橋ですよ。あのままそのままで置いておくと本当にもったいないですよ。何とか地元の皆さんと一緒に協議しながら、例えば林道なら林道でしっかりと続いていく、そういう対策を改めて検討していただくことを私はお願いを申し上げたいというふうに思っております。  要望で終えますけれども、とりあえず午前中の代表質問は以上で終わりたいと思います。知事がもし答弁あれば、意向があればお願いしたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から重ねて公共事業につきましてお尋ねがございました。  先ほど申しましたように、個別具体にはやはり地元とも今後もしっかりと協議を重ねていかなければなりませんし、やりかけた仕事という面もあるのかもしれません。実は、先ほど中山の羽田井のほうから上がってくる道は大分議論になったのですけれども、結局橋梁ができ上がっていたのですね。そうしたら、もうそれを仕上げる以外にはないだろうと。それを仕上げる前でとめてもいいのですけれども、それをとめると橋としての機能もなくなると。そこに今おっしゃったような林業専用道が今回できるということで、また曲がりなりにも用途はつくのかもしれませんし、そこのポイントからまださっきおっしゃったような山に行く林道とか、若干ほかの道もあったりしまして、そのポイントまでつなげるということでありました。  ただ、これから長い歴史があるわけでありまして、今後どういうふうに山が展開するか、あるいは場合によってはあの辺はだんだん養鶏団地が広がってきましたので、そういうようなことがあるのか、その辺いろんなアイデアは地元でもあるかもしれません。今後ともよく議論をさせていただきたいと思いますし、泊の漁港のほうにも安全を割り引くという思想は必ずしも正しくない。それは例えば砂防事業などを見てもそうなわけでありますが、そういう意味で安全ということの価値が十分に費用対効果の中でも分析に供されなければならないと思います。  現実にも、港の場合は例えば避難対策だとか、そういうことも便益の中に含まれているようになっておりまして、その辺は計算してみないと正直よくわからないところかなというふうに思います。  当時は、どうも波高の計算自体がおかしいのではないかみたいな議論をしたようでございまして、ちょっとその辺の経緯もいろいろとあったのかもしれません。いずれにいたしましても、泊漁港も最近は海の駅をつくって、それで海産物を直売でさらに食べられるようにしようとか、港の漁村としての活性化も再度今図られようとしてきているところでございます。今後ともちょっと地元とよく協議もさせていただき、公共事業のあり方について我々としても地域本位で考えるようにさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時より再開いたします。        午前11時58分休憩    ────────────────        午後1時00分再開 ◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。  引き続き代表質問を行っていただきます。  17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)(登壇)そうしますと、続きまして県政の諸課題について入りたいと思います。  最初に、2巡目国体の開催についてから質問したいと思います。  2巡目国体の開催について、さきの代表質問で、島根県さんが平成41年に開催されると正式表明があったので鳥取県は大トリの平成45年に開催したい、今議会でも議会の招致議決をお願いしたい旨の答弁をされました。  県体育協会は、6月県議会の知事の発言を受けてかどうかわかりませんが、県議会での議論を待つことなく、9月18日に平成45年国体招致に関する決議をされたようであります。まだ今議会での議論が終わらないうちに知事が大トリの平成45年に開催したいと表明され、私自身、民主主義を大切にされてきた知事の表明に、とても残念な思いで質問したいと思います。  開催を平成45年と想定して、少し議論をさせていただきます。  平成45年といいますと、今から15年先の話であります。これから生まれてくる子供が高校生になる時代です。どんな社会になっているのか、どんな地域になっているのか、どんな国体の開催状況になっているのか、想像すらできません。私も知事も、多分この議場には存在していないでしょう。  昭和60年のわかとり国体のときには、競技補助員、運営補助員として、本当に多くの高校生の皆さんや地域の皆さんに力をおかりしました。県内で開催された36種目の競技補助員として4,889人の高校生の皆さんにお世話になりました。ことしの4月1日現在の県の人口は56万1,368人、しかも65歳以上が17万8,453人、人口の31.8%に当たりますが、県の人口推計では、よく考えても45万人程度まで落ち込むことが推測されています。また、学校基本調査から高校生在校生を見ると、わかとり国体が開催された昭和60年は2万5,319人、ところが、人口減少が進む中、平成45年には1万3,000人余りと推計されます。これはあくまでも推計でありますので、どうなるか私にもわかりませんが、人口減少の中で県内市町村の財政運営も当然厳しくなる中、新たな競技会場の整備など到底望める環境ではないと思います。  私は、国体開催に反対して議論しているのではなく、将来をしっかり予測する中で鳥取県らしい国体をどう開催するのか、多様な議論に基づき判断することが私たちに課せられている責任であると思うゆえ、あえて議論をさせていただいていることを御理解いただきたいと思います。  国体開催でネックになるのは、選手、大会関係者、応援団の宿泊対応であります。わかとり国体では15万3,000人余りの国体関係者が宿泊しましたが、県内の既存宿泊施設では宿泊対応できないことから、県内13市町村では2,600軒余りの民泊で対応し、大会を乗り切ったという経過があります。大会が夏から秋にかけてということもあり、食中毒等の事故も随分心配されましたが、大きなトラブルなく、逆に選手と地域の皆さんとの交流が大きな成果を上げました。  わかとり国体の開催経過から振り返ると、競技団体は開催招致をすればいいのでしょうが、会場地となる市町村は、競技会場、宿泊、輸送、開催経費等の問題で、会場地を引き受けることについて、当時、市町村の議会で大きくもめました。競技会場、宿泊対応、輸送対応をせめて概略だけでも事前に検討されたのか、知事にお伺いをいたします。  一方で、国体を開催することで県内の子供たちに全国トップクラスの競技を間近で見せてやることは、大きな夢と元気をもたらすとともに、選手強化を推進する中で県内の競技力もアップするなど大きな効果も期待されますが、会場地となる市町村の現状、将来を推測する中で、財政負担、人的負担、業務的負担等を市町村にお願いするわけですから、私たちはかなり慎重な判断をしなければならないと思っております。  私はかねてより、人口減少が鳥取県のみでなく島根県も同様に進行する中、それぞれがあえて単独開催をしなくても、山陰国体として合同開催すれば無理なく国体が開催できるものと思っております。確かに島根県さんの御意向もあろうかと思いますが、時間が許す限り、今後も話し合いの場を持てないのかと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、看護師及び介護士の離職対策についてお伺いいたします。  私たちが生活する中で切っても切り離せないのは医療、介護であり、その充実と安定は県民誰しも願うところであります。  我が県の医療は、地域医療構想に基づき、日ごろのかかりつけ医から中核的医療を担う病院等、一定の機能と役割分担を設けながら、県民の命を守る取り組みが行われております。
     特に県立の厚生病院並びに中央病院は、それぞれの地域の中核的機能を担った医療機関であり、高い医療技術の維持を期待するものでありますが、それを支えるのは医師であり、看護師であり、多くの医療スタッフであります。  今回は、看護師の離職対策について、病院事業管理者にお伺いいたしたいと思います。  平成28年度中に厚生病院並びに中央病院の常勤看護師で中途退職された職員は49人、退職理由は多様でありますが、中でも県内の他の施設への就職11名がトップで、結婚が9名となっております。775名という看護師の全体の数から見ると、中途退職者は県内の他の中核的医療機関より少ない割合でありますが、それでもせっかく高い医療技術を持った看護師を失うことは大きな損失であります。病院局として、退職理由の実態についての感想と対応策についてお伺いをいたしたいと思います。  また、介護労働安定センターが発表した平成29年度介護労働実態調査結果では介護員の離職率は16.2%であり、一方で、厚生労働省が実施する平成29年度雇用動向調査では全産業の離職率が14.9%となっており、介護分野は他の産業に比べて離職率が非常に高い状況になっております。この状況についての感想と対応策について、知事にお伺いをいたします。  次に、5歳児健診についてお伺いします。  平成15年9月県議会において、初当選したばかりの我が会派の興治議員が、軽度発達障害児の子供たちの発達支援を行うためには早期に発見することが重要で、脳神経小児科の医師の言葉をかりると、軽度の発達障害につながりそうな行動があらわれ始めるのは3歳児健診を終えてからで、その子の個性の範囲ではなく、症状の一端として捉える行動が見やすくなるという。保育士が発達のおくれなどに気がついても保護者には言いづらかったり、保護者も認めたがらない中、5歳児健診を実施することで専門医から指摘されることで受け入れられる保護者が多いと紹介し、全県下での実施を提言いたしました。  しかし、あれから15年。その後の状況ですが、29年度で見てみれば、12市町村において全員対象で実施、7市町村では一部での実施であります。改めて、15年たった現状について知事の認識をお伺いいたします。  次に、若者の消費者教育についてお伺いいたします。  明治時代から今日まで約140年間、日本での成年年齢は20歳と民法で定められていましたが、この民法がことしの6月改正され、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることになりました。したがって、4年後には18歳の誕生日とともに大人になる社会となるわけであります。  そうなると心配されるのが、親の同意がなくても賃貸借やさまざまな消費貸借契約ができるようになります。未成年者として法で守られている現在でも、県消費生活センターには、平成29年度で年間25件のさまざまな契約等に伴う相談が寄せられております。現在は高齢者をターゲットにいろいろな詐欺が横行していますが、4年後には社会経験に乏しく、保護がなくなったばかりの新成人をターゲットにした詐欺まがいの商法や契約トラブルがふえてくるのではないかと心配されていますが、消費者保護の立場から、今後の取り組みについて平井知事にお伺いするとともに、県教育委員会としては成年年齢を間近に控えた高校生に対して消費者教育が必要と思われますが、教育長に所見と今後の取り組みをお伺いいたします。  また、詐欺まがいの商法が横行することも懸念される中で、県警としても警戒を強めなければならないと思いますが、県警本部長に所見をお伺いいたします。  次に、サッカーワールドカップから見えたものについてお伺いします。  ことしの異常な暑い夏をより暑くしたのは、ロシアで開催されたサッカーワールドカップ。日本チームの活躍で我が国も連日盛り上がりましたが、私が注目したのは、人口わずか35万人で初出場したアイスランドの活躍であります。鳥取県より少ない人口のアイスランドが激戦のヨーロッパ予選を勝ち抜き、ワールドカップに出場するなど誰もが思いもしていなかったし、奇跡でしかないと思っていました。  ヨーロッパ予選で毎年1回戦で大敗を喫していたアイスランドが強くなった原因を調べてみると、そこには周到な準備がありました。厳しい冬でも一年中練習ができる施設を学校のそばに整備し、幼いころからサッカーに親しめる環境。そして600人もの指導者を育成。人口は35万人でありながら、国家総力を挙げ、緻密な計画の遂行でインドアキッズを成長させてきたことにありました。  我が県でも競技力向上と毎年言われていますが、県有体育館で子供たちが全ての競技ができる環境にあるかというと、競技用器具も整っていないばかりか学校現場には部活を的確に指導できる先生もいない、地域にクラブがあるかといえば限られた種目だけ。全て人口最少県が口実のように聞こえます。  夏の甲子園で大活躍した秋田県立金足農業高校、本当に感動しました。野球留学の生徒が多くを占めるようになった甲子園出場チームの中にあって金足農業高校は異色の存在で、全て秋田県内出身の生徒でありました。活躍の源は、学校の枠を超え、全国で勝てる高校野球を目指し、関係者が一丸となって取り組んできた成果が実を結んだことであります。  可能性を秘めた県内の子供たちをもっともっと伸ばしてやりましょうよ。知事、教育長、それぞれの所見をお伺いしたいと思います。  次に、農業、水産業の諸課題についてお伺いいたします。  最初に、今後の和牛振興についてお伺いします。  昨年の宮城和牛全共では花の7区で肉質日本一に輝くなど、和牛王国鳥取の復活に向け、歴史を刻んだ年でもありました。  以来、県内産の子牛価格は上昇の一途にあり、ことしの4月20日の和子牛の競りでは、白鵬85の3を父とする子牛が561万8,000円と、雌子牛として日本一の価格で落札されました。このように、宮城全共以降、全国から鳥取県産の和子牛に熱い視線が送られるようになりました。  過去の鳥取全共、長崎全共と、過去の全共では苦い経験もありましたが、前だけを向き、ひたむきに努力されてきた畜産農家と畜産関係者の皆さんの努力が結果として報われたのであります。私自身も、白鵬85の3という種雄牛の誕生と全共の結果で、ここまで鳥取和牛を取り巻く環境が変わろうとは思いませんでした。  昨年の宮城全共は、知事も相当気合いを入れて取り組みを進めていただき、結果を伴ったわけでありますが、今日の鳥取和牛を取り巻く環境について、知事の感想と所見をお伺いしたいと思います。  和牛全共は大きなインパクトのあるイベントであり、平成34年には鹿児島県で開催される第12回和牛全共は、鳥取和牛の名声を確固たるものにする試金石であると思っております。宮城全共では大会の4年前から出品対策に取りかかり、周到な準備の中で結果を得たわけであり、ことしは次の鹿児島全共の4年前に当たります。まさにしっかりとした目標と基幹種雄牛の決定された中で育種に取りかからなければならない年でもあります。県としてどのような目標で鹿児島全共に向かわれようとしているのか、知事にお伺いしたいと思います。  また、5月25日に開催された県和牛産肉能力検定委員会において、隆福也が県の基幹種雄牛に選抜されました。この隆福也は、さきの宮城全共で肉質日本一を獲得した白鵬85の3を上回る肉質で、大いに期待がされていますが、その期待度について知事の所見をお伺いいたします。  また、これまで県内で造成されてきた高能力種雄牛白鵬85の3、百合白清2について、今後どのように活用されるのか知事にお伺いいたします。  続きまして、鶏ふんの活用についてお伺いいたします。  9月5日、畜産議連の皆さんと一緒に、県内の新しく整備された養鶏場、クラスター事業で整備された和牛の牛舎並びに乳牛の牛舎を現地調査し、施設の見学や最新施設の説明を関係者の皆さんからお伺いいたしました。どの施設とも最新鋭の施設でハイテク技術も導入され、効率的な飼育ができる環境でありました。中でも、琴浦町帽子取に新しく整備された米久おいしい鶏の養鶏場では、鶏インフル対策も万全な上、年間2,800トンと大量に発生する鶏ふんについても、大半はボイラーの原料として利活用される計画でありますが、ほかの養鶏場と合わせれば1万トン程度が堆肥として活用されているということでありました。  9月上旬、私はこの鶏ふんを炭として肥育牛舎でおが粉にまぜ、敷料、要するに牛のベッドとして活用している香川県の肥育農家を視察してきました。私たちは牛舎といえば山奥を想像いたしますが、牛舎があったのは何と海岸に面した工業団地の一角で、もともとは木材企業の倉庫であったものを改修し、6,000平米の敷地に1,000頭余りの交雑種の牛が肥育されておりました。1,000頭もの牛が飼われているのに、牛舎独特のにおいも少なく、ハエもほとんどいませんでした。6メートルに6メートル、それに7頭という密集飼育のため、皮膚病を起こしやすいのが常でありますが、皮膚病も減ったということでありました。  炭にした鶏ふんをおがくずにまぜることにより、確保が厳しくなったおが粉の節約ばかりでなく、鶏ふんの脱臭効果があり、牛舎の環境改善にも役立っていました。さらに、炭をまぜることにより、最終的に堆肥として畑に還元しても有機肥料として、また土壌改良剤としての効果が高いということでありました。既に琴浦町内で鶏ふんの炭をおが粉にまぜ、敷料として活用されている肥育農家もあり、脱臭効果が高いと話しておられました。  環境に優しい鳥取の畜産を推進するために、養鶏業者と畜産業者が連携し、鶏ふんを炭化したものを牛舎の敷料として活用することを県が主導して検討していかれたらいかがなものかと思いますが、知事の所見をお伺いいたします。  次に、種子法廃止後の対応についてお伺いいたします。  種子法は、戦後間もなく日本がまだ食糧難の時代であった昭和27年、国民の食、主にお米を中心に、麦、大豆だけでも良質なものを国がしっかりと確保して最低限の食べ物を国民に提供できるよう、国が管理していこうと制定された法律で、正式には主要農産物種子法といいます。  こうした種子法のおかげで、日本の食料自給率が平成28年度で38%と他国に比べて極めて低い中、食用米だけはほぼ100%の自給率を維持してきたのは、種子法により良質な米の種が管理され、地域ごとの気候に合い、うまみや食感があり、安心して食することができる米が次々と改良されてきたからとされております。  ところが、公費を投入して取り組んでいる都道府県と民間企業では競争条件が同等でなく、民間企業が種子産業に参入しにくい、民間が開発した品種は奨励品種に指定されにくい等の観点から、ことし3月末で種子法が廃止されました。  一方で、種子法が廃止されたことにより、外国の種苗会社などが種子開発に参入することで、独占的な種子の販売、企業の種子の囲い込み等による高価格化、遺伝子組み換え種子の選別ができるのかという不安の声があります。  こうした不安が高まる中、新潟県、埼玉県、兵庫県では議員提出議案を含め条例が制定され、そのほかにも条例化を検討している県があると聞きます。我が県の場合、要綱と要領を制定し、採種事業を継続するとされていますが、本当に要綱と要領だけで県の責務をこれまでどおり果たすことができるのか、知事にお伺いいたします。  次に、農業経営収入保険事業についてお伺いいたします。  近年は異常気象が次々と襲いかかる中、自然相手の農業は経営の危機感と隣り合わせで、これまでこうした災害による収入減に対応するための品目別の農業共済制度はありましたが、平成31年1月から、自然災害だけでなく、価格低下による収入減にも対応できる農業経営収入保険事業がスタートすることになりました。  この農業経営収入保険は、青色申告をしている農業者を対象に、掛け捨て保険方式と積み立て方式の組み合わせで最高90%まで保障されるものですが、自動車保険と同じように、事故をすればするほど保険料率も上がるという制度であります。農家の皆さんは、これまでの品目別共済制度か農業経営収入保険か選択して加入できる新制度であります。  この農業経営収入保険の加入手続は既に8月1日からスタートしているわけでありますが、この制度について知事の認識をお伺いするとともに、現時点の加入状況はどうなのかお伺いいたします。  次に、栽培漁業についてお伺いいたします。  もうかる漁業を目指し、より積極的な藻場の造成や資源管理、漁場管理等に取り組むやる気のある事業主体を支援し、産業として成り立つアワビやサザエの栽培漁業を推進するとして、県が種苗事業の一部を支援するビジネスプラン推進事業が平成27年度から5カ年計画で始まり、来年度は最後の5年目を迎えます。  この放流事業はBバイCが1を超えた放流魚種が対象でありますが、サザエはプランが始まって以来、価格は低迷し、極めて厳しい環境に置かれています。ある漁協では、水揚げの1割を翌年度の種苗代として徴収し、積み立てをしていますが、積み立てだけでは足りないため、漁協が差額を負担し、種苗の購入に充てているのが現状であります。こうした現状について、知事の所見をお伺いいたします。  次に、洋上風力発電計画についてお伺いいたします。  鳥取県の日本海沿岸の沖合に、大規模な洋上風力発電の計画があるとお聞きしました。私が得た情報では、境水道から日吉津村沖合あたり、そして鳥取港沖合あたりだそうですが、既に漁業関係者等には計画の打診がなされたのか、県として把握している情報があれば、現段階での情報について知事にお伺いいたします。  こうした構築物ができれば、ハマチやサワラ等の漁場であり、沿岸漁業に支障が考えられるほか、鳥取港や境港への貨物船、客船、漁船等の航行にも影響を及ぼすのではないかと危惧をいたしますが、あわせて知事の見解をお伺いいたします。  次に、教育の諸課題についてお伺いいたします。  最初に、教育委員会のあり方についてお伺いいたします。  6月11日に平成30年度第1回鳥取県総合教育会議が開催され、平成29年度教育に関する大綱の評価についてを初め、6項目について意見交換が行われました。  この会議では、後ほど議論を予定している県立高校の特色化・魅力化、要するに県外募集の取り組みについても県教委の提案に基づきしっかり議論されていますが、私が関心を持ったのは、文化財保護行政の知事部局への移管についてであります。  平成31年4月1日に施行される地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正で、教育委員会が所管することになっていた文化財保護行政が地方自治体の選択によって首長部局でも所管できることになることから、鳥取県においては来年度から知事部局に移管される提案がされました。移管理由として、文化財の活用を観光や産業振興等と総合的、一体的に実施することによる新たなる価値の創造、機動的な事業遂行の実現が掲げられています。  移管理由については、ある程度は理解いたします。これまでにも、学校における体育を除く競技スポーツに関することも教育委員会から知事部局に移管されました。少しずつではありますが、教育委員会所管の業務が年々縮小され、いよいよ教育委員会は学校関係業務のみとなり、やがては政治的中立を求められている学校教育も知事部局に移管されるのではないかと思うのは私だけでありましょうか。  県総合教育会議でも提案説明だけで、文化財業務移管後のありようについて、さらに教育委員会のありようについて議論はされていませんが、今後、教育委員会の独立機関としてのありようについて、知事並びに教育長の認識をお伺いいたします。  また、文化財業務の移管に伴っては、経済的価値の創出などがその効果となっておりますが、文化財業務の原点は、発掘、調査、研究であり、この原点が希薄になりはしないかと危惧をいたしますが、業務の移管を受ける側の知事の認識をお伺いいたします。  次に、高校の魅力化についてお伺いいたします。  人口減少が進み、高校の存続が危ぶまれる中、島根県隠岐島前高校では、県立高校でありながら生徒募集を全国に広げ、今や日本全国のみならず海外からも生徒が集まり、小さな島ではあるが、自然豊かな島丸ごとキャンパスの中で学んでおります。こうした高校の新しい取り組みの中で移住者もふえ、離島でありながら島全体が元気を取り戻しつつあります。  鳥取県でも、高校生の数が昭和40年の3万6,415人をピークに、現在では1万5,033人と10分の4に激減。近年、県教育委員会は高校の統廃合、学級減に四苦八苦しながらその対応に追われてきたし、追われているのが現状で、高校生の県外募集に力を注ぐというベクトルに及ばなかったのが現状ではないでしょうか。  これまで県議会でも、県外からの生徒募集をすべきだという議論がいろいろ行われ、平成28年4月から一部の県立高校で生徒募集が始まりました。何をアピールに募集され、募集結果はどうであったのか、見直す課題があったのか、教育長にお伺いしたいと思います。  最後に、運動部活動ガイドラインについてお伺いいたします。  3月にスポーツ庁から、運動部活動在り方に関する総合的なガイドラインが発表されました。県教委では、スポーツ庁より一足早く、平成26年3月に子どものスポーツ活動ガイドラインが作成され、行き過ぎた部活動を防ぎ、多忙な教員の時間管理につながるとして、小・中・高等学校の部活顧問、外部指導者等に配布され、周知が図られていますが、スポーツ庁のガイドラインを受け、県として既に作成されているガイドラインの見直しを検討されているのか、教育長にお尋ねをいたします。  今、中央のアマチュアスポーツ界では、暴力問題、パワハラ問題が次々と浮上し、社会的問題に発展をしております。県としても、ガイドラインを作成しただけでは意味がなく、スポーツ少年団等社会体育関係者の指導者にも小・中・高等学校別の1日の練習時間、1週間の休養日等、しっかり理解をしていただく必要があると思いますが、どういう方法で周知徹底を図られるのかお伺いいたします。  また、スポーツ庁のガイドラインでは、活動方針や活動計画などを学校のホームページの掲載などにより公表することまで求められていますが、県内の取り組みについてはどこまでされるのか、教育長にお伺いをいたします。  以上で壇上での質問を終わります。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤県議の代表質問にお答え申し上げます。  まず、国民体育大会、2巡目国体につきましてお尋ねがございました。これについては、議員のほうから鳥取県らしい国体をぜひやるべきではないか、それについて広く民意を束ねるべきではないだろうか、また、事前の検討として宿泊とか輸送とか非常に困難な問題もあるのではないか、その辺の検討はどうか、さらに島根県側の事情もあるだろうけれども共同開催について考えるべきではないか、こうした諸点につきましてお尋ねがございました。  議員のほうからお話がありましたように、非常に大きな課題でありまして、国民体育大会、これとあわせて今障害者スポーツ大会も行われますが、これは持ち回りでやっている各都道府県の行事の中でも最大のイベントと言っていいと思います。それは、市町村もそうですし競技団体もそうですし、また多くのボランティアの方々がかかわられたり、さらに国体目指して一定の高速道路等のインフラストラクチャーの整備なども行われるようなことも通例的にございますし、さまざまな面におきまして、オリンピックではないですが、オリンピックの国内版のような形であろうかと思います。  振り返ってみますと、昭和60年にわかとり国体がございました。あのときも人口が一番小さな鳥取県がこういう国体という大きな行事ができるかという、そういう一定の不安の中で実行したわけでありますが、議員もおっしゃったように、例えば役場の皆さんも総動員されて、それこそ昼夜を問わず努力をされ、また準備をされ、あるいは競技団体のほうでも競技力の強化を図ろうと、多くの優秀な選手があのころ結構鳥取のほうにもやってこられまして、それが今日の競技力向上の柱になっておられたりしています。結果どうだったかというと、昭和60年、鳥取県は天皇杯、皇后杯をとりまして、この小さな県が優勝できたということにもなりました。パレードも行われ、みんなでそれをお祝いし、小さな県だが国体が実現できたということをいわば誇りのようにした、そういう思い出があります。  同じことがまた繰り返されるわけであります。全国の皆様をお迎えし、なるほど山陰、鳥取県に来て自分たちは非常にいい経験をしてきた。またここには人々の温かいきずながあり、スポーツに対する理解もある。もちろんおいしい食べ物などもあり、少し観光ということでも楽しんでみたいと、そんないろんなことがまたもう一度起きようとするわけであります。  国体をどうするかというのは、そういう意味で一番大きなイベントとして相当周到な準備をしなければならないものでありまして、それを決めるに当たりましても、もちろん多くの方々の御意見を総合していかなければならないわけであります。  これにつきましては、実はこの議場におきましても何度となく国民体育大会の時期を決定すべきではないだろうか、招致すべきではないだろうかという御意見が質問としても提起をされました。我々の今のこの4年間の任期の前から実は提起をされていまして、議員もおっしゃっていましたけれども、まだ14年もあるというようなこともあるわけでありますが、ただ、10年前には少なくとも決めておかなければいけないとか、そんなような議論も当時からあったものでございます。  それで、このたび我々が平成27年から任期をスタートするに当たりまして、その当初からお互いこの議場の中でも御議論申し上げていました。私たちが共有するこの4年の任期の中で、この問題については方向性を出しておこうと、それが今後の準備のためには必要ではないだろうかということをここでも議論をしてまいったところでございます。  そういう中、議員のほうから共同開催の御提案のお話がございました。これもかねてこちらでも御報告を折に触れていたしておりますが、私自身もそうですし、隣の溝口知事もそうでありますが、かなり大きなイベントでありまして、議員がおっしゃるようにいずれ人口が減少していく。これは競技人口のことのみならず、それを支えるボランティアや実際手伝いに出てきてくださる高校生の数なども含めて減ってくるわけでありますし、また、実は隣の島根県もそうでありますが、残念ながら私ども鳥取県は、財政的には決して豊潤な税収があるわけではなく、そういう中で立派な大会を、この我が国全体に対する責任として果たさなければならない、その大変な大きないわば重圧があるわけでございます。ですから、隣の島根県さんとも、いずれ我々のほうに番が回って来るわけであります、これは持ち回りでありますので。そうしたら、その中で両県の共同開催という可能性もあるのではないだろうか、そういうことも含めて胸襟を開いた協議をさせていただきました。  そういう中で、正直な話を申し上げれば、やはり共同開催は難しいのではないかと、こういうことがかねて我々のほうにも伝えられてきております。そうであれば、共同でなくとも協力できる分野は協力をする。そうやって負担をお互いに分かち合うようなことにして、人口が少ないところ同士でありますので、それぞれでスタッフ的にも補い合ったり、あるいは競技会場につきましても全部新築して一そろいつくるというような時代でもなかろうと。両方でそれぞれ要件を満たすような、そういう競技施設を用意しながら協力して開催をするという考え方もあるのではないだろうか、こういうことでお話し合いも隣県とさせてきていただいたところです。そうした状況は、これまでも議場でも御報告を申し上げてまいりました。  そういう中、島根県さんのほうで2029年の国体招致について具体的な検討が始まるわけでございまして、私どもも競技団体や市町村にそれぞれアンケート調査をしたり、市町村のほうに当方の職員も出向かせていただきまして個別に御意見も伺ったりいたしました。この夏、精力的にそうした作業を進めさせていただく中で、2033年、一番最後の年になりますけれども、一番最後の年に私ども鳥取県で島根県との協力で開催をする方向性につきまして、競技団体や市町村からも御理解といいますか、それでいこうというお話がございました。  そういう中でもいろんな御意見が出ましたけれども、できるだけ早く決めてほしいというような競技団体の声も寄せられましたし、いざやるとなれば、そのときにはやはり市町村を含めた財政負担の問題だとか、それからさまざまな人材の協力の可能性とか、そういうことを考えなければいけないのではないかと、そんなこともいろいろと調整しながらこれから準備する必要がありますねという、そういう率直な御意見も多々出たところでございます。  そういうような状況の中で、今月に入りまして18日に、県の体育協会、それから障がい者スポーツ協会で、2033年、国体、それから障害者スポーツ大会の招致について意思決定がなされたわけでございまして、この議場のほうでもその経過を御報告申し上げたり、私自身の考え方も問われたところでありました。あの折に申し上げたことでございますけれども、こういう競技団体などの御意向、特に主管となります体育協会や、それから障がい者スポーツ協会のほうの御方針が決まったということであれば、できるだけそれに沿った形で我々も県として意思決定すべきではないだろうか。ただ、県民の代表である鳥取県議会の議決、そうした意見というものを踏まえてそうした方向について決めていきたいと、こういうことを申し上げたところであります。これからまた意見の集約等もいろいろとあろうかと思うわけでございますが、できるだけ早くタイミングを決めることが、こうした準備にかかるその条件づけにもなるのではないかなと思っております。  と申しますのも、議員が指摘された宿泊対応、輸送対応あるいは競技会場のことといった、さまざまな今後の検討要因があります。では、これらを島根県側と今後どういうふうに協力開催という言葉の中身を考えていくかということを相談しなければ、外枠がなかなか全部固まってきません。したがいまして、ある程度の早いタイミングで島根県側とのそうしたやりとりを具体化させる必要があると考えておりまして、御理解をいただければありがたいかなと思います。  その上で、では、果たして実行可能なのかということであります。議員がおっしゃるように、2033年であれば15年も先のことになりますけれども、ただ、大体過去の状況がございます。実は昭和60年の国体のころと、今、先になりますけれども2033年ごろとを見渡してみる。また、現在の国体のやり方に照らしてみますと、いろいろと違ってきている点があります。宿泊については、当時わかとり国体のとき3万3,000人の宿泊が必要でございまして、当時4万5,000人ぐらいの宿ということもありましたが、ただ、民泊もかなり対応して、そこにお泊まりいただくということになりました。当時は交通事情も悪くて、県内であってもなかなか遠く離れた会場のほうに移動するには時間もかかるところでございました。現在では高速道路がかなり開通してきましたし、2033年を見通しますと鳥取西道路も開通し、今後の展開によりますが、北条道路のところも展開できている可能性も十分あろうかと思います。また、南北を貫く北条湯原道路についてもそうであります。多分、東のほうに向けては山陰近畿道も、これも鳥取の南北道路はどうなっているか、ちょっと微妙なタイミングかもしれませんが、ただ、岩美道路は多分全通していると思われます。いろんな意味で交通事情が変わってきている中ということになりまして、全県的に融通できたり、あるいは県外との協力によって宿泊の受け皿をつくることも可能になり得るでしょう。  正直申し上げて、当時よりも実は開催時期を集中せずに分散化したり、国体の歴史の中で、この2巡目に入っていろんな工夫をされてきています。当時は3.3万人必要と言われていましたが、今は1.5万人の宿泊というように言われています。ですから、そうすると今の私どものキャパシティーの中でも可能でもあろうかとも思いますし、そのころ、もしかして宿泊のキャパシティーが減っているかもしれません。そんなときでも、両県協力開催というようなテーマであるとか、また但馬や岡山等も加えていけば十分に可能なレンジには入り得るだろうと、こんなような目算は立てながら議論をしておりました。  また、交通の手段についてでありますが、直近のことでわかっているところでは、愛媛国体の場合はバスが240台というようにカウントされていました。私ども県内キャパが200台でありまして、やはり足りないところがございます。そういうところは、やはり県外からの応援を仰ぐというような必要が出てくるかもしれないわけであります。ただ、40台ぐらいのカバーということであれば、私ども、今、豪華客船が来て一遍にバスが必要になるとき近隣からも応援に来ますけれども、そうしたようなことなどが今後できれば、この辺の輸送手段の確保も可能なレンジにはあるだろうというふうに思います。競技会場等につきましては、先ほど申しましたように、もともと島根県さんも問題意識が深いところでございまして、協力開催の中でそうした競技会場の問題を両県でトータルでクリアしていこうと、こういうような話し合いをしているところでございます。  以上のような次第でございまして、できるだけ多くの方々の御意見をこれまで総合してきたところでございますし、また今後、議員がおっしゃるような鳥取県らしい国体、しかも、もし2033年ということになれば2巡目の大トリということになります。そういう意味で、一つのモーメンタムな記念すべきそういう大会を鳥取という地で具体的に実行できる、そういう可能性もあると思います。議員がおっしゃるように、皆さんに満足していただけるような鳥取らしさのある大会を目指さなければいけませんので、多くの方々としっかりとした意思統一を図ってまいりたいと思います。  次に、介護士のことにつきましてお尋ねがございました。介護士の離職率は16.2%で、全産業の14.9%に対して高いという現状についてどう考えるかと、こういうことであります。  これにつきましては国の統計がありまして、今おっしゃったような数字になるわけでありますが、国の統計では、その直近のところよりも介護の離職率が最近若干減ってきています。それから、実は処遇改善をかなり入れてきているというようなことも影響しているのかなというふうにも思います。本県は確かになかなかぴったりしたデータがないところではあるのですけれども、医療福祉系のところでいいますと、これは離職率が5年前、平成25年に32%ぐらいでありましたのが、直近ベースですと14%ぐらいまで急速に縮小してきています。ただ他方で、例えば情報通信産業などは平成25年に3%程度であったものが、今は28%ぐらいまで離職率が上がってきているわけであります。いろんな産業によって、働くジャンルによりまして、やはりいろんな特徴があるのかなと思います。  本県は少子高齢化が進んでいますので、介護というのは非常に重要な戦略的な職業分野であります。離職率が若干減少傾向にあるかなというふうに見込まれますが、それでもやはり高いところにある。つまり、それだけ人材確保に苦労せざるを得ないということになりますし、働いている人たちの幸せのことも考えなければいけません。  先ほどの国の離職率の調査に伴いまして、その理由を言われているわけでありますけれども、理由の中で3つほど高いジャンルがありまして、一つは、一生働くような職場だろうかというような考え方、それから職場で人間関係がいま一つというようなこと、3つ目が、やはり出産だとかさまざまな家庭の事情などでやめざるを得ないと、こういうようなこと、そうしたことがありまして、多分これは本県においても同じようなことだと思います。  最初のそうした処遇関連のことでは、国のほうの処遇改善、これをぜひとも各事業所のほうにも適用していただけるように私どもも働きかけてまいったところでございます。また、あわせて、そうした職場環境を整える意味で現場の声をいろいろ伺っているのですが、例えばメンター制度だとかエルダー制度だとか、そうした相談相手や指導者、こうした存在が大きいということで、こういうメンター制度、エルダー制度の導入、この普及を今図ろうとしたり、また、より上の職種に転換していくチャレンジができるように、そうした介護職員の実務研修というのをやって、それで試験を受けに行くと。こういうものの助成制度をつくらせていただいたり、現場の声を聞きながら、年々そうした処遇改善に向けた対策をとらせていただいております。  また、働く環境として、例えば保育の受け皿づくり、これも最近、保育の受け皿を2,000人以上ふやしてまいりましたし、また、そのほかでも、例えばよどえババール園のように、介護の方が同じグループの中でそういう保育のほうに預けることができるように工夫をされたり、そういう職場なりの努力も最近は目立つようになってきたと思います。  また、例えば技量を上げていく意味で、オールジャパンケアコンテストというのを鳥取県でやっております。これは今、米子のほうで毎年開催されておりまして、ことしもこの10月に行うわけでございますけれども、全国から100人ぐらい、さらにいいケアをしようということで集まるわけです。そのうち3~4割は鳥取県内の方なのですが、こういうようなことでお互いに技量を磨き合ったり、また全国を通じて仲間をつくったり、そういうことで介護職場の活性化、いわば居心地のよさややりがいというものをつくっていこう、技量も上げていこう、こんなような取り組みもございます。そうしたことをさまざまアプローチをしながら、議員がおっしゃるような問題意識で介護職場における人材確保に今後も当たってまいりたいと思います。  次に、5歳児健診につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、昨年まで12の市町村で悉皆調査をし、残り7つでピックアップでございましたが、このたび琴浦町も、そうしたピックアップといいますか、悉皆から外れるということになったと伺っております。これについては非常に悩ましいところもございます。  これは先ほど興治議員の御提案の話もありましたけれども、実は本県の場合は、もともとこういう専門の脳神経小児科医の世界というもののパイオニアとして鳥取大学という存在がございまして、そういうようないわば人材の宝庫があって、そうしたところにも協力をしていただきながら、この5歳児健診で、課題を抱えている子、これを抽出してあぶり出していこうと、こういうようなことで始めたわけでありますし、私どももそれを後押しして、そうした5歳児健診というのを他県に先駆けて進めてきたところでございます。現実にもそうして5歳児健診が定着をしてきたのですけれども、どうしても都市部でなかなかこれが進まないところがございました。全国的に見ますとそういう人材確保がよその県よりは進んでいますし、実際養成もされてきているのですけれども、それでも全部の子供たちをやるところに手が回らないという状況が実は顕在化してきたところでございました。  そういう中、最近の状況をちょっと申し上げますと、平成25年に鳥大のお膝元の米子市さんでは、何か新しい工夫ができないかということを考えて検討会をつくられまして、実は精緻なプログラムをつくられました。具体的に言えば1次健診と2次健診をやると。その1次健診の部分でSDQというアンケート調査をして、これで課題のある子供さんというものをまずはスクリーニングをすると。その上で、専門家も入りまして集団健診のような形で、相談会と言っていますけれども、集団健診のような形で2次健診をして、さらに課題がある子供さんについて、お医者さんでの診察に向かってもらうと。こういうことで悉皆調査と同じような効果が上がるようなやり方を導入して、今、現に米子市さんはそういう形になっておられます。  この辺は、私どもも実はその専門の先生方とも相談するのですけれども、これが非常に痛しかゆしなのですが、全員調査することになりますと、どうしても、お子さんお一人当たり大体30分ぐらいかかるのです。それで全部のお子さんの健診をする時間があるのであれば、本当に課題を抱えている子供さんの治療なり指導なり、そちらのほうに時間を割いたほうがいいのではないだろうかというような御意見も強くございます。多分これは、人口の小さな町村でできないこともなくて今までやれてきたところもあるのです。そろそろ時間も経過してまいりましたので、結論から申し上げますと、何かきょうのお話を聞いて、やはり検討会議のようなことを、米子市ではないですけれども、全県的に見渡してみて、どういうやり方がいいのかというのをここらでもう一度専門家を交えて研究してみたほうがいいのかなと。そういう中で、悉皆調査が一番いいのでしょうし、できる地域はそういうふうにされればいいと思いますが、そうでないところには、お子さんにもやはり悉皆的な目が届く形にするのがいいと思いますので、そうした改善を図ってみてはどうかなというふうに考えております。  次に、消費者教育につきましてお尋ねがございました。成年年齢の引き下げに伴って契約トラブルがふえてくるのではないだろうか、それに対する対策としてはどうかと、こういうことでございます。  これについては民法の4条が改正をされまして、従来であれば成年年齢は20歳ということであります。そういうことが改正によって、本来、法定代理人である親権者などの同意がなければ、5条に基づいて取り消し権を行使して、保護できたところであります。これが適用できなくなるということになるわけです。これについて、低年齢化したとき、果たして社会人として経験や知識が十分あるかというと、今の18歳、19歳と変わりませんから、そこのところは何らかの保護は必要ではないかと、こういうようなことになるわけであります。  実はことし消費者契約法が改正をされまして、例えば就職活動などに乗じて、それで不当な影響力を行使するとか、あるいはデート商法のような形だとか、十分な判断力がないところにつけ込んだ不当な勧誘に対する制限が課される、そういう法律ができたわけでありますが、その国会での審議で附帯決議の中で、この成年年齢の引き下げに伴って何らかの取り消し権のようなものを考えるべきではないだろうか、こういうことが決議されております。こういうようなことは一つの方策になるかなと思いますし、国としてもぜひそういうことも検討していただければというふうに思います。  また、私どもでできることでも、教育の世界であれば、特別支援学校だとか、あるいは子供たち、小中や幼稚園なども含めて、そういう出前講座のような形で消費者教育をする。それから、テキストもこのたび消費者庁のほうで作成したものがございまして、そういうものを使って教育をやる。また、大学や鳥短のようなところ、こうしたところのほうでも、そうした経済、金融関係、そうした講座というものを、私どもの消費生活センターなど、そうしたところも出かけていって行ったり、金融広報委員会というのもございますので、そうしたところも協力をしたり、いろんなやり方を今始めたところでございます。先般「おかねのつかいかた あいうえお」という、そういう一つの教材をつくりまして、これは消費生活センターのほうでつくったのですけれども、これが全国のほうから表彰をされたこともございました。いろいろと子供のうちからこうした教材などに触れていく、そういう機会を、きょうの御質問がございましたので一層確保していきたいというふうに思います。
     次に、アイスランドのFIFAワールドカップ初出場に鑑みまして、県内の子供たちをもっと伸ばすようにしようではないかと、こういうお話でございます。  本県でも、最近もスポーツのいいニュースもございまして、川中香緒里選手がアジア大会でまたしても団体で銅メダルをとられました。また、このたび夏季大会のほうの国体で、三上選手と安田選手がそろって優勝に加わるということになりました。こういうようなことで、県内でもスポーツ人材が育ってきました。また、FIFAワールドカップでも昌子源選手が大活躍をされまして、一気に全国の注目を集める、米子北高の出身者の活躍もございました。  議員がおっしゃるような観点で、最近私どもも教育委員会から移管を受けながらスポーツのてこ入れをしたところでございまして、特にジュニアアスリート、こういうことの育成をしています。1つ例を挙げれば、宮本杏夏さん、自転車で倉吉西高の生徒さんでいらっしゃいますけれども、このジュニアアスリート発掘の卒業生といいますか、子供でございまして、今では全国大会で入賞する、そういう実力になる子も出てきましたし、こういう子が今次々と生まれてきています。  これは、実はアイスランドと似ているわけです。従来は学校ごとに、要はそれぞれでクラブ活動などで強くなってねという世界でありましたけれども、全県から集めまして、それで、この子は伸びる資質があるなと、それから本人の興味なども聞きながら、専門のコーチなどもついて科学的アプローチも含めた強化事業をやってきたわけです。そういう中で、いろいろとそういう選手が生まれてきているわけであります。ボートのほうでも、林原萌香さんが3年でもう既に日本の代表の座に上り詰めるなど、やはりこうした事業の効果というのはあったのではないかなというふうに思います。東京オリンピック・パラリンピックを目指して始めたものでありますけれども、やはり東京オリ・パラが終わった後でも、こうした人材発掘、さっきの国体のこともございますので、今後も継続をしていくのかなというふうに考えております。  次に、和牛につきまして何点かお尋ねがございました。まず、今日の鳥取和牛を取り巻く環境はどうだろうか、また、どういう目標で鹿児島全共に向かっていくのか、さらに、隆福也の活用であるとか白鵬85の3や百合白清2、こうした牛の活用などいかがかと、こういうお尋ねでございます。  この鳥取の和牛は、本当に全国からも驚かれるぐらい急成長してまいりました。しかし、伊藤議員も御指摘されましたように、本当に多くの関係者が日夜努力をし、この議場でも御議論いただいた上でそこにそれ相当の予算もつぎ込んで、県外牛の導入であるとか、それから品種改良、こういうものを進めてきたわけです。特に白鵬85の3と百合白清2が全国的にも有名な牛として認知をされたことから、ついせんだっての和子牛の競りは、本県は103万円が平均でございましたけれども、これは全国の和子牛の競り場で全国一高い値段になりました。最近は兵庫県とトップを争い続けていたのですが、今回トップになっています。  それはなぜかというと、実はこれは、そのうちの2対1の割合で白鵬85の3の子供が入ってきているのです。これが、白鵬85の3に限りますと、その系統は160万円の平均でございます。驚異的な高さになります。今後この白鵬85の3の系統がふえてくると思われますので、そうすると、和子牛の値段が本県の中でももっと高くなってくることになります。そういう意味で、今いい形になってきたわけでありますし、それから上物率といわれる4等級以上の率も、実は7割程度だったのですが、それが8割を目指そうといって、それが今では86.1%にまで上がってきていまして、外れがなくなってきているわけであります。こういうのも和牛農家にとっては非常にうれしい状況が生まれてきていると思います。  これをさらに推し進めていくために、例えばゲノム解析であるとかさまざまなことをやり、議員がおっしゃるような鹿児島全共にも臨んでいかなければなりません。その一つの鍵となるのは、やはり優秀な雄牛の存在でございますが、議員のほうで御指摘いただいた隆福也、これがこのたび後代検定が終わりまして、BMS9.7という優秀な成績になりまして、BMSでは白鵬85の3を上回っております。また現在、後代検定がなされ、年末ぐらいまでにはまとまってくると思いますが、元花江という牛も今その対象になってきておりまして、これも白鵬85の3や隆福也に匹敵する能力があるのではないだろうか、関係者が期待をしているところでございます。  それのいいのは、実はこの元花江とか隆福也は、白鵬85の3のような気高系とは系統がちょっと違うのです。したがいまして、ここの間で交配ができると。遺伝子の問題を生じさせにくいということです。そうすると、この強い系統同士を、例えば隆福也に白鵬85の3の娘の牛というものをくっつけると。そうすると、そこの交配によりましてまた優秀な牛が生まれる可能性が高い。こういうような作戦でいけるのではないだろうか。百合白清2も同じような形でこうしたものに絡んでくるということになると思いますし、元花江もそうだろうと思います。  この辺を考えながら、さらにゲノム解析を生かしていくと。このゲノム、遺伝子によりまして大体5割から7割、BMSとか、それから肉量とか、それからロース芯の面積などの相関関係が出ると言われています。こういうものでゲノム育種価というこのかけ合わせを計算して、こうなるといい牛が出るというものをいろいろと計算をして出すという戦略です。そこにさらに最新技術を入れてみてはどうかと、今導入を目指しておりますけれども、AIを入れて、こういうエコー調査と、それから実際の肉の状況との相関関係を、AIも導入しながら外れがないような形で判定をしていくと。そういうふうにすれば、出品牛の質をなお一層確保できるのではないだろうかということを目指しています。  そしてさらに、若手だとか女性だとか、そうした組織化のほうも進めていけるのではないだろうかということでございます。最近、和牛の女子会というのができまして、琴浦町の盛山さんとか、それから隣の栗原さんとか、そうした女性グループでこういう和牛を盛り上げようという動きが活発になってきたり、さらに宮崎さん、前回の団長さんですけれども、若手が木嶋さんなどの指導も受けながら、鳥取和牛塾というのを開講して、全県でいい子牛をつくっていこうという、そういう組織を立ち上げたり、今そんなことも生まれるようになってきました。  和牛の状況も大分変わってきて、関係者の元気も出てきております。こうしたものをもとにして、鹿児島全共、ぜひ肉質ナンバーワンという称号を引き続き確保するように、我々も目標としていきたいと思います。また、従来やってきた努力を積み重ねて、宮城全共よりもワンランクアップした、そういう結果に結びつけたい、そういうことで進めております。今後、具体的に鹿児島全共の出品区が決まってまいります。そういうことの中で今関係者でも話し合いをしているところでございまして、さらに精緻な目標というのも今後つくっていくことになろうかと思います。  次に、鶏ふんを炭化したものを牛舎の敷料として活用してはどうかと、こういうお話でございます。  結論から申し上げて、これは御炯眼と思います。実は私どもの職員も、その香川のほうにお伺いをして実情を見てまいりました。確かに、においがない、それからハエが飛んでいないなど、改善効果があるようであります。これはそのメカニズムなどをもうちょっと解明しなくてはいけませんので、私どもの試験場のほうでもちょっと研究もさせていただき、安全性の点検だとか、応用できる分野の研究などもしてみたいと思います。  おっしゃったように、米久おいしい鶏がございまして、そこが今、鶏舎をふやしてきておりまして、生産能力が高まっています。実はその鶏ふんは、委託して有償で処理しているのです。こういうものをむしろそうした敷料の中にまぜていくことになれば、今、おが粉などもだんだん貴重になってきました。と申しますのも、今バイオマス発電のほうに結構そういうくず材が回るようになりまして、こういうものが十分確保できない、当然ながらお金もかかります。そういうものがお互いの融通の中で循環をすればコスト削減にもなりますし、実際にとうはく畜産さんなどが使ってみられたと伺っていますけれども、どうやら何かやはり活性炭ぐらいの効果があるのではないかということもおっしゃっていまして、これはいろいろと興味深い状況が生まれているのではないかなというふうに思います。  議員も触れられましたけれども、例えば今後、私ども園芸試験場のほうでも、今の炭化した鶏ふん、これをまぜ合わせた形になっている牛ふん、これを肥料として使えないだろうか、そういうのをコマツナとかそうした栽培で試してみてはどうだろうか、今こんなことも研究をしたいというふうに考えております。ぜひ関係者ともよく御相談を申し上げながら推進させていただきたいと思います。  次に、種子法廃止に伴う県の役割につきましてお尋ねがございました。  これは種子法の廃止のときにこの議場でも大分議論しましたけれども、お約束申し上げましたとおり、県としては、その責務を従前どおり果たさせていただくことにさせていただきました。これは種子のあり方検討会というのをつくりまして、関係者といろいろと打ち合わせをした上で今年度動いております。そこで、例えば原種の開発とか、それから原種や原原種の栽培、それから圃場に行っての検査等々、こうした一連の手続、県がやっておりましたことは、要綱、要領によりまして、今、文字どおり従前のまま実施をさせていただいております。種子生産組合さんのほうからも、これについては評価していただく言葉をいただいておりまして、鳥取県のほうでは何ら問題なくやってもらってありがたいというようなお話もいただいております。  今後もこうした形で進めていけるのではないかと思っておりますけれども、おっしゃったようなさらなる条例化等の措置が必要かどうか、それにはJAグループだとか、あるいは種子生産組合ですとか、そうしたところなどとも今後もよく協議をさせていただきたいと思います。  次に、収入保険制度についてお尋ねがございました。  この加入状況はどうかということでありますが、現在まで157件の御加入があったというふうに伺っております。そして前向きに考えておられる方々が、ざっと1,400件ぐらいあるのではないだろうかということでありまして、まだふえてくるだろうというふうに思われますが、ただ、必ずしも一遍にみんな入るという形ではなさそうです。正直、当然お金がかかりますので、それは様子見をしながらという形のようでございます。  実は、それぞれの作物によって濃淡があるのです。例えばスイカとかそういうことであれば、従来こうした形の制度の適用がございませんので、今回の収入保険制度というのは一つ新領域でありますから魅力があるということになり得るわけでありますが、お米、稲作であれば、例えばナラシ対策といったようなことや農作物共済のようなことがございます。そうしたところでは、例えば自然災害などがございまして台風などがあっても、2割以下程度の被害であれば、従来の対策のほうがこの新しい収入保険制度よりも有利のようでございます。同じようなことがほかの作物でも言えることでございまして、梨であれば、気象災害などで被害さえ受けなければ従来の果樹共済のほうが有利でありますし、そのほかの白ネギとかそういう野菜でも野菜価格安定制度がありますので、価格の変動だけのことであればそちらの価格安定制度のほうが有利ということになります。ですから、これはそれぞれ利害得失がございますので、それぞれでシミュレーションをしてもらって考えていただくということだと思いますが、現在、農業共済さんなどで今丁寧に個々の実情を伺いながらシミュレーション等を行い、相談をしているところでございます。  次に、水産関係につきましてお尋ねがございました。アワビ、サザエの種苗放流について、ビジネスプラン推進事業がございますが、この事業の現実につきまして、どういうふうに考えているかというものでございます。  これにつきましては、もちろんBバイCが1倍以上ということになりますけれども、漁獲を1.3倍へふやしていくと、そういうようなことを目標にしながら、県のほうで助成をつけて種苗購入を支援しているというようなモデル事業でございます。アワビやサザエがございますが、アワビのほうでは大体1.5倍ぐらいになっていまして、これはビジネスモデルとして成立するような領域になってきていますし、持続可能な形で回転しています。サザエも1.3倍強ぐらいいっています。  したがいまして、全県的にはこのビジネスプラン推進事業で動いているところでありますが、一部の漁協さんでそこの水準に達していない漁協さんもございます。状況をお伺いしますと、どうも保護区をつくって、その保護区のほうでも種苗放流をされたりする、そういうようなことがあって、そこは保護区ですのでとれないので、その分は将来はとれるようになりますけれども、今々収入にならないということであるとか、いろいろと要因はどうもあるようでございます。  今後もそうした現状についてよくお伺いをしながら、今後の対策の継続や改善等も考えていきたいと思います。例えば赤潮の被害があったときには、私どもでも機動的に赤潮対策でそういう種苗が死んでしまったときの助成事業というのをつくらせていただいたりしておりまして、この養殖漁業の発展が継続できるように今後も推進してまいりたいと思います。  次に、大規模洋上風力発電の計画についてお尋ねがございました。これにつきましては、生活環境部長のほうからお答えを申し上げたいと思います。  いずれこれについて、古い規則でありますけれども国有財産使用及産物採取規則というのがございまして、そういうものに基づいて例えば調査をするとか実際に始めるというときには、県のほうの許可をとるということになります。そうしたタイミングもあったり、あるいはアセス事業などもございまして、私どもとしては漁業への影響などを十分に考慮しながら、今後こうした計画に対して向き合ってまいりたいというふうに考えております。  次に、教育委員会の制度につきましてお尋ねがございました。教育委員会の独立機関としてのあり方はいかがか、それから文化財業務の移管、これについて文化財業務の原点が希薄になってしまいはしないかと、こういうお尋ねでございます。  教育委員会につきましては、これは戦後、我が国の教育の民主化、特に戦前、いわば国家の一部のような形で教育というものがあり過ぎたのではないだろうか、そうした反省から、政治的中立性であるとか、それから教育行政の独立ということで独立行政委員会がつくられ、特に戦争直後のころ、当初は公選制で、選挙で教育委員というのを選んでいました。その後、教育委員は任命制になるわけでございますが、本県でも長く文科省の同意人事というような形になりまして国の関与が強い形だったものが、それが外されたわけでございますけれども、今日までそうした形で教育委員会制度というのが続いてきております。これは我が国の民主主義のつくり方からいって、一定の存在意義というのはあるわけでありまして、これ自体を否定しようというような世論まではないだろうと思っています。  ただ、この教育委員会制度がいろいろと言われるようになりましたきっかけは、平成23年に大津市で自死事件があったわけですね。こういういじめというようなことについての調査を教育委員会がしっかりしなかったということが指弾をされまして、どうも内向きで現場を守ったり、あるいは自分たちを守ったりするのではないだろうか、やはり外の目がもっと入らなくてはいけないのではないかと、こういうような議論が噴出をしたわけであります。  そういう中、平成24年に大阪府のほうで、教育委員会制度は問題であるということから、教育行政基本条例というのをこしらえようということになったところでありますが、これが教育委員会と、それから首長部局の対立を呼んだのです。これがまたおもしろおかしく社会的トピックスとして取り上げられたことになりました。  鳥取県はこういうような状況でどうするかということでありますが、いじめ対策などであれば、例えばこちらの首長部局も入って調査に行く、そんな仕組みをつくろうとか、我々独自で教育委員会と新しいプラットフォームづくりを始めたわけであります。そういう中、教育振興協約というのをつくろうと、それを我々首長と、それから教育委員会と一緒に話し合って共通で目標を立てようと。そこに、それを通じていわば民意を注入したり、教育委員会だけで物事が全部決まるものではなくて、外の考え方、例えばいろんな御意見があります。最近でいえば、ふるさと教育をやるべきだとか、そうしたものを注入していくよすがにしようと。それを始めたわけであります。  さらに平成25年には、私どものほうでは、教育振興協約を決めるための教育協働会議というのを有識者も入りましてこしらえようと。当然有識者も教育委員会に御意見を言っていただいたり、私どももその調整に入ったり、そういうような会議をつくらせていただきました。これは実は大阪府に対するアンチテーゼでありまして、対立するばかりで結局肝心な教育行政がとまってしまっては意味がないわけです。私どもの場合は、それまでも協調しながらざっくばらんに意見交換をし、教育行政を進めてきました。そこに民意が一定程度反映されることの担保であれば、いわばそういう任意の形で進めるやり方もあるのではないだろうか。それで教育協働会議をつくったり教育振興協約というものを定立することを選んだわけであります。  このやり方をして、例えば土曜日授業、これを導入する御意見が出て、そういうものを実際現場のほうでも取り入れたりでありますとか、それからいじめ対策や不登校対策、こうしたものでも従来ない発想、例えば民間のフリースクールのようなものと連動してやろうではないかとか、教育委員会だけで議論していたことから、また外の空気、しゃばの空気というのも大分入り始めたことになりました。そしてこれが法律改正になりまして、国のほうのつくった新しい仕組みが実は私どもの仕組みをそっくりそのまま活用したような、そういう仕組みになったわけであります。こんなようなわけで、一定程度、私どもも効果を上げてきたし、それがまた国のほうも全国に横展開をすることになったのではないかなというふうに思っております。  ただ、この限りにおいて、御案内のように教育委員会の独立性を害するというものにはしておりませんので、その辺の一定の枠組みも維持しながら将来に向けた改革を行ったと、こういう形でございます。  今、議員のおっしゃった文化財行政でありますが、これも地方側のさまざまな意見がありまして、最近では文化行政自体だとか、それからスポーツだとか、首長部局のほうでも執行できるように制度改正がなされてきました。文化財も同じように考えられるのではないだろうか、そういうことがございまして、そういう意見に基づき、地方分権改革の一環で、国のほうはこのたび法律改正をしたわけであります。本県でもこうした仕組みが妥当し得ると考えておりまして、かねて教育委員会とも協議をしてまいりまして、その基本的な御了解といいますか、御理解はいただいているところであり、今、最終的に調整ができれば新年度からそうした形をスタートできればと思います。  ただ、ここで、国のほうの審議会などでも言われていたこと、その辺は当然守っていかなければいけないわけです。例えば政治的中立性の問題なども言われていましたし、それから専門技術人材、そういうものの確保ということなど、幾つかポイントがございます。これらは議員がおっしゃいましたけれども、文化財業務の原点が希薄にならないように、そこはしっかりと守っていきたいと思います。間違っても、山本幸三大臣が学芸員は不要であるみたいなことを言いましたけれども、ああいうことを鳥取県でやろうという趣旨で申し上げているわけではなくて、学芸員のお知恵も十分に入れながら、発掘だとか調査も進み、それがまた地域の中で新しい観光資源になったり、それから子供たちの教育につながったり、こういうようにやっていこうということであります。  実はこのタイミングで実施できれば、青谷上寺地遺跡の遺跡整備がいよいよ来年度から本格化をするわけでございます。そういうときに地域のいろんな声なりなんなりを入れたり、それから片方で今、高速道路の整備をやっていますけれども、ああしたものとのアクセスだとか、そういうことも含めて展開がしやすいことになるのではないかなと思います。  今、青谷上寺地遺跡は、ヤポネシアという日本人の原型、これの一つの貴重なルーツとして注目をされ、学界もクローズアップして研究をしているところです。こういうタイミングで青谷上寺地遺跡を整備するというのは、携わっている学芸員の皆さんも含めて今非常に大きなモーメントを迎えているわけでありまして、それを後ろから後押しする意味でも、知事部局のほうに入れば、観光であるとか、あるいは公園整備であるだとか、さまざまなところと連携がやりやすくなりますので、そうした意味合いがあるのではないかなというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)酒嶋生活環境部長 ◯生活環境部長(酒嶋優君)洋上風力発電計画につきまして補足の答弁を申し上げたいと思います。  現在、民間事業者が、鳥取県東部、西部、この2カ所の沖合で洋上風力発電を計画されております。県でもこの計画の説明について伺ったところでございます。東と西の10キロ以上の沖合に、国内の浮体式、海底についた分ではなくて浮いた分ですね、浮体式としては最大級の規模で風車を設置する計画というふうに伺っております。現在、事業者は来春から風況観測を始めたいといたしまして、漁業関係者に説明をし、東部での風況観測実施の同意をもらうべく動いているというふうに、そういう段階であるというふうに聞いております。  いろいろ漁業とか船の航行等への影響ということがございましたが、漁業関係者に伺ったところ、イカ漁は潮流に任せ操業する漁法であり、洋上の障害物に近づくと漁を打ち切らねばならなくなるといった御意見ですとか、沖合に魚礁効果のある風車が設置されると沿岸に魚が回遊しなくなることを懸念すると、そういった御意見も伺っております。また、境の海上保安部からは、特に境港の沖合の海上では、自動船舶識別装置の大型船だけでも大体月30隻を超える航行があると。小型船を含めると多くの船舶が航行しており、航行の際の負担感が高まるといったような御意見も伺っております。  いずれにいたしましても、こういった関係者の理解を得ながら進めるのが基本でございます。漁業の操業、あるいは船舶航行への懸念、あるいは景観や生態系の変化などへの影響も考えられますことから、こうした懸念を払拭することなくスケジュールありきで事業計画を進めることがないように、事業者に引き続き申し上げていきたいというふうに考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)中林病院事業管理者 ◯病院事業管理者(中林宏敬君)伊藤議員から、県立病院の看護師の離職の現状に対する感想と、離職防止対策についてお尋ねをいただきました。  議員御指摘のとおり、高い医療技術を持った看護師、これは看護師に限らず全ての医療従事者に当てはまることだと思いますが、そのような職員を失うことは病院にとって大きな損失であり、働きやすい職場環境を整備することにより、できる限り離職を防止していきたいと考えております。  議員にも御指摘いただきましたとおり、県立病院の看護師の離職率は6.3%と、全国の病院の平均である10.9%、県内平均の7.5%と比較しても悪くない状況にございますが、さらに離職理由の内訳を見ると、平成28年度に県立病院を退職した常勤看護師49名のうち最も多かったのは、県内、県外を含めた他施設への就職で、13名でございました。そこで、さらに、なぜ他施設へ就職したのか聞いてみると、急性期病院の業務になじめなかったが6名、市町村の保健師を目指す、リハビリ中心の病院の勤務を希望がそれぞれ1名ずつなど、本人の適性やキャリア等の理由によるものがありましたし、不妊治療に専念したい、県外に出てみたかった、家族の県外への転勤に対応するためがそれぞれ1名ずつなど、御家庭の事情によるものもございました。  県立病院は、中央病院、厚生病院のいずれもそれぞれ高度急性期医療を提供する地域の拠点病院として果たすべき役割があるため、個々の看護師のキャリアプランやライフプランの全てに応じるのは困難な面もありますが、毎年一定程度の離職者があることは残念であり、一人でも多くの看護師、職員が離職しなくても済むよう、働きやすい職場づくりに努めているところです。  例えば、これまでにも院内保育所の設置や夜勤免除など、子育てしやすい職場環境づくりに取り組んでまいりましたし、人材育成の仕組みとして、看護師一人一人が自分の目標を明確にし、やりがいと達成感を味わいながら職業人として段階的に成長するための仕組み、これをクリニカルラダーと呼んでおりますが、そのような仕組みを導入しております。さらに、がんや救急医療など特定分野において、より専門的で自立的な看護ができるよう専門看護師や認定看護師の育成に積極的に取り組むとともに、職員支援室やメンタルサポートなど、職員の相談にも気軽に応じられる仕組みを整備してきております。  ただ、退職者を経験年数別に見ますと、5年未満と20年以上を合わせると75%を超えているのに対し、5年以上20年未満は25%を下回っており、子育て世代に対する施策が充実する一方で、夜勤免除等のない看護師の負担感が大きくなっている面があるかもしれません。今まで以上に職員一人一人の声によく耳を傾け、必要な施策を講じていきたいと考えております。  12月には中央病院の新病院がいよいよオープンし、県立病院の新しい時代が始まります。両病院においては、コミュニケーションが十分にとれる風通しのいい職場づくり、職員一人一人が気持ちよく働ける職場づくり、地域の拠点病院としての誇りと責任感、高い技術を持った職員の養成等を通じて、県民の生命、身体を守る最後のとりでとしての役割を果たしていきたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)伊藤議員の代表質問にお答えを申し上げます。  私には、大きく5点ほど御質問がございましたが、初めに、消費者教育についてお尋ねがございました。  これは消費者庁が21年9月に設置され、平成24年に消費者教育の推進に関する法律というものが定められたこと等に伴いまして、学校教育でも児童生徒に対して、消費者として有している権利や義務、そうしたことでありますとか、よりよい消費生活を送るための教育が進められてきておるわけでございます。学校現場でも当然そうしたことに基づいて、例えば高校では公民科でありますとか家庭科、そうした授業の中で知識等を中心として授業を行ってきておるところでございますし、県の教育委員会としても、こうした通常の授業に加えて、例えば県の消費生活センターでありますとか県の司法書士会、あるいは県の労働者の福祉協議会、そうしたところの関係機関などとも連携をして、例えば契約について、保証人について、あるいはクーリングオフ制度に関する知識やクレジットカードについて、これは基本的知識やその危険性などについても講義を受けたり、あるいはマルチ商法でありますとかワンクリック詐欺、架空請求メール等、そうしたことでありますとか、被害に遭った場合の相談方法、そうしたことについても具体的にお話を行っていただくなど、専門家の方々の御協力を得ながら、より実生活に即した形での学ぶ機会というものを提供しておるところでございます。  お話しのように、このたび民法が改正されまして、平成34年4月から成人年齢が18歳に引き下げになるということになっておりまして、高校生、まさに近い将来、こうした成人として消費生活を行っていくということになるわけでございまして、これまで以上に一層効果的な消費者教育というものをやっていかなければならないと、こういうふうに認識をいたしております。  来年度からは新しい学習指導要領、これが高等学校については移行期間に移るわけでございまして、そうした中で、家庭科等の授業においてこうした消費者教育が強化されるようになっております。こうしたことについて、例えば先ほども知事のほうから御答弁がありました、消費者庁がつくっておりますこうした教材などを効果的に使用するとともに、関係機関などと関係をより一層深めるなど、県としてもより実践的な知識、判断力を身につけるような、より工夫した取り組みを検討し、実施に移してまいりたいと考えておるところでございます。  次に、サッカーのワールドカップに関連しまして、運動部活動の指導者確保等々、可能性を秘めた県内の子供たちをもっと伸ばしてやりたいがということで所見を求められたわけでございますが、中高校生、学齢期の子供たちの競技力向上において、通える範囲内に民間スポーツクラブなどが多く存在する都市部とは異なりまして、本県の場合、学校での運動部活動というものの果たす役割が大きいものがあろうかというふうに思っております。部活動で可能性を秘めた県内の子供たちの力を伸ばすためには、よき指導者の確保ということが一つの観点になるわけでございます。これは、これまでも例えば教員採用試験で特別選考試験などを実施したりしてこうした確保にも努めてきているわけでございますが、全ての学校で専門性を有する優秀な指導者を配置するということは、現実的にはおのずと限界があるというのも事実でございます。  そこで、例えばスポーツ課でありますとか県の体育協会などとも意見交換しながら、競技力向上を目指す部活動、そうしたものを重点的に決めていくといったようなことでありますとか、このたび県立高校で創設しました重点校制度、そうしたことなども考慮しつつ教員を適正に配置していく、そうした工夫なども行っておりますし、また、学校サイドの要望を受けて、この専門的な指導のできる外部の方を、外部指導者という形、あるいは部活動の指導員という形で配置をして、そうした方々の協力を得て技術指導の部分をカバーしていただいておるところでございまして、そうした外部の方々のお力添えによりまして、ボクシングなどを初めとして全国で活躍する、そうした選手も出てきているわけでございます。  このように、いろいろ工夫をしておるところでございますが、先ほど秋田県の金足農業高校のお話もございましたが、関係者が一丸となって本気で取り組めば道も開ける部分もあろうかというふうに思います。こうした秋田県の取り組みなども一つの参考としながら、鳥取県ならではのさまざまな工夫を凝らしつつ、部活動に取り組む生徒が活動しやすい環境を整えて、可能性を秘めた子供たちの力を伸ばせるよう、熱意を持って取り組んでまいりたいというふうに存じ上げるところでございます。  次に、教育委員会のあり方につきまして御質問がございました。  先ほど知事のほうからも御答弁があったわけでございますが、アメリカの制度などを参考にしつつ、この教育委員会制度ができてきたわけでございます。一方で、制度の根幹というものは変わらなくあるわけですが、地方分権でありますとか規制緩和、さまざまな状況の中で、時代の要請に応える形で改正も行われてきておるところでございます。  このうち平成26年度の地方教育行政に関する組織及び運営に関する法律の改正におきましては、まさにこの教育委員会の存続そのものが議論に上がるという形で、実は中央教育審議会の中でも、首長にこの権限を移して教育委員会を廃止するという案と、今の制度を残しつつ教育長の権限を強化する形で引き続き教育委員会制度を残すという案と、2つが共存する形で答申が出されて、その後、国会の中でも議論がなされて今の制度改正が行われるということもあり、そういう意味では、教育委員会として役割をしっかり果たしていかなければ本当に存亡にかかわることになるのではないかなというふうに、私もそういう意味では強く教育委員会制度というものを意識しながら職務に専念をしているところでございます。このたび文化財保護行政が首長部局でも担当できるということに法律改正がなされたわけでございますが、これはもちろん観光活用という部分も大きい部分があろうかというふうに思います。今、少子化といいますか、そういうことの中で文化財を担う人材というものも随分と減ってきている、そうした中で、文化財の保護、活用については担い手を、地域の方々の協力も得ながら行政全体の中でこれを担当していく、そういう必要があるのではないかと、そんな議論も一方ではありまして、そうしたことも勘案しつつ法律改正がなされたというふうに承知をいたしておるところでございます。  いろんな議論もあったわけでございますが、最終的には、首長部局でこの文化財保護行政を担当する場合には、文化財保護審議会というものを必ず附属機関として設置をしなければならないということが法律の中にも明記され、そうした懸念の解消も法律で担保されているというふうに理解をいたしておるところでございます。教育委員会といたしましては、今後も法律あるいは制度のさまざまな改正も行われようかというふうに思いますが、時代の要請に応えつつ、県民の皆さんのいろんなお考えなどもこの教育行政にしっかりと反映しながら、常に教育行政を行う独立機関としての気概というものも一方ではしっかりと持ちながら、その使命を果たしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  次に、県立高校におきます県外からの生徒募集についてお尋ねがございました。何をアピールして募集して、結果はどうであったのか、あるいは見直す課題があったのか、そうしたことについてお尋ねがございました。  これは、お話しのように平成18年度からこの募集を制度化して取り組んできておるところでございますが、このうち例えば岩美高校では、近年、インターハイ、あるいは春高バレーにも出場いたします女子バレー部を、また八頭高校の体育コースでは剣道部あるいはホッケー部、鳥取中央育英高校では水球部など、全国レベルで活躍をする部活動などを中心として募集をいたしておるところでございますし、また、智頭農林高校では、全国的にも設置校数が少ない森林科学科といったようなこと、あるいは地域と連携した教育ということを、実学的な教育などをアピールするということで取り組んできたところでございまして、平成28年度の導入当時は4名ということでありましたが、次の年には10名、また本年度は14名と、徐々に増加傾向にあるということでございますが、まだまだ本格的なものにはなっていないという認識でおります。これは、これまでの魅力化あるいは特色化の情報発信が、これは当然といえば当然なのですけれども、どちらかというとやはり県内の生徒でありますとか保護者に向けたものが中心になっていたのではないかなというふうに思いますが、事県外募集について考えてみますと、もともと県外の生徒だとか保護者の方々にアピールできるような、そうした魅力化というもの、あるいは情報発信というものも、この県外募集に関しては必要なのではないかなというふうに思っておりまして、そのあたりが課題かなと認識をいたしておるところでございます。  お話がありましたが、お隣の島根県では既存の寮などを活用しつつ、地元の市町村としっかりとタッグを組んでこの県外募集、まさに高校の生き残りをかけて取り組んでおられるということでございまして、そんな取り組みなども大いに参考にさせていただきながら、今後さらなる魅力化、これはある意味思い切った部分も必要になるのではないかなというふうに思います。そうしたことについても検討をし、また実施に移してまいりたいというふうに思っておるところでございます。  また、受け入れ環境の整備につきましても、これはこの議会でもいろいろ御議論をいただいておりますが、このたび下宿の登録制度というものをつくってはどうかということで、今、岩美町と連携をしてモデル的な取り組みを行うように考えておりまして、このたび関連予算につきまして、この議会にも提案をさせていただいているところでございます。よろしく御審議のほどお願いを申し上げたいと思いますが、こうした受け入れ環境の整備についてもあわせて検討をしながら、この県外募集についてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、スポーツ庁のガイドラインに伴って、県内のガイドラインについて、これは見直しを行うのか、あるいは周知徹底についてどのように考えているのかといったような点につきましてお尋ねがございました。  現在、県のほうでは、この国のガイドラインを受けて、知事部局とともに、公立学校あるいは私立学校を網羅する形で方針というものを定めるということを考えておりますが、この国のガイドラインもそうなのですけれども、このたびは運動部活動に関するガイドラインあるいは方針ということでございまして、お話がありましたように、県のほうでは子供のスポーツ活動全体についてのガイドラインというのを既に定めております。このたびは、その部分の運動部活動に関する部分を少し深掘りするような形で方針を定めようとしているわけでございますが、これは子供たちのスポーツ活動全体の部分と運動部活動の部分と、若干考え方を変えてかからねばならない部分も生じるかもしれません。そうしたことについて、関係の方々と意見交換をしながら、今、県の事務局がつくりましたたたき台について、さまざまな場面で意見交換をし、最終的に方針を定めようということにしておりますが、初めに定めているガイドラインとこのたびの方針が違う部分がありましたら、初めに定めている子供たちのスポーツ活動ガイドラインも、当然ながらそこの整合性を図っていく意味での見直しというものを行っていく必要があるのではないかと考えております。  また、このたび定めます方針につきまして、これは当然ながら学校現場あるいは市町村、そのほかスポーツ活動に携わられます社会体育の関係者の方々、そうした方々にも当然周知を図っていく必要があろうかと思います。そのうち御質問のありました社会体育の関係の方々、指導者の方々に対しては、これは研修会という機会を活用して、この新しく定めます方針についても周知、あるいはこの方針についての御協力を得ていく、そうしたことを考えたいというふうに思っておりますし、また、県の定めた方針によりまして、今度、市町村、学校のほうが運動部活動に関する方針を定めていくということになりますが、こうした定めた方針につきましても、当然生徒でありますとか保護者でありますとか、そうしたところへの周知でありますとか、理解あるいは協力を得るために学校のほうでも積極的にホームページ等で公表するよう求めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、この方針を定めましたら、関係者の方々と連携をして、県としてもしっかりフォローしながら進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)佐野警察本部長 ◯警察本部長(佐野裕子君)(登壇)伊藤議員から、新成人を対象とした詐欺的商法の横行が懸念される中での警察の取り組みについてお尋ねがありましたので、お答えさせていただきます。  成年年齢が引き下げられることに対しまして、さまざまな御意見があることは承知しております。議員御指摘のとおり、社会経験に乏しい18歳、19歳という年齢で新たに成年となった若者が、詐欺や悪質商法などの被害者となることが危惧されるところでございます。  平成29年中に県警察が受理した18歳、19歳の方々からの相談の中には、契約・取引、詐欺、悪質商法などに関するものが25件含まれておりました。その主なものは、架空請求メールが来た、インターネットで購入した商品が届かない、個人的な金銭トラブルがあったなどといった内容でした。また、未成年者が有料サイトの登録料金名目でコンビニエンスストアにおいて電子マネーを購入させられ、15万円の電子マネーをだまし取られたという被害事例も1件ございました。このような状況を見ますと、新たに成年となる年代の若者が悪質商法やインターネットを利用した契約などでトラブルに巻き込まれる危険性は少なくないというふうに認識しております。  平成29年中、全国で警察が受理した消費者取引に関する相談件数は1万6,889件であり、また、特異な例として、この年のうちに、学生330人から起業家育成プログラム受講料として総額約3億1,000万円をだまし取った事件がございました。  当県における検挙事例としては、高齢者の方を対象としたものですが、家屋等の修繕名目で不当な契約を結ばせ高額な請求をした特定商取引法違反事件があり、平成29年中に、これら消費者取引に関連する事犯で13件、10人を検挙しているところでございます。  県警察では「♯9110」でつながる総合相談電話などによる相談業務や、県消費生活センターなど関係機関からの情報提供を通じて、詐欺まがいの業者を把握するとともに、悪質性の高いものについては積極的な検挙、取り締まりに努めているところでございます。他方、従前から小・中・高校生を対象に開催している非行防止教室に、情勢によって性犯罪やサイバー犯罪などの被害防止対策も取り入れながら行っているところでございます。  今後は、このような非行防止教室などの場において、将来、新成人となった際に直面する可能性のある消費者被害の防止についても効果的に指導をしていくとともに、引き続き、県民の日常生活の安全と安心を脅かす悪質な事犯に対しては厳正な取り締まりを行い、被害の拡大防止と早期回復を図ってまいります所存でございます。どうぞよろしくお願いします。 ◯副議長(福間裕隆君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)答弁をいただきました。冒頭申し上げましたように、きょうは常任委員会等もございますので、また、私もこの質問が終わったら、議会が終わりましたら福井県のほうに国体の調査並びに応援に行くようにしておりますので、以後は簡潔なる答弁をお願いしたいと思います。  まず、国体からいきますけれども、確かに最近の国体、国体のシンボル旗、マークすら街頭に見当たらないと。京都国体、2巡目からは簡素な国体になってきたという部分があると思うのです。ですから、今後本当にどんな国体をするのかということをしっかりと我々としても考えていかなければならないということで、本当はそういう思いも聞きたかったのですけれども、とりあえずそれはおいておきまして、聞くのは、60年のわかとり国体のときに県議会が招致を決めたのは11年前、要するに49年だったのです。昭和49年、要するにわかとり国体の11年前に招致議決しているのです。それで、このたびも突然今議会でと唐突に、招致議決をお願いしますと知事から出てきたのです。我々はまだ本当に、どんな国体をするのか、どんな状況なのか全く議論する余地もない、情報もない。我々はまだ関心があるからいいのでしょうけれども、多くの皆さんは、なかなかそういう情報を持ち合わせていない状況にあると思うのです。せめてこれまでにスポーツ議連でそういう意見交換会でもされればよかったのです。全くされずに、いや、今議会で招致議決をお願いしますなどと唐突に出るから、我々はびっくりなのです。会場地にも聞きました。会場地に、45年に鳥取国体を開きたいのですけれどもどうですかと。会場地は、ああ、いいですよ、どうぞどうぞと。ただ、国体を開催されるのは鳥取県でいいでしょうけれども、会場地については別ですよと、別問題ですよと。60年の当時すら、もう議会でわかとり国体を招致するのは本当大変だったのです。当時の山住国体局長は何回も来られて説明されたのです。ですから、今の状況からすると、招致も本当に大変だと思うのです。だから、やはり例えばこんなコンパクトな国体をするよというようなものも出しながら国体招致というものを考えていかなければならないと思いますし、当時国体のときには、わかとり国体に向けて、たしか30億円の基金をいたしました。それの問題も当然県としては考えていかなくてはならないと思うのですけれども、ちょっと知事に、まず、なぜ急ぐのか、それから基金造成はどうするのか、それについてお尋ねしたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて伊藤議員のほうからお話がございました。  伊藤議員の御主張はごもっともだと思いますし、こういうことはきちんとお互いにコミュニケーションをよくとって、一大行事でありますので、広くコンセンサスをとりながら進めなければならない、そのとおりであろうかと思います。私どものちょっといろいろ事務的な御説明等が不足していた部分がありますのでしたら、そのことはおわびを申し上げなければいけないと思います。  そして、お話にありましたことでございますけれども、実は島根県さんが今決めようとされているのです。これは先ほど申しましたように、実は、この4年間でなくてその前からこの議場でもございましたけれども、もう準備が大変なので、できるだけ早く決めてくれと。これは競技団体からも今も言われていますけれども、そういう御意見はつとに伺ってきたところでございまして、島根、鳥取両県が残っていますから、できればこの4年の間に我々としてどうするか方針を決めましょうと。それで両県でも話し合いをしてまいりました。  その中で、島根県さんが今2029年ということを具体的に考えられているわけでありますが、それはかねて我々の県とも相談してきた協力開催という、今コンパクト開催のお話がございましたけれども、そのアイデアを含んでいるわけでございます。これは当然ながら協力というのは両県相まってのことでございますので、私どもも、そうであれば、この年について協力開催ですねということもあわせてやはり議論をしていかなければいけないという事情がありますし、協力開催となりますと、では、どういうような形で両県が協力してやるかということの中身の相談をやはり開始しなければいけません。向こうは今11年前ということになりますので、そうすると我々がわかとりをしたころなのかもしれません。そういうようなタイミングで議論を始められるときに本県がテーブルに着かないというわけにはならないでしょうから、やはり両県の話し合いを始める必要があるのではないかというふうに思います。  一つの考え方として、我々の任期中に決めようではないかと前から申し上げて議論があったところでもございますし、具体的に島根県さんも今決めようとされているところでありますので、協力開催はセットものでありますから、私どもも、島根、鳥取両県を通じてこういうような流れを考えましょうということを決めていければということであります。  ただ、先ほど申し上げましたとおり、かねて60年国体のときも、これは県議会が議員提案による議決で招致を決めるというのが各県の持ち回っている手続になっております。ですから私も申し上げましたとおり、最終的には県民代表である議会の御意見に基づいて判断させていただきたいというふうに申し上げた次第でございまして、いろいろと事情をお酌み取りいただき、御考慮をいただけると大変にありがたいと思います。  そして、先ほどの基金のお話でありますが、60年国体のときも基金がございましたし、それから最近の大きな行事ということでいえば、夢みなと博覧会もございました。あのときも大規模事業基金という基金を活用してやっていました。こういうようなことでありますので、まずは議会のほうでお決めいただくことが前提でありますけれども、そういうことで方針が出れば、当然ながら、先ほど来御心配いただいているような財政的な負担の問題等もございますので、こうした基金の設置や活用ということについても具体的にまた相談をさせていただくタイミングをとらせていただきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)執行部の説明不足といいますか、やはり議場でももう少し丁寧な議論と説明をやってほしいというか。ぽんと議場で議会の議決をやってくださいと、そこのところはなぜかということをもう少し丁寧に説明してほしかった。私はわかりましたけれども。ですけれども、やはり議連にたくさん議員さんがおられますし、議連の会長はあそこにおられますけれども、議連などでも審議する時間がもっとあったはずなのです。やはりもっともっと審議してほしかったです。そうすれば、やはりもう少し国体の取り組みの状況なども理解できたと思うのです。  それはそれでおきます。次に、介護士の問題、私もこの議論するためにデータを求めましたけれども、県内にデータがないのです。今の段階ですと、もう机上の空論の離職、退職しかないと思うのです。ですから、やはり実際現場のデータを集めるということに私は努力をしてほしいと思いますけれども、これに対して知事の所見をお伺いしたいと思います。  次に、もう1点、5歳児健診であります。先ほどもう一度検討会をやるということなのですけれども、やはり医師の確保というのが一番大前提になります。これはもう町村ではどうしようもないのです。だから琴浦も悉皆でやっていたのだけれども、もう医師の都合がつかない。ピックアップで8回やろうとしたけれども、2回しかできない。だから現場は大変なのです。今一番大切なのは、やはり医師の確保なのです。医師の確保は市町村に委ねるのでなくして、やはり県の仕事なのです。私は、そこに全力を挙げて県に取り組んでほしいということをお願いしたいですけれども、それに対して知事の所見をお伺いしたいと思います。  以上、とりあえず2点。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。
     平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて伊藤議員から、医療、福祉につきましてお尋ねがございました。  まず、介護人材についてでありますけれども、先ほど申しましたが、国のほうは全体の調査があるので全国の動向はわかるのですが、本県の場合は、福祉人材に限れば平成28年に社協のほうでやったデータがございます。それが活用できるわけであります。しかし、これからいろいろそうした福祉の人材、特に介護の人材が、どういう実態にあってどういうような状況かということを調査する必要もこれはありかなというふうにも思いますし、戦略的に確保しなければいけない分野でございますので、これまた社協等とも相談をさせていただき、調査なりなんなりを市町村や関係機関と協働してさせていただきたいと思います。  5歳児健診でありますけれども、これは有馬正高先生がそういう小児神経関係の領域を開かれて、北原先生などもその系譜なのですけれども、そうしたことでうちも養成を進めてきて、一定の人間は確かにおりますし、それからここ10年ぐらいで、今127名ですか、大体2割ぐらい小児科もふやしてきています。人口1人当たりの小児科医でいったら本県は一番多いわけです。できれば小児科のほかの先生方も入れるように、そういう意味では研修もして御理解もいただこうということをやったりしてきておりますが、現実、おっしゃったように間に合わない市町村が出てきてしまっているということです。ですから、この辺も含めて、やはりもう一度ちょっと組み直す必要があると。全県的に、あちらではできる、こちらではできないという形が余りいいわけではありませんので、現実にどういうことができるかというのは、それぞれ融通の仕方とか時間の使い方だとか、さっき申しましたように、米子みたいな合理的なやり方も最近は始まっておりますし、研究会、検討会をつくらせていただき、そうした課題が発生しないように、今の町の現場等とも協議をさせていただいて、出口を考えていきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)時間がありませんので飛んでいきます。種子法なのですけれども、国は、種子法廃止後も地方自治体には財政的な支援、援助を講じるとされております。法律の根拠がなくなった今、いつまで地方交付税措置が継続されるか疑問であります。もし財政措置がなくなったら、県の要綱では廃止になりかねないという心配があるわけです。やはり条例化を検討すべきと思いますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)国のほうの財源措置と条例化についてでございますが、現在、私ども、これは総務省のほうの地方財政措置になりますが、こちらのほうについて、情報としては、全国で年間1億円ぐらい確保するということで動いております。現実にもそうした形での移行措置が種子法時代からなされてきているところでありまして、新年度に向けましても、今そういう方向で農林水産省と総務省も協議をしているということであります。  したがいまして、緊急的に何かこれがということではない状況ということは御理解いただきたいと思いますし、私どものほうでも現場と話し合いながら、全て従来どおりの種子法対策をやっています。先ほど申しましたように、さはさりながら、今後条例の必要性があるかどうか等も含めて、現場のJAグループだとか、それから種子生産組合とも協議もさせていただき、もし必要であればそれは条例ということもあるかもしれませんが、ただ、条例をつくらなくても、今、回っているのも現実でございまして、今後ともよく関係者と協議をさせていただきたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)教育委員会にちょっと3点だけ追及したいと思います。  まず1点目、今、県内の私立高校、本当に頑張って、それぞれの特徴を出しながら学校経営を行っておられます。県も重点校という制度をつくりながらいろいろ取り組みをやっているのですけれども、何か物足りない部分があるのです。その私学のまさにそれぞれの学校の特色づくり、魅力づくり、やはりこういうものを県としても学ぶべきものが非常に多いというふうに思います。ぜひとも学んでほしいと思いますけれども、それに対する教育長の所見をお願いしたいと思います。  広島の廿日市にある県立佐伯高校、中山間地域にある学校なのですけれども、これは1学年1学級、まさに超小規模の学校なのですけれども、ここも子供たちが募集で集まらなくて大変な中、女子の硬式野球部を4年前に立ち上げて、そして地域の皆さんに下宿とかいうサポートをお願いして、ようやく今、もう中国地方を初め全国から女子の硬式野球をしたい子が集まっていると、そして今頑張っている学校でありますけれども、やはりこういうふうな大胆な学校経営というか、それがいいか悪いかはちょっと別にして、やはり発想的にそういう大胆な発想で学校経営をやっていく、子供たちにやはり魅力というものをしっかりアピールできる、そういう取り組みをしてほしいと思うのですけれども、教育長の所見をお伺いします。  もう1点、ガイドラインの中で、最近非常に暴力事件などが後になってから出てくるのです。指導中の体罰や暴力などがあった場合、やはり通告、通報というか、相談窓口を設置される考えがあるのか、これもお伺いしたいと思います。  以上、とりあえず3点。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)伊藤議員から、重ねて3点にわたりまして御質問がございました。  初めに、魅力化について私学の取り組みを参考にすべきだというお話がありました。大いに参考にして取り組んでいきたいというふうに思っております。城北高校など、例えば相撲部、これはもう日本中の方が、相撲に関しては城北高校という名前を恐らく知っておられるのではないかというぐらい相撲では有名ですし、そのほかにもいろんな通学バスの取り組みでありますとか、今、部活動でも、いろんなほかの競技にも力を入れて県内あるいは県外から生徒を集めておられるということなど、そのほかの私学もここぞという光るものをそれぞれお持ちで、それをもとに生徒を募集しておられる、そういうことをぜひ県立の高校でも取り組んでみたいというふうに思っております。  特に県は地域の方々の協力をより得られやすいという、私学に比べるとそこは県立の強みではないかなというふうに思っております。このたび青谷高校でサーフィンを授業で取り組んでやるということなど、これはマスコミでも大きく報道されましたが、そうした授業は、これは学校の教員ではなくて地域の方々の協力を得てあの授業は成り立っているわけでございまして、そうしたことも含めて、学校の立地する自然環境でありますとか地域の産業でありますとか、そうしたこととしっかりとタッグを組んで、それぞれの学校についての魅力化など、思い切ったものをそれぞれ学校のほうと県教委と、また地域と連携をして考えていければというふうに思っております。  また、関連して、広島県の廿日市にあります佐伯高校の取り組みの話がございましたが、これは、広島県内では中学校の段階まで地域のスポーツクラブで硬式野球をやっている女子生徒がいたという状況を、この佐伯高校の校長先生が察知をされて、これはほかの高校で取り組んでいるところが広島県内はもちろん全国的にも少ないということで、校長発案でこの取り組みが始まったというふうにお伺いをしております。そうした一つの学校の魅力化を考えるときに、いろんな角度から、これだと全国に誇れるのではないか、例えば倉吉農業高校はお米で日本一おいしいお米をつくるということで、これは農業高校の中では有名なのですけれども、そのほかの方々にもこういったことなどを知っていただくような取り組みも必要だと思います。そうしたことなども含めて、この佐伯高校の例なども大いに参考にさせていただいて、しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。  ガイドラインに関しまして、体罰等の通報の窓口についてお尋ねがございました。  これは既に子供たちのスポーツに関するガイドラインの中で記載をさせていただいておりますが、公立学校については県教委の事務局の中にそうした相談窓口を設けて、相談が入ってきた場合にはきちんとした対応をとるように今もう既にしておるところでございますし、小学校あたりのスポーツ少年団につきましては、これはスポーツ少年団の本部のほうで検討されまして、市町村のスポーツ少年団、これは事務局の多くは市町村の教育委員会にあると思いますが、そうしたところが窓口になるように既に定められているというふうに承知をいたしておるところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)17番伊藤議員 ◯17番(伊藤保君)かなり追及を予定しておりましたけれども、時間が来ましたので最後にまとめたいと思います。  ことしは大山開山1300年祭という年でいろいろなイベントが開催される中で、鳥取の山、大山に感謝をしていますけれども、ことしは改めて県民の皆さんが大山に感謝をされたと思います。台風20号、21号と立て続けに鳥取県を直撃の予想で大変心配をいたしましたけれども、直前になって東側にそれ、県内では大きな被害が起きることがありませんでした。もし2度の台風が鳥取県を直撃していたら、民家や公共土木の被害だけでなく、出荷最盛期の二十世紀梨等の落果を初め、さらにはハウスの大きな被害が出ていたものと思います。  以前、福間副議長の質問の中で、福間副議長のお母さんが生前、裕隆や、大山に感謝しないといけないよ、大山に向かって手を合わされていたと壇上で紹介がありましたけれども、まさにこの台風襲来が相次ぐ中、まさしく私たちは長い歴史の中で大山に守られ、大山をよりどころにして生活してきたことを実感した年でもありました。大山開山1300年祭のイベントも終盤を迎えますけれども、一人でも多くの県民の皆さんが参加して、一緒に大山への感謝の思いを伝えられたらと思います。  少し尻切れとんぼになってしまいましたけれども、最後に、知事に総括的な感想を伺って、このたびの代表質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)伊藤議員から、最後、大山のお話も交えながら本日の総括をいただきました。  先般、NHKの番組を見ていましたけれども、最近NHKさんも協力していただいて、大山の番組を次々に放送をしていただいております。その中でも印象的に拝見させていただきましたのは、トレッキングで大山を回られる、そういう番組がございまして、それが船上山に上がっていくわけです。登山家が大山に上がる、もちろん大山の絵もありましたけれども、大山の頂上には夕方行っていましたが、その前に船上山のほうに行かれたようでありまして、ここに行宮があったというようなことだとか、それから、そこから滝が落ちていくわけでありますが、その雄大な滝のところで、これが100万年前にできた地形だというような紹介があったりしました。まさに私たちのふるさとの原点があの船上山や大山のあたりにあったのだと思いますし、そこから実は我が国の人間の営みもいろいろと生まれてきているわけです。  番組の中でも取り上げられていたのは後醍醐天皇のことでありまして、1333年にそちらのほうで指揮をとられたわけです。振り返ってみますと、その年、うるう2月から5月にかけて80日間、あそこで倒幕の綸旨を四方八方、各国へ出されたわけです。小さな鳥取ですけれども、これが全国をひっくり返すもとにもなったわけでございました。先ほど国体のお話などもございましたが、大きな行事を小さな鳥取がやって、それでいろんな思い出をつくることも過去にはできたりしたわけでございます。きのうは中秋の名月でありましたけれども、残念ながら雲で隠れた形にはなりましたが、後醍醐天皇のあの有名な歌の中に、空を見上げて、「故郷人も月は見るらん」というふうに詠んでいる歌がございます。どこかに旅をされた、もしかするとそれは船上山の上にいたことを思われたのかもしれませんし、隠岐島にいられたことを思い起こしたのかもしれません。そういうところで見る月と同じ月を見ているのだよと、都の人たち、ふるさとの人たちにも知らせたいという、そういうような歌でございました。  私たちは、この鳥取というところで大山という恵みを受けながら歴史を紡いできたわけであります。私たちがこの国に対して、例えばきょうお話がありました教育であるとか農業であるだとか、さまざまな分野で新しい時代を呼び起こすことは、かつてのように可能ではないかというふうに思います。ぜひきょうの御議論も我々はしっかりと受けとめさせていただきまして、もうこれから半年間、私たち共有の任期をこれからまとめ上げるわけでありますけれども、しっかりとした結果を出してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)これをもって、県政に対する代表質問を終了いたします。  暫時休憩いたします。  15時40分より再開をいたします。        午後3時31分休憩    ────────────────        午後3時40分再開 ◯議長(稲田寿久君)再開いたします。  それでは、議案第1号「平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第3号)(平成30年7月豪雨対策関係)」及び第3号「平成30年度鳥取県県営林事業特別会計補正予算(第1号)(平成30年7月豪雨対策関係)」を一括して議題といたします。  それでは、質疑の通告がありますので、発言を許します。  5番市谷知子議員 ◯5番(市谷知子君)日本共産党の市谷知子です。  7月豪雨災害、大阪北部地震、台風21号、北海道胆振東部地震と大災害が続きました。亡くなられた方々に哀悼の意を、そして被災された方々にお見舞いを申し上げ、復興支援に力を尽くすことを述べ、日本共産党県議団を代表して、議案第1号、7月豪雨災害補正予算の質疑をいたします。  まず、建設災害復旧費です。これは公共土木施設の国の災害復旧事業です。7月豪雨災害は鳥取県を含む全ての地域が激甚災害指定を受けたので、国の災害復旧予算のかさ上げが期待できるところですが、今回、土木関係は鳥取県はかさ上げ対象となる見込みかどうか、ならないとすればなぜか、お尋ねします。  次に、林道施設災害復旧事業、これは林道関係の国の災害復旧事業ですが、全ての林道が支援対象ではありません。支援対象となる基準額、支援対象にならないのはどのような林道かお尋ねします。  次に、森林作業路網災害復旧対策事業、これは国の災害復旧事業の対象外となっている作業道を支援する県の事業ですが、今回、被害額が大きい地域は補助率を2分の1に引き上げました。補助率2分の1と3分の1、それぞれどの地域が該当になるのかお尋ねします。  次に、耕地災害復旧事業、これは農地関係の国の災害復旧事業ですが、これも全ての農地災害が対象になるのではありません。支援対象となる基準額をお尋ねします。  次に、清水川排水機場緊急対策事業です。県設置の排水ポンプ場が停止し、浸水被害が出ました。地域住民からは、事前に点検していたのになぜ排水ポンプが停止したのか、今回の異常事態の連絡がなかった、これまでにも清水川の排水溝のふたに木くずが詰まったままで職員に言っても改善してくれなかったという声を聞きました。排水ポンプの停止理由と、どのように改善したのか。  また県は、排水機場の管理を鳥取市に委託し、さらに鳥取市は環境事業公社に委託、しかし清水川の管理は県と、それぞれ管理者が分かれ、責任の所在が住民にわかりにくい、管理体制や災害時の体制はどのようになるのか。  また、家や農業の被害は県が補償するといいますが、対応はどうなっているのか。ある貸し家では、大家が直さないと言っているとのこと、実際に住んでいる人の要望はどうなってしまうのか。  また、農業被害の収入補填や農機具の修理代などもまだ今後も相談に応じるのかどうか、お尋ねします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)7月豪雨における激甚災害指定による補助率かさ上げが鳥取県にも適用されるか、適用されなければなぜかというお尋ねでございます。  結論から申し上げますと、鳥取県への適用は難しいと考えております。なぜなら、このたびの7月豪雨を含む5月20日から7月10日までの豪雨及び暴風雨、これによる一連の災害が激甚災害指定を受けておりましたが、これに伴って県が公共土木施設災害復旧事業費の国庫補助率かさ上げの対象となるためには、災害復旧事業における県の負担額、これが平成30年度の県の標準税収入の10%以上でなければかさ上げの対象にならないという、そういう基準が、いわゆる激甚法の政令に定められております。現段階では、県の負担額がこの基準額に届かないというのが理由でございます。  続きまして、清水川排水機場のポンプの停止理由と改善内容についてのお尋ねでございます。  まず、停止の理由でございますが、清水川の排水ポンプは水冷式でございます。運転中は、冷却水槽からポンプへ随時水が供給されるということになっております。冷却水は循環しておりますけれども、運転時間が長くなると、だんだんと水が温められてくるということになります。この温められた水は外に排出されるという仕組みになっておりますが、減った分の水は予備タンクから供給されるという仕組みになっております。冷却水槽の水位がある程度下がると、センサーが起動いたしまして警報が鳴るということになっておりますが、事前点検あるいは1日前の運転では、このセンサーは異常なかったわけでございます。このたびの運転においては、この水位低下の異常を知らせるセンサー、これがふぐあいを起こしまして警報は鳴らず、冷却水槽の水がなくなってしまって自動停止したというのが主な理由でございます。  その後の改善内容についてでございますが、先般の専決予算によりまして、ふぐあいのあった冷却水槽のセンサーの交換、さらに水位を目視確認できるデジタルの水位計の設置、さらに予備タンク2基を増設を行っております。もちろん他の排水機場を含めまして緊急点検も実施しておりますし、台風前には清水川の河川内の藻刈りも実施し、取水口が詰まらないように取り組んでおるところでございます。  続きまして、清水川排水機場の管理体制と災害時の体制はどのようなのかというお尋ねでございます。  清水川及び排水機場の施設管理者は県でございます。ただ、排水機場のポンプの操作や日常点検、こういったものについては現地事情に詳しい鳥取市に委託しているというところでございます。これは清水川に限らず、どの排水機場も関係市町村へ委託しているというのが実態でございます。さらに受託者である鳥取市は、設備機械関係に詳しい公益財団法人環境事業公社にポンプ操作の実作業を委託しているというところでございます。したがって、実際の排水機場のポンプの運転操作につきましてはこの公社が実施しているということになりますし、この役割分担は災害時においても同じでございます。ただ、今回の浸水の実態を踏まえまして、運転時に操作員を2名体制にさせていただいたということ、さらに県職員が現地に1名と事務所に1名、計2名を常駐させるといった管理体制を強化することとしております。  続きまして、住家被害や農業者への対応はどうなっているのかというお尋ねでございます。  ポンプのふぐあいにより家屋や農作物、こういったものに浸水被害を発生させました。関係者の皆様には大変御迷惑をおかけしたことを、まことに申しわけなく思っておるところでございます。  この件につきましては、浸水があった翌日から鳥取市とともに地元へ戸別訪問させていただき、被害状況等を聞き取りさせていただいたところでございます。その後、自治会の協力を得ながら調査票という形で被害状況についてアンケートをとらせていただき、浸水状況や修繕内容の確認を行っております。現段階におきまして被害家屋件数が27件ございまして、そのうち修繕等の必要は、要求等があるお方が10件でございます。この中には、議員御指摘の貸し家の方も含まれております。  農業被害につきましても、同様に調査票等によりましてアンケートを実施させていただいて、現段階で、被害件数12件のうち8件で野菜の苗や肥料代、こういったものについて補償を行うこととしておりまして、補償内容につきましては全ての方が内諾済みでございます。  また、新たに浸水に起因する被害内容が出てくれば、鳥取市と一緒に現地確認等をさせていただき、必要に応じて修繕費等の負担をさせていただくなど対応したいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)池原森林・林業振興局長 ◯森林・林業振興局長(池原伸君)林道施設災害復旧事業におけます支援の基準額、また、支援対象にならないのはどのような林道かという御質問でございます。  国の林道施設災害復旧事業は、7月豪雨のように降雨、暴風、地震その他の異常な天然現象によりまして被害を受けた林道施設を基本原形に復旧することを目的としております。1カ所の工事費用は40万円以上ということになっております。また、支援の基準につきましては、先ほど1カ所の工事が40万円以上に加えまして、地方公共団体、県、市町村、森林組合が適切に管理し、1路線の利用区域面積が30ヘクタール以上、また、その利用区域内の流木材積が1,390立米以上、また、既設延長が計画延長を含みます500メーター以上の林道が国の対象になっております。本県の場合、ほとんどがこういった30ヘクタール以上、1,390立米以上ございますので、1カ所の工事費が40万円未満については国の対象を受けられないということになっております。  また、もう1点でございます。作業道の災害復旧事業、これは国の災害復旧事業の対象外となっていますが、このたびの7月の豪雨に向けまして補助率が2分の1、そして3分の1となっていますが、どのような地域かという御質問でございます。  森林作業道の災害につきましては国の事業の対象外でございますので、このたび単県事業の森林作業路網災害復旧対策事業で復旧を支援しております。750万円以上の甚大な被害を受けた地域につきましては3分の1を2分の1、それ以外については3分の1となっておるところでございます。この750万円の基準でございますが、平成23年度に約6,000万円の森林作業道での被害が起きております。県内8森林組合、8つの地域がございまして、8で割りますと約750万円ということでございます。もう1点、29年度にも約4,000万円の被害がございます。その場合は3分の1の補助という支援をしたところでございますので、そういった過去の被害状況と、また支援状況を踏まえて要件を設定したものでございます。  ちなみに、補助率を2分の1とした被害の甚大な地域につきましては、旧八頭郡の河原、用瀬、佐治、若桜、八頭、智頭、そして倉吉、三朝、また日野、日南の地域でございまして、補助率を3分の1とした地域につきましては、比較的被害の少なかった旧鳥取市、気高郡、また南部町の地域でございます。 ◯議長(稲田寿久君)村尾農林水産部長 ◯農林水産部長(村尾和博君)耕地災害復旧事業の支援対象基準額についてお尋ねをいただきました。  本事業は、気象災害に伴う農地や農道、水路等の復旧を目的とする事業でありまして、1カ所の工事費が40万円以上のものを対象としております。 ◯議長(稲田寿久君)5番市谷議員 ◯5番(市谷知子君)建設災害復旧費ですが、鳥取県は激甚災害のかさ上げの対象には難しいだろうと。その理由は、公共土木の場合は、県の負担額が県では標準税収の10%以上でなければかさ上げの対象にならないという御説明でした。このように、激甚災害指定をされても自動的に国のかさ上げがされるのではなく、一定のハードルを越えなければいけない。私はもっと激甚災害制度の対象枠を広げるべきと考えているのですが、県はどのように考え、どのように対応を考えているのかお尋ねします。  次に、国の林道施設災害復旧事業ですが、1カ所の工事費が40万円以上、また小災害の復旧事業でも13万円以上でなければ支援対象になりません。また、作業道など小さな林道は支援対象になりません。被災自治体からも、このことについてはすごく要望が出ております。支援対象から外れる少額の被害や作業道なども国の支援対象にするよう求める意思があるのかどうか、また今回、林道は激甚災害で90%へかさ上げされそうですが、ベースの国の補助率は65%や50%と低く、自治体負担が重いです。国に改善を要望する意思があるのかどうか、また、災害復旧事業で認められた地方の起債に対する国の交付税措置は十分と考えているのか、別枠の特別交付税措置を国に要望する意思はあるのかどうか、以上お尋ねします。  さらに、この事業には災害査定の測量委託費への補助金が入っていますが、県内自治体からは、職員が減って査定できる職員がいない、委託したいけれども補助額が少ないと聞きました。実際の測量委託費の割合は幾らの補助になるのか、国の補助率の引き上げを求める意思があるのかどうか、国庫補助の対象にならない場合があるのか、その場合は県で対応する制度があるのか、以上お尋ねします。  次に、国の支援対象外の林道を支援する森林作業路網災害対策事業ですが、過去の災害の実績に基づいて、その補助率2分の1、3分の1を分けたということでしたが、私は早期復旧に向けて、これは全て2分の1にしていただきたかったなというふうに思っております。それからさらに、この事業でも対象にならない小規模な林道被害を支援する制度があるのかどうか、お尋ねします。  次に、国の耕地災害復旧事業ですが、林道と同様に、対象が工事費40万円以上とか13万円以上という壁があります。そこで、少額の農地災害も支援対象にするよう国に求める意思があるのかどうか、また、今回農地も激甚災害で90%へかさ上げされそうなのですが、ベースの国の補助率は50%、65%と低く、国に改善を要望する意思があるのかどうか、また、この国の事業の対象外となる小規模の農地被害を支援する制度があるのかどうか、以上お尋ねします。  次に、清水川排水機場対策ですが、施設については改善されたというお答えがありました。また、管理体制についても、県と市が一緒になって体制強化をして当たられるという御答弁でした。また、農業被害についても、新たに要望があればそれは受け付けて対応していくということでしたので、ぜひお願いしたいと思います。  そして住宅被害ですけれども、住んでいる方の要望を聞く必要があると思っています。大家が直さないといっても、住んでいる住民自身が被害者です。聞きますと、床下に水が入って床板がぼこぼこきしむ。蛇やネズミが出るようになった。外づけの電気のコンセントから水がしみ込んで、2階の電気がつかなくなって、子供の勉強机やライト、クーラーがつかなくなった。調査に来た県職員からは、水がついたときの写真がないかと言われても、子供の胸まで水につかって必死に逃げて、写真などあるはずがない。直さないなら、引っ越し費用でも出してほしいくらいだと言っておられました。直接住民の要望を聞いて対応策を検討する意思があるのかどうか、お尋ねいたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  安田危機管理局長 ◯危機管理局長(安田達昭君)激甚災害制度の対象枠の拡大についてお答えをいたします。  先ほど来お話がございましたように、一定の基準がございます。それによりまして、現時点の試算では、農業被害については国の災害復旧事業の対象となる全市町がかさ上げの対象となる見込みでございますけれども、公共土木施設被害につきましては県は対象とならず、一部の町しかかさ上げ対象とならない見込みでございます。  被災地の早期の復旧・復興を図るためには、被害規模や標準税収入額のわずかな差によって被災自治体への財政措置に大きな差が生じないようにするべきであると考えております。そこで、中部地震の際の指定の状況を踏まえまして、去る7月10日には、局激の指定基準の緩和につきまして国に要望をしてございます。また、7月豪雨による指定見込みを踏まえまして、中国地方知事会、中四国サミット、関西広域連合でも指定基準の緩和を国に求めるよう現在調整を行っております。 ◯議長(稲田寿久君)池原森林・林業振興局長 ◯森林・林業振興局長(池原伸君)重ねての御質問がありました。林道災害の場合の40万円未満の少額の被害や、国の対象とならない作業道の災害復旧の国の支援対象にするよう求める意思があるのかと、また、50%、65%の補助率が低いが、要望する意思があるのかという御質問でございます。  7月豪雨を受けまして、7月10日に中国地方知事会を代表いたしまして、知事のほうが国に対し、大雨による災害対策に係る緊急要望として、災害復旧事業に係る財政支援について要望したところでございます。要望の内容につきましては、早期に住民生活の安全の確保を図るため、災害査定の迅速かつ円滑な実施と早期復旧に係る積極的な財政支援を行うこと、また、災害復旧に当たっては、将来の安全性や防災に資するような改良復旧事業が実施できるよう、また採択基準を緩和するなど、そういった補助対象を拡大するような要望になっております。林道の場合、先ほど申しました1カ所の工事費が40万円以上でございますので、そういった40万円の引き下げでございますとか、激甚災害に指定された場合にあります40万円未満から13万円以上の被害、そういった農地等の詳細が小災害復旧事業債の対象となる1カ所の工事費の13万円未満への引き下げでございますとか、また、林業専用道、作業道の災害復旧事業の創設及び支援、そういったことについて要望されたと思います。  引き続き、県としましても、特に林道施設災害復旧事業の対象とならない林業専用道及び作業道の災害復旧事業の創設及び支援についても、引き続き国のほうへ要望してまいりたいと考えております。  また、さらに、林道施設災害復旧事業の基本補助率、これは50%と65%がございますが、林道は森林の多面的機能を発揮するための重要な基盤でございますので、災害復旧に対する国の責任を果たすためにも、基本補助率を上げることを国へ要望してまいりたいと考えております。  災害査定のための測量委託経費の補助のことについてでございます。補助額が実際の測量委託のどれくらいかと、また、国庫補助の対象にならない場合は対応する制度があるのかという御質問でございます。  測量設計費の補助につきましては、今回のように激甚災害の指定に限ってということで、昭和60年から国のほうでこういった補助制度がございます。補助対象は、査定の決定事業費に所定の率を乗じて得た額と、実際にかかった経費のいずれか低い額の2分の1といった支援でございます。全県にわたりまして29年度におきましても実際かかった経費のほうが高かったこともございますので、実質の補助率は約3割程度というふうになっております。この点も3割程度になると見込まれているところでございます。このように実質補助率が低うございますので、現場の実態とちょっとかけ離れた点がございますので、自治体の負担も大きくなることから、国に対して拡充を要望してまいりたいと考えております。  また、国庫補助の対象にならない工事費が40万円未満の小規模な災害復旧の測量委託、また、激甚災害とならない場合のそういった測量委託の経費につきましては、しっかり守る農林基盤交付金事業で対応してまいりたいと考えておるところでございます。  もう1点でございますが、森林作業道等の支援でございますが、先ほど申しました被害の大きいものにつきましては2分の1、少ないものについては3分の1でございますが、それから対象とならない小規模の災害復旧事業、具体には、今回の場合は8カ所で約43万円ほどありますが、それにつきましても、しっかり守る農林基盤交付金で復旧を行いたいと考えております。
    ◯議長(稲田寿久君)井上総務部長 ◯総務部長(井上靖朗君)災害復旧事業の関係の交付税措置についてお答えを申し上げます。  議員御質問の林道施設災害復旧事業に関して申し上げますと、いわゆる地方負担分、国の補助裏の部分につきましては、補助災害復旧事業債という起債を発行することができるということでございます。この起債につきましては、その元利償還金の95%が普通交付税の基準財政需要額に算入されるということでございまして、このような元利償還金に交付税措置がある起債はほかにもございますけれども、95%というのはほかに比べて破格の高さということで、地方負担の実質的な県負担というベースでは5%程度になるということでありますので、災害ということもあってかなり高い交付税措置が行われているというふうに承知をしております。  別枠の特別交付税措置についてのお話がございました。今申し上げましたような、このようなハード系の災害復旧事業につきましては、後年度に元利償還金が普通交付税で算入されるということでありますので、当該年度の特別交付税に直接影響するものではございませんけれども、災害時におきましては、こういったハードの復旧のほかにも、例えば避難所の運営ですとか災害廃棄物の処理ですとか、あるいは本県も行っておりますけれども、被災自治体の人的支援と、こういった形で当該年度の特別交付税で措置をしなければならない経費も多額に上るということでございます。こうしたことから本県におきましては、8月でございますけれども、これは知事が国のほうに参りまして、補正予算の編成をして特別交付税を別枠措置するようにということで、これは中国知事会の代表ということでありますけれども、国に対して要望を行ったところでございます。  なお、近年の例で申し上げますと、平成28年の熊本地震の際に国のほうで補正予算が編成されまして、特別交付税の総額が510億円増額されたということがあるというふうに承知をしております。 ◯議長(稲田寿久君)村尾農林水産部長 ◯農林水産部長(村尾和博君)耕地災害復旧事業につきまして、3点お尋ねをいただきました。  まず、40万円未満の少額の被害も支援対象とするように国に求めるかとのお尋ねですが、先ほどの林業施設災害と歩調を合わせまして、災害復旧に係る採択基準の緩和や補助対象の拡大を国に要望していきたいと考えます。  2点目は、事業の基本補助率について国に改善を要望する意思があるかどうかとのお尋ねです。これにつきましても、林道施設災害と同様に基本補助率の引き上げを国に要望したいと考えます。  3点目は、国の復旧事業の対象外となった小規模な被害に対応する制度があるかとのお尋ねですが、まずは激甚災指定に限って適用されます農地等小災害復旧事業債がございまして、1カ所の事業費が13万円以上40万円未満の小規模な災害復旧が対象となります。また、県の制度としましては、しっかり守る農林基盤交付金がございます。 ◯議長(稲田寿久君)山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)借家人等の意見を聞く気はあるかというお尋ねでございます。  浸水被害が起きた翌日、7月8日から9日の間、地元に出かけていって、先ほど申し上げたように鳥取市と一緒に浸水状況、そういったことの確認をさせていただきました。さらに、8月1日に地元説明会を開催させていただいて、参加者は32名でございましたけれども、同じように浸水の事故に係る対応策、そういったものについて御説明申し上げるとともに、修繕費等の対応についても説明申し上げたところでございます。  7月8日から9日の地元説明会の一部の借家人の方と、恐らく話をさせていただいたというふうに聞いております。そういった中で、床がたわんでいるというようなことを聞いたということでございまして、それについて大家さんと話をさせていただいたところ、大家さんのほうは、その床のたわみについては以前からあって今回の浸水とは関係ないということで、直さないというふうなことを地元の事務所のほうが聞いているというところでございまして、先ほど申し上げたように、この貸し家さんとは既に補償についてはもう内諾済みだというふうに聞いているところでございます。ただ、そういった、先ほど申し上げたように浸水と関連性があるといったことが裏づけできれば、我々としても対応を考えさせていただきたいということでございます。 ◯議長(稲田寿久君)5番市谷議員 ◯5番(市谷知子君)建設災害復旧費ですが、激甚災害のかさ上げ対象の拡大は、局地激甚については指定基準の緩和も申し入れたと、また、激甚災害のかさ上げそのものについては、今後、知事会など関係機関と連携して国に要望したいとのことでした。ぜひお願いしたいと思います。  千代川の堤防が決壊するなどして智頭町の毛谷、篠坂地域が被害に遭い、この建設災害復旧の事業を活用する予定です。災害復旧の進捗状況と今後の対応、流された橋の復旧はこの事業が使えるのか、使えなければどのような対応となり、地元負担の軽減策があるのかお尋ねします。  次に、林道災害復旧事業ですが、工事費40万円以上、また30万円以上というこの条件の緩和は、既に中国地方知事会のほうで要望されたと。それから、対象外の林道専用道や作業道は支援対象になるよう国に要望したい、国の補助率は引き上げるよう国に求める。また、起債に対する国の交付税措置というのは、林道災害の場合は95%まであるので低くはないというか、比較的高いということでしたが、ハード事業以外にもこの交付税関係はいろいろあるので、災害の際の別枠の特別交付税措置を8月に中国地方知事会で要望されたということでした。私たちも実現に一緒に力を合わせたいというふうに思います。  また、この事業での災害査定の測量委託費の補助金ですが、実質の補助率は3割程度、国への拡充要望を検討したいとのことでした。ぜひお願いいたします。また、この測量委託費も国庫補助にならない場合があるということで、その場合は、県のしっかり守る農林基盤交付金が活用できるとのことでした。  また次に、森林作業路網災害復旧対策事業ですが、対象外の小規模の林道被害、これも県のしっかり守る農林基盤交付金で対応するとのことでした。  次に、耕地災害復旧事業も、工事費40万円以上というような対象要件の緩和、補助率の改善を国に求めるということでした。また、支援対象外の小規模農地被害も、小災害の起債の制度もあるけれども、同時に県のしっかり守る農林基盤交付金の枠で対応するとのことでした。  そこで、先ほどから何度も答弁に登場しているこの鳥取県しっかり守る農林基盤交付金ですが、国の災害復旧事業の対象にならない小規模な農地や作業道の復旧、災害査定の測量委託経費の支援にも活用できます。しかし、この交付金は通常枠と災害枠に分かれていて、今回補正予算で出てきたのは災害枠だけです。林道、作業道の復旧事業には災害枠は使えず、通常枠でないと使えません。林道、作業道の復旧も災害枠が活用できるようにすることについてどう考えるのか、また今回、林道被害も多く、通常枠が足りなくなったら補正予算を組む意思があるのかどうかお尋ねします。  また、この交付金は地元負担を差し引いた残りを県と市町村が半分ずつ負担する仕組みですが、地元負担は市町村によって、また物によって5%から50%と幅があり、農家から負担が重いという声が出ていますが、これにどのように対応しているのかお尋ねします。  最後に、清水川排水機場対策です。浸水と住宅の被害の程度のことなのですけれども、因果関係をとおっしゃいますけれども、床のたわみだけではなくて電気もつかなくなっているということがございます。ぜひ住んでいる方の要望をもう一度直接聞いていただきたいというふうに考えるのですけれども、今後どう対応されるのかお尋ねします。  また、今回どのように排水作業を行ったのか。そもそも県内の排水ポンプ車は、県のポンプ車が県内6台で千代川東部には2台しかありません。県のポンプ車は全県で2台しかなく、東部の1台は福部に常駐しています。排水ポンプ車が不足していましたが、どのように対応したのか。県のポンプ車は使用されたのか。当初予算で、県は1台排水ポンプ車をふやし、今回、清水川排水機場に常設し、東部地域でも活用するといいますが、想定外の豪雨が毎年あるような現在、それだけで十分でしょうか。今後も排水ポンプ車の増設を考える意思があるのかどうかお尋ねし、私の質疑を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  山内県土整備部長 ◯県土整備部長(山内政己君)智頭町毛谷、篠坂災害について、復旧工事の進捗状況と今後の対応、さらに町道橋が土木施設災害復旧事業の対象となるか、ならなければどのような対応となり、地元負担の軽減策があるのかというお尋ねでございます。  当該地域の災害は、千代川の河川護岸が流失し、背後の耕作地へ土砂が流入したということ、さらに町道橋の上部工が流失したという災害でございます。河川護岸と町道橋につきましては公共土木施設でございますので、当然ながら負担法に基づく災害復旧事業によって対応したいというふうに考えております。  現在の進捗状況でございます。河川護岸につきましては、8月10日までに大型土のうによりまして応急復旧を完了いたしております。本復旧につきましては、まさに本日から国による第3次査定が行われているところでございまして、査定終了後、速やかに大型ブロック等により本復旧のための工事発注をしていくという予定にしております。町道橋につきましては、災害復旧事業としての申請について、先般、国土交通省との事前協議が調っております。現在、町のほうで復旧工法につきまして関係機関との協議を進めているというふうに聞いておりまして、この協議が調い次第、災害復旧事業として河川護岸と同様に国の災害査定を受けて、災害復旧事業として事業実施する予定でございます。したがって、この2つにつきましては地元負担はございません。  なお、護岸背後の耕作地への土砂流入につきましても、農林災害のほうで採択されるというふうに我々としては聞いているところでございます。  続きまして、清水川排水機場につきまして、もう一度借家人との意見交換をする予定があるかどうかという再質問でございます。  これにつきましては、先ほど申し上げたように、大家さんとはそういう状況でございましたけれども、再度、鳥取市と一緒に、アパートの大家さんと借家人とあわせて意見を聴取させていただきたいというふうに考えております。  もう1点、排水ポンプを1台常設するということだが、それでは足りないのではないかというようなお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、県内には国交省所有のポンプ車が6台、さらに県所有のポンプ車が2台、計8台でございまして、東部管内には国県合わせて3台のポンプ車がございます。  7月豪雨時、県所有のポンプ車、これは福部町の塩見川で既に運転中でございましたので、清水川については使用しておりません。このため、国土交通省鳥取河川国道事務所と倉吉河川国道事務所、ここに1台ずつポンプ車応援を要請させていただいて、さらに鳥取市の消防ポンプ車、また業者所有の可搬式のポンプ、こういったものを導入させていただいて排水作業をさせていただきました。  排水ポンプ車が不足しているのではという御指摘でございますが、今年度、排水ポンプ車を1台導入させていただきます。鳥取市の他の浸水実績箇所、こういったところへも出動を視野に入れて、そのほぼ中央に位置する清水川排水機場周辺に緊急出動に対応できるよう拠点づくりをしようと、本9月議会におきまして必要予算を提案させていただいているところでございます。  なお、ポンプ車はあくまでも補助的あるいは予備的な機能でございます。基本的には、清水川排水機場を含めまして他の排水機場のポンプ機能の増強、こういったものを浸水対策については対応してまいりたいというふうに考えておりますが、今後、社会情勢の変化等、ポンプ車の必要性が生じた場合には増設について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◯議長(稲田寿久君)村尾農林水産部長 ◯農林水産部長(村尾和博君)しっかり守る農林基盤交付金につきまして、3点お尋ねをいただきました。  まずは、本交付金の災害枠を林道や作業道の災害復旧でも活用できるようにしてはどうかとのお尋ねです。  本交付金は、平成22年の創設時には通常枠のみでありまして、農地や林道の小規模な整備を計画的に行うことが目的でありました。その後、平成25年度の豪雨によりまして、農地や農道等の復旧に対応するため補正予算で災害枠を追加したものでございます。そのため、議員お話しのとおり林道や作業道は災害枠の対象となっておらず、現在は通常枠予算を活用して小規模な災害復旧に対応しているところであります。これまでに市町村から本交付金の災害枠の見直し等の要望はありませんが、今回の豪雨災害を踏まえまして、どういう事業の仕組みが現場で対応しやすいのか市町村の意見を聞いてみたいと考えます。  2点目は、通常枠が足りなくなったら補正予算を組む意思はあるかとのお尋ねです。  現時点で、通常枠での復旧対応が必要な林道や作業道は合わせて14カ所、事業費合計で97万円であります。県負担はこの2分の1でありますので、現在県は通常枠予算の1割に相当する1,850万円を保留しております。この予算でしっかり対応できると考えております。  3点目は、本交付金の地元負担が重いのではとのお尋ねです。  本交付金は、災害復旧におきましては、事業主体の市町村と同額を県が負担する仕組みであります。市町村によっては補助率をかさ上げされまして、例えば農家負担を農地で10%、土地改良施設で5%まで軽減されている事例もあります。引き続き、市町村に対して地元負担軽減に努めていただくよう働きかけたいと考えます。 ◯議長(稲田寿久君)これをもって、議案に対する質疑を終結いたします。  それでは、議案第1号及び第3号は、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  暫時休憩いたします。        午後4時21分休憩    ────────────────        午後4時38分再開 ◯議長(稲田寿久君)再開いたします。  議案第1号及び第3号を一括して議題といたします。  まず、各常任委員長に順次審査結果の報告を求めます。  農林水産商工常任委員長森雅幹議員 ◯農林水産商工常任委員長(森雅幹君)(登壇)農林水産商工常任委員会に付託されました諸議案について、審査の結果を御報告申し上げます。  議案第1号「平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第3号)(平成30年7月豪雨対策関係)」及び議案第3号「平成30年度鳥取県県営林事業特別会計補正予算(第1号)(平成30年7月豪雨対策関係)」は、いずれも妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)地域振興県土警察常任委員長西川憲雄議員 ◯地域振興県土警察常任委員長(西川憲雄君)(登壇)本会議から地域振興県土警察常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第1号「平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第3号)(平成30年7月豪雨対策関係)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)総務教育常任委員長福田俊史議員 ◯総務教育常任委員長(福田俊史君)(登壇)本会議から総務教育常任委員会に付託されました議案につきまして、慎重に審査をいたしましたので、その結果を御報告申し上げます。  本委員会所管の議案第1号「平成30年度鳥取県一般会計補正予算(第3号)(平成30年7月豪雨対策関係)」は、妥当なものと認め、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  これをもちまして本委員会の審査結果の報告を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)以上で、各常任委員長の審査報告は終わりました。  ただいまの委員長報告に対する質疑の通告はありませんので、これより、討論に移ります。  討論は、ただいま各常任委員長から審査報告のありました議案第1号及び第3号について一括して行っていただきます。  それでは、討論の通告がありますので、発言を許します。  5番市谷知子議員 ◯5番(市谷知子君)(登壇)日本共産党の市谷知子です。日本共産党県議団を代表し、議案第1号、7月豪雨対策補正予算の賛成討論を行います。  今回の7月豪雨は、県内では特に東部で厳しく、千代川のすぐ横に住む私は、知事も言われたように、今回は千代川がだめかもしれないと大きな不安に襲われました。千代川が決壊すれば避難所の学校もつかる、どこに逃げたらいいのか、逃げられるのか、近くに住む方々や避難所の小学校の校長先生も皆同じ気持ちでした。結果的に千代川下流域での堤防決壊はありませんでしたが、智頭町など上流部での護岸の崩壊や冠水、県管理の河川の浸水、道路、山林、農地など被害が広がりました。  知事はすぐに10の被災自治体を災害救助法に適用し、国、県の支援が受けられるようにしました。また、知事や県職員の皆さんが、被災自治体と力を合わせ被災の実態調査をし、18億円余りの専決予算を組み、そして今回123億円余りの補正予算を組みました。清水川の浸水被害はまだ住民の皆さんの願いに応え切れていないなど改善すべき点もまだありますけれども、全体的には素早く被災自治体や被災者の声や要望に沿った対応をされたことに敬意を表したいと思います。  そして私も、被災された方々や被災自治体の町長さんのお話も聞きました。大雨になったら危険なのに、河川にたまった土砂や茂った樹木がなかなか取ってもらえない、国の災害復旧事業は工事費が40万円以上でないと使えない、以前と違って自治体職員が減っていて、自力で災害査定をすることができなくなっているが、測量を委託するための補助金がわずかしかない、作業道は国の支援が対象外になっている、災害復旧工事は補助率が低く、地方の起債に対する国の交付税措置があるが、地方交付税が減らされている、財政が心配、被災した住宅への国の支援は最大300万円で、それでは家が建たない、額をふやすべきという声でした。いかに国の災害対策や、また防災対策や予算が不足しているかということを実感いたしました。  安倍政権は今、軍事費をどんどんふやし、戦闘機やオスプレイはふやしているのに、なぜ防災対策や災害復旧制度が貧しいままなのか。本当に国民の生命、財産を守るというのならば、想定外の災害が起こるのが常となっている今、国の防災・災害対策の抜本的見直し、拡充が必要であることを改めて主張したいと思います。  そして今回、県は、こうした国の災害復旧事業の不足する部分を、質疑の答弁でもあったように、きちんと国に改善要望をし、県としても国制度の不足を補う努力をしています。私は、こうした県の姿勢は、今後の県の災害対策を充実させる上でも、県政運営を発展させる上でも生きてくるであろうことを希望します。  以上の理由から、日本共産党も一緒になって災害復旧に力を尽くす決意を述べ、議案第1号、7月豪雨災害対策予算の賛成討論といたします。 ◯議長(稲田寿久君)これをもって、討論を終結いたします。  これより、議案について、起立により採決いたします。  議案第1号及び第3号は、委員長の報告のとおり原案を可決することに賛成の議員の起立を求めます。  〔賛成者起立〕  起立全員であります。  よって、以上2議案は、原案のとおり可決されました。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後4時47分散会    ────────────────...