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  1. 佐賀県議会 2021-03-10
    令和3年地域交流・県土整備常任委員会 本文 開催日:2021年03月10日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時三分 開議 ◯大場委員長=おはようございます。ただいまから地域交流県土整備常任委員会を開催いたします。     ○ 黙     祷 2 ◯大場委員長=ここで、三月五日に逝去されました桃崎峰人議長の御冥福をお祈り申し上げ、黙祷をささげたいと思います。全員起立、黙祷始め。     〔全員起立、黙祷〕 3 ◯大場委員長=黙祷を終わります。着席してください。     〔全 員 着 席〕 4 ◯大場委員長=ありがとうございました。  これより質疑に入ります。通告に従い順次発言を許可いたします。 5 ◯江口委員=皆さん、おはようございます。県民ネットワークの江口善紀です。  ただいま黙祷をささげました桃崎峰人議長には、私が初当選のときから、党派、会派は違えども、いろいろと声をかけていただき、気さくに接して、いろんな御指導をいただきました。心から感謝申し上げます。心から御冥福をお祈りしたいと思います。  それでは、地域交流県土整備常任委員会の二月定例会の質問に入らせていただきます。  日中の日差しも少し温かくなってきて、今日、明日は最高気温も二十度ぐらいになるということで、だんだん春めいてきたと思います。  さきおとといの日曜日に吉野ヶ里歴史公園に約十年ぶりに行ってまいりまして、ちょっと曇りで肌寒かったんですけれども、約十年ぶりに、久しぶりに園内に入って、北墳丘墓をはじめ、中の状況をちょっと見てまいりました。そういったことも踏まえて、一問目は吉野ヶ里歴史公園について質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  吉野ヶ里歴史公園は、御存じのとおり、国営公園県立公園が一体となった公園として平成十三年四月に開園し、今年の四月に二十周年を迎えるということでございます。  国営エリアでは、特別史跡に指定された吉野ヶ里遺跡の保存や活用が図られており、弥生時代の風景が形成され、訪れた人が歴史のロマンを感じながら展示施設や体験施設で楽しく学習することができることになっております。  一方、県立エリアでは、広大な芝生や遊具で遊んだり、自然の中で散策やジョギングなどのスポーツを楽しんだり、バーベキューをしたりとか、四季を通じて様々なレクリエーションを楽しむことができるようになっています。  このように多様な施設を有する吉野ヶ里歴史公園ですが、小さい頃、お子さんの頃に、広大な芝生公園や遊具で元気よく遊んでいたお子さんが、小学生、中学生になって、修学旅行や研修などで再び吉野ヶ里歴史公園を訪れて古代の歴史を勉強し、さらに、大人になってお子さん連れで来園するなど、今後も吉野ヶ里歴史公園には多くの方々が度々訪れていただける、そういう公園になることを私も望んでおります。  そこで、今回、この吉野ヶ里歴史公園について、るる質問していきたいと思います。  まず一点目が、「子育てし大”券”」事業について、おさらいも兼ねて質問させていただきます。
     吉野ヶ里歴史公園におきましては、佐賀県では、エンジョイパーク吉野ヶ里「子育てし大”券”」事業による招待券配布に取り組まれており、公園の利用者が年々増加しているというふうに伺っております。  まず、この招待券配布の目的についてでありますが、「子育てし大”券”」事業による招待券配布は、いつから、どのような目的で実施されているのか、おさらいも兼ねてこの点から御答弁をお願いいたします。 6 ◯楠都市計画課長=招待券の配布目的についてお答えいたします。  まず、招待券の配布がいつからなされていたのかという御質問についてお答えします。  エンジョイパーク吉野ヶ里「子育てし大”券”」事業による招待券の配布は、「佐賀県総合計画二〇一五」の重点項目である「子育てし大県”さが”プロジェクト」の一環として、平成二十八年度から取り組んでおります。  初年度となります平成二十八年度は、七月から十一月までの五カ月間が招待券を利用できる期間としておりましたが、平成二十九年度以降は、四月から五月までの二カ月間と、九月から十一月までの三カ月間、合わせて五カ月間を招待券が利用できる期間とさせていただいております。  次に、招待券配布の目的についてでございますが、子育てフィールドとして、広場や遊び場などのレクリエーション空間を有する吉野ヶ里歴史公園をまず知っていただくということを目的として、招待券の配布を行っているところでございます。  招待券の配布の目的については以上でございます。 7 ◯江口委員=ありがとうございました。招待券の配布の方法についてお尋ねしたいと思います。  招待券はどのような方法で配布しているのか。また、どのような地域に向けて配布されているのか、そのあたりはいかがでしょうか。 8 ◯楠都市計画課長招待券配布の方法についてお答え申し上げます。  招待券は、県民だよりや、年に四回発行しております公園の広報誌といった印刷物による配布に加えて、SNSによる配信を行っているところです。  また、配布している地域につきましては、当初は、県内及び吉野ヶ里歴史公園に近い福岡県の地域への配布を行っていたところでございますが、現在では、さらに多くの方々に利用していただけるよう、福岡県の配布地域を拡大いたしまして、併せて長崎県、熊本県、大分県の一部についても配布しているところでございます。  配布の方法については、以上でございます。 9 ◯江口委員=それでは、配布の範囲を広げられている招待券ですけれども、利用状況についてお尋ねします。  招待券の利用者は、どのような地域から利用されているのでしょうか。また、招待券を利用された方は、入場者のうちどれぐらいの方が割合としていらっしゃるのか、その辺のことについてお願いいたします。 10 ◯楠都市計画課長招待券利用者の状況についてお答えします。  まず、どの地域から来園されているのかという御質問についてお答えいたします。  地域につきましては、平成二十八年度から招待券の利用者に対してアンケート調査を継続して実施しておりまして、昨年度のアンケート結果によりますと、佐賀県内の利用者は約三割、県外の利用者が約七割となっております。特に福岡県の利用者が最も多く、全体の六割を占めている状況でございます。  また、招待券を利用した公園の利用者数は、平成二十八年度は約一万六千人、平成二十九年度は約五万四千人、平成三十年度は約五万八千人、令和元年度は約四万五千人、令和二年度は約四万七千人となっております。  招待券利用者の状況については以上でございます。 11 ◯江口委員=私も三カ所、駐車場を見て、西口のほうが多かったなと。北口のほうに行って、北口はちょっと少なかったなと。その後、東口に回って、駐車場を全部ぐるっと回って、車のナンバーを見てどの辺から来ておられるかということを見ると、やっぱり福岡、久留米が多いですね。あと、広島、岡山、長崎もあったし、レンタカーもあるし、転勤の方もいらっしゃるし、湘南ナンバーも一台あって面白かったんですけれども。  御高齢の方、お子さん連れの方、いろんなお客さんを見まして、今、御答弁いただいた五万人を超えるような方々の六割が福岡の方というのは、吉野ヶ里歴史公園の入場者の範囲の拡大に非常に効果があったのではないかというふうに私自身は受け止めております。  では、公園利用者の推移について伺いたいと思いますが、平成十三年の開園から昨年度まで、公園利用者数はどのように推移しているんでしょうか。開園の頃からと、一旦ブームがあったりとか、最近はコロナもあると思うんですが、この推移について御答弁をお願いします。 12 ◯楠都市計画課長公園利用者の推移についてお答えします。  吉野ヶ里歴史公園が開園した平成十三年度の公園利用者数は、約六十八万一千人でございましたが、その後、利用者数は徐々に減少しまして、平成十六年度は約四十一万五千人となっております。  その後、国営エリア弥生くらし館北墳丘墓の追加開園などにより、徐々に利用者が増加しまして、平成二十年度は約六十四万六千人となり、平成二十一年度から平成二十六年度までは、おおむね六十万人台で推移しております。平成二十七年度は七十三万一千人と、初めて年間利用者数が七十万人を超えております。  招待券配布を始めた平成二十八年度は、熊本地震の影響で約六十八万五千人と減少したものの、平成二十九年度は約七十三万五千人、平成三十年度は、過去最高の約七十七万三千人まで増加いたしております。続く令和元年度も、十一カ月を経過した二月までは過去最高を上回るペースの利用者数でございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、最終的には約七十二万人にとどまっております。  公園利用者の推移については以上でございます。 13 ◯江口委員=世界遺産の認定とか、最初の一、二年は、がっと注目が集まり、そして少し落ち着いてくるというのは常かなというふうに思いますけれども、平成二十七年、二十八年ぐらいから、招待券の事業で結構底上げといいますか、プラスアルファ、入場者数が増えたというのが数字にも現れているのかなというふうに見てとれるかと思います。  また、社会情勢においていろんな影響があるということも、今の御答弁で、なるほど、そういった時代だったなということを振り返らせていただきました。  それでは、先ほどもちょっと言及しましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響によって、今年度の公園の利用者数はどんな状況なのか、その点についていかがでしょうか。 14 ◯楠都市計画課長新型コロナウイルス感染症の影響についてお答えいたします。  令和二年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、令和二年四月十八日から五月十日までのゴールデンウイークを含む二十三日間、臨時休園したことや、年間を通じてイベントが中止となったことにより、令和三年二月末の時点で約三十五万人と、昨年の同時期に比べて約半数に落ち込んでおります。  このような状況にあっても、招待券による利用者数は、前年並みの約四万七千人であり、コロナ禍におきましても、招待券があることで吉野ヶ里歴史公園を利用するきっかけになったと考えております。  新型コロナウイルス感染症の影響については以上でございます。 15 ◯江口委員=ありがとうございます。この新型コロナウイルス感染症の影響というのは、本当にやむを得ない部分があります。特に緊急事態宣言とか、あるいは閉園せざるを得なかった、そういった社会状況があると思いますので。  しかしながら、この「子育てし大”券”」事業を継続することによって、だんだんまたこの公園を訪れるきっかけとなる、また、お子さん方は入れ替わって、お子さんの世代、ずっと来ますので、引き続き対応していただければと思います。  また、西口のほうにはいろんな遊具とか、家族で楽しめるような取組をここ数年追加されているということであります。あんなに大きな公園ですから、確かに入り口によって客層というのもそれぞれ分散しているんだなと、実際に行ってみると、そういったことを見てとれた、そういうふうに感じております。  では、今後の取組についてでありますが、これまでの公園利用者の状況を踏まえて無料招待券の配布について、今後どのように取り組んでいくのか、その点についてはいかがでしょうか。 16 ◯楠都市計画課長=今後の取組についてお答えします。  招待券の配布は、「子育てし大県”さが”プロジェクト」の取組の一つとして、平成二十八年度から令和二年度までの五カ年間取り組んできたことにより、多くの利用者をお迎えすることができました。招待券利用者へのアンケートでは、初めて吉野ヶ里歴史公園を利用したという方が毎年約三割でありますことから、招待券により新たな利用者の掘り起こしができているものと考えております。  また、このアンケート調査では、お住まいの地域や招待券の入手方法などについてもお聞きしており、これらの結果を基に、今後も引き続き、効果的な招待券の配布を行い、公園利用の促進に努めてまいりたいと考えております。 17 ◯江口委員=招待券の確認ですけど、入場料は、基本、中学生以下が無料なんですよね。招待券とアンケートを引き換えて、そして、同伴の大人が無料になる、そういった仕組みでよかったんでしょうか、その点についてお伺いします。 18 ◯楠都市計画課長=招待券の仕組みでございますが、中学生以下は、もともと無料でございました。中学生以下のお子様をお連れの大人に対して無料となります。ただ、お子さんを含めたグループとして十人までという制限をさせていただいておりまして、十人までであれば無料ということで入園していただいている状況でございます。  以上でございます。 19 ◯江口委員=ありがとうございます。車一台、車二台と連れ立って来ていただければと思います。  次に、今年度の主要事項に入っています吉野ヶ里歴史公園二十周年事業についてお尋ねしたいと思います。  令和三年度に実施する吉野ヶ里歴史公園二十周年事業は、どのような目的で実施するのか、その点についてお願いいたします。 20 ◯楠都市計画課長=事業の目的についてお答えいたします。  事業の目的は、吉野ヶ里歴史公園が開園して二十周年を迎えることを契機に、大きく広がる空の下、多彩な自然体験ができる吉野ヶ里歴史公園が持つオープンエアの強みを最大限に生かして、アウトドアを楽しめる新しいスタイルの公園としてイベントを実施し、また、子育て世代をはじめ、幅広い世代に利用していただくことで、神埼・吉野ヶ里エリアにおける、県内や福岡都市圏、筑後地域などからの交流人口の増加を図ることを目的としております。  以上でございます。 21 ◯江口委員=それでは、事業の概要についてでありますけれども、二十周年事業では、どのような取組を実施するのでしょうか。「子育てし大”券”」事業は、毎年、約三千万円ぐらいの予算を計上して行われているということで、今回の拡充分に関しては、一般財源で三千七百万円ほどの事業が提案されておりますが、その事業概要について御答弁をお願いします。 22 ◯楠都市計画課長事業概要についてお答えします。  開園記念日であります令和三年四月二十一日のキックオフイベントを皮切りに、一年間を通してイベントを開催することとしております。  具体的には、子育て世代を中心に家族で楽しむデイキャンプの開催や、広大な芝生の上で楽しめるスポーツイベントを開催し、また、吉野ヶ里歴史公園の強みでありますオープンエアを最大限に生かした取組を進めてまいります。  さらに、吉野ヶ里マルシェや軽トラ市の開催に合わせてキャラクターショーなど子供も楽しめるイベントを実施することにしております。  また、吉野ヶ里歴史公園をもっと知ってもらうためにPR活動にもしっかりと取り組んでまいります。  具体的には、これまでの広報誌による情報発信のほか、吉野ヶ里歴史公園及びその周辺観光施設を含めた映像コンテンツをSNS等で発信してまいりたいと思っております。  事業概要については以上でございます。 23 ◯江口委員=ありがとうございます。屋外のレクリエーションといったものを取り入れて吉野ヶ里歴史公園の魅力を新たにもっと広げていこうということで、キャンプとか、ドッグランとか、いろんなものを取り入れていこうという企画だと議案の勉強会資料で伺っております。  日曜日に行ったときも、北のほうで「花と緑の市」が春と秋に開かれているということで、私、今回初めて中に入ったら、お客さんが結構多くてびっくりしました。私より大きなトトロが展示してあって、そこで写真を撮る人も多くて、今どきだな、いろんな工夫をされているんだなというふうな感じをしました。  また、東口から券売機で券を買って、案内の係の人が立っていらっしゃるので、ちょっと聞いてみたら、まず、「どれぐらい見学の時間がありますか」ということを聞かれて、それで三十分なり一時間に合わせて、こういうふうに行ったらいかがですかと、そういったことの案内をちゃんとしてくださったので、非常に親切だなと、大切なことだなと。  あと、今回、私は初めて周遊バスを使ったんですね。まず周遊バスでずっと北のほうまで上がって、十年ぶりぐらいに北墳丘墓に行って、メインのところで動画を撮りました。また、吉野ヶ里のイメージというと、やぐらのイメージが多いんですけど、北墳丘墓を紹介してみようと思って自撮りして動画を撮ったので、質問が終わってから配信したいと思います。  あのバスを上手に使うといいなと思ったのは、北墳丘墓に高齢の御夫婦がいらっしゃって、「このバスはどこに行くんですか」と。入り口から一キロぐらい歩いてここまで来んさったとやろうねと思うてですね、「これ、入り口まで行きますよ」と言うと、「ああ、よかった」と言って乗って行きんさったので、周遊バスを上手に使うと、もっといいのかなと。  あと、お子さん連れの方も、これから天気がよくなるので、コロナの収束に乗じて、また公園への入園者が増えることをぜひ期待したいと思います。  最後に、吉野ヶ里歴史公園の目指す姿についてであります。  招待券の配布や二十周年の事業を行うことで、今後も多くの方々に利用していただきたいと思っております。県として吉野ヶ里歴史公園を今後どのような公園にしていくのか、その方向性についてお願いいたしたいと思います。 24 ◯楠都市計画課長吉野ヶ里歴史公園の目指す姿についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により、三密を避け、屋外でゆっくり過ごすことのできる公園の価値が再認識されております。  感染リスクの少ない新しい生活様式の下、多彩な自然体験を楽しんでもらうため、吉野ヶ里歴史公園の周辺にある「アドベンチャーバレーSAGA」、「道の駅吉野ヶ里さざんか千坊館」、また、「ひがしせふり温泉山茶花の湯」などの観光施設と連携しまして、「OPEN─AIR佐賀」を推進することが必要と考えております。  こうしたことから、吉野ヶ里歴史公園におきましては、弥生時代の歴史に触れるだけではなく、広大な芝生の上で利用者がお気に入りのアウトドアを楽しみ、また、様々なイベントを通じて子育て世代をはじめ、幅広い年代の方に楽しんでいただけるような公園を目指してまいります。  さらには、吉野ヶ里歴史公園と周辺の観光施設とが連携し、神埼・吉野ヶ里エリアを訪れる人の増加につながるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 25 ◯江口委員=ありがとうございます。私が帰るときに学生服の男女の集団が出口に向かって歩いていたので、最後尾を歩く引率の先生らしき方にお声がけして、「どちらからですか」と言ったら、(委員長、副委員長と交代)北海道札幌月寒高校と。調べてみたら偏差値六十三で結構すごい、北海道で十何番目の進学校でした。バス四台口で見えていて、あしたまた半分来ますということで、おー、八台口かと。朝、福岡空港に降り立ち、吉野ヶ里歴史公園は一カ所目だと。それから長崎、熊本へ行って三泊四日で帰ると。修学旅行に来れてよかったですねということと、一カ所目に、よくぞ吉野ヶ里歴史公園を選んでいただけたと。とにかく気温が全然違うと、道路が凍ってないのがすごくうれしいと。「札幌といえば北海道神宮の島義勇さんですよね」と言ったら、「はい、そうですよ」と。やっぱり札幌の方には島義勇さんの、判官さんのことで共感をいただけて、今でも修学旅行で来ていただけるのはありがたいことだなと思います。  北墳丘墓の本物の十四個のかめ棺を発見してすぐに銅剣が出たり、ガラスの管玉が出たり等、すごいことだなと改めて再認識しました。この予算はずっと続けて、これからもいろんな施策を打って伝え続けなければいけないなと思いました。  あと、お城の千田嘉博先生かな、この前も佐賀城本丸イベントに来てくださいました。あの方の本に、吉野ヶ里歴史公園の再現の柵が板状になっていて、内側から弓矢を打てない構造になっているので、再現に関しては少し検証の余地があるんじゃないかという下りがあったと知り合いに言われて、私もその方の本を買って、さっき控室に置いてきて持ってくるのを忘れちゃったんですが、そういったこともありました。考古学というのは、時代が新しくなるにつれて昔のことがよりわかってくるというパラドックスがあります。この点に関しては、恐らく文化課の橋口課長の、また別のあれかと思うんですが、そういったことも検証しながら、さらによりよい公園づくりに今後とも取り組んでいただければと思いまして、この質問については、これで閉じさせていただきます。  では、二問目の多文化共生の推進についての質問に入らせていただきます。  佐賀でも外国人の方を随分とお見かけするのが増えましたね。そうですね、私が佐賀に帰ってきた十五、六年前は、佐賀で外国人の方といったら、佐賀大学の留学生とか、佐賀大学はアジアからの留学生が結構多かったからですね。大学関係の先生、講師の方、あと、中学や高校で英語を教えるALTの方が多かったのかな、あと夜の町も多かったか。  そして、どんどん日本に、都市部のみならず、地方でも外国の方が増えてきました。私は、非常に肯定的に捉えております。当然のことだと思います。ただ、在留資格とかそういったことと、その方々がふだんどのように生活をされているかというのは、それぞれの背景があります。そういった中で社会の変容とともに、在留外国人の方々もいろんな形で、滞在の形や、あと生活、コミュニティーとの関わり方、いい面もデメリットも、陰陽両方の側面があると思います。ここ数年、多文化共生という言葉が使われ出してきております。その言葉も使いながら、今回の質問に入らせていただきたいと思います。  昨今の国内における日本人の人口減少、少子・高齢化等により、労働力不足はますます深刻化しております。一方で外国人の労働者数は年々増加しているというふうに感じております。特に、技能実習生が増加しているということであります。十一月定例会のこの委員会でも神埼の実松製作所というところに視察に伺いまして、実際に技能実習生を受け入れている企業の現状についてお話を直接伺ったところであります。  それに加えて、平成三十一年四月一日から新たな在留資格として特定技能という制度が創設されました。特定分野において外国人労働者を受け入れることとなり、今後も外国人の増加が見込まれております。  こうした中、技能実習生の労働環境問題等について、最近、ニュース等で聞くこともしばしばあります。テレビでルポを目にする機会も増えております。実習や就職の場として佐賀を選んでくださった、御縁があって佐賀に来られた外国人の方には、佐賀に来てよかったなと振り返ってもらえるように、また、佐賀で笑顔で生活してほしいというふうに常々願っております。  県民の中には、地域に住む外国人の方が、どういう国籍の方なんだろう、どこから見えているんだろう、そして、どこで働いているのか知らない人も多いのではないかと思います。また、交流をしたくても、日本人も外国人も共に言葉の壁とか交流のきっかけがつかめずに、相互にコミュニケーションが取れずにいるのではないかというふうにも思います。  県としては、受入れ環境の整備やコミュニケーションの場の創出などの働きかけを行い、日本人と外国人が共に住みやすい環境の整備を行っていく必要があると思います。そこで、るる質問をさせていただきたいと思います。  まず一点目、佐賀県における外国人住民の推移についてであります。  ちなみに、過去五年間における佐賀県内在住の外国人の人数というのはどのような状況なのか。  また、在留資格別、出身国別で、願わくば主な市町別等で御答弁をいただければと思います。数字も絡みますので、数字はゆっくりと御答弁をいただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。 26 ◯井崎国際課長=外国人住民の推移についてお答えいたします。  県内の外国人住民の総数は、直近の令和三年一月一日現在の統計で七千三十一人となっております。令和二年一月一日現在の七千二百四人からは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などもありまして若干減少しておりますものの、五年前の四千五百三十六人からは一・六倍となっておりまして、急激な伸びが見受けられるところでございます。  次に、在留資格別でございますけれども、技能実習生が二千八百六十八人でございまして、全体の約四割を占めております。労働力不足を背景にしまして、五年前から二倍になっております。  次いで日本語学校の新設などによりまして、留学生が八百二十四人と、五年前の一・三倍に増加しております。  次に、出身国別でございますが、技能実習生の増加を背景にして、ベトナムからが二千四百十一人で最も多く、全体の約三割強を占めております。ついで中国が千百五十人となっています。五年前からの増加率の比較で見てみますと、ミャンマーが二百四十六人で八・二倍に、次いでベトナムが三・五倍に増加しているところでございます。  次に、市町別に見ますと、実数では佐賀市が最も多く、千七百八十九人で全体の約二五%、次いで鳥栖市が千二百九十九人、唐津市が七百七十六人の順となっています。増加率では基山町が二百八十二人で、五年前の三・〇倍、神埼市が二百五十七人で二・八倍となっておりまして、工業団地などのあるところの増加率が多い状況となっております。  以上でございます。 27 ◯江口委員=ありがとうございます。三、四年前にみやき町の野菜の加工施設を産業常任委員会で視察したときも、五人ぐらいの女性の技能実習生がいらっしゃったというふうに伺っております。食品関係とか、加工工場とか、いろんな職種に技能実習生として入られている方が多いというふうに伺っております。  それでは、そういった技能実習生の方々が、寮というか、お住まいと、あと研修先というか、職場との行き来、ほとんどそういうふうな生活であったりとか、この制度は、いろんな陰と陽を本当に内包している制度でありますけれども、目的にしっかり沿って、技能実習生の生活ができて、かつ、正当な報酬を、人権をしっかり守られるか、守られた上で制度が運用されてほしいということを常々願った上で、今回、質問に取り上げさせていただいています。  これまで佐賀県でも多文化共生ということでいろんな取組をされていらっしゃると思います。日本人や外国人が共に暮らす、暮らしやすい環境づくりに向けて、これまではどのような取組を行ってこられたのか、どういった施策を県のほうでされてきたのか、その点について御答弁をお願いします。 28 ◯井崎国際課長=これまでの県の多文化共生の取組についてお答えいたします。  県内の外国人住民の数は、労働力不足を背景に、平成二十七年ぐらいを境に急増しております。こうしたことを背景といたしまして、県では、日本人と外国人が共に暮らしやすい環境としていくために、コミュニケーションの円滑化に向けた取組を進めてきたところでございます。
     具体的には、外国人住民と地域社会とのコミュニケーションの架け橋的な場となります地域日本語教室を核としました「顔の見える関係づくり」を進めるため、地域日本語教室の空白地域の解消に向けた支援に重点的に取り組んでまいりました。  また、総合相談窓口といたしまして、十九言語対応でアウトリーチ型の相談機能も備えました「さが多文化共生センター」を設置いたしまして相談機能を強化するなど、日本人と外国人の双方に対しまして、様々な面から取組を進めてきたところでございます。  以上でございます。 29 ◯江口委員=ありがとうございます。国際交流協会とか、佐賀市も県もいろんな──商工会館ビルの一階に私は意外と寄ります。何かイベントをやっているかなとか、掲示板にいろんな、語学の教室とか、あるいは高校生が勉強している姿とか割と好きなので、ちょくちょく寄らせていただいております。  こういった地域の日本語教室ですとか、やさしい日本語教室ですとか、あと、市町によってそういったことに担当課の人員を割けないとか、いろんな課題があると思います。  今、御答弁いただいたような様々な取組、地域によっても差があると思うんですけれども、このように多文化共生に取り組んでいく上でどのような課題があると受け止めていらっしゃるのか、その現状についてお願いいたします。 30 ◯井崎国際課長=取組を行う上での課題についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、県では、これまでコミュニケーションの円滑化に向けた取組を重点的に進めてきたところでございます。  しかしながら、近年、急増している技能実習生を中心とした外国人人材につきまして、先ほど委員のほうからもお話がありましたように、その活動が職場と住居の往復だけにとどまっていて、地域住民との交流の機会がないとか、あるいは外国籍など海外に由来がある子供の保護者が、日本語が上達せずコミュニケーションに不安を抱えたまま、地域になじめないなどで地域に根差した生活が送れていないといったことも、よく聞かれるところでございます。  コミュニケーションの円滑化ということからすれば、まだまだというふうに感じておりまして、地域において「顔の見える関係」を築いていくためには、地域日本語教室の設置に向けた取組や、地域における交流の場づくりなどの取組をさらに進めていく必要がございます。  また、こうした取組を進めていくためには、企業や団体などに出向く、あるいは地域に分け入って外国人と地域との接点を増やし、交流の機会をつくり出す、そうした役割を担っていただける方々を増やしていく取組も必要であろうと考えているところでございます。 31 ◯江口委員=ありがとうございます。それでは、そういった課題を踏まえた上で、今後の多文化共生の取組についてということでお尋ねしたいと思います。  まず一点目、コミュニケーションの支援についてです。  地域日本語教室の取組への支援が引き続き課題であるというふうに考えます。市町によって外国人の人数も全然違うし、また、ノウハウがあるかどうかとか、そういったことがあると思います。  このコミュニケーション支援について、今後、どのように取り組んでいかれるのか、その点についてお願いいたします。 32 ◯井崎国際課長=コミュニケーション支援についてお答えいたします。  コミュニケーション支援としましては、地域日本語教室の役割がなお重要でありますので、県では、引き続き、地域日本語教室を核といたしました「顔の見える関係づくり」に重点的に取り組んでいくこととしております。  具体的には、来年度、日本語教師の資格を有し、外国人に対する日本語の普及に多くの経験を持つ者を「日本語コーディネーター」として新たに県に配置したいと考えておりまして、地域日本語教室空白地域の解消や既存の教室の活動の活発化に向けての取組、あるいは地域住民に対する「やさしい日本語」の普及の取組などに対しまして、より積極的な支援を行っていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 33 ◯江口委員=御答弁いただいた日本語コーディネーター……(発言する者あり)失礼しました。地域日本語教室、「やさしい日本語」の取組はとても大切だと思います。  次に、多文化共生の担い手についてですけれども、地域における多文化共生の担い手が不足しているということですが、これに対してどのように取り組んでいくのか、この点についてお願いします。 34 ◯井崎国際課長=多文化共生の担い手についてお答えいたします。  県では、来年度、地域おこし協力隊の制度を活用いたしまして、「多文化交流サポーター」という、これは仮称でございますけれども、地域における取組を促すサポーター役を配置する予定でございます。  この多文化交流サポーター(仮称)は、地域の声を聞きながら、企画、実行までを伴走して行うなどのサポートや、地域と外国人との交流の機会づくり、あるいは他の地域の優良な取組事例や団体の紹介などを行うことで、地域と外国人とをつなぐ役割を担うこととしております。  地域おこし協力隊の熱意や行動力、こういったものが地域に大きな刺激と変化を与え、また、「よそ者」の斬新な視点が今までにないようなものを生み出す起爆剤となる。そうしたことが地域における取組の推進につながるものと期待しております。  こうした取組を通じまして、地域と外国人との接点を増やし、交流の機会をつくり出すなど、多文化共生の取組を進める役割を担っていく方々を増やし、将来的な県内への定着や地域における活動につなげたいと考えているところでございます。  以上でございます。 35 ◯江口委員=そうですね。ちょっと先走ってしまいました。地域おこし協力隊を多文化交流サポーター(仮称)ということで、地域おこし協力隊は、まちづくり、村おこし、そういったイメージを従来持っていましたが、なるほど、こういう形での配置、活用の仕方があるのかというのが、今回、質問の聴取のやり取りの中で教えられました。逆に言うと、まさに地域おこしだなと、多文化共生の面でということで、なるほどなと。予算額としては、そんなに大きなものではないかもしれないけれども、こういう使い方ができるんだということを気づかせていただきました。  結局、自転車で外国人らしき若者が行きよんさっばってんが、本当に何やろうという感じがやっぱり多いと思うんですよね。でも、さっき御答弁いただいたように、地域の中で、まずは近所の人が、「こんにちは」と挨拶とか、そういうふうなちょっとしたコミュニケーション、コミュニケーションというのはそこからだと思うんですけれども、そういうことができるようにぜひなっていただきたいなというふうにすごく思うんです。  我々、この委員会の十一月議会で実松製作所さんに伺ったときに、神埼エリアで、あと二つぐらいの会社の技能実習生と一緒に会を催されて、仕事と住まいとの往復以外に、そういった若者たちで楽しい時間を共有したりとか、そういうことはとても大切だと思うし、技能実習生の陰の部分、トラブルとか、そういったことにいかないように、そういった若者のメンタルの安定としても、とても大切な取組だと思います。しかし、市町の担い手の不足、また、経験不足というのがあると思いますので、この多文化交流サポーター(仮称)の活躍に期待したいところであります。  次に、市町との連携ですが、多文化共生という言葉を使い過ぎると難しく感じるかもしれませんけれども、多文化共生を推進する上で市町の果たす役割は大きいと思います。県と市町との連携をどういうふうにしていくのか、その点についてはどのようになっているでしょうか。 36 ◯井崎国際課長=市町との連携についてお答えいたします。  これまでも市町とは、いろんな機会を捉えまして意見交換を行い、佐賀県国際交流協会も含め、相互に連携を図ってまいりました。  加えまして、昨年十一月には、県、市町、県国際交流協会によります「佐賀県多文化共生連絡協議会」を新たに設置しまして、優良な取組事例等の情報共有や、連携した取組の検討などを行っているところでございます。  取組事例を幾つか紹介させていただきますと、佐賀市では、「やさしい日本語」で表記した市報のダイジェスト版を作成されたり、鳥栖市では、市のホームページを「やさしい日本語」に自動翻訳する機能を導入されるなど、先進的な取組が行われております。  こうした取組を当協議会で共有することで、県全体での取組のさらなる推進につなげていきたいと考えております。 37 ◯江口委員=市町のほうでは担当を専門的に配置できるほどのマンパワーに余裕がなかったり、あるいはどのように対応していいのかわからないという部分もあるかと思います。  多文化交流サポーター(仮称)がいろんな市町とか地域とかで、技能実習生の方とか留学生、いろんな外国人の方と地域を取り持つ、そういった活動をぜひやっていただきたいと思いますが、先ほども申し上げたように、技能実習生の制度は陰と陽の側面がいろいろある中で、ある報告によると、労働基準監督署等が技能実習生を受け入れているところを調査したところ、約七割で違反行為があったと。勤務時間のことや賃金不払いのことですとか、いろんな項目がある中で、そういった課題も実際はらんでいる。  陰と陽の側面があるんですけれども、受入れ企業の経営者がしっかりとした考え方を持ち、現場と一緒に技能実習生と働く。現場の人もいい人間関係でやってくれればいいんですけれども、そうでない劣悪なところがあるのも実際だと思います。そういった現場に直面した場合、何かしら、多文化交流サポーター(仮称)は陽の部分を増やしていく、いい交流の場をつくっていくのが本来の仕事だと思うんですが、そういったちょっと問題のある事象を発見することもあると思います。そういった場合は、外国人の人権を担保できるように、労働基準監督署とか、あるいはしかるべきところと何かしらの連携を取る必要があると思います。そういったことに直面したときは、ぜひ連携を取っていただきたいと思うんですが、その点について姿勢をお尋ねいたします。 38 ◯井崎国際課長=問題のある事象への対応につきましてお答えいたします。  企業などで不当な扱いを受けるなどの事案が発生した場合でございますが、こういった場合は、労働局が受入れ企業の労働環境の改善指導などを行い、技能実習生制度におきましては、「外国人技能実習機構」というところが技能実習生の保護や実習先の変更等を行うこととなっておりまして、第一義的には、法令や制度に基づきまして、こうした国の機関が対応することとなっております。  しかしながら、不当な扱いを受けた外国人の方々は、多くの不安を抱えておられまして、また、生活面におきましても、様々な支援を行う必要がございます。  こうしたことから、こうした事案についての情報提供などがあった場合、県としても、労働局や外国人技能実習機構に対応を働きかけることはもとより、弁護士会、行政書士会などの専門機関などと連携しながら、不当な扱いを受けた方々を支援する団体などに協力を行っているところでございます。 39 ◯江口委員=ありがとうございます。そういうセーフティーネットはとても大切だと思いますので、連携、対応をお願いしたいと思います。  最後ですが、多文化共生の今後の方向性についてということで、佐賀県において、今後、どういったことを目指して多文化共生の取組を進めていくのか、その方向性についてお尋ねしたいと思います。 40 ◯井崎国際課長=多文化共生の今後の方向性についてお答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、県では、これまで地域日本語教室の設置支援や相談機能の強化などに重きを置いて取組を進めてまいりました。近年の労働力不足を背景といたしまして、様々な分野で外国人人材が急増しておりまして、本県産業を支えているという実態がございます。  そうした中、佐賀県が外国人人材から選ばれる地域になっていくためには、気候風土や伝統、地元の人の優しさや温かさ、こうしたものをよく知ってもらい、地域に根差した生活の中で、佐賀県のことを気に入っていただくこと、こうしたことが大事なことだと考えております。  これを踏まえまして、今後は基盤となりますコミュニケーション支援などの取組をさらに強化していくことと併せ、働きやすい環境整備の取組や地域との交流の機会づくりの取組などを推進し、それらをうまく連動させながら、地域との融合、こういったことに重きを置いて、小さなことでも一つ一つ、やれるところから積極的に取り組んでいきたいと考えております。  これらにつきましては、昨年十二月に開催いたしました国際戦略本部会議におきまして、組織横断的な施策として認識を共有したところでございます。この中で、産業労働、農林水産、健康福祉、県土整備、教育など、様々な分野が連携したオール県庁の体制で取り組んでいくこととしております。  こうした取組の積み重ねによりまして、外国人の方々が、「佐賀に来てよかった」、「佐賀で働きたい」と思ってもらえるよう、市町や国の関係機関、支援団体などと連携、あるいは協力し合いながら、日本人と外国人が共に暮らしやすい環境づくりに努力してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 41 ◯江口委員=ありがとうございます。異国での生活というのは、本当に不安から始まることだと思います。いろんなことについて御答弁いただいたように、横断的な部署で連携を取りながら、御縁があって佐賀にお越しになったいろんな国の外国人の方々に、ぜひいい経験を積んでいただき、そして、母国に帰られたときは、本当に日本は、あるいは佐賀の人は優しかった、そういうふうな思い出となる期間を過ごせるように今後とも取組をお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。 42 ◯中村委員=自由民主党の中村圭一でございます。今回は会派から二名が質問させていただくということで、三項目だけ、そして簡潔にと、隣の井上先輩から指示をいただいておりましたが、委員会付託議案に対する質問を一項目にまとめるというずるをしても、合計四項目になってしまいましたので、前語りは省略しまして、早速、質問に入らせていただきます。  まずは、問一の委員会付託議案の中の(一)聖火リレーについてお尋ねをいたします。  令和三年度当初予算では、主要事項一覧の九ページになりますが、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック聖火リレー実施費として五千五百八十一万三千円が計上されております。聖火リレーは、いよいよ三月二十五日に福島県をスタートして、全国四十七都道府県を巡ることとなり、佐賀県内でも、二日間にわたり多くの聖火ランナーが全市町を走る予定となっております。  しかしながら、県内における新型コロナウイルス感染症に関しては、一時期に比べると感染者数は少なくはなっているものの、まだまだ収束は見えず、再び感染拡大が起きないとは言えない状態でございます。  特に、佐賀県の場合は、東京や大阪などの首都圏を含む県外からの帰省者が、家族や友人とゴールデンウイークを過ごされた直後、そして、県外の様々な観光地に旅行された県民の皆さんが帰宅をされた直後の五月九日、十日にリレーが行われます。  このような非常に厳しいタイミングで開催することになる聖火リレーでございます。感染対策を万全に行い、安全・安心な開催を第一に考えておかなければなりません。  そこで、質問でございます。  まず、そもそも聖火リレーの目的は何なのか、御認識を伺います。 43 ◯瀬戸スポーツ課長=聖火リレーの目的についてお答えいたします。  IOC──国際オリンピック委員会では、聖火リレーの目的と維持に関しまして、まず、聖火は、平和、平等、友愛、共有といった人類共通の理想である。また、聖火リレーは、大会の期待を高め、これらの理想を伝える役割がある。そして、開催国内の多くの人が聖火リレーに触れることで大会の機運を高める。こういった趣旨で開催するものと定めております。  以上でございます。 44 ◯中村委員=では、聖火リレーの開催者は誰になるのか、その中での県の役割も含めてお教えいただけますでしょうか。 45 ◯瀬戸スポーツ課長=聖火リレーの開催者と県の役割を含めてお答えいたします。  聖火リレーは、主催者であります東京二〇二〇組織委員会、そして共催者としての各都道府県実行委員会、それからパートナーであるスポンサー企業の三者によって開催することとなっております。  この三者の役割分担を申しますと、組織委員会は、聖火リレー運営の全体の統括、自身の判断を含む方針決定、ランナー情報の一元管理、セレブレーションの統括管理を行います。そして、お尋ねの県の実行委員会は、県内のルート選定ですとか、走行路や沿道の警備、県の枠がありますランナーの選定、セレブレーションでは会場の確保ですとか警備、ステージプログラム等を行う。パートナーにつきましては、聖火リレーの隊列に同行するほか、パートナー枠としてのランナーを選定し、セレブレーションではブース出展ですとかステージプログラムを行う、こういった三者の分担になっております。  以上でございます。 46 ◯中村委員=ありがとうございます。  では、県内の走行ルートとランナーはどうなっているんでしょうか、お教えください。 47 ◯瀬戸スポーツ課長=県内の聖火リレーの走行ルートとランナーについてお答えいたします。  組織委員会によりますと、現在のところ、百八十名のランナーが、全二十市町を二日間に分けて走行することになっております。  具体的なルートですが、一日目は主に県の西側、太良町から唐津市に至る九の市町を走行しまして、主なポイントは祐徳稲荷神社ですとか、武雄温泉楼門ですとか、浜野浦の棚田等となっております。二日目は東側、基山町から佐賀市に至る十一の市町を走行しまして、鳥栖スタジアム、吉野ヶ里歴史公園、小城駅等を通ります。  なお、各ランナーは、あらかじめ決められた場所、一人当たり二百メートル程度、約二分間、走行しながら聖火リレーをつないでいく、こういうことになります。  以上でございます。 48 ◯中村委員=今回の予算額には、聖火到着を祝うイベント、セレブレーションの経費も含んでいるようでございます。このセレブレーションとは、どのようなものなのか、お教えいただけますか。 49 ◯瀬戸スポーツ課長=セレブレーションについてお答えいたします。  このセレブレーションは組織委員会が行うものでありまして、都道府県の実行委員会やパートナー企業は、ステージプログラムなどを提供して協力するという立場でございます。  そういう中で具体的には、それぞれの日のゴール地点で開催されます聖火の到着を祝うイベントということでありまして、当日の最終ランナーによる聖火皿への点火式を開催することとなっております。  会場につきましては、一日目は唐津市のホテル&リゾーツ佐賀唐津横の広場、そして、二日目は佐賀市の県立博物館・美術館前広場で開催いたします。  このうち、県の実行委員会が提供するステージプログラムにつきましては、現在まだ調整中のところはございますが、初日の唐津市では、唐津曳山囃子保存会による演奏を、そして、二日目の佐賀市では伊万里実業高校太鼓部と、佐賀市出身の書家、江島史織さんによるコラボレーションのパフォーマンスを予定しております。  以上でございます。 50 ◯中村委員=ありがとうございました。基本的なことは大体わかりました。  では、県内の聖火リレーの準備状況について伺います。  聖火ランナーの選定状況はどのようになっているんでしょうか。 51 ◯瀬戸スポーツ課長=聖火ランナーの選定状況についてお答えいたします。  聖火ランナーは全体百八十名と申しましたが、これは組織委員会の枠、それからスポンサーの枠、それから都道府県の枠という三つに分かれております。このうち佐賀県枠としての四十四名については、一年前に決定したランナーの方が、基本的にはおおむね引き続き参加されているという状況で、県のホームページでも既に公表いたしております。  また、スポンサー枠につきましては、スポンサーごとに決定されますので、情報が提供され次第、県でもそのリストを公表することとしております。  以上でございます。 52 ◯中村委員=ありがとうございます。他県では、組織委員会の森前会長の発言に反発しての辞退者も出ていると聞いております。  これまでの本県の聖火ランナーの辞退者の有無について伺います。 53 ◯瀬戸スポーツ課長=本県における聖火ランナーの辞退者についてお答えいたします。  先ほど申しましたように、佐賀県枠は四十四名ございますが、このうち二名の方が本人の御都合により辞退されております。この辞退により生じた欠員につきましては、組織委員会が定める運営マニュアルがありますが、あらかじめ決められている補欠ランナー二名の方の繰上補充を既に行っているところでございます。  なお、先ほど触れられましたが、組織委員会から二名が辞退するという連絡を受けましたのは一月中頃でございまして、森前会長の二月の発言後には辞退者は出ておりません。  以上でございます。 54 ◯中村委員=ランナーについては理解いたしました。  では、交通規制や警備など安全面の確保に関する準備はいかがでしょうか。 55 ◯瀬戸スポーツ課長=安全面の確保についてお答えいたします。
     安全面の確保につきましては、都道府県実行委員会の役割とされておりまして、市町や警察等の関係機関と連携しながら準備を進めております。  具体的には、聖火ランナーの安全な走行を確保するために、市町において警察と連携しながらコースごとの交通規制を設定されております。  また、県としましても、市町と連携しながら、県全体の警備確保を調整するなど共に取り組んでおりまして、引き続き、安全面をしっかり確保するように準備してまいります。  以上でございます。 56 ◯中村委員=ありがとうございます。  ここまで聖火リレーの概要、準備の状況などについて伺ってきましたが、この聖火リレー、本当に実施できるのか。準備は当然進めていくとしても、今後、急激に感染が拡大した場合は、公道での聖火リレーの実施やセレブレーションの開催が難しくなることも考えられます。  聖火リレー実施の判断は、誰が、いつまでに行うんでしょうか。 57 ◯瀬戸スポーツ課長=聖火リレーの実施の判断についてお答えいたします。  聖火リレーの実施の判断につきましては、最終的には組織委員会が決定することとなっておりまして、おおむね聖火リレー実施の一カ月前頃、都道府県ごとに感染状況を踏まえて決定されることとなっております。例えば、三月二十五日に福島県からスタートいたしますが、福島県を含む近隣の四県は、一カ月前となります二月二十五日に予定どおり実施するということが公表されておりますし、昨日、四月三日からスタートする岐阜県から大阪府に至る六府県についても、同様に実施するということで公表されております。  今後の県につきましても、組織委員会から、「今のところ、予定どおりであるが、今後改めて案内する」、こういうふうにされておりますので、また開催一カ月前には実施の方向が順次明らかにされるものと考えております。  以上でございます。 58 ◯中村委員=ちなみにですが、聖火リレーが中止になった場合、聖火はどうなるんでしょうか。 59 ◯瀬戸スポーツ課長=中止ということでどうかというお尋ねかと思いますが、まず、現時点で組織委員会からコロナ対策による中止という選択肢は示されてございません。ただし、今後、緊急事態宣言ですとか不要不急の外出自粛要請がなされている場合など、都道府県ごとの感染状況を踏まえまして、例えば、公道での聖火リレーを見合わせて、先ほど申したセレブレーション会場において無観客で点火するセレモニーのみを実施する、こういう措置を行う場合があるとされております。  以上でございます。 60 ◯中村委員=本当にそうならないこと、コロナ対策を万全に行いながら、聖火リレーが無事に実施されることを県民の一人として心から願ってやみません。  次に、万全であるべきコロナ対策について伺いたいと思います。  先日、組織委員会より、「東京二〇二〇オリンピック聖火リレーにおける新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドライン」が示されました。そのガイドラインをしっかりと遵守し、関係する県民を含む全ての関係者の安心・安全を確保する必要があります。  そこでまず、聖火リレーの沿道対策についてです。  先ほども申し上げましたが、佐賀県の聖火リレーは、ゴールデンウイーク直後に実施されるため、ゴールデンウイーク中の帰省や旅行などによる感染者、しかも、時期的にまだ発症はしていない感染者が沿道にて感染を拡大させてしまうおそれがあります。ガイドラインにのっとった県の沿道対策について御説明をお願い申し上げます。 61 ◯瀬戸スポーツ課長=聖火リレーの沿道対策についてお答えいたします。  感染症対策につきましては、今、委員からも御紹介いただきましたが、組織委員会が定めるガイドラインに基づいて対策を行っていくことになっております。  聖火リレーでの感染症対策に万全を期すためには、沿道で観覧される方につきましては、次のようなことを守っていただくことになります。  お住まいに近い場所で観覧いただく、体調が悪い場合や感染が疑われる場合は観覧を控える、マスクの着用、大声を出すことは控えていただき、拍手や応援グッズ等で応援いただく、近くの方と間隔をあけて観覧いただく、こういったことについて徹底してまいります。  また、応援のための人出をできるだけ減らして密を回避するために、沿道まで実際に出て行かなくとも、自宅等でライブ映像を視聴いただけるような工夫をしてまいります。  また、沿道における感染症対策の実効性を高めるためには、先ほど述べました対策を周知する、この周知を徹底していくことが極めて重要だと考えております。このため、三月末から広報を開始しまして、聖火リレーの開催一カ月前、この時期を意識しまして、四月になりますと集中的に広報していくこととしております。  具体的には、チラシの全戸配布に加えまして、新聞広告が八回、テレビCMが三十本、それからホームページの周知に加えてSNSでも拡散していく、さらには、住民に身近な各市町の広報誌を活用する。このようなことをやりまして、多様な世代の方々に向けて、様々な、多様な手法を用いて事前の周知を図ってまいります。  そしてまた、聖火リレー当日には、運営スタッフからも直接、沿道の観客の皆様に対しまして積極的に感染防止の注意喚起を行ってまいります。  以上でございます。 62 ◯中村委員=ありがとうございます。今、御答弁いただいたような周知の徹底は簡単ではないと承知していますけれども、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。  次に、セレブレーションについてです。  項目の最初に聖火リレーの目的についてお尋ねいたしましたが、このセレブレーションを開催しなくても目的は達成できるのではないでしょうか。開催すれば絶対に感染リスクが伴います。それでも開催されるのでしょうか。主催者は組織委員会だということでございましたけれども、開催に当たり、どのような対策を講じられるのか御答弁をお願い申し上げます。 63 ◯瀬戸スポーツ課長=セレブレーションを実施する必要があるのか、そして感染症対策、リスクを含めてということでございます。  組織委員会によりますと、公道での走行だけじゃなくて、ゴール地点で先ほど申しましたように聖火皿へ点火するセレモニー、このセレブレーションまでの全体を聖火リレーと位置づけておりまして、基本的にはセレブレーションは原則実施ということにされております。  ただ、このセレブレーションの実施に当たりましては、組織委員会が定めます、先ほどから出ていますガイドラインに基づきまして、観客の距離をあける、間隔を確保する、そして感染防止リスクを抑えるほか、来場者の方は事前申込制を徹底しまして、会場にも自動検温装置を設置するなど、感染症対策には万全を期して行うことになっております。  以上でございます。 64 ◯中村委員=今は、そういうことだということは理解いたしました。しかし、聖火リレーだけはどうしても決行するけれども、セレブレーションは開催しない、状況によってはそんな判断を、決断をしなければならないことも想定しておくべきだと、ここでは申し上げるにとどめておきたいと思います。  次に、聖火ランナーについてです。  先ほど申し上げました森前会長は、「有名人には田んぼを走ってもらう」というような発言もされていたと記憶しておりますけれども、県内でも観客が集まってくるような著名人ランナーも走行されると聞き及んでおります。その際の密集対策については、どのように配慮される御予定なのでしょうか。 65 ◯瀬戸スポーツ課長=著名人ランナーについてお答えいたします。  組織委員会では、著名人ランナーにつきましては、必要に応じて密集を回避できる場所での走行を検討していると聞いております。  なお、組織委員会では、事前の観客の密集を避けるために、これは著名人ランナーだけじゃなく全体ですが、全てのランナーが具体的にどの箇所を走行するのか、こういった情報については、実際に走る三十分前に公表することを定めております。 66 ◯中村委員=今後、様々な事情で、特にコロナ禍においては、聖火ランナーが直前になって走行できなくなることも想定しておかなければなりません。そういう事態に対する対応策について御答弁をお願い申し上げます。 67 ◯瀬戸スポーツ課長=直前でのランナーの辞退についてお答えいたします。  組織委員会が定める実施運営ガイドラインによりますと、最終走行者の四日前までに発生した欠員については、先ほどの補欠の話と同じく、あらかじめ決定している補欠ランナーが繰り上がることとしております。ただし、その後の欠員は、この補充がききませんので、前を走るランナー、あるいは次を走るランナーの走行距離を変更して調整するということを組織委員会で検討されているところでございます。  以上でございます。 68 ◯中村委員=ありがとうございます。繰り返しになりますが、聖火リレーについては、感染対策を万全に行い、安全・安心な開催を第一に考えておく必要があります。  この問いの最後に、聖火リレー実施に当たっての考え方について文化・スポーツ交流局長にお伺いいたします。 69 ◯田中文化・スポーツ交流局長=聖火リレー実施に当たっての考え方についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症の今後の見通し、どういう形で収束するのか、今後どうなるのかというのは、なかなか見えない状況にございますが、そのような中、東京二〇二〇の開催についても、まだ決定というわけじゃございませんで、どういう形でやるのか、あるのかないのかということをまだ議論されている状況でございます。  そういう中にありましても、先ほど課長が答弁しましたように、この東京二〇二〇の実現に当たっての聖火リレーの位置づけは、すごく重要なものということで認識しておりますことから、県としましては、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すことが最重要という考えに立った上で、必要に応じて、五月九日、十日という、そのときのコロナの感染状況についても、いろいろまた対応しなければいけない部分がありましょうから、必要に応じて主催者である組織委員会と協議をいたしまして、安全な聖火リレーが開催できますように、市町、警察との関係機関と十分に連携を取りまして準備を粛々と進めていきたいと考えております。  以上でございます。 70 ◯中村委員=局長、ありがとうございました。皆さんの御努力の下で県内での聖火リレーが無事に行われ、それが東京オリンピックの盛り上がりにつながっていくことを心から願って、(二)に移らせていただきます。  (二)は流域治水推進事業費、これは主要事項一覧の五十一ページになりますが、予算額二千万円についてでございます。  近年、全国各地で豪雨災害が頻発しており、県内でも三年続けて記録的な豪雨による甚大な被害が発生したところでございます。  私の住む筑後川流域においても、三年連続で至るところで田畑が冠水し、また、家屋の浸水被害も発生いたしました。令和二年七月豪雨では、筑後川の水位が氾濫危険水位を超え、これまでで最高の水位を記録したところもあり、さらに、三日間も水位が高い状態が続き、鳥栖市などでの浸水解消にも時間を要したところでございます。  全国でも有数の大河川である筑後川の水位が、あれほど高くなるような豪雨を目の当たりにして、豪雨災害が激甚化していることを改めて実感した次第です。  今後、激甚化する豪雨に備え、どのような対策を進めていくのかということに対し、県民の関心も高まっており、これに応えていくことは、県に課された大きな課題であると考えます。このような状況の中で、流域治水推進事業費を計上されております。  そこで、お尋ねです。  まずは、流域治水とはどのような取組なのか、さきの一般質問でもやり取りがございましたけれども、改めて御説明をお願い申し上げます。 71 ◯宇曽谷河川砂防課長=流域治水について、どのような取組かということに関して御答弁いたします。  流域治水とは、近年、豪雨災害が激甚化、頻発化し、水災害リスクが増大していることから、これまで進めてきました河川整備やダム建設などのハード対策、河川水位やカメラ映像などの水防情報の提供による住民避難などのためのソフト対策に加えまして、流域全体のあらゆる関係者が協働し、浸水被害を減少させる対策を取り入れたものでございます。  流域における対策として考えられる具体的な取組事例といたしましては、クリーク、ため池の活用、既存ダムの事前放流など、既にこれらの取組はされておりますが、そのほか雨水の水田貯留、いわゆる田んぼダムと言われておりますけど、そのほか公園などの公共スペースの活用、それと、排水機場や水門などの既存施設の運用改善などがございます。  以上でございます。 72 ◯中村委員=ありがとうございます。その流域治水の推進体制についてお伺いします。  まず、流域治水協議会についてですが、これは水域ごと、あるいは地域ごとに設置されているというふうに理解をいたしておりますけれども、具体的にどのように設置されているのか、御答弁をお願い申し上げます。 73 ◯宇曽谷河川砂防課長=流域治水協議会について御答弁いたします。  流域治水協議会は、一級水系は国で、二級水系につきましては県が中心になって設置をいたしているところでございます。一級水系では、水系ごとに筑後川水系、嘉瀬川水系、六角川水系、それと松浦川水系で流域治水協議会が設置されております。二級水系では、河川管理を所管する県の土木事務所ごとに、管内の二級水系を一括する形で、佐賀、唐津、伊万里、杵藤の圏域で流域治水協議会を年度内に設置することといたしております。  なお、東部圏域につきましては、全ての河川が一級水系でございますので、国の筑後川水系流域治水協議会に参画いたしております。  以上でございます。 74 ◯中村委員=では、これから流域治水を推進していくそれらの協議会は、どのような関係機関で構成されているのでしょうか、御答弁をお願い申し上げます。 75 ◯宇曽谷河川砂防課長=流域治水協議会の推進体制の構成について御答弁いたします。  この流域治水協議会は、国、県、市町等の関係機関により構成されております。  具体的に申しますと、国の機関からは、国土交通省から関係河川事務所、県内では三事務所ございます。農林水産省から、その出先でございます北部九州土地改良調査管理事務所。林野庁から森林管理署、それと水源林整備事務所。気象庁からは佐賀地方気象台が参画いたしております。県の県土整備部からは河川砂防課、都市計画課、下水道課、それと関係土木事務所でございます。農林水産部からは農山漁村課、農地整備課、森林整備課、林業課、それと関係出先の農林事務所でございます。政策部から危機管理防災課も参加いたしております。さらに、地元関係市町のそれぞれの関係部署も参画いたしております。  流域治水を推進していくためには、このような関係機関が役割分担に応じて各地域で対策を実施し、取組を広げていくことが重要なことだと考えております。  以上でございます。 76 ◯中村委員=今、関係機関の役割分担というような御答弁もございましたけれども、流域治水の取組において市町はどのような役割を果たせばいいのか、県のお考えを伺います。 77 ◯宇曽谷河川砂防課長=流域治水の取組における市町の役割について御答弁いたします。  市町は、流域被害の状況や地域の水害特性などを熟知いたしております。流域にあるクリークなども管理いたしております。また、公園や行政施設、それと教育施設など、公共スペースを有する既存施設を管理し、またその利用者、関係団体とも深い関わりがございますので、主体的な取組が重要であると考えております。  このことから、市町といたしましては、まちづくりや内水対策の観点からも管理している施設などを活用した流域治水の具体的な取組について考え、関係機関と連携しながら実施していくことが求められております。この取組を進めていく上で流域治水に活用できる施設の管理等に深く関与している市町の取組は大きな役割を担っております。このことから、県といたしましても、市町の積極的な取組を後押ししてまいりたいと考えております。 78 ◯中村委員=ありがとうございます。流域治水の主体は市町であると理解をさせていただきました。  ここからは、具体的に今議会に予算が計上されている流域治水推進事業費についてお尋ねいたします。  まず、この事業の背景と目的について、改めて御答弁をお願い申し上げます。 79 ◯宇曽谷河川砂防課長=流域治水推進事業費の背景と目的について御答弁をいたします。  先ほど述べましたが、今後、気候変動により、降雨量の増加、豪雨の頻度の増加が見込まれておりまして、これに備えるため、河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる流域治水の取組を推進する必要がございます。この目的といたしましては、これまで治水対策は国、県による河川整備を中心に進めてきておりまして、市町には治水対策のノウハウや経験が少のうございます。  こうしたことから、県では、流域治水の推進を図るため、市町の取組に対して支援を行うことといたしまして、令和三年度から流域治水推進事業費として市町が行う流域治水の検討に要する費用に対する補助を行うことといたしております。  以上でございます。 80 ◯中村委員=ありがとうございます。  では、市町によるどのような調査が補助対象となるのでしょうか、御答弁をお願いします。 81 ◯宇曽谷河川砂防課長=補助対象となる調査内容について御答弁いたします。  流域治水推進事業では、市町が行う流域治水に関する調査に要する費用への補助ということで考えております。この調査補助対象といたしましては、課題を把握するための浸水被害等の要因分析、内水解析などがございます。それと流域治水対策の検討、これは既存施設活用の可能性検討も含めて行ってもらう調査でございます。それと対策実施後の効果の検証も行っていただきたいということを想定いたしております。このほかにも市町から流域治水につながる調査の提案や要望がございましたら柔軟に検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 82 ◯中村委員=今、御答弁いただいたような調査は、令和三年度当初予算額の二千万円で何件、補助採択することを想定されているのでしょうか、御答弁をお願いします。 83 ◯宇曽谷河川砂防課長=令和三年度の補助採択数の考えについて御答弁をいたします。  流域治水の取組は、市町にとって新たな取組でございます。このため市町の推進体制などの事情や熟度も異なっております。それと、市町でも今後予算措置が必要でございます。それと、補助対象となる調査に先立ち、浸水被害の状況確認や調査の内容に関する検討などの準備が必要でございます。このことから令和三年度当初予算では、県ではおおむね三市町程度を補助対象として想定いたしております。  以上でございます。 84 ◯中村委員=ただいま三市町程度ということでございましたが、それぞれの市町にも独自のお考えがあるでしょうけれども、客観的に見た切迫度もあると思います。補助対象となる市町、これは、いつ、どのような考え方で選定されるのでしょうか、御答弁をお願い申し上げます。 85 ◯宇曽谷河川砂防課長=補助対象となる市町選定の考え方について御答弁いたします。  この流域治水推進事業費につきましては、今議会で御提案をさせていただいて、その予算を御承認いただいた後、速やかに市町に対して周知、それと説明をなるべく早くし、令和三年度の補助対象の市町を選定してまいりたいと考えております。  この選定方法につきましては、まずは市町から河川砂防課に事前に相談をいただき、浸水被害の状況や調査の内容、想定している取組、またスケジュールなどを踏まえて、補助対象の市町を決定してまいりたいと考えております。  以上でございます。
    86 ◯中村委員=分かりました。ただ、多くの市町が浸水被害対策の必要性を痛感していると思います。調査費補助の活用を希望する市町は、想定より多いかもしれない。そういう場合は来年度まで待ってということではなくて、補正予算を組むなど、時期を逸せずに漏れなくしっかりと支援を行っていくことが重要だと考えます。  県は、その点も含め、市町への支援の在り方についてどのようにお考えなのか、御答弁をお願い申し上げます。 87 ◯宇曽谷河川砂防課長=市町への支援の在り方について御答弁いたします。(副委員長、委員長と交代)それと、補助希望市町が多数になった場合の対応ということで御答弁をさせていただきます。  今回、流域治水の推進を図るためには、市町の取組が重要で、早期に多くの市町にこの取組を広げていきたいと県としても考えております。  検討を希望する市町が多ければ多いほど、ありがたいことだと思っております。令和三年度に調査費補助の活用を希望する市町が想定以上に多くなった場合は、市町の流域治水の促進を図るためにも、委員が申されるように増額補正をすることも含めて対応してまいりたいと考えております。  それと、県としての支援の在り方についてでございますが、流域治水は、市町にとって新たな取組でございますので、これを推進していくためには、様々な課題に直面することになると予想されます。この調査費補助のほかにも支援を行っていきたいと考えております。  例えば具体的に言いますと、事務レベルでの検討会の開催とか流域治水対策に関する技術的な支援、そのほか他県での対策事例、活用可能な補助事業の情報提供など、様々な支援を考えているところでございます。  県としましては、このような支援を行いながら、先行的に取り組む市町を一つのモデルとしまして、そこでの事例やノウハウを他の市町へ展開し、取組の拡大を図り、この流域治水を推進してまいりたいと考えております。 88 ◯中村委員=ありがとうございました。増額補正も含め検討という御答弁をいただきました。流域治水の推進は、当然ですが、単年度で終わるような事業ではございません。しかし、激甚化する豪雨災害と、それによる人的を含む被害のことを考えると、長々と時間をかけて進めていく余裕もございません。  項目の最後に、流域治水の推進に対する県土整備部長の思い、覚悟をお伺いしたいと思います。よろしいでしょうか、お願い申し上げます。 89 ◯平尾県土整備部長=流域治水の県土整備部としての取組の方針について御答弁申し上げます。  近年、気候変動に伴いまして豪雨災害が激甚化、頻発化しております。佐賀県内におきましても、令和元年の六角川流域の災害を含めまして、昨年まで三年連続で被害が発生しているような状況でございます。  災害対策につきましては、ハードの対策とソフトの対策、この両面から取り組むことが重要であると考えております。これまで河川の改修であったり、排水機場の整備、またダムの建設など、こうしたハード対策を進めてきております。これらの対策によって被害の防止、軽減については、効果が一定程度発現しているような状況でございますので、引き続き、河川の整備なども着実に進めてまいりますし、また、排水機場などの維持管理といったことについても適切に対応していきたいと考えております。  また、流域全体で防災効果を一層高めるためには、国、市町、関係機関と連携した災害対策を進めることも、これまた重要なことでございます。そのため、全ての河川の水系において、様々な分野の関係者による流域治水の協議会を設置して推進体制を図ってまいりたいと考えております。  流域治水につきましては、課長が答弁いたしましたけれども、国、県の役割だけではなく、市町の役割は非常に大きいと考えております。このため、令和三年度から市町が行う流域治水の検討に対する県独自の支援を実施したいと考えておりまして、令和三年度当初予算に予算を提案させていただいているような状況でございます。  県といたしましては、河川整備などを着実に進めるとともに、流域治水に積極的に取り組む市町を支援しつつ、国、県、市町、関係団体がしっかり連携して流域治水を推進していきたいと考えております。こうしたことによりまして、県民の安全・安心の向上につながるよう、ハード、ソフト両面で浸水被害の軽減に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上です。 90 ◯中村委員=部長、ありがとうございました。今の御答弁にもございましたが、流域治水は市町が主体、これが鍵なんじゃないかなというふうに思います。それを後押しするのが県だということになるんだと思います。御答弁どおりの取組を心から期待しまして、次に移ります。  次は、問二、SAGAアクアについてでございます。  「SAGA2024」のメイン会場となるSAGAサンライズパークは、二〇二三年春のグランドオープンを目指して整備が進められており、昨日、当委員会において、SAGAアリーナやSAGAアクアの現地視察を行ったところでございます。  その際、SAGAアクア五十メートル水泳場の工事において、建物の柱の上部が想定よりも外側に開いている状況が判明したことに関し、その対応状況などについても執行部から説明がございましたが、議事録に残すことも大事だと、そういう思いで、以下、質問をさせていただきます。  まず、今回の事象の概要についてお伺いをいたします。 91 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=今回の事象に関する概要についてお答えいたします。  SAGAアクア五十メートル水泳場につきましては、昨年十二月から屋根の鉄骨骨組工事、いわゆる鉄骨トラス工事に着手しまして、その後、屋根の仕上げ工事や内装工事を進めることとしておりました。そのような中で、鉄骨鉄筋コンクリート製の柱の上部が想定よりも数センチ、外側に開いており、鉄骨トラス工事を進めるためには、何らかの調整が必要となることが判明したものでございます。  なお、こうした状況を受けまして、施工者から県へ十二月中旬に連絡があったため、県から施工者に対して発生の原因について早急に確認するとともに、その対応策について、様々な観点から検討するように指示を行ったところでございます。  以上でございます。 92 ◯中村委員=御答弁の最後にございましたが、今回の事象が発生した原因と、その事象に対して取った対応策について御答弁をお願い申し上げます。 93 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=原因と、その後の対応についてお答えいたします。  まず、発生した原因でございます。  SAGAアクア五十メートル水泳場の工事につきましては、元請業者に加え、数多くの下請業者が関わる大規模な工事となっております。そうした中におきまして、今回の事象は、施工者間での情報共有不足によりまして、柱を支えるための仮設の支え材の固定の仕方や手順など、現場管理の一部に不足があったことに原因があるものと認識しております。  次に、その後の対応でございます。  その後の対応につきましては、屋根の鉄骨トラス工事を進めるための調整作業に向け、施工者において、速やかにその対応策の検討が行われ、工事監理者や指導監督を行う県もしっかり関わりながら、並行して第三者の専門機関の調査結果を基に、大学の有識者にも意見を伺い、様々な観点から検証を行った上で対応方針の決定を行いました。  その後、二月上旬に建物の荷重を支え、構造上、安定性を保つ役割を果たす南北方向の柱の調整を行い、順調に調整が終了し、現時点において、構造安全性等の品質に係る問題はないという状況を確認しているところでございます。 94 ◯中村委員=「専門機関の調査結果を踏まえ」というような御答弁もいただきましたが、現在、どのような状況になっているんでしょうか。 95 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=現在の状況についてお答えいたします。  現在は、構造上、特に重要な南北方向の柱の調整が終了し、引き続き、東西方向の柱について調整を予定どおり進めている状況でございます。三月中旬をめどに全ての調整が終了する見込みでございまして、その後、屋根の仕上げ工事や内装工事を進めていくこととしておりまして、現時点において建物の品質や今後のスケジュールに影響はないと判断しております。  以上でございます。 96 ◯中村委員=少し安心はしましたけれども、無事に今回の事象に対する調整が終わったとしても、建物の完成時にひび割れや雨漏りが発生するなど、何かしらの影響が出ることはないんでしょうか。 97 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=建物への影響についてということでお答えいたします。  今回の事象に対する調整につきましては、施工者において対応策の検討を行い、工事管理者や指導監督を行う県もしっかりと関わりながら、第三者である大学の有識者等にも意見を伺い、検証を行った上で対応を進めてきたところでございます。  また、施工者におきましては、今後予定されている屋根の仕上げ工事や内装工事等を進めるに当たりましては、不具合が発生しないように、品質をしっかりと確認しながら工事に取り組んでいくこととされております。  そうした状況の中で、県としましても、工事途中の検査や竣工時の完了検査など、工事の各段階において、しっかりと確認を行いながら進めていくこととしております。  そうしたことから、SAGAアクア五十メートル水泳場の完成時において、ひび割れや雨漏り等の不具合が発生していることはないと考えているところでございます。  以上でございます。 98 ◯中村委員=工事の各段階で県としても確認をしていくという御答弁をいただきました。ありがとうございます。  しかし、引渡し時点では大丈夫でも、SAGAアクア五十メートル水泳場の運用開始後に今回の事象が原因で建物に新たなひび割れなどの不具合が発生する可能性はないんでしょうか。そして、その場合、運営を行う指定管理者が修繕することになるんでしょうか。今回の事象が与える指定管理者への影響についてどのようにお考えなのか、御答弁をお願い申し上げます。 99 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=指定管理者への影響についてお答えいたします。  今回の事象に対する調整を行うに当たり、施工者において、構造安全性や耐久性など、様々な観点から検証が行われ、建物の品質に影響がないということが示されております。  県としましても、第三者である大学の有識者等にも意見を伺い、検証を行った結果、建物の品質に影響がないことを確認しております。  加えまして、施工者からは、建物完成後の定期的な点検につきましても、通常よりも長期間実施することでございますとか、仮に今回の事象に起因する不具合等が発生した場合には、必要な補修等を行う旨の申入れがあっております。  県としましては、万が一、今回の事象に起因する影響等が発生した場合でも、この申入れに基づき、施工者において必要な対応や改善が行われるため、維持管理について指定管理者への影響はないと考えております。  以上でございます。 100 ◯中村委員=施工者から定期的な点検を長期間行うという申入れがあるということでございましたが、ちなみに、どれぐらいの年数ということなんでしょうか。 101 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=施工者から申入れがあっている定期的な点検につきましては、通常二年とされているところが、今回、現在協議中でございますが、建物の竣工後十年間という申入れがあっております。また、十年経過後は、その時点で再度協議するといったことも含めて申入れがあっております。  以上でございます。 102 ◯中村委員=ありがとうございます。今回の事象に対しては、調整が行われ、建物の品質等に影響はなく、今年秋のSAGAアクア五十メートル水泳場の竣工に向けて、引き続き工事が進められていくと理解をさせていただきましたが、今回のような事象が現場で繰り返されないためにも、さらに気を引き締めて対応していくことが必要です。  県は、工事を指導監督する立場として今後どのように取り組んでいかれるのか、御答弁をお願い申し上げます。 103 ◯高田SAGAサンライズパーク整備推進課長=今後の対応についてお答えいたします。  工事を進めていくに当たりましては、工事を行う施工者、工事監理を行う監理者、そして、指導監督を行う県が、それぞれの責任と役割の下、それらの関係者が一体となって対応していくことが極めて重要であると認識しております。  今回の事象を踏まえまして、これまで以上に関係者間の情報共有や施工管理のさらなる徹底を図るなど、工事が円滑に進んでいきますよう、県としてもしっかりと指導監督に取り組んでまいります。  そして、SAGAアクア五十メートル水泳場の竣工に向けまして、今後ともさらに気を引き締め、関係者が一体となって、引き続き、安全を第一に、着実に整備を進めてまいります。  以上でございます。 104 ◯中村委員=ありがとうございました。これはSAGAアクア五十メートル水泳場に限ったことではございません。アリーナやペデストリアンデッキなど、SAGAサンライズパーク整備の全体に対して言えることでございます。遅滞や契約変更がなく、また、安全にそれぞれの工事が今後行われることを強く望み、次に移ります。  次は、問いの三、九州新幹線西九州ルートについてでございます。  今議会の代表質問において、自民党会派を代表して藤木先生が、昨年九月の自民党からの要請や議会での決議を踏まえ、国交省との幅広い協議については、もっと積極的かつ能動的に行うべきであるという趣旨の質問をされましたが、知事からは、このことに対する明確な御答弁をいただけなかったように感じたところです。  私は、協議を積極的かつ能動的に進めていく上で重要になってくるのは、協議の質と量だと思っています。質とは協議の内容、量とは協議の頻度のことであり、これらが伴うことが積極的な協議であり、そうなることで初めて協議が進展していくと考えます。  そこで、協議の当事者である地域交流部長にお尋ねをいたします。  国交省との間で積極的に、つまり質と量が伴った形で協議を行うことについてどのようにお考えなのか、御答弁をお願い申し上げます。 105 ◯南里地域交流部長=国土交通省との「幅広い協議」についてお答えを申し上げます。  昨年六月に協議に入りまして、これまで三回、協議を行ってまいりました。そして、三回目の十月二十三日の協議におきまして、フリーゲージトレインの実現を含めて幅広く協議すること。それから、フル規格について協議する場合は、ルートも含めてゼロベースからしっかりと時間をかけて幅広く協議すること。議論に必要な数字や条件については、事業主体である国において、確定または確約できるものを責任を持って示していただきたいことなどを改めて申し上げたところでございます。  鉄道局とは、今後とも、様々な可能性について幅広く協議を行っていくこととしております。  なお、次回の協議の開催意向につきまして、二月三日に私のほうから鉄道局に確認をいたしましたところ、その時点では、当面予定していない。次回の協議については、こちらから連絡をする旨の回答をいただいているところでございます。  鉄道局から具体的な日程等の連絡があれば、調整をいたしまして協議を行いたいと思っております。  以上でございます。 106 ◯中村委員=ありがとうございます。ちゃんとした答弁をいただけませんでしたが、質が伴わない協議の量があっても仕方がないと思います。質の高い協議をすることに対しては是だというふうに理解をしていいのか、再度お伺いをいたします。 107 ◯南里地域交流部長=お答えいたします。  先ほど御答弁申し上げましたように、恐らくいろんな課題があると思いますし、いろんな協議があるのだろうと思います。まさに、幅広く、いろんな可能性について協議をしていくということでございます。  その中で、佐賀県は基本的に協議を受ける側でございまして、具体的な数字や条件を示していただかなければ議論ができないということもございます。これはもう議会からも御指摘をいただいているわけでございまして、私どもといたしましては、鉄道局の方から具体的な日程の連絡があれば、それはいつでもお受けいたしますというスタンスでございます。  以上でございます。 108 ◯中村委員=数字や条件を出すために閉ざされた協議が必要ということになれば、多分、話は別なんだろうなと。それを質と言うならば、そういう協議も当然必要になってくる、私はそのように思います。  そこで、再度お伺いしますけれども、私は、外交交渉に代表されるように、交渉という要素を含んだ協議を行う際に、その協議の質を確保するためには、時にはオープンでない環境での協議も必要であるというふうに考えます。  今議会における知事の御答弁をお聞きして、実は知事も同じお考えだと分かりました。理由を述べます。  まず、藤木先生の代表質問に対して、県民に誤ったメッセージを伝えることはしてはいけないとの理由で国交省が求めるアセスを拒否されている旨の御答弁がございました。県民に誤ったメッセージを伝えてはいけないと、まさにそのとおりだと思います。くどいようですが、外交交渉の過程がほとんど非公開なのは、両国民へ誤ったメッセージを伝えないためだと、これは国民に広く理解されているのではないでしょうか。  新鳥栖─武雄温泉間の整備方式に関する国交省との「幅広い協議」についても、全く同じことが言えると思います。協議の過程で行われる交渉については、県民に誤ったメッセージを伝えてしまうため、なかなかオープンな場では行うことができません。  じゃ、県はどうされているのか。国交省との間での協議の質はどのように確保されているのかと疑問に思っておりましたが、それから六日後に同僚の古川議員の一般質問に対する知事の御答弁を聞いて得心をいたしました。古川議員の、国交省との間での「幅広い協議」に関しては、全てフルオープンではなく、非公開の協議の場も設けるべきではという趣旨の質問に対して、知事は、「全て公開だけでやっているかというと、当然そんなはずがない」と発言をされた上で、国交省との「幅広い協議」を公開で行っている理由については、これは読み上げますけれども、「大事な節目節目でしっかりと県民の皆さん方に知っていただきたいからだと申し上げているわけでありますけれども、鉄道局や国交省とのことに関しても、もちろんそれだけではないわけで、通常いろんなところで、いろんな出会いがあって、話があって、それは部と足立課長もそうだと思います。」と答弁をされております。  つまり、まさに外交交渉のように、県民に誤解を与えないように、国交省と県は節目節目は公開の協議を行っているけれども、その前段階では非公開の協議をしているのだと御答弁をされています。  そこで、再度のお尋ねでございます。  「これまで公開の協議は三回だった」と先ほども御答弁がございましたが、それ以外の非公開、事務レベルという言葉が適切かどうか分かりませんけれども、そういう協議は何回行われ、そこではどういうことが協議されたのでしょうか。県民に誤ったメッセージを送らない程度で結構です。中身を教えてください。 109 ◯南里地域交流部長=お答えを申し上げます。  まず、「幅広い協議」については、もう御承知のとおり、公開で行っております。そして、その上で、「幅広い協議」の場以外で幹線鉄道課長と私が会って話もしていないとかいうことは、当然ないわけでございまして、当然、協議の場以外でも幹線鉄道課長とお会いしてお話をすることはございます。  そして、そのような際に西九州ルートの議論に関して率直に佐賀県の意見を申し上げることはございます。ただ、そのときは、当たり前のことでございますが、協議の場で申し上げていることと違うことを言うことはありません。  そういう意味で、知事が答弁されましたように、協議の場だけでなく、いろんな接点がありますけれども、そういった場においても、裏表なく話をしているということでございます。  足立幹線鉄道課長さんは、私は大変信頼しております。それぞれ立場や意見の違いは当然ございますけれども、お互いに尊重し、敬意を表しつつ、忌憚なく率直に意見を言える関係であるというふうに考えております。  以上でございます。 110 ◯中村委員=今回もそうだったんですけれども、以前、国交省もフルオープンを是としているというような御答弁がございました。そういう発言が部長からございましたけれども、逆に、国交省からこれまで三回、フルオープンで協議してきたけれども、やっぱり質の高い協議をするためには、節目節目以外は非公開の協議をさせてもらいたいとの相談があったら、分かりましたと、その重い首を縦に振っていただけるのでしょうか。再度、御答弁をお願いします。 111 ◯南里地域交流部長=お答えいたします。  まず、改めて申し上げますけど、「幅広い協議」については、これは原則公開ということで当然やっていきたいと思っております。その以前の段階で、どういう話をしたいとか、そういうやりとりが当然ありますから、それをオープンでやるという話では多分ないでしょうから、何というんですかね、協議そのものは当然公開だと思っていますけれども、私たちの事務的なやり取りが、どう言ったらいいんですかね、そういったものまで全てが公開だというふうなものではないと、そこはそういうふうに思っております。 112 ◯中村委員=これ以上やり取りしても、多分、平行線だと思います。ここから先の議論は、後日行われる特別委員会にお譲りをして、一応ここで、とっておきます。 113 ◯大場委員長=暫時休憩いたします。十三時五分をめどに委員会を再開します。     午前十一時五十七分 休憩
        午後一時五分 開議 114 ◯大場委員長=委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。 115 ◯中村委員=それでは、最後の問いでございます。  問いの四は、九州佐賀国際空港における多目的スペースの整備についてでございます。  この多目的スペースについては、令和二年九月定例会の当委員会において、私が、その目的や内容、コロナ臨時交付金との関係などについて質問をし、九月補正予算として県議会において承認されたところでございます。  その後、全国放送の情報番組で、この多目的スペースのことが、「なぜコロナ交付金で宇宙」と取り上げられ、県内外の皆さんから批判を受けることとなりました。議会で可決した後の議案に対する責任は、知事ではなく、議会にあります。批判を受けているのは議会だとの認識の下、責任を負う議会のその一員としての質問であると御理解をいただき、お付き合いをお願い申し上げます。  さて、私は、メディアに批判的に取り上げられたことにより、この多目的スペースの整備が萎縮した遠慮がちなもの、中途半端なものになってしまうことを一番危惧しています。また、事業を進めていくに当たっては、より一層丁寧な説明に努めるとともに、分かりやすい目標設定や効果を示すことも重要であると考えます。さらには、同スペースのテーマが宇宙とされていることから、私としては、子供たちの未来につながるような取組をと願っており、例えば、県との関係も非常に良好であるANAと連携して飛行機に関連する仕事や空港の魅力を伝えつつ、空の先に広がる宇宙に思いを巡らせていくような取組など、メッセージ性や夢のある空間としての活用ができればすばらしいなと思いながら質問の中身に入らせていただきます。  まず、多目的スペースの整備について、改めてでございますが、その内容や、テーマ、宇宙の考え方について御説明をお願い申し上げます。 116 ◯黒田空港課長=多目的スペースの整備の内容につきましてお答えいたします。  令和二年九月議会で可決いただきました多目的スペースの整備の内容につきまして、少々長くなりますが、経緯等も含めて改めて説明をさせていただきます。  九州佐賀国際空港では、近年の路線・便数の拡充や建設時の需要予測を超える利用者数となっておりましたことから、小型ジェット機二機分、これは座席数ベースで約三百六十席程度になりますが、これに同時に対応できるよう、搭乗待合室や保安検査場、チェックインカウンターなどを拡張する空港ターミナルビルの拡張・改修事業に平成二十七年度から着手しているところでございます。  このターミナルビルの拡張・改修事業におきましては、機能強化とあわせまして、航空機利用以外の人も含めた空港利用者にとって、魅力的で快適なものとなるよう、買物、飲食、休憩などの面でも空港の利便性や快適性も高めていくこととしており、その一環で子供連れの家族なども楽しく滞在できるスペース、いわゆるキッズスペース的な機能、そうしたスペースの必要性も検討していたところでございます。  そうした中、建設時には想定しておりませんでした新型コロナウイルス感染症という大きな状況変化が生じたことから、その対策のために必要な追加工事等を行うこととし、飲食エリアの改修、搭乗待合室の椅子の仕様変更並びに多目的スペースの整備を行う空港ビル整備事業の予算を令和二年九月議会で可決いただいたところでございます。  このうち、多目的スペースの整備につきましては、現在の空港ターミナルビルには子供連れの家族なども楽しめるスペースがないことから、利用者の密集・密接の対策を取りつつ、子供も大人も楽しみながら休憩もできる居心地のよいスペースを設けるものでございます。  場所は、拡張・改修後のターミナルビル三階の一画で、同フロアの飲食エリアとつながった空間に面積が最大百五十平方メートル程度のスペースを設ける計画でございます。  子供も大人も楽しみながら休憩もできるスペースの検討に当たりましては、本県には、子供から大人まで幅広い層の「科学する心」を育み、発見や創造のすばらしさに出会うことができる県立宇宙科学館を有する強みがあり、この宇宙科学館では、一昨年の二〇一九年十二月にはJAXAの山川理事長にお越しいただき、JAXAと佐賀県の共催で「宇宙シンポジウム」が開催されました。また、今年一月には、JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんによる講演、トークセッションを、緊急事態宣言の再発令の影響でオンライン形式に変更して市村記念体育館で開催されたところです。このように、本県とJAXAとの連携の動きも活発になっており、これは本県の大きな強みと考えているところでございます。  こうした本県が有する強みを生かし、子供も大人も楽しめる宇宙をテーマとしたところであり、宇宙や科学への関心を高める契機づくり、中村委員からも話がございましたように、例えばANAなど航空会社が実施する空港見学や仕事体験などの取組などと連携いたしまして、飛行機や空港に関心を持つ契機づくりなど、子供たちの夢や志を育むことにつながることも期待しているところでございます。  以上でございます。 117 ◯中村委員=御丁寧な説明、ありがとうございました。本事業につきましては、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用するとのことでございますが、当交付金申請の内容と、その結果についてお尋ねをいたします。 118 ◯黒田空港課長=コロナ臨時交付金の申請内容と結果につきましてお答えいたします。  当該交付金の全体の取りまとめを担当しております財政課に確認いたしましたところ、本事業につきましては、九月議会の可決を踏まえて、国に実施計画を申請したところでございます。  主な申請内容を申し上げますと、本事業の目的、効果は、県内外からの集客を図る九州佐賀国際空港におきまして、新しい生活様式への対応を実現するため、三密対策として密集・密接を避けるための滞在空間を分散する対策を実施すること、及び新しい旅行スタイル実現のための環境整備として、年間二十五万人以上が訪れている県立宇宙科学館を有する強みを生かし、さらなる県内への誘客を図るため、宇宙をテーマとした多目的スペースを創出することなどとしております。  また、交付金を充当する経費の内容につきましては、新たな滞在スペース、今回の多目的スペースですが、この整備に要するものとして、設計費及び施工費で総事業費二千四百万円となっております。  なお、十一月十日付で当該事業が対象事業として承認され、十一月二十五日付で交付決定されたところでございます。  以上でございます。 119 ◯中村委員=ありがとうございます。十一月二十五日付で交付決定になったこの交付金、総額二千四百万円という御答弁がございましたけれども、その事業費の内訳を教えていただけますか。 120 ◯黒田空港課長=事業費の内訳についてお答えいたします。  令和二年九月補正予算における事業費二千四百万円の内訳でございますが、内装工事に約一千二百七十万円、家具、什器等の購入に約三百六十万円、展示品、映像コンテンツ等に約七百七十万円といった計画になっております。  以上でございます。 121 ◯中村委員=ありがとうございます。十一月二十五日に決定がなされた後、大分たっておりますが、整備工事が実施されている様子はうかがえません。整備の進捗状況についてお伺いいたします。 122 ◯黒田空港課長=整備の進捗状況についてお答えいたします。  九月補正予算成立後、整備内容や宇宙科学館との連携など、具体的な内容の検討に着手したところでございます。  さらには、地域課題解決のため、宇宙技術の活用の可能性の検討に向けまして、JAXAをはじめとする有識者との協力など、本県における宇宙関連の取組が進んでいるところでございます。  このように、宇宙科学館やJAXAとの連携などの強みを生かすとともに、本県における新たな宇宙関連の取組の動きも踏まえながら、例えば、宇宙技術を活用した地域課題の解決や、宇宙から見た地球の環境問題など、子供たちの「科学する心」を育むようなよりよいものとなるよう、関係部署と連携しながら具体的な整備内容を検討中でございます。  今後、整備内容が固まり次第、業務委託先の募集や選定作業を進めたいと考えているところでございます。  以上でございます。 123 ◯中村委員=要は、整備概要はまだ固まっていないということのようでございます。であれば逆にまだ間に合います。本事業については、項目の冒頭に申し上げたように、例えばANAと連携するなど、さらに中身を充実させた上で、わかりやすい目標を設定するとともに、どのような効果を創出していくかを県民に対して示すことが重要であると考えますけれども、いかがでしょうか、御答弁を求めます。 124 ◯黒田空港課長=目標及び効果等につきましてお答えをいたします。  多目的スペースの整備を含むターミナルビル全体の拡張・改修や、例えば、構内道路の改良など、空港施設の整備につきましては、空港利用者の利便性や快適性の向上を図り、ひいては空港利用者数の増につなげたいと考えているところでございます。  加えまして、リニューアル予定の物販や飲食エリア、展望デッキや隣接しております空港公園などとあわせまして、空港全体が、航空機利用者はもとより、航空機利用以外の人にとっても、魅力向上につながることを期待しているところでございます。  効果につきましては、多目的スペースを含めた空港全体の施設整備による効果を改めまして申し上げますと、空港利用者の利便性と快適性の向上、空港トータルの魅力向上、そして、空港を起点とした県内への人の流れの創出による地域活性化などと考えているところでございます。  以上でございます。 125 ◯中村委員=ありがとうございます。改めて申し上げますが、図らずも全国的に注目されてしまった本事業については、承認した議会の一員として、絶対に中途半端なものにさせてはならないとの思いで、しっかりとその進捗を注視していくつもりでございます。担当部局におかれては、そうするには議会に認めさせるだけの熱意が不可欠となりますが、場合によっては、一般財源から追加の予算をつけてでもコロナ禍における地域活性化や子供たちの未来につながるすばらしい施設を整備していただきたい。  ぜひそういう覚悟と気概を持って今後も取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。部長、任期残り僅かではございますけれども、御答弁をよろしくお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。 126 ◯南里地域交流部長=多目的スペースの整備を含みますターミナルビル拡張等の事業への思いということでお答えをさせていただきたいと思います。  皆さん、御承知のとおりでございますが、佐賀空港は、様々な努力によりまして平成十年に三路線五往復ということで、これは地方空港としては非常に破格の条件での路線・便数を確保して開港いたしました。ただ、開港直後に航空の自由化が本格化いたしまして、福岡空港へのスカイマークの就航などによります激しい価格競争といいますか、非常に環境が変わったことで大変厳しい状況が続いたという経緯がございます。  そういう中で、多くの職員の皆さんの努力ですとか、ANAとの連携、大変苦しい時を支えていただきましたANAさんとの連携などによりまして、年々、利用者を増やし、平成三十年度には建設時の需要予測を大きく超える約八十二万人が利用する空港にまでなることができたところでございます。そうした中で、次のステージを目指して平成二十七年度から空港施設の拡張整備に取り組んでいるところでございます。  今は、新型コロナウイルス感染症の発生により、航空業界や空港を取り巻く環境は大変厳しい状況にございますが、コロナ後を見据えまして、九州佐賀国際空港を利用者にとって、さらに使い勝手がよく、心地よい空港とすることで、さらなる利用者数の増加につなげていきたいと思っております。  そして、多目的スペースについてでありますが、ただいま申し上げました利用者の利便性と快適性の向上とともに、子供たちが航空、宇宙ですとか、科学技術などに関心を持って子供たちの夢や志を育むことにつながるきっかけとなればと、そういう思いで取り組んでいるところでございます。  九州佐賀国際空港は、地域発展の重要なエンジンでございます。これからも様々な取組を通じて空港を起点とした人の流れをさらに広げまして、佐賀県や福岡県南西部地域の活性化につなげていきたいと考えております。  以上でございます。 127 ◯木村委員=今回、地域交流部の皆様の所管事項につきまして質問させていただきます。公明党の木村雄一でございます。  今回、三問、通告をさせていただいておりますが、いずれもスポーツに関連する質問となりました。  それでは、早速一項目め、アスリート寮についてお尋ねをさせていただきます。  佐賀県には、未来の可能性を秘めた多くのジュニアアスリートがおられます。そうしたお子さんを持つ親御さんたちも、平日の夜、土曜、日曜、祝祭日と、練習会場、また、試合会場への送迎など一生懸命サポートしておられる、そうした姿をよく見かけるわけでございます。本委員会室におきましても、今、まさに御家庭がその真っ最中だという方、また、経験をしたという方も多々おられるかと思います。中には、将来、プロや実業団で活躍したいといった目標を立てて、そのために県内外の強豪校への進学を目指している御家庭もあるかもしれません。  私の友人に、バスケットボールが大変得意なお子さんがおられまして、大変優秀な選手であります。唐津市在住の方ですけれども、県内の強豪校への進学を希望しながらも、通学が難しいということで、推薦入学を断念した方がおられます。  中には熱心な御家庭もありまして、お子さんのためにお母さんと息子さんが強豪校のある町に部屋を借りて、ほかの御家族は地元というような、そこまでやっている方もおられるという話を聞いたことがあります。大変だなと思う反面、その親心を理解するところもあります。  そんな折に、去る一月十八日でありますが、九州電力株式会社と県でSSP構想に関する連携協定が締結されまして、官民連携で高校生アスリート寮の整備を行うと表明がありました。私自身、大変驚きますとともに、これから高校に進学するお子さんを持つ保護者の方からは、通学困難な強豪校に進学できるようになると大変歓迎する声も届いております。  そこで、最初の質問ですが、このアスリート寮の設置の目的、必要性についてお尋ねをいたします。 128 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=アスリート寮の必要性についてお答え申し上げます。  まず、前提といたしまして、私どもとしては、今、委員からも御紹介がありましたSSP構想に取り組んでおりまして、世界に挑戦するアスリートの育成だとか、スポーツ文化の裾野の拡大に取り組んでおります。その中でアスリート育成の人材体制の構築を一生懸命進めているところでございます。  これを進めるに当たりまして、二つ、重要なポイントがあると思っておりまして、一つは優れた指導体制を確立すること、もう一つは保護者の方の経済的支援なんだろうと思います。  今、委員からもちょっと御紹介がありましたが、現場の状況を申し上げると、今でも指導体制が県内で確立されている強豪校には、県外から進学されている生徒さんもおられます。どうなっているかというと、県内の公立高校に寮がないものですから、指導者御本人がアパートを借り上げて、そこに生徒さんを住まわせたりだとか、あるいは自宅に下宿させていると。そうすると、食事をどうしているんだという話になりますので、それは例えば指導者の御家族の方が一生懸命作っていらっしゃるというような、そういった実態がございます。  こうした実態につきまして、競技団体のほうからは、指導者の負担が大きいものですから、面倒を見る子供の数もどうしても限られてしまうので、もっと本当はいろんな声かけだとか、自分のところで学びたいという子供に対してちゃんと向き合っていきたいんだけれども、なかなかそういった声かけや生徒の指導というのも一定の限界があると。それから、保護者の方にも当然家賃負担というものが生じます。そうなりますと、専用の寮が充実している県外を選ぶ原因にもなっているんじゃないか、こういった御意見を競技団体から伺っているところでございまして、指導者に依存しない人材育成体制をつくるという意味でも、この寮の整備についてかねてから強い要望をいただいていたところでございます。  私どもとしては、人材育成体制を構築する観点から、佐賀で学びたいと思う子供たちをしっかり支援してまいりたい。また、指導者の過剰な負担というものを軽減してまいりたい、こういった思いもございます。いわば選手と指導者双方にとってプラスになる環境をつくりたい、こういった目的で、今回、寮の整備が必要というふうに判断したところでございます。  以上、お答えとさせていただきます。 129 ◯木村委員=現場からの強い要望、また、保護者からの声、様々あっての今回のお話だというふうに理解をしたところでございます。今、御答弁にもありましたように、一部の強豪校においては、監督さんが、ある意味、手弁当といいますか、手塩にかけて選手を育てなければいかんということで、住まいの確保までやっていただいているということでありました。そういったところが、ある意味、強豪校の歴史を刻む要因になっているところもあるかもしれませんけれども、大変大きな負担だなということを感じた次第であります。  今、御答弁いただきましたが、指導者側も、そして、子を持つ親の側の双方が長年望んできたことが今回かなうということで、私自身、大変意義のある取組だというふうに評価をしているところでございます。  それでは、次の質問ですが、そのアスリート寮の整備について、九州電力さんと連携して整備をしていくということでございますが、どういった経緯でそのようになったのか、これは九電さんからの申し出であったのかお尋ねいたします。 130 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=九州電力との協議の経緯についてお答え申し上げます。  SSP構想は、私ども行政だけで進めるものではないというふうに思っておりまして、いろんな方に様々な形で御協力いただきながら、オール佐賀で進めていきたいと思って、これまでも取り組んでまいったところでございます。  そういった中で、九州電力さんからも、地場企業として何か協力できることはないかというお話をまずいただきました。  私どもからは、その中で競技団体から寮に対する強い要望があったものですから、九州電力さんのように九州一円をエリアとして転勤が多いような企業ですと社宅を結構お持ちかなと思いまして、もし使ってない社宅のようなものがあれば寮として直ちに活用できる物件があるのではないかというふうに思いましたので、私どものほうから、そういった物件をお持ちじゃないですかということをまず打診したところであります。  それで九州電力さんのほうで検討していただきましたところ、佐賀市内に今使っていない物件があるということで、これは使えるんじゃないかという回答がまずありました。その後、本当に使えるかどうかというようなことを私どもも確認させていただきながら、現実的な話かどうかということの協議を重ねまして、本年一月十八日に、委員からも御紹介がありましたような形で連携協定の締結といった形に至ったところでございます。  以上でございます。 131 ◯木村委員=まさに県の考えと九電さんの地域貢献といいますか、社会貢献の考えが見事に一致して、今回、実を結ぶ形になるんだというふうに理解したところでございます。  それでは、その実際の寮の話でございますが、整備をしていくということでございますが、設置場所とか定員など概要はまだ協議中だと思うんですが、現時点でお示しいただける範囲で御答弁いただけますでしょうか。 132 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=アスリート寮の概要についてお答え申し上げます。  まず、場所でございますが、場所は佐賀市の天祐になります。佐賀工業高校だとか佐賀北高校に非常に近いところでございます。現時点でのイメージという形で御理解いただければと思います。  まず、定員でございますが、約七十名から九十名で調整いたしております。  それから、これは社宅で一棟の団地のような建物、四階建ての建物なものですから、敷地の中に食堂などの共用スペース、寮ですから一緒に御飯を食べるわけでありまして、そういったことができるような共用スペースを持つ管理棟というものを新しく造りたいなと思っております。  オープンでございますが、来年、令和四年の四月を予定しております。  以上でございます。 133 ◯木村委員=旧社宅ということで、九電さんの遊休資産を、先ほど管理棟のお話もありましたが、様々、リノベーションとか、そういったこともやっていかれるということでございました。コロナのこともありますので、一つの部屋に何人もというわけにはいかないかもしれませんが、七十名から九十名ということでございましたので、結構な学生を受け入れるキャパシティーがあるんだなというふうに思いました。  それでは、運営面についてでございますが、勉強会でも御説明はいただいておりますが、今回のアスリート寮は、九州電力さん以外の県内企業さんも出資をして設立される会社が整備・運営の主体となるというふうに伺っております。どのような企業が参画されるのかお伺いをいたします。 134 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=どのような企業が参画するのかということでございます。  アスリート寮の整備・運営主体は、今年四月、来月になりますが、設立予定の合同会社が新しく行います。ここに参画する企業でございますが、まず九州電力、それから県内は八社でございまして、松尾建設、佐電工、中野建設、祐徳自動車、福岡商店、佐賀新聞社、サガテレビ、佐賀銀行の八社でございます。九州電力を含めてこの九社が出資して新しい会社をつくって寮を運営していくということでございます。  以上でございます。 135 ◯木村委員=具体的な企業名まで御答弁をいただきありがとうございます。もしかすると今後も増えていく可能性があるのかなとちょっと期待もしております。実際、官民連携で、今後、整備・運営を行うというように聞いております。先ほど、管理棟の話も少しお聞きいたしましたが、実際、県が果たしていく部分はどういったところにあるのかお尋ねをいたします。 136 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=県が果たす役割でございます。先ほど申し上げました寮の整備に至る経緯から、寮の整備・運営につきましては、官民が連携することが非常に重要だと思っております。  したがいまして、先ほど申し上げました四月に新しい運営会社がつくられた後に、まず、運営会社と私どもの間で実務的な事業協定を締結したいというふうに考えています。それで、仮称でございますけれども、運営委員会のようなものを設けまして、そこで民間による運営ではあるものの、一定程度、私どもも関わってまいりたいと思っています。  具体的な関わり方でございますが、寮の整備や運営というのは、非常に公益性が高い事業だというふうに思っております。したがいまして、先ほど九州電力の旧社宅を使うということを申し上げましたが、そこのリフォームでありますとか、管理棟の整備に若干コストが当然かかるわけでございまして、この一部を県も負担するといったことを検討しております。このあたりは今後必要な協議を重ねまして、必要な予算につきましては補正予算として改めて御提案させていただきたいと思っております。  また、実際に入られる方の決定ですね、入寮者の話であるとか、あと、寮費が幾らになるのかといったことにつきましても、運営会社と私どもの間で協議をしながら決めていきたいと考えているところでございます。  以上、お答えとさせていただきます。 137 ◯木村委員=ハード面だけではなくて、今後、様々な調整が予想されると思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。  実は、今回の寮の設置の報道を聞いた保護者の方から御質問をいただいております。個人で入寮を希望する場合、受け付けてもらえるんだろうかというお問合せをいただいています。  関連して伺っておきたいのですが、来年四月にオープンということで、どういった形で入寮生を募集されるのかというところです。従前から寮の設置を希望してきた現場の声もありますし、募集の時期が大変重要なポイントではないかと私は思っております。  御答弁にもありましたように、県内の高校に寮が少ないということもありまして、要は、他県の私立の強豪校が中学生に早い段階からアプローチをしてくるという傾向にございます。加えまして、県内の高校が県内の中学生に受験を勧誘するということは、あんまりないのかもしれませんが、少なくとも佐賀県の教育委員会の方針としては、中学校三年生へのそうしたアプローチは十月以降という方針があるということでございます。ただ、他県の私立高校さんの場合は、早い段階から接触をしてきているということでありました。
     そういった意味で、推進監も言われましたけれども、他県に行ってしまう傾向にあると。そういったことで今回の整備というのは、親の負担軽減、指導者の負担軽減だけではなくて、県外流出の防止につながると、そういった意味があると思っております。  様々申し上げましたが、この募集の考え方、時期も含めまして御答弁をお願いいたします。 138 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=入寮者の募集の考え方などについてお答え申し上げます。  募集方法や重大な要素であります寮費の在り方、これについては四月に運営会社を新しくつくって以降、検討を加速させていくということになります。その意味では、現時点でのイメージということで御理解いただければと思います。  先ほど申し上げましたように、競技団体からのいろいろな要望を踏まえた経緯もございます。それから、指導者の負担軽減だとか、佐賀で学びたい子供をできるだけ応援したいといった寮の目的、こういったことに鑑みまして、まず、競技ごとに何部屋必要なんだろうかといったことを先に確定させたいなというふうに思っています。その上で実際にお子さんが高校に進学するというのは、少しタイムラグがどうしてもあるわけなので、その後に実際に入る子供さん、Aさんが入る、Bさんが入るということを決定する、恐らくそういった二段階の決め方になるんだろうなというふうに思っています。  そういったことをアナウンスする時期ですが、委員からも御紹介がありましたように、確かに、県教育委員会の中で十月一日以降にしないと、声かけは遠慮しましょうということがありますけれども、一方で県立高校の募集要項そのものは七月下旬には県教育委員会のほうで公表されるわけであります。そうなりますと、その段階で、どこの高校にスポーツの推薦枠が何人はまるのかということは外に出るわけであります。そうすると、声をかける、かけない以前の問題として、この高校にこの競技で何人募集があるんだなというのが分かるわけですから、そこが一つの参考になるわけでありまして、そのあたりが時期的には一つの目安、こちらのほうからいろんなことをお示しできる目安になるんだろうと思います。  ただ、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、競技団体単位で何部屋必要かということを決めていかなきゃいけないということがありますので、これについては寮整備に対する今まで御要望があった競技団体だけではなくて、いろんな競技団体があるわけですから、随時、私どもから発信できる限りで競技団体にアナウンスをするということは当然です。一月に連携協定した後に、いろんな問合せを私どももいただいております。この競技も関心を持っているのかというところもございましたので、私ども、そういったところで利用を希望する競技団体にはできる限り対応できるようにしてまいりたいと考えているところでございます。  以上、お答えとさせていただきます。 139 ◯木村委員=募集の考え方を今お聞きした範囲では、個人で希望して簡単に入寮というわけにはなかなかいかないのかなという印象を持ったところでございます。  いずれにしても、様々な調整が必要だし、また、今の予定でいくと、今年の夏でしょうか、県立高校のスポーツの募集枠が発表になったタイミングということで、私に問合せがありましたので、お答えできるかなというふうに思っております。いずれにしても、多くの方が納得するような形での募集になればと願うところです。  この項目の最後の質問でございますが、県内では、佐賀市中心の強豪校への進学を希望する方もおられますが、幸いなことに、佐賀市以外にもいろんなスポーツの強豪校がございます。同じように進学を希望しても通学が困難というケースも予想されますので、アスリート寮の設置を望む声も出てくるかもしれません。  今後、県としては、そういったニーズにどのようにお応えになられるのかお伺いをいたします。 140 ◯日野SAGAスポーツピラミッド推進グループ推進監=最初のほうで私も御答弁させていただきましたが、寮の設置の趣旨というのは、指導者の負担軽減と佐賀で学びたい生徒を支援するということでありますので、今回、佐賀市につくったから終わりだよということでは多分ないんだろうと思います。今回のケース以外に、さらなるアスリート寮の整備についても、様々な方と協議、検討を進めているところでございます。  というのも、先ほど委員からも御紹介がありましたけれども、佐賀市に強豪校が集中しているわけではありませんで、競技によっては、例えば鳥栖地区でレスリングだとか体操とか陸上とか、それから、唐津にはセーリングがあって、伊万里にはホッケーがあってみたいな形で、それぞれの地域で育成拠点となっている競技があるわけであります。  それから、先ほど申し上げましたように、県立高校の入試の特別選抜枠というのは、そういった高校に設定されているわけであります。一方でまた、野球のように拠点校方式を取らなくて、広くいろんな高校が競争してくださいといったようなやり方をやっている、切磋琢磨している競技もあって、それぞれにこの高校に行きたいというお子さんがいらっしゃるわけなんです。  こういったことを競技ごとに拠点となる地域だとか、そもそもの育成方針が異なっておるんですけれども、私どもとしては、それに応じた形で県として支援していくことが基本なんだろうというふうに思っています。  ですから、アスリート寮の整備というものは、今回のケースをモデルとしながらも、こういった形態にとらわれることなく、地域や競技の実態に応じまして、SSP構想の趣旨に賛同していただける企業といろいろ連携しながら、アスリート寮の整備というのは引き続き進めてまいりたいと思っているところでございます。  以上、お答えとさせていただきます。 141 ◯木村委員=御答弁いただきましたように、地域とか競技の実態に即して選手にとって最適な環境を構築していくということでございましたので、ぜひともそのように取組を進めていただきたいと思います。  それでは、二項目めに移らせていただきます。「佐賀・鹿児島エールプロジェクト」についてお尋ねをいたします。  先ほど、ジュニアアスリートに関する質問をさせていただきましたが、来年四月に入寮するメンバーの方は、「SAGA2024国スポ・全障スポ」で活躍していただける選手になるかもしれません。その国スポでありますが、御案内のように、そもそも二〇二〇年に開催されるはずであった鹿児島国体・全障スポが新型コロナウイルス感染症の影響で中止となって、様々な調整や競技団体の理解を得て三年延期となって、二〇二三年に開催されることになりました。  そして、「SAGA2024国スポ・全障スポ」は、二〇二四年に開催が決まって、史上初の九州連続開催となりました。そのことを契機として両県が交流を深める意味で、「佐賀・鹿児島エールプロジェクト」をスタートして、来年、様々な事業を実施するということで勉強会でも説明があったところでございます。  最初の質問でございますが、ここで改めて、どのような経緯で実施することになったのか。また、目的についても御答弁をお願いいたします。 142 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=取組の経緯及び目的についてお答えをいたします。  まず、経緯につきましては、委員もおっしゃったとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けまして、二〇二〇年の鹿児島大会が中止になったことに伴いまして、昨年夏、鹿児島県、日本スポーツ協会及びスポーツ庁から、本県で開催が予定されておりました二〇二三年に鹿児島大会を開催し、佐賀大会は二〇二四年に開催をさせていただきたい旨の要請がございました。この要請に対しましては、御承知のとおり、昨年八月十九日に、知事の臨時記者会見におきまして受入れを表明し、その際、山口知事から、「鹿児島大会と佐賀大会を、いわば双子の大会のように”二〇二三年も本番、二〇二四年も本番”と位置づける」旨の公表をいたしました。  この会見を聞かれた塩田鹿児島県知事をはじめ、鹿児島県民の皆様からは、この「双子の大会のように」という言葉に大変共感していただいたところでございます。  この受入れ表明を端緒といたしまして、その後、十月三日に開催されました「かごしま国体・大会の開催決定イベント」に山口知事が招待され、その際、両知事の間で、それぞれの大会を目指してきたアスリートたちのためにも、互いの県民が互いの選手にエールを送り合うような大会にしたい。そして、その絆を将来にも承継していきたいといった旨の話がされました。  こうしたことを受けまして、十一月二十日、山口知事、塩田両知事が、それぞれの記者会見におきまして、本プロジェクトの立ち上げを同時に発表したというのが今回の主な経緯でございます。  また、本プロジェクトの目的といたしましては、まずは二〇二三年、二〇二四年の両大会におきまして、互いのアスリートが、互いの県民から温かく迎えられる環境を創出し、そして、その絆を未来につなげていくことを目的としております。  以上でございます。 143 ◯木村委員=報道によっては、明治維新の立役者が令和に再びタッグを組むというような報道もあっているところで、不思議なえにしがあるのかなというふうに私自身も感じているところです。  冒頭にも触れましたが、今年三月で中学校を卒業した三年生、本来ですと三年後に高校三年生になって地元開催の大会での活躍を夢見て一生懸命練習に励んでこられた世代であります。彼らが実際出場いたします鹿児島大会では、開催県ではございませんので優先出場枠がないと。また、加えて地元開催であります二〇二四年では、少年種別で参加することができないということで大変動揺されたのではないかと思います。しかし、現在、選手たちは前を向いて、鹿児島大会で活躍したいと練習に励んでおられると伺っております。  御答弁にもありましたが、こうした選手たちは鹿児島県で温かく迎えていただくと。また逆もしかりで、今度は二〇二四年に鹿児島の選手たちを佐賀で温かく迎えようということで、お互い、アスリートファーストといいますか、すばらしい考え方で取り組まれる事業だというふうに感じているところでございます。  実は、最後の国体ということで、栃木県さんの思いもあったように伺っておりますが、その意義は鹿児島が担うと、最後の国体は鹿児島で、最初の国スポは佐賀と、まさに両大会は双子の大会ということでございます。  今回の事業の予算についてお尋ねをいたしますが、本プロジェクトでは、両県が同額の予算を計上して実施するということになっております。どのような考えで同額としているのかお伺いをいたします。 144 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=予算の考え方についてお答えをいたします。  両県は、委員がおっしゃったとおり、最後の国体を鹿児島で、最初の国スポを佐賀で行う二年連続での九州開催を契機としまして、未来に向けて本プロジェクトを推進していきたいと考えておりますことから、まさに、パートナーとして対等な立場で取り組んでいくため、同額の予算を計上しているところでございます。  また、予算額につきまして、両県におきまして、どのように取り組んでいくのかなどの協議を行い、その取組に係る経費を積み上げたところ、おおむね一千万円程度となりましたことから、両県で調整し、それぞれに一千万円の予算を計上しているところでございます。  具体的には、アスリートの交流試合などに係る活動費としまして六百五万円、このほか修学旅行の交流促進に係る旅費や県産品のテスト販売等に係る経費、本プロジェクトの広報費など合計一千万円を見積もっております。  なお、このような形での県の枠を超えたプロジェクトの推進は、前例のない新しい取組ではないかと認識しているところでございます。  以上でございます。 145 ◯木村委員=まさに、双子の大会ならではといいますか、お互いに対等な負担をするという考え方の下に、積み上げたら一千万円という御説明をいただいたところでございます。  中身について少し触れていただいたところですが、勉強会では、主に四つの事業ですかね、「アスリートの交流」や「県民の交流」、また、「産業・文化の交流」、そして「TEAMの交流」というふうに御説明をいただきました。それぞれ具体的に御答弁いただけますでしょうか。 146 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=具体的な取組についてお答えいたします。  両県の交流につきましては、既に今年度におきましても、既存予算を活用しまして、取り組めることから両県共同で推進しており、この三月にも自転車競技アスリートの合同練習や、両県高校生によるプレゼンテーションの交流などにも取り組む予定にしているところでございます。  そして、今回、予算を提案しております来年度につきましては、委員御指摘のとおり、四つの交流を柱として、一つ、「アスリートの交流」としまして、ジュニアアスリートや障害者アスリートの合同練習や交流試合。一つ、「県民の交流」としまして、中学生修学旅行の交流促進やSAGATOCOアプリへの鹿児島コースの追加。「産業・文化の交流」としまして、ものづくり企業の交流や文化イベントの連携開催。「TEAMの交流」としまして、市町同士の交流促進や競技団体の交流などを進めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 147 ◯木村委員=昨年の十二月ですが、鹿児島県さんのほうでは、国体開催延期への協力に感謝する意味で、佐賀県民限定の旅行キャンペーンを実施されました。しかし、コロナの影響で意図した展開はできなかったということでございますけれども、先ほど御答弁いただきましたように、佐賀県においては、中学生の修学旅行の誘致とか、いわゆる両県の直接の人の交流に重きを置いた取組を考えておられるのではないかと。そういった意味で、とにかくコロナの収束を願うばかりでございますが、答弁の最後のほうで、「TEAMの交流」について市町の交流というお話がございました。あえて「TEAM」というふうに御答弁をいただいたんですが、この点を詳しく御答弁いただけますでしょうか。 148 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=市町交流の具体的な取組についてお答えをいたします。  県内の市町からは、例えば既に開催した市町から話を直接聞きたいけれども、一昨年の茨城県では、もう既に組織がないですとか、機運醸成のやり方をもっと詳しく知りたいといった声が聞こえてきているところでございます。  そうした中、鹿児島県の状況を見てみますと、鹿児島県のほとんどの市町においては、昨年の秋に向けての開催準備がほぼ完了している状況でございます。  こうしたことから、我々としましては、鹿児島県に対し、県だけではなく、市町の交流も一緒にやれないだろうかといった旨の御相談をしたところ、鹿児島県からは快く承諾をしていただいたところでございます。  こうしたことを受けまして、今月の二十二日、二十三日には、県内の多くの市町に御参加いただき、鹿児島県内におきまして、同じ競技を開催します市町同士のキックオフ交流会なども予定しているところでございます。  こうした交流が続きまして、二〇二三年は鹿児島へ、二〇二四年は佐賀へ単に視察に行くのではなく、お互いの競技運営のお手伝いに駆けつけるような関係を構築しまして、「SAGA2024」終了後も、そうした交流が続きまして、分野を問わず、さらに発展していけばいいなという期待をしているところでございます。  以上でございます。 149 ◯木村委員=あえて「TEAM」とおっしゃった意味が理解できたところでございます。これもまさに双子の大会ならではのことかなと思います。おっしゃったように、後催県が前乗りをして、一日の長である準備が終わった鹿児島県さんのお手伝いとか体験をするというのは通常あり得る話ですけれども、後催県のために前催県が力を貸し続けていくというのは、本当、史上初ということで大変すばらしい取組ではないかなと思います。  そうしたことも含めながら、今回の事業については多岐にわたる事業になるわけでございます。全庁的にこれをどのように進めていかれるのかお伺いをいたします。 150 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=プロジェクトの推進体制についてお答えをいたします。  委員御指摘のとおり、本プロジェクトにつきましては、例えば、流通・貿易課やものづくり産業課などの部局を超えた関係課とも連携の上、推進していく、いわば全庁的なプロジェクトであると認識しております。  このため、スポーツ部局のみならず、観光課や文化課もメンバーとするプロジェクトチームを既に立ち上げておりまして、このチームを中心に、先ほど申し上げました他部局の関係課とも連携を図りながら取組を進めているところでございます。  引き続き、プロジェクトに応じた関係課との個別連携や既存の庁内会議などを活用しながら、部局横断の全庁的なプロジェクトとして推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 151 ◯木村委員=物の交流についても御答弁いただきましたが、両県の人と人との直接の交流が大部分を占めております。ここでどうしても気になりますのが新型コロナウイルス感染症であります。感染状況によっては、想定したような交流ができない場合も予想されますけれども、そのような場合にどのように対応していかれるのかお伺いをいたします。 152 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=新型コロナウイルス感染症の影響についてお答えをいたします。  感染症の影響につきましては、まだまだ見通せない面も多分にありますことから、両県の感染状況などを踏まえながら、適時適切な対策を取ることはもちろんのこと、リモートの有効活用なども含めまして、しっかりと交流を深化させていきたいと考えております。  以上でございます。 153 ◯木村委員=できないのではなくて、できることをやっていくという御答弁だったかなと思っております。せっかく絆を紡いでまいりますので、いろいろと大変な工夫が必要だと思いますが、どうかよろしくお願いしたいと思います。  この質問の最後の項目になりますが、今回のことで二〇二三年、そして二〇二四年の両県の開催によって、佐賀県、そして鹿児島県の県民の間に新たな絆が生まれるというように思っておりますが、決して一過性で終わるのではなくて、この結ばれた絆をどのように将来的に展開していくお考えなのかお伺いをいたします。 154 ◯山崎SAGA2024総務企画課長=プロジェクトの今後の展開についてお答えをいたします。  繰り返しになりますが、まずは二〇二三年、二〇二四年の両大会におきまして、互いのアスリートが、互いの県民に温かく迎えられるような環境をつくっていきたいと考えております。  また、コロナ禍で生まれたプロジェクトだからこそ、その中でもできる一つ一つの交流を大切にし、両県の県民に喜ばれるような取組を積み重ねていくことで、その絆をより深め、例えば、二〇二三年、二〇二四年も良好な関係が続きまして、両県のアスリートが切磋琢磨していくようなことも期待しているところでございます。  そして、本プロジェクトの目的にも掲げていますとおり、様々な分野での交流が深化、拡大し、そこで生まれました絆や思いを未来に向けて引き継いでいけるよう、全力を挙げてしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 155 ◯木村委員=ぜひともよろしくお願いしたいなと思います。薩摩弁といいますか、鹿児島弁、私もしっかり分かるようになりたいなというふうに思っています。相当違いますので、そういったところも機会があれば学びたいというふうに思います。  それでは、三項目めに移らせていただきます。  今、アスリートが世界中で目指しておりますいわゆるオリンピック・パラリンピックの話でございます。中村委員の聖火リレーについての質疑と若干重なるところもございますが、私なりの視点で質問をさせていただきたいと思います。  オリンピック・パラリンピックの東京開催については、連日報道があっているところでございます。つい先日もオリパラの組織委員会、そして都知事、IOC会長、オリンピック担当大臣、そして、国際パラリンピック委員会の、いわゆる五者協議によって、今、一番焦点となっているのが海外からの一般観客の受入れをどうするのかと。報道によりますと見送る公算が強くなったということでありまして、政府としましても、そういった協議の動向を注視しながら、聖火リレーが始まる三月二十五日よりも前に判断をしたいと、昼のニュースでも報道があっておりました。変異株が拡大しておりますし、また、海外での感染の収束のめども立たない中で、仕方ないところがあるのかなという思いがいたします。  では、そうした方針が決まったとしても、外国の方がオリパラに全く来ないのかというと、これについても様々な報道が錯綜しております。IOCの協賛企業、スポンサー企業が確保したチケットで来日される方は観戦できるとか、また、競技運営に関わる役員とか審判、各国の中継を担っていく放送関係者とか記者がいらっしゃいますので、この入国をどうするか。いずれにしても、国内感染者を含めまして、どうリスクを下げて安全な大会に取り組むかということが大きな課題でございます。この点についてもお昼のニュースで加藤官房長官は、「スポンサー大会運営関係者の入国措置についてどうするかは、まだ何も決まっていない」という発言もあっているところであります。  一方で、全国の五百十七の地方自治体は、オリパラのホストタウンとして登録しておられます。その多くが事前合宿を予定されておりまして、今のところ、海外選手を受け入れるようになっているわけです。そして、やはり気になりますのが新型コロナウイルスの影響であります。中には、様々な対策を負担に感じまして、受入れを断念するような自治体も出てきております。  また、この事前合宿の受入れについてでありますが、全国の総数は不明ということでございました。三月八日の新聞報道では、全国で少なくとも五つの市町が受入れを断念したということでございます。  海外選手を受け入れる自治体には、相手国地域の意向を今月末までに確認することになっておりまして、今後、断念をするところがさらに出てくるのではないかという懸念も広まっております。  そこで、佐賀県内の状況を確認したいのですが、まず、本県での事前キャンプの受入れ状況についてであります。  どのような国と競技を受け入れる計画となっているのかお尋ねをいたします。 156 ◯瀬戸スポーツ課長=オリンピック、パラリンピックに関します事前キャンプの受入れ計画状況についてお答えいたします。  オリンピックの事前キャンプにつきましては、最大で五カ国十八競技の受入れを予定しております。具体的にはフィンランドの陸上など最大十六競技をはじめとしまして、セルビアの三人制バスケットボールですとか、ニュージーランドの陸上、タイのアーチェリーとボート、オランダの空手道につきまして、国、競技ごとに、佐賀市、唐津市、嬉野市で受け入れることで合意済みとなっております。そしてもう一つ、パラリンピックにつきましては、タイのアーチェリーを佐賀市で受け入れる予定でございます。 157 ◯木村委員=県内三つの市が五カ国、パラリンピック競技を含めると十九競技になるんでしょうか、事前キャンプを受け入れる計画をもともと立てておられるということでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響というのは、アスリートにとっても大変深刻な影響が出ておりますが、そもそも、代表枠を決めるための大会が世界中で中止とか延期になっております。一月の新聞記事では、日本代表選手が順当に選考できていたら六百人規模になるということでございますが、最新のホームページを見ますと、全体の二〇%という記事が載っておりました。世界的にも様々な競技の出場枠の六一%は決まっているが、残り四割は決まっていないという報道もございます。  そこで、お尋ねをいたしますが、こうした状況の中におきまして、各チームの出場権の獲得状況はどうなっているのか。また、決まっていないとすれば、今後、どのようなスケジュールで出場権が決まっていくのかお尋ねをいたします。 158 ◯瀬戸スポーツ課長=各チームの出場権の獲得状況についてお答えいたします。  出場権の獲得状況につきましては、各国や競技によって異なっておりまして、既に出場権を獲得しているものもあれば、これから残りの枠を確定させていくというものもございます。  県内で事前キャンプを予定している先ほど申した国、競技のうち、現時点で出場権を獲得しておりますのは、オリンピックですと、フィンランドの陸上一名ですとか、セルビアの三人制バスケットボール代表チーム、あるいはパラリンピックではタイのアーチェリー四名となっております。これ以外につきましては、今後、順次、予選大会を経まして出場権が決まってまいりますが、遅くとも本大会の直前の七月上旬までには様々な競技等で選考が行われることになってくる見込みでございます。  以上でございます。 159 ◯木村委員=既に出場枠を勝ち取っているセルビアというようなところもあれば、これから決まる、見込みなんですが、そういった状況だということでございました。選手の皆さんも大変ですけれども、その枠が決まるかどうか分からないという中で、受け入れる側も大変だと思います。  そうした中で、事前キャンプの運営面を支えていただくボランティアについてお尋ねしたいと思います。大変大きな役割を担っていただくと思っておりますが、実際どのような活動を行われるのかお伺いをいたします。 160 ◯瀬戸スポーツ課長=ボランティアの活動内容についてお答えいたします。  事前キャンプにおけるボランティアの活動は大きく四つを想定しております。  一つ目は、受付・総合案内としまして、練習施設における選手やスタッフその他、会場に来場される方々の受付ですとか誘導案内、こういうことでございます。  二つ目は、練習施設の準備・運営として、練習場の設営ですとか、器具の準備サポート、こういったことをお願いしております。  三つ目は、チームサポートとして、選手やスタッフが移動する際、選手の車への乗車ですとか荷物積込み、こういったことをサポートする。  そして、四つ目は通訳、チームと日本側関係者のコミュニケーションをサポートいただく。こういったことを行ってもらうことにしております。
     そのほか、新型コロナ対策としまして、練習場や器具の消毒、来場者の検温、こういったことも新たに対策が必要となっておりますので、こういった活動にも一部従事していただくことになっております。  以上でございます。 161 ◯木村委員=四つの項目に加えてコロナ対策ということで、大変大きな役割を担っていただくことになります。  中村委員の質問でもありましたが、前オリンピック大会会長の発言がやはり気になるところでありまして、実際、オリンピック・パラリンピックのボランティアを辞退される方が全国的に続出いたしました。佐賀県の場合、キャンプ受入れにかかわるボランティアの募集状況についてはどのようになっているのかお尋ねをいたします。 162 ◯瀬戸スポーツ課長=佐賀県におきますボランティアの募集状況についてお答えいたします。  ボランティアの募集につきましては、昨年十一月末から今年の一月末まで募集を実施しておりました。もともと枠は三十名程度ということで募集しておりますが、実際は五十名を上回る方に応募いただきまして、現在、面談会を実施した上で最終選考を行っているところでございます。  今後、選考が終わり次第、それぞれの役割に応じて実際の活動に向けて準備を行っていただくという流れになっております。  以上でございます。 163 ◯木村委員=実際、募集定員を大きく超える応募があったということで、大変安堵したところでございます。選考していかなければならない、うれしい誤算というか、そういったこともありながら、このボランティアの皆さんに支えていただくわけでございます。  しかし、こうしたボランティアの皆さんにコロナ対策で一役買っていただくことになるんですけれども、全国の自治体の中には、こうしたコロナ対策の負担を理由に受入れを断念したところも出てきております。  そこで、本県でのコロナ対策の状況についてでありますが、どのような方針で行っていくのかお伺いをいたします。 164 ◯瀬戸スポーツ課長=事前キャンプの感染症対策についてお答えいたします。  海外からの選手たちが県内滞在中に新型コロナ感染リスクの不安を感じることなく、事前キャンプを行っていただいて、本番でよりよいパフォーマンスが出せるよう、我々としてもサポートしていくことが大事な役目だと考えております。  そのため、国からの要請によりまして、県では、コロナ対策をまとめた受入れマニュアルを作成することとしております。今年一月には庁内の関係各課やキャンプを受け入れる市、そして県内の医療団体、あるいは宿泊事業者や競技団体、こういったメンバーから成ります「オリパラ事前キャンプコロナ対策関係者連絡会議」というものを設置いたしまして、マニュアルづくりを進めることとしております。  キャンプ受入れに当たりましては、事前に相手国ともこの完成したマニュアルの内容について合意をした上で、それに沿って関係者全員が万全なコロナ対策を行うことで、選手たちにとって安全・安心な環境をしっかりと提供していくことにしております。  以上でございます。 165 ◯木村委員=今、連絡会議等で受入れマニュアルを作成していただいているさなかであるという御答弁であったかと思います。  何回も申し上げているところで恐縮なんですが、全国の受入れ自治体の負担の声として、例えば、選手たちが使う予定だった練習会場がワクチン接種会場に使用されることになってしまったり、また、限られた人員しかいないのにワクチン接種の推進もせにゃいかんというところで、とてもキャンプ受入れの感染対策まで手が回らないとか、また、外国選手の練習相手となる地元チームの問題、様々な課題を抱えているということも聞いております。一方で、そもそも先方の国から感染収束の見通しが不透明という理由で事前キャンプ見送りの意向が示されるところもあると聞いております。  そこで、確認なのですが、今、御答弁いただきました連絡会議において受入れ自治体も参加をなさったと聞いております。そうした場におきまして、今後の受入れに懸念を示す意見等は出なかったのかお伺いをいたします。 166 ◯瀬戸スポーツ課長=県内の受入れの自治体から懸念の声が出されていないかと。これは協議会の会議の場そのものということだけではございませんが、日々やり取りをやっておりますが、基本的にはまず事前キャンプ自体は市にお任せということではなくて、県が各国の窓口となって一元的に調整を行いながら受入れの運営をしていると、それを市に確認しながら一緒にやっていくということでございます。  受入れ地の佐賀市、唐津市、嬉野市とは随時連絡をやり取りしておりますが、現段階で特段のといいますか、大きなといいますか、懸念や不安、こういった声は上がってきておりません。ただ、受入れの具体的なやり方、例えば、コロナ禍で選手団がやって来るけど、おもてなしとか交流をどういうふうにしたらいいでしょうかと、こういう実務的といいますか、そういう相談は日々会話をしておりますので、今後、詳しい調整をやっていくこととしております。  今の話でいいますと、例えば、交流に関しては選手との接触がないような、距離をとった上で公開練習をするですとか、オンラインを活用しながら直接触れることなくと、そういうことを工夫するとかになりますが、各市町の担当の方々と、今後、先ほどの会議の場だけじゃなくて、やり取りしながら、実際どのような対策をしながら、正しいといいますか、コロナ禍での交流のあり方を一緒に考えていくと、そういうことでございます。  以上でございます。 167 ◯木村委員=今の御答弁、念のため確認なんですが、こちらとしては、受入れ側ですのでウエルカムでいろんな前向きな取組をしていただいております。ただ、冒頭触れましたが、三月いっぱいまでに相手の国に意向確認をするとなっています。逆にあちらの方から入国に際して何か意見等が出ているのか、今後の可能性についてやり取りがあっているのか、確認させてください。 168 ◯瀬戸スポーツ課長=相手国とのやり取り、現段階で来るとか来ないとかの話なんですが、我々も随時、相手国とはオンラインで会議をやっていまして会話をしていますが、今の段階では、やって来ないとか、断念するとか、こういうことではなく、楽しみにしているといいますか、来る前提でやり取りをしているという状況でございます。 169 ◯木村委員=お互い、やる方向でということで理解をしたところでございます。  そうしたことで、先ほど御答弁でも触れていただきましたが、三つの市、佐賀市、唐津市、嬉野市は県の方針に沿って、今後、受入れ準備を進めていかれるわけでございます。その独自の受入れマニュアルの作成について、今、作成中だということでございましたが、この作成の経緯について確認をさせていただきたいと思います。どのような内容になるのかも含めてお伺いをいたします。 170 ◯瀬戸スポーツ課長=受入れマニュアルの作成の経緯と内容、併せてお答えいたします。  まず、経緯ですが、国におきまして、昨年の秋以降、安全・安心な大会開催に向けて、国、東京都、大会組織委員会から成る「新型コロナウイルス感染症対策調整会議」を六回にわたって開催されております。その会議の中で全国のホストタウンですとかキャンプ受入れ自治体に対してコロナ対策マニュアルの作成を求められると、これが出発点といいますか、こういうことで今に至っております。  そして、その中身ですが、実際、国からマニュアル作成に当たって手引、マニュアルにはこういうことを書いてくださいというような手引が示されておりまして、その中では各キャンプ地の状況に応じて移動、宿泊、食事、練習、検査、感染疑い時等、各場面場面における具体的なコロナ対策を受け入れ側で落とし込んでいく、そういう流れになっております。  この手引で、例えば、選手が国内線の航空機で移動して来るという場合には、選手団の前後二列、そして周囲一メートルは選手の周りに空席を確保したりですとか、宿泊は原則個室利用、食事も専用会場でというふうに基本的な対策が例示されております。そして、受入れ側の県では、その示されたマニュアルの例示を踏まえて実際に利用する個別の施設の状況を見ながら、どういう動線にするかとか、あるいは席をどう確保するか、こういうことを詳細に詰めていくと、こういうことでございます。  以上でございます。 171 ◯木村委員=今、作成の経緯と内容についてまとめて御答弁をいただきました。私自身も、国の指針、また、先月、組織委員会で作成されたプレイブックというんでしょうか、安全・安心な大会にするためのルールブックの初版というものだそうですが、眺めますと大変多岐にわたる留意事項が記載してございました。  先ほども御答弁が少しありましたが、実際、選手の入国後二週間において、ホストタウン等への滞在期間中は、自治体に一定の受入れ責任が生じるとか、これは選手等の行動管理という意味になるそうなんですけれども、そういう記載もございました。このため、自治体としては、先方に対して意向確認の中で、向こうにのんでいただくというふうになると思うんですが、来日前、入国時、大会中、また出国時に守ってもらうべきことがありますよということの合意を交わした上で受け入れると、大変な労力が佐賀県にも、また、受入れ自治体にもかかってくるのではないかなという懸念を持っております。  そこで、今、作成中のマニュアルの中でも様々お示しいただく予定だと思いますが、特にどのようなことに重きを置いて検討されるのかお伺いをいたします。 172 ◯瀬戸スポーツ課長=マニュアル作成の留意点ということでお答えさせていただきます。  国から示されたマニュアルのひな形を参考にしながらマニュアルを詰めていくわけでございますが、やはり県の実態に合わせて、いかに実効性を高めるか、この着眼点が大事だと考えております。  先ほどの動線の話ですと、マニュアルのひな形では、選手と一般の方の動線を分ける必要があると書いてございますが、当然、施設によって部屋も違えば、間取りも違うし、構造が違いますので、そういった様々な状況をどういうふうに実際に線引きするのかとか、そういう個別事情を踏まえていくことが非常に大事になると、そういう考えで進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 173 ◯木村委員=場面に応じた対応が必要ということで、様々なことが検討されていくのではないかと思います。  もう聖火リレーも始まってまいりますし、事前キャンプでございますので、事前に来るわけでございます。そうした中で、この受入れマニュアルの作成も急がれるところかもしれませんが、落ち度がないようにしっかりとしたものを作成されるのだろうと思います。実際の作成のスケジュールについてどのような御予定なのかお伺いをいたします。 174 ◯瀬戸スポーツ課長=マニュアルの作成スケジュールについてお答えいたします。  先ほどからお答えしておりますように、オリパラの連絡会議で関係者と意見を交換しながら、あるいは感染症の専門家にもアドバイスをいただきながら対策を進めているところですが、今後、多くの関係者の意見を踏まえ、四月の上旬から中旬にかけまして、そのいただいた意見を基に、事務局において一旦案として取りまとめ、四月末までには再度、連絡会議を開催しまして、正式にマニュアルを決定する予定としております。  その後、これは日本語版でございますので、これを各国に示すためには翻訳作業、英文に翻訳しまして、五月から六月には海外の相手国にその内容をお示しして、お互いに、こういう内容だがどうだと、わかったと、そういう合意を交わして了解いただいた上で各国から佐賀へ選手団がやって来る、こういう運びになっております。  以上でございます。 175 ◯木村委員=そもそも、オリンピック・パラリンピックの開催自体が予断を許さない状況になっている中で、私の地元でもセルビアチーム、スリーオンスリーで、当然、練習相手は唐津レオブラックスになるんだろうなというふうに期待もしているんですが、国の方針だと、地元チームとの接触を避ける方向だ、そういった話を聞いて、選手自身も、また関係者も少し落胆しているところもあるんですが、そうした状況の中で、事前キャンプの受入れについて佐賀県としてどのように取り組んでいくのかお尋ねをして質問を終わります。 176 ◯瀬戸スポーツ課長=キャンプ受入れ本番に向けた今後の取組ということでお答えさせていただきます。  キャンプの受入れに際しましては、新型コロナウイルス感染症に万全を期すというのが基本でございます。佐賀にやって来る海外選手団にとって、佐賀での事前キャンプが安全・安心で快適なものになるように着実に準備を進めてまいります。  これから受入れ本番に向けまして、各国との最終的な調整をはじめ、ボランティアの研修会開催による受入れ体制の充実ですとか、コロナ禍においてどういった交流をやるのか、そういう具体的な内容を検討しながら着実に進めてまいります。  先ほど、唐津レオブラックスの話も出ましたが、どうしてもオリパラの交流はコロナ禍では限られるということはやむを得ない部分がございますが、ただし、今回の事前キャンプの受入れ、当初予定したものでなかったとしましても、オリンピックが終わった後も関係国との良好な関係を継続しながら、佐賀の未来の発展につなげていきたい、このように考えて進めていきたいと思っております。  以上でございます。 177 ◯井上常憲委員=自民党二人目の井上です。三項目について御質問いたします。皆さん、お疲れでしょうけど、あとしばらくの御辛抱、よろしくお願いします。  まず、唐津・玄海地区の沿岸の漂着ごみの対策についてお伺いいたします。  唐津・玄海地区の海岸は、約二百キロと言われております。東は浜崎海岸、それから東の浜、西の浜、大島を通って県が整備している佐志浜、その先に行くと相賀の海岸があります。それから湊地区は立神、今、サーフィンでにぎわっております。屋形石海岸、それから私が非常に好きな大友海岸、小友海岸、呼子を過ぎると名護屋、波戸岬、原発がある値賀崎海岸、それから肥前、伊万里湾に入っていろは島というふうに、ほぼ二百キロの海岸を佐賀県は有しておりまして、そのほとんどが国定公園になっております。非常に景勝地でありまして、毎年、多くの観光客が訪れております。  しかし、多くの漂流ごみが漂着していまして、ボランティアなどによる清掃活動が行われております。私としては、そのような活動に大変感謝しているところです。  近年、海岸には、大雨時に流出した流木とかヨシなどの自然物をはじめ、ペットボトル、発泡スチロールといった生活ごみや漁具などの漁業関連ごみ、それから、冬場は特に北風のせいで外国語表示のプラスチックなど、多種多様なごみが漂着しております。これら漂着ごみが海水浴場の利用者等にも影響があるのではないかと心配しております。  県は、この美しい唐津の海をアクティビティ推進事業で、もっと遊びや景観を全国にPRしていくんだということで事業を組んでおられます。こうした取組に私としても大きな期待をしているところです。海岸の管理については、国のあれもありまして関係課が複数あるというふうに聞いております。  このような中、河川砂防課では、今年度初め、海岸漂着ごみの量や種類をモニタリング調査されているというふうに聞いております。その調査結果を中心に、海岸漂着ごみの現状と対策について、まず伺います。  海岸漂着ごみの対策は、回収することはもちろん、どこから、どのようなごみが漂着しているのか調査することも必要です。  そこで、今回実施された海岸漂着ごみのモニタリング調査、佐賀県海岸漂着ごみ調査業務委託があっておりますが、それはどのようなものか、次の点についてお伺いいたします。  まず、事業の概要についてですが、調査の概要はどのようになっているのかについてお伺いいたします。 178 ◯宇曽谷河川砂防課長=モニタリング調査の概要についてお答えをいたします。  このモニタリング調査は、環境省による全国実態調査の一環として同省が作成したガイドラインに基づきまして、各都道府県において実施いたしております。  全国実態調査は、各都道府県の海岸において長期的に継続して漂着ごみの組成、これは種類でございますが、それと存在量、ごみの量でございます、これを把握し、漂着するごみの経年変化を把握することが目的とされております。  本県でのモニタリング調査は、環境省のガイドラインに沿って調査地点、時期を決定し、実施いたしております。  ガイドラインによると、調査の時期及び回数は、漂着ごみが多い時期に年一回、実施することとなっております。  調査地点は、海岸の長さが百メートル以上であること。付近に大きな河川の河口がなく、洪水による災害ごみが漂着する影響が少ないこと。それと、中長期的に調査可能な地点であること。また、調査を安全に実施できることとなっております。  このような諸条件を踏まえまして複数の調査地点を選定し、最終的には唐津市の幸多里海岸、これは呼子方面に向かって唐津市の唐房地区を少し越えた海水浴場をされている海岸でございます。その幸多里海岸で漂着ごみが比較的多いと思われる一月に実施いたしております。  以上でございます。 179 ◯井上常憲委員=では、その調査結果はどのようになっているのかについてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 180 ◯宇曽谷河川砂防課長=調査結果について御答弁をいたします。  モニタリング調査の範囲と対象についてでございますが、モニタリング調査は、幸多里海岸内の一部の海岸線五十メートルの範囲内で行っております。調査対象となるごみの大きさは、長さ二・五センチメートル以上のごみを回収ということになっております。  その調査結果についてですが、約一・九立米のごみを回収いたしております。そのごみの内訳は、木の枝やヨシ等の自然物が約一・二立米、プラスチック等の人工物は約〇・七立米でございました。プラスチック、ビニールひも、発泡スチロール等の人工物を個数ベースで御説明しますと、数字が若干細かくなりますが、総数で三百九個ございました。そのうち製造国が確認できるものとして、ペットボトル、ペットボトルのキャップ及び漁業用の浮き、これについて百一個、回収いたしております。この百一個のうち製造国が不明なものが六十個ございまして、それを除きますと、国内のものが二十九個、中国または台湾、あるいは韓国のものと思われるものが十二個ございました。唐津・玄海海岸は、外海に面しておりますことから、遠くの外国由来の漂着ごみがあることが感じられております。  以上でございます。 181 ◯井上常憲委員=今回の調査結果を今後どのように活用していかれるつもりなのかお伺いいたします。 182 ◯宇曽谷河川砂防課長=調査結果の活用について御答弁をいたします。  今回の結果について、これは環境省に報告し、環境省では、漂着ごみに関する、より具体的かつ効果的な対策の検討等に活用されることとなっております。  また、全国の集計結果につきましては、各都道府県にも情報提供されると聞いておりまして、県といたしましては、国から提供された情報については、県内の市町とも共有してまいりたいと考えております。  今後、全国で継続して調査が実施され、環境省から漂着ごみに関する新たな施策が示された場合は、県と市町で連携して対応していくことといたしております。  以上でございます。 183 ◯井上常憲委員=次に、環境省の補助事業を活用した漂着ごみの回収についてお伺いします。  先ほども申し上げたとおり、漂着ごみについては、市民ボランティアによる清掃活動も行われているものの、行政の支援も必要ではないかと考えております。  県と市町では、環境省の補助事業、海岸漂着物等地域対策推進事業を活用した漂着ごみの回収に取り組んでいると聞いておりますが、まず、その事業の概要はどのようになっているのかについてお伺いいたします。 184 ◯宇曽谷河川砂防課長=環境省のごみ処理に対する補助事業についての概要を御答弁いたします。  事業の目的といたしまして、近年、海洋ごみが、海岸機能の低下や、環境、景観の悪化、それと船舶の航行の妨げになるとの課題がございますことから、海洋ごみの削減と海洋環境保全を図るため、都道府県や市町村が実施する海洋ごみ対策を支援する目的で環境省の補助事業が実施されております。  この環境省の補助事業は、主に小規模かつ日常的に発生する漂着ごみの回収・処理に活用いたしておりまして、県内の海岸における漂着ごみの回収を行う際に、県の河川砂防課、農山漁村課、港湾課、水産課、またそのほか市町が活用しているところでございます。(委員長、副委員長と交代)  その事業の補助率でございますが、事業の補助率は通常七〇%でございますが、過疎地域自立促進特別措置法、それと半島振興法、離島振興法等に関する地域につきましては、補助率が八〇%から九〇%にかさ上げがなされております。  ちなみに、唐津・玄海地区におきましては、場所によって補助率が異なっておりまして、例えば、離島であれば九〇%の補助率が適用されております。  事業費につきまして言いますと、県分と市町分とを合わせ、県全体の事業費は、今年度は約八千三百万円となっております。そのうち県が実施する漂着ごみ回収の事業費は約五千七百万円となっております。市町が実施する事業費は二千六百万円となっております。  以上でございます。 185 ◯井上常憲委員=漂着ごみの回収実績については、どれぐらいになっているのかについてお伺いします。 186 ◯宇曽谷河川砂防課長=漂着ごみの回収実績についてお答えいたします。  環境省の補助事業を活用した実績といたしまして、唐津・玄海地区において県が回収した漂着ごみは、令和元年度の実績で申しますと、約百三十六立米となっております。また、唐津市では約十八立米を回収いたしております。  以上でございます。 187 ◯井上常憲委員=それでは、今後の取組についてお伺いいたします。  私としては、県と市町が一体となって漂着ごみの対策に取り組んでほしいと思っておりますが、今後、どのように取り組んでいくつもりかお伺いいたします。 188 ◯宇曽谷河川砂防課長=今後の取組についてお答えいたします。  大雨や台風、それと冬季の強い風や波等によりまして、海岸に漂着したごみについては、(副委員長、委員長と交代)発生後、速やかに対応することが必要であります。このため、予算の確保はもとより、市町やボランティア団体などと連携を図り、漂着ごみの回収に取り組む所存でございます。  なお、県では、庁内各課のほか、国、市町、漁業協同組合をメンバーといたしまして、平成二十二年に佐賀県海岸漂着物対策推進協議会を設立いたしておりまして、海岸域のごみ対策に関わる諸課題の対応や円滑な処理を図ることなどを目的にして活動いたしております。その関係者と情報を共有し、また、連携を図りながら、漂着物対策を推進してまいります。  このような取組によりまして、海岸漂着ごみを円滑に処理し、海岸堤防などの施設の機能の保全に努め、併せて良好な海岸環境の維持に、ボランティア団体、また市町と一体となってしっかりと努めてまいりたいと思っております。
     以上でございます。 189 ◯井上常憲委員=ありがとうございました。  次に、「はじまりの名護屋城。」推進事業についてお伺いいたします。  佐賀県は、弥生時代を代表する吉野ヶ里遺跡、それから天智天皇まで遡った時代に造られた基肄城跡、それに桃山時代に豊臣秀吉が築城した名護屋城など、日本史を代表する数多くの歴史資産に恵まれております。  このたび県では、名護屋城跡と隣接する県立名護屋城博物館を起点に、周辺の陣屋跡へと周遊を促す「はじまりの名護屋城。」推進事業に取り組んでいくとされております。唐津市北部に位置する名護屋城址は、豊臣秀吉が文禄・慶長の役に際して、その出兵の軍事拠点として築いた全国でも有数の規模を誇る史跡であります。一九五二年に築城された際には、秀吉の命を受けた黒田長政、加藤清正、小西行長、そして初代唐津城主になる寺沢広高ら、九州の大名が普請奉行を務め、城の完成後は全国の戦国武将が城の周辺に陣を構えまして、その数は現在判明しているだけでも百五十カ所に上っております。  当時の名護屋城は、日本の首都が移ったと言われるほどの規模を誇っておりまして、わずか七年間の短い期間ではありましたが、実に、二十万人が暮らしていた大都市であったというふうに聞いております。その名護屋城址のある唐津市北部は、今、福岡県の人口が五百万人を超えておりますが、福岡県からもアクセスが非常によく、人気の観光地であります。  本事業を通じて全国の歴史好き、城好きの方はもちろん、今以上にたくさんの家族連れや女性グループが訪れて、近隣の呼子町をはじめとする県北部の観光振興にもつながってほしいと考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  まず、本事業の目的についてお伺いいたします。  「はじまりの名護屋城。」推進事業は、単発のイベントで終わることなく、これがツーリズムにつながることが非常に大切であると考えております。この事業の目的は何か、名護屋城の陣跡がツーリズムにつながっていくには大きな工夫が必要だと思っております。そうしたことで、まず事業目的についてお伺いいたします。 190 ◯橋口文化課長=井上委員の御質問にお答えいたします。  まず、「はじまりの名護屋城。」推進事業の目的についてのお尋ねでございました。  この事業は、特別史跡でございます名護屋城跡並びに陣跡及び名護屋城博物館を文化観光の拠点として磨き上げることにより、唐津エリアにおける地域振興の好循環を創出することを目的としております。  私どもとしましては、日本中の戦国大名が一堂に会した名護屋城のすごさ、魅力、すばらしさ、先ほど委員からもおっしゃっていただきました歴史的な価値でございますが、まだまだ十分に全国に知られていないと考えておりまして、県にとっても大切な文化資産であると認識しております。  この文化資産を十分な歴史考証を踏まえた上で、文化観光につなげる視点から磨き上げ、併せて周辺の観光資源や、これは先ほど委員からも御案内のとおり、自然を楽しむといったことも含めまして、飲食、宿泊の魅力をアピールすることで、国内外からさらに観光客を呼び込み、にぎわいを創出し、地域を活性化させることを目指しております。委員がおっしゃるように、ツーリズムにつなげることを強く意識して本事業を進めてまいる所存でございます。  これまでも名護屋城のかいわいに関しては、地元の方々が様々に活動をなさっておられることは十分承知しておりますので、本事業の推進をもって、改めて名護屋城址並びに陣跡を地域の宝として、より広く認識していただき、後世に大切に引き継いでもらうといった機運を醸成しながら協働してまいりたいと考えております。  以上でございます。 191 ◯井上常憲委員=令和三年度の事業についてお伺いいたします。  本事業では、陣跡の再整備のハード面の事業と、それから大茶会の開催、黄金の茶室の再現などのソフト面の事業の大きく三点の事業を実施する予定というふうに聞いております。まず、それぞれの内容についてお伺いいたします。  まず、木下延俊陣跡の再整備についてお伺いします。  陣跡の再整備の内容はどのようなものかについて御説明ください。 192 ◯橋口文化課長=木下延俊陣跡の再整備についてお答え申し上げます。  この木下延俊という人物は、豊臣秀吉の正室であります「おね」のおいに当たりまして、その陣跡は名護屋城博物館の裏手といいますか、隣接しております。遺構からは雪隠(せっちん)──トイレですが、雪隠(せっちん)や庭の跡が確認されております。しかも、保存の状態がよいということもありましたので、平成四年に特別史跡に追加指定されておるところでございます。  名護屋城博物館では、この遺構を屋外常設展示施設と位置づけており、その環境整備を平成六年から実施しておりました。平成九年から一般公開をしていたところです。しかしながら、見学路の老朽化などの理由をもって令和元年から公開を中止しているところでございます。  そこで、予算案として提案している本事業においては、この遺構の老朽化した見学路の再整備を行うこととしております。加えて、現在は露出展示をしております雪隠(せっちん)等の遺構は埋め戻して、その上にレプリカを設置するなど、文化財の保存と活用の両立も図りながら取り組むこととしております。  展示内容の充実を図り、来館者に対して陣跡への興味を深めてもらうことで、令和四年度以降に計画しております周辺の陣跡整備とつながり、これら陣跡を巡る観光ルートを形成していきたいと考えているところでございます。  以上、御答弁申し上げます。 193 ◯井上常憲委員=次に、大茶会についてお伺いいたします。  大茶会は非常に盛大に開いてほしいというふうに思っておりますが、どのような内容を考えているのかについて御説明をお願いします。 194 ◯橋口文化課長=大茶会の内容について御答弁申し上げます。  この大茶会ですが、当時の武将、名護屋城に集った武将たちが茶の湯をたしなんだという事実もございまして、これらをはじめとした生活文化を再現し、名護屋城に関する史実にこだわって参加者が文化と歴史を体験できるイベントとして開催することを考えているところでございます。  当時、博多に神屋宗湛という豪商がおりまして、「宗湛日記」という茶会の記録をつけているのでかなり有名な人です。この人の記録によると、天正二十年、一五九二年ですが、豊臣秀吉が名護屋城の麓にある山里丸に竹を用いた草庵茶室を造り、四日間にわたって戦国大名を多数招いた茶会を開いていると、こういった記録がございます。同じく「宗湛日記」には、徳川家康であるとか前田利家など、主立った大名もそれぞれの陣屋で茶会をやったといった記録も残っております。  このような史実に基づきまして、名護屋城ならではの立地を生かし、茶道や能などの伝統文化のすばらしさを紹介しながら、この「宗湛日記」にあるような戦国大名の大茶会を再現して、多くの方々に名護屋城の歴史の奥深さや本物のすばらしさ、すごさを感じてもらえるようにしたいと考えているところでございます。  以上、御答弁申し上げます。 195 ◯井上常憲委員=次に、黄金の茶室についてお伺いします。  黄金の茶室の経費はどの程度かかるのでしょうか。それから、設置や運営はどのように進めていくのかについて御説明をお願いいたします。 196 ◯橋口文化課長=黄金の茶室についてお答えを申し上げます。  まず、この事業内容を簡単に御説明いたしますと、豊臣秀吉が当時造ったとされる黄金の茶室を復元制作し、実際にそれを使った体験プログラムを提供しようとするものであります。  同じく「宗湛日記」によりますと、この黄金の茶室は、広さが大体三畳ほどございまして、柱や壁は全て金で包まれ、畳は赤い毛織物でできており、道具もほとんどが金で作られるなど、豪華けんらんな仕立てになっていたというふうな記載がございます。  また、当時、ポルトガルから来た宣教師のルイス・フロイスが「日本史」という文献を作っているんですけれども、そこの中でも黄金の茶室は組立式だったと記載されているところであります。大阪から名護屋城に運ばれた黄金の茶室は、戦国大名が一堂に会した茶会や外交使節の応接など、特に重要な場面で用いられていたと言われております。  過去二回の名護屋城博物館主催の特別展におきまして、このときは京都市が所蔵する黄金の茶室の復元品を展示しております。いずれも好評を博しておりました。今回の復元に当たりましては、京都市にある所蔵品を含めて黄金の茶室を復元した実績を持つ設計事務所にお願いし、監修の下で設計を進めていくこととしております。制作費は、約五千五百万円を見積もっているところであります。  史実に基づいた再現行事や歴史体験プログラムの開発を支援する文化庁の補助事業がございますので、これを活用することとしております。制作費の約六割が国から補助されるよう、現在、申請に向けて準備を進めているところであります。  また、復元後は、この黄金の茶室を名護屋城博物館の中に設置することとしておりますが、他県の例のように、単に展示するだけにとどめずに、名護屋城跡や陣跡の観光の重要な要素として実際に茶室の中で呈茶を楽しむ体験プログラムを、例えば週末に提供したりとか、別のイベント会場に持ち込んで活用するなどということを検討しているところでございます。  以上、御答弁申し上げます。 197 ◯井上常憲委員=ありがとうございました。  次に、岸岳城跡についてお伺いいたします。  私の住む唐津市には、名護屋城跡以外にも岸岳城跡や獅子城跡など、あまり知られてはおりませんが、貴重な史跡が数多く残っております。これらは全て、県の大切な宝というふうに考えております。中でも岸岳城跡は、戦国時代に東松浦地方や壱岐を治めた松浦党の盟主で、龍造寺氏と並ぶ肥前の戦国大名として知られる波多氏の居城跡であります。  岸岳城が築かれたのは十二世紀とされております。源平合戦の壇ノ浦の戦いで松浦党が出てくるわけですけど、その後、文永・弘安の役ですか、蒙古が鷹島に来るわけです。一二七四年ですかね、そのときも室町幕府の前線で戦って、本当に熾烈な戦いで、蒙古来襲と戦うわけですけど、その後、航海技術を生かして、中国、それから朝鮮半島まで松浦党として活躍したというふうになっております。  その後、十六世紀に波多氏が整備して本格的な城郭となり、天正二十年、一五九二年に始まる文禄の役で、その当時の当主である波多三河守親は名護屋に陣跡を設けて、鍋島直茂とともに朝鮮半島に渡って、その後、秀吉に改易されるわけですけど、それに伴い岸岳城は秀吉の部下である寺沢広高の城となって、城全体に石垣を巡らせた山城として整備されました。江戸時代前期には城は使われなくなったとのことです。  このように、岸岳城は東松浦地域の中世から近世にかけての歴史を語る上でとても重要な遺跡であります。しかしながら、現在、城跡は樹木に覆われ、国有林になっているということですけど、石垣をはじめとして古城の面影を残すのみであります。  この覆っている雑木を伐採するだけで、これは国道二〇三号の佐賀─唐津、それから二〇二号の伊万里─唐津の両方の国道のすぐそばにありまして、いつも身近に見ることができます。四百年の間、平戸、松浦、唐津地域を治めた、歴史を知ることができますし、姫落としとか落武者伝説など、ストーリー性も非常に備えております。本来の岸岳城の姿は山頂からのロケーションも非常にすばらしくて、天空の城として知られております兵庫県の竹田城にも負けない、磨けば光る観光資源にもなり得るものだというふうに考えております。  しかし、県外はもとより、県内においても、価値ある文化財としての認識度が非常に低くて、城跡への来訪者も極めて少ない状況にあることから非常に残念に思っております。  岸岳城に限らず、中世から近世にかけての山城は必ずしも認知度が高くないというふうに感じておりますが、もっと認知度を向上させたいと考えております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  岸岳城跡の文化財的価値について、どう認識しているのかについてお伺いいたします。 198 ◯白木原文化財保護室長=岸岳城跡の文化財的価値についてお答え申し上げます。  岸岳城跡は、唐津市北波多と相知町の境にそびえる岸岳山頂に位置する県内最大規模の中世から近世にかけての山城跡でございます。  城跡には石垣のほか、建物を建てたり、兵が駐屯したりする平たん部である曲輪、それから、山腹の斜面に築き敵兵の動きを抑制する竪堀、山腹に堀を縦に切ることによって敵兵が上ってくるのを防ぐ、そういった施設です。  そういったものが極めて良好に残っており、県内における中世から近世にかけての城郭の変遷、石垣造りの技術などを知る上で大変重要であり、さらに、委員からも御紹介のあった松浦地方や壱岐を治めた松浦党の盟主で、龍造寺氏と並ぶ肥前の戦国大名である波多氏の居城であった、そういうことから城郭史のみならず、政治史においても欠くことのできない重要なものと評価され、平成八年に県の史跡に指定されております。  岸岳城跡の現状をもう少し詳しく御紹介いたしますと、山頂部は標高約三百メートルでございますが、その山頂部には南北千メートル、東西六百五十メートルというような広い範囲に、本丸、二の丸、三の丸のほか、石垣、土塁、竪堀、井戸跡など多種多様な遺構が良好な状態で残っております。  また、これも委員から御案内がありましたように、岸岳城跡は松浦党の盟主である波多氏の居城だったわけですが、松浦党は平安時代から戦国時代までの長期間にわたり、朝鮮半島や中国大陸と対外貿易を行いながら広く活躍し、壇ノ浦の戦い、それから元寇といった日本の歴史上、重要な事件や出来事にも深く関わっており、九州の西北部のみならず、日本の歴史をひもとく上でも重要な存在であります。  このように、岸岳城跡は、県の史跡として指定の際に評価されたように、城郭史のみならず、政治史においても大変重要であり、県北部の山城跡の中でも、地域の文化、歴史を語る上でなくてはならないものだと考えております。  以上です。 199 ◯井上常憲委員=中世から近世の山城について、岸岳城跡を含む山城の認知度が非常に低いと感じております。  今後、県はどのように進めていかれるかについてお伺いいたします。 200 ◯白木原文化財保護室長=中世から近世の山城の認知度についての考えでございます。  御質問の中世から近世の山城跡については、多くは人里を離れた山奥や、行き来することが大変な山頂にあったりすることから、例えば、市街地やその周辺などに立地する弥生時代の集落跡とか古墳などと比べると認知されにくいという側面はございます。しかし、そういった立地環境があるにせよ、さきに申し上げたとおり、これらの山城跡については、城郭史や石垣造りの技術を知る上で重要であり、岸岳城跡についても、その価値は揺るぎないものと考えております。  文化財の認知度を高め、皆さんに親しみを持ってもらうということは、とても大切であって、そのためには、最近の例で言いますと、上峰町が町内の鎮西山にゆかりのある、平安時代の武将の鎮西八郎為朝を主人公としたアニメを制作してSNSで動画配信したところ、再生回数が二百数十万回にもなったというようなことで話題を集めた事例がございます。こうした面白いと思ってもらえるようなアプローチも情報発信の方法の一つだと考えます。  また、情報発信とともに、文化財は活用することもとても重要であります。岸岳城跡について見ると、近隣の獅子城跡も含め、同じ岸岳山麓に展開する古唐津の窯跡群をはじめとした様々な文化財や、自然、歴史、文化などと一体的に活用していくこともあり得るのではないかと考えております。  さきに述べましたように、岸岳城跡は、残存する多種多様な遺構に高い評価があることに加え、城主である波多氏が率いた松浦党の歴史とも密接に関わっていることに大きな意味がございます。松浦党については、様々な研究が行われておりますけれども、まだまだ分かっていないことも多いと考えております。  今後、岸岳城跡だけでなく、視野を広げ、松浦党の研究も行って深めていき、地域史の解明を進めていきたいと、このように考えます。  以上でございます。 201 ◯大場委員長=これで質疑を終了いたします。  暫時休憩します。     午後三時一分 休憩     午後三時三分 開議 202 ◯大場委員長=委員会を再開いたします。  これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。     ○ 採      決 203 ◯大場委員長=まず、甲第一号議案中本委員会関係分、甲第八号議案中本委員会関係分、甲第十四号議案、甲第二十号議案中本委員会関係分、甲第二十七号議案中本委員会関係分、甲第三十三号議案、乙第二十八号議案及び乙第三十一号議案から乙第三十七号議案まで七件、以上十四件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 204 ◯大場委員長=全員起立と認めます。よって、以上十四件の議案は原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 205 ◯大場委員長=最後に、十一月定例会から引き続き審議中の 一、地域交流行政について 一、文化・スポーツ交流行政について 一、県土整備行政について 一、災害対策について  以上四件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 206 ◯大場委員長=御異議なしと認めます。よって、以上四件についての継続審査を副議長に申し出ることにいたします。  以上で本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  これをもちまして地域交流県土整備常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。     午後三時五分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...